DRAGON BALL Z Re:Son Gohan   作:ナムルパス

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第8話 怒れる戦士、孫悟空

黒髪を逆立て、オレンジの道着を纏う――孫悟空。

 

彼の顔には、怒りとも悲しみともつかぬ表情が浮かんでいた。

 

「……ピッコロ……餃子、天津飯、ヤムチャ……」

 

悟空の視線が、荒れ果てた戦場を見回す。

 

そこにあるのは、動かぬ仲間たちの姿――そして、その中心に倒れ伏した緑の巨体。

 

ピッコロの亡骸だった。

 

「……悟飯……」

 

ぼろぼろの胴着に身を包んだ小さな少年が、悟空の方を向いた。

 

瞳には涙が滲んでいるが、怯えの色はない。

 

その表情は、あまりにも静かで、あまりにも強い。

 

「父さん……来てくれたんですね」

 

「……ああ」

 

悟空は、そっと拳を握った。

 

「待たせちまって、悪かったな」

 

その言葉に、悟飯は小さく首を振った。

 

「違うんです。……ボク、待ってたんじゃない。信じてました。絶対に来てくれるって」

 

――ピッコロさんが、ボクを守ってくれたから。

 

悟飯の胸に浮かぶ、最後の師の言葉。

 

その言葉を、ボクは――絶対に、忘れない。

 

「悟飯。ピッコロは……お前を命がけで守ってくれたんだな」

 

「はい……ボク、全部見てました。ピッコロさんは最後まで……ボクのこと、心配してくれて……」

 

その瞳が潤み、拳が震える。

 

「ボク、もっと一緒に修行したかった。もっと、強くなった姿を見てほしかった……!」

 

悟空は、ゆっくりとその肩に手を置いた。

 

「わかってるさ、悟飯。お前は……もう立派な戦士だ」

 

そして、悟空は立ち上がる。

 

「ピッコロさんが命を懸けて守ったお前をオラが――今度は守る番だ」

 

その言葉に、悟飯は黙ってうなずいた。

 

背を向け、ナッパへと向き直る悟空。

 

その気配が、爆発的に膨れ上がる。

 

「……な、なんだ、こいつの気は……!」

 

ナッパの顔に浮かぶ、明らかな動揺。

 

ベジータすらも、わずかに目を見開いていた。

 

「たった一人で、ここまで……馬鹿な……!」

 

「ナッパ」

 

悟空の声が、低く響く。

 

「オラの仲間を……殺したな」

 

「お、俺のせいじゃねえ! こいつらが勝手にやられたんだ!」

 

「……黙れ」

 

その言葉と共に、悟空が消えた。

 

「なっ――!?」

 

一瞬、ナッパの視界から悟空が消える。

 

そして次の瞬間、腹に激痛が走る。

 

「ぐっ……!!」

 

気づいた時には、ナッパの巨体が再び吹き飛ばされていた。

 

地面を転がり、岩を砕き、ようやく止まる。

 

「この野郎……!」

 

怒り狂ったナッパが立ち上がる。

 

「てめぇよくもやりがったな……っ!」

 

しかし、その動きは遅かった。

 

悟空が、ナッパの背後に回り込んでいる。

 

「おめぇを許す事はねぇ」

 

バシュッ!

 

悟空の蹴りが、ナッパの後頭部を直撃。

 

巨体が宙を舞い、砂埃が立ち込める。

 

「だらァァァァァァァ!」

 

「ぐ……あああっ!!」

 

怒りに任せてナッパが拳を振るう。

 

だが、悟空は軽やかにその攻撃を避け、逆に腹へカウンターを叩き込む。

 

「うっ……ぐぅっ!」

 

膝をついたナッパに、悟空が言う。

 

「……もうやめとけ。お前には、勝ち目はない」

 

「黙れぇっ!!」

 

地面を砕いて立ち上がるナッパ。

 

「殺してやる……貴様を、この地球ごと!!」

 

ナッパが全身に気を集中させる。

 

「うおおおおおおおおっ!!!」

 

大地が揺れる。

 

空が震える。

 

サイヤ人の全力が、解き放たれる。

 

だが――

 

「……遅い」

 

悟空の気は、それを上回っていた。

 

「界王様のとこで、ずっと修行してきたんだ……お前の攻撃なんか通じねえよ!」

 

そして――

 

「界王拳!」

 

悟空の体が、紅く燃えるように輝く。

 

その瞬間、悟空の拳がナッパの顔面を貫いた。

 

「――ッ!!!」

 

白目を剥いたナッパの巨体が、空高く吹き飛んだ。

 

地面に激突し、動かなくなる。

 

その戦闘力の差は、もはや明白だった。

 

――静寂。

 

風が砂を巻き上げる中、悟空は一歩前へと歩き出す。

 

「これで……ピッコロたちの仇は、少しは取れたかな……」

 

その視線の先に、ベジータが立っていた。

 

腕を組み、口元を吊り上げている。

 

「……クックック、やるじゃないか、カカロット」

 

「……おめぇがベジータか」

 

「ようやく、面白くなってきた」

 

ベジータの気が、ゆっくりと高まる。

 

その圧倒的な威圧感に、悟空の背筋が自然と引き締まる。

 

「貴様には期待していたが……まさか、ここまでとはな」

 

「……仲間を殺された怒り、だよ」

 

「ほう?」

 

「オレは……ピッコロたちを、死なせたくなかった。でも間に合わなかった。だからせめて――ベジータ、お前は許さない!」

 

――静寂。

 

風が砂を巻き上げる中、悟空は一歩前へと歩き出す。

 

「これで……ピッコロさんたちの仇は、少しは取れたかな……」

 

その視線の先に、ベジータが立っていた。

 

腕を組み、口元を吊り上げている。

 

「……クックック、やるじゃないか、カカロット」

 

「……ベジータ」

 

「ようやく、面白くなってきた」

 

ベジータの気が、ゆっくりと高まる。

 

その圧倒的な威圧感に、悟空の背筋が自然と引き締まる。

 

「貴様には期待していたが……まさか、ここまでとはな」

 

「……仲間を殺された怒り、だよ」

 

「ほう?」

 

「オレは……ピッコロさんたちを、死なせたくなかった。でも、間に合わなかった。だからせめて――ベジータ、お前は倒してやる!」

 

悟空が構える。

 

ベジータも、ゆっくりと拳を握った。

 

「いいだろう。貴様とオレの勝負……どちらが“真のサイヤ人”か、決めてやる!」

 

その瞬間、空気が震えた。

 

ベジータの気が、一気に開放される。

 

悟空も界王拳の気を高め、応じる。

 

今、地球の命運を賭けた最終決戦が始まろうとしていた。

 

 

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