DRAGON BALL Z Re:Son Gohan   作:ナムルパス

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第5話「それぞれの一年 ―修行の果てに見える未来―」

「ピッコロさん、オレ絶対に強くなります。絶対に負けません。地球を守ります」

 

「その意気だ悟飯」

 

この日から、二人の修行はさらに厳しさを増していく。

 

だが、そこにあったのは確かな絆だった。

 

元・大魔王と、未来から来た小さな武道家。

 

“良き師弟”として、地球最強の戦士になるための道を歩み始めていた。

 

――そして、時は流れる。

 

◇ ◇ ◇

 

あれから二か月。

悟飯は地平線の彼方に沈む太陽を見下ろしながら、深く呼吸した。

 

「はぁぁぁ……っ!」

 

地面が爆ぜ、拳が唸る。荒野の一角で、少年は一人、型を繰り返していた。

 

その拳には力がこもり、その足には確かな踏み込みがあった。

 

風が舞い、岩が砕け、気が震える。

 

「……すごいな。たった数ヶ月でここまでとは」

 

ピッコロが腕を組みながら遠巻きにそれを見ていた。

 

悟飯は汗を拭いながらこちらに振り返り、にっと笑った。

 

「どうでした? 今の」

 

「動きに無駄がなくなってきた。筋力も気の扱いも格段に向上している」

 

ピッコロは、厳しい顔つきのまま言う。

 

「だが――」

 

「まだまだですよね?」

 

悟飯は笑ったまま答えた。

 

「知ってます。ボクの“今”じゃサイヤ人には歯が立たない。でも……」

 

その目が、力強くピッコロを見据える。

 

「ボクはやります。絶対に生き延びて守ります。今度は誰も死なせないために」

 

ピッコロの目がわずかに見開かれる。

“子供”には似つかわしくない決意。だが、彼はこの少年がただの子供でないことを知っている。

 

「……フン。ならば今から地獄を見せてやる。立て悟飯。次は実戦だ」

 

「はいっ!」

 

悟飯は即座に構えを取った。

 

◇ ◇ ◇

 

その日の修行は、今までで最も過酷なものだった。

 

ピッコロの攻撃は手加減など微塵もない。時に空から、時に地中から襲いかかる。

 

それに対し悟飯は、まるで野生の獣のような勘で攻撃を読み、捌き、反撃を狙う。

 

「はあああっ!」

 

悟飯の拳がピッコロの腹部に突き刺さる。だがその瞬間、ピッコロの肘が悟飯の肩を打ち抜いた。

 

「ぐっ……!」

 

吹き飛ばされながらも、空中で体勢を整え気弾を打つ。

 

ピッ!

 

「悪くはないが…遅い!」

 

ピッコロは指先から気弾を撃ち、悟飯の攻撃を相殺。そのまま背後に回り込み、首元に手刀を入れた。

 

「がっ……!」

 

悟飯が地面に叩きつけられる。

 

だが――

 

「まだですっ!」

 

悟飯は即座に立ち上がり、血を拭いながら構え直す。

 

「フン……ずいぶん根性がついたな」

 

「ピッコロさんのおかげです。こんな風にボクを鍛えてくれたのは、あなただけですから」

 

その言葉に、ピッコロはふと目を細めた。

 

(まったく……やりづらいガキだ)

 

彼はそう思いながらも、どこか満たされている自分に気づいていた。

 

◇ ◇ ◇

 

一方その頃、カメハウスでは――

 

「ちぇっ、まったくあいつ……なんでよりによって、あのピッコロなんかに悟飯を預けたんだ……!」

 

カメハウスの浜辺で、クリリンが不満を漏らしていた。

 

 ブルマがタブレットを操作しながら言う。

 

「悟空のことだからさ、自分が死んだ後、悟飯を守ってくれるのはアイツしかいないって判断したんじゃない?」

 

「まぁ……あいつも成長してるしな。地球のために戦ってくれたのは確かだし……けど、心配だよ」

 

「ま、それはわかるけどさ」

 

