DRAGON BALL Z Re:Son Gohan 作:ナムルパス
――ピッコロとの共闘が始まろうとしていた。
息子・悟飯を攫われた怒りと焦りの中、悟空はラディッツという謎の男の言葉を反芻していた。
「オレはお前の兄……ラディッツだ」
その言葉が信じられず、だが確かに、同じサイヤ人の血を感じた。ラディッツの放つ気、身体能力、そして戦闘の手際は、常軌を逸している。
「……本当にオラの兄なのか、あいつが……」
その場にいたブルマが、疑問を口にする。
「孫くん、あいつが兄ってどういうことなのよ?今までそんな話聞いたことなかったわ」
クリリンも戸惑いを隠せずに言う。
「そうだよ悟空、サイヤ人ってなんなんだ?お前、そんな種族だったのか?」
悟空は混乱する頭を抱えながらも、素直に答えた。
「わかんねぇ……オラも初めて聞いたんだ。カカロットとか呼ばれたけど……心当たりなんか、全然ねぇよ」
「カカロット……?」
ブルマが呟く。誰も聞いたことのない名前だった。
そのとき、亀仙人が静かに口を開いた。
「……悟空よ、あやつは本当にただ者じゃない。お主の気に似ておるが、あまりに禍々しい。どうやって戦うつもりじゃ?」
その問いに、悟空は拳を握りしめた。
「……オラひとりじゃムリだ。けど、ピッコロと一緒なら――!」
背後で腕を組んでいたピッコロが、にやりと口元を歪める。
「感謝される筋合いはない。オレは貴様と組むのが不愉快で仕方ないが……ラディッツという男は、明らかに常軌を逸している。世界征服の前に、邪魔者は消すまでだ」
「わかってるよ、ピッコロ。でも、今はおめぇの力が必要なんだ」
二人の戦士は、静かにうなずきあう。
――そして、翌日。
朝焼けの中、荒野に佇む悟空とピッコロ。
「いいか、孫悟空。これがオレの新技だ。よく見ておけ」
ピッコロが構えをとり、両腕を前に突き出す。
「魔貫光殺砲!」
一条の光が山を貫いた。削られた岩肌が煙を上げ、数秒後に大きく崩れ落ちた。
「すげぇな……!」
「だが、この技は時間がかかる。貴様が時間を稼げ。オレが撃つ間、死ぬなよ」
「任せとけ」
その瞬間、空中から高速で降りてくる影があった。
「待たせたな、カカロット……いや、弟よ」
地面を砕いて降り立ったラディッツは、左腕に気絶したままの悟飯を抱えていた。
「悟飯っ!」
「父さん……!」
ラディッツの足元で、悟飯が目を覚ました。瞳には涙と怯えが浮かぶが、父を見て必死に叫んだ。
「気を失ってる間に妙なことを教え込んではいないだろうな?」
「てめぇ……悟飯を、よくも!」
悟空の気が爆発したように高まり、ピッコロも構える。
「ふん、二人がかりで来るか。面白い。サイヤ人の名にかけて、貴様らの血を大地に撒いてやる!」
激戦が始まった。
悟空とピッコロが同時に突っ込み、ラディッツは片手で悟飯を守りつつ、残りの片手だけで二人の攻撃を捌く。
「ぬるいぞッ!!」
ピッコロの蹴りを受け止め、悟空の拳を肩で受けてから、肘で反撃するラディッツ。二人がかりでもラディッツの力は圧倒的だった。
「ぐっ……!」
悟空の腹部に蹴りが決まり、吹き飛ぶ。
「くっ……あいつ、なんて力だ」
ピッコロが汗を流しながら叫ぶ。
だが、悟空は立ち上がった。
「……でも、あいつには弱点がある。オラも昔、そうだった。……尻尾だ!」
悟空が空中で飛び上がる。ラディッツが反応するより早く、背後から回り込み――
「今だッ!!」
悟空がラディッツの尻尾を掴んだ。
「なっ……しまっ――がああああっ!!」
ラディッツの動きが完全に止まる。体の力が抜け、膝をつく。
「やった……これで!」
ピッコロが魔貫光殺砲のチャージを始める。だが――
「甘いぞ……弟ぉぉぉぉっ!!!」
一瞬の隙に、ラディッツは尻尾を自ら引き剥がし、無理やり引き抜いた。
「う、うそだろ……!?」
「くっ……ッ!」
ラディッツの膝が悟空の腹に突き刺さる。悟空の目が見開かれ、空中に吹き飛ばされた。
「ぐっ……がはっ……!」
「貴様ら、今ので決めるつもりだったのか?浅い、実に浅い!!」
ピッコロの目が光を帯びる。
「ならば、こちらも本気だ!!」
魔貫光殺砲――発射ッ!!
だが、ラディッツが回避する。
光線がかすめるだけで、ラディッツの左腕が吹き飛んだ。
「ぐああああああっ!!」
ラディッツが怒りの咆哮を上げ、悟飯を盾にして距離を取る。
「てめぇらァ……ゆるさん……!このガキ、まずはこいつから消してやるッ!!」
――その時だった。
「やめろぉぉぉぉぉぉっ!!!!」
悟飯の気が一気に跳ね上がり、ラディッツの手から光弾が放たれる前に、腹に強烈な頭突きを決める!
「ぐほぉっ!!?」
「悟飯!?」
「お、お前……また戦闘力が……ッ!」
悟空が飛び出し、ラディッツの背後から組みつく。
「ピッコロ!今度こそ、アイツを仕留めてくれ!!」
ピッコロが再び構える。
「任せたぞ、孫悟空!!」
魔貫光殺砲――再チャージ!!
激化する戦いの結末は、次回へ――!