亀仙人が麦わら帽子を被りながら日陰でうなずいた。

 

「だが、ワシらにできることはない。あとは信じて待つしかあるまい」

 

その言葉に、一同は静かにうなずく。

 

悟空のいない世界で、誰もが自分の戦う意味を探していた。

 

◇ ◇ ◇

 

そして、あっという間に半年が経過した。

 

「……はっ!」

 

気を収束し、一点に放出する――

 

「魔閃光!!」

 

黄色い閃光が直線状に放たれ、遠くの岩山を吹き飛ばす。

 

「ふぅ……やっと安定して撃てるようになった……」

 

荒野の中心で、悟飯が気を整える。

 

「いい威力だ。基礎気弾とは比べものにならん」

 

ピッコロが岩陰から現れ、うなずく。

 

「お前の気の練り方はもはや大人顔負けだ。だが――」

 

「はい、わかってます。まだまだですね」

 

悟飯は苦笑しながらも、自信をにじませていた。

 

(この半年で、ボクの体は確かに強くなった。そして――)

 

「ピッコロさん、次の課題をください」

 

その目には、もはや迷いなど微塵もなかった。

 

◇ ◇ ◇

 

数日後。

 

悟飯はピッコロと共に、急斜面の崖を登っていた。

 

「ここを登りきれば……」

 

「ただの登山じゃない。ここは気の乱流が発生する地形だ。気を乱さず登る訓練にはうってつけだ」

 

ピッコロの言葉に悟飯は無言で頷き、さらに手に力を込めた。

 

上空では強風が吹き荒れ、バランスを取るのも難しい。

 

だが――

 

「よし……!」

 

悟飯は無事に登頂し、ピッコロも続いた。

 

「……よくやった。登り切ったのはお前が初めてだ」

 

「え……? ほんとですか?」

 

「ああ。ナッパやベジータが来たときに備え、どこまでやれるか試していたが……お前ほどの適応力は見たことがない」

 

ピッコロの率直な賛辞に、悟飯は一瞬照れたように笑った。

 

「ありがとうございます。ボク、もっと強くなります」

 

「当然だ。目指すは地球最強。その覚悟、忘れるな」

 

「はいっ!」

 

二人はその場で並び立ち、遥か彼方の空を見上げた。

 

来るべき脅威に備え――

 

◇ ◇ ◇

 

さらに時は過ぎ、修行開始から十一か月。

 

「……いよいよ、か」

 

夜空を見上げながらピッコロがつぶやく。

 

悟飯は小屋の外に立ち、同じように星を見ていた。

 

「……ピッコロさん。もし、ボクがナッパやベジータに通じなかったら……どうしますか?」

 

「そのときは、俺が戦う。それだけだ」

 

「でも、相手は二人……」

 

「だからお前を鍛えた。少しでも長く、奴らを足止めできるようにな。……だが、もう“もしも”はない」

 

ピッコロは悟飯をまっすぐに見た。

 

「お前ならやれる。俺が保証する。――お前は俺の弟子だ」

 

「……はいっ!」

 

悟飯の拳が、静かに握られる。

 

明日から始まる戦いに向けて、二人の覚悟が交差する。

 

◇ ◇ ◇

 

そして、迎える決戦の前夜。

 

「ピッコロさん。オレ、ひとつだけお願いがあります」

 

「……なんだ?」

 

「明日、もしボクが戦えなくなっても……ボクのこと、見捨てないでください」

 

「……バカなことを言うな。お前は俺の弟子だ。俺が見捨てるわけがないだろう」

 

「……ありがとうございます」

 

悟飯の顔に、静かな笑みが浮かぶ。

 

「オレ、ぜったいに負けません。地球のために――未来のために」

 

「その意気だ。行くぞ悟飯。明日がすべての始まりだ」

 

「はいっ!」

 

夜明け前の荒野に、二人の声が響く。

 

そして、物語は――新たな局面へと突入する。

 




孫悟飯の口調がオレやボクが混ざるのは転生の時に、元々の孫悟飯と武道家が混ざった影響だと思ってください
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