辺境伯令嬢の追放行脚   作:dwwyakata@2024

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ある意味ものすごく情けない最終決戦の開始です。

人間ではなくなったものの運動音痴なままのアイーシャ。魔法も使えなくなり武器はただの石だけ。

それを相手にする転生神は権限の問題でアイーシャに手を出せないでくの坊。

ただ、実際問題……こんなことやってる相手には、これで充分なのかもしれません。






1、ただの石に撃ち抜かれて

わたしは無言で前に出る。

 

罵詈雑言を浴びせてくる転生神だが、もう気にすることもない。

 

だって。

 

こいつが人間を罵る言葉は。

 

そのままこいつに帰るからだ。

 

人間を馬鹿にしている此奴は、少なくとも真面目に仕事をしている間は、それを口にする資格があっただろう。

 

だが、人間で遊び始めた時点で。

 

こいつは賊やらと同じ次元にまで墜ち果てた。

 

今や世界を全て荒し尽くす規模の賊だ。

 

わたしは正義なんかじゃない。

 

ただの感情も心も作り損ねた、こいつがいうところのつまらない人間だ。

 

だが、主観での面白いつまらないが、命の価値を決めるのか。

 

そう思い込んでいた奴らはいた。

 

わたしが散々見てきた奴ら。

 

あの伯爵。その一家。

 

山ほど殺して来た賊達。

 

わたしに無表情だのなんだの言って、気持ち悪いから近寄るなみたいな言動をしていた連中。

 

そして、世界に対する狼藉者達。

 

共通していたのはクズだと言う事だ。

 

そして、この転生神は。

 

クズに嘆いている内に、自身がクズに墜ち果てたことに気付いていない。

 

滅びてもいい。

 

何も残らなくてもいい。

 

或いはそれは、意地なのかも知れないが。

 

ともかく此奴は殺す。

 

周囲で働いている円筒形の何かは、わたしを遮らない。

 

部屋中央にある塔みたいなのに近付いて行く。

 

ゲラゲラ笑っている転生神が、まっすぐ塔みたいなのに歩いて行くわたしに気付いたか、やがて苛立ちの声を上げた。

 

「30億年もったこの装置だ! 何度か隕石の直撃だって受けている! そんな石で壊せると思うか!」

 

「やってみないと分からないですよ。 それに、今のはつまり壊されるとまずいと言っているようなものでしょう」

 

「はっ、不可能だ。 だから教えてやっても痛手なんかになるものか!」

 

それからありとあらゆる暴言を浴びせてくる。

 

わたしの人生を誰よりも詳しく理解しているようで、あらゆる侮蔑を浴びせてくる。

 

わたしにはさっぱり響かない。

 

豊かな感情を持っている奴は、これらの心ない言葉に傷つくのだろうか。

 

わたしはそんなもの持っていない。

 

作り損ねた。

 

だから、別にどうとも思わない。

 

今まで散々浴びてきた陰口なんかと大して変わらない。クズが何を吠えようが、心には一切響かない。

 

塔に辿りつくと、まずは石で殴りつけてみる。

 

何度も殴ってみるが、面白い事に手には痛みが入らない。

 

この石、散々気を付けて扱ったのにな。

 

そう思いながら、何度も何度も殴りつける。傷がすこしずつついていく。

 

だが、転生神が笑っている。

 

「なんたる非力! 雑魚過ぎて草はえるわ」

 

「その雑魚を一切排除できないんですね貴方は」

 

「なんだと」

 

「其方の方が雑魚なんじゃないですか。 結局外宇宙の知的生命体という方々には逆らうことだって出来ないんでしょう」

 

黙り込む転生神。

 

わたしはそのまま、何度も殴る。

 

息が切れることもない。

 

わたしはこれは、どういう状態になっているのだろう。

 

あの戦王は、体力が恐らく無限に近い状態だったのだと思う。

 

あれに近い状況なのだろうか。

 

ともかく、痛くもないしどれだけ殴ってもまったく疲れない。ただひたすら、石で殴り続ける。

 

傷が、すこしずつ大きくなっていく。

 

「なんだよ気持ち悪いんだよお前! もう40時間以上も単純作業を繰り返して、どうして飽きねえんだよ!」

 

「そんな感情ありませんので。 体力が関係無くなれば、なんぼでもやってあげますよ」

 

「きしょくわりいな! 近寄るな阿婆擦れが!」

 

「阿婆擦れですか。 貴方に言われたくはありませんが。 どんどん殴ります」

 

殴る。ひたすら傷を拡げる。

 

円筒形のが来るが、わたしには触れないらしい。だから、側で見ているだけである。それに話しかけてみる。

 

「これを壊したいんですが、手伝ってくれませんか」

 

「残念ながら、自己破壊は禁じられています」

 

「壊す方法は知りませんか」

 

「そのまま破壊行為を続ければいずれは致命的損傷に至ります」

 

そうか、それは良い事を聞いた。

 

水もいらない。

 

腹も減らない。

 

だったら、このまま永遠でもいい。殴り続けてやる。太陽が此奴を殺す前に、わたしが殺してやる。

 

人間は確かにどうしようもない愚物だったのだろう。

 

だけれども、此奴もそれは同じだ。

 

此奴に弄ばれたのは、人間だけでは無い。此奴が作った遊び場にいた生物全てがそうだろう。

 

だったら此奴は断罪されるべきだ。

 

退屈を紛らわせるためなんて理由で、どれだけの命を奪った。

 

最初の人間は。核融合兵器とやらで滅びて、断罪された。それは、所業を見る限り、自業自得だったのだろう。

 

だが、こいつもそれと同じだ。

 

だったら誰かが此奴を断罪しなければならないのだ。

 

石で殴り続ける。

 

次第に転生神が悲鳴を上げはじめる。

 

わたしを罵る言葉も、徐々に感情的になっていく。異常者だの狂っているだの、豊富な下劣な罵倒が混じる。

 

それは明らかに相手を人間とみていない輩が口にする言葉と似ていた。

 

だが、わたしは気にしない。

 

そんな言葉。

 

幾らでも浴びてきたからだ。

 

傷が拡がる。わたしはそれを時に手で拡げ、石で更に叩いて、どんどん壊して行く。転生神の体が、どんどん亀裂が走り。わたしの体が丸ごと入る程になる。

 

破壊の規模が大きくなってきたからだろう。

 

円筒形がたくさん集まって来ているが。

 

直そうとはしない。

 

わたしが。

 

手を出せない相手が破壊しているからだろう。なんだったら、此奴と心中してもいい。それくらいの覚悟で、破壊を続ける。

 

装甲を壊せたからだろう。

 

なんだか管みたいなのがたくさんある。それを片っ端から石でねじ切ったり、手で引っ張ったりして、順番に滅茶苦茶にしていく。

 

止めろ。

 

そうわめき始める転生神。

 

どれだけああだこうだいっても、こっちに手出しは出来ないのだ。遊ぶために邪魔になる石を排除したのが運の尽きだったのだろう。

 

わたしがどうしてこんな体になったのかまでは分からないが。

 

いずれにしても、既に攻守は逆転している。

 

どれだけ罵倒を浴びせられても。

 

精神への攻撃を浴びせられても。

 

わたしには痛くも痒くもないのだ。

 

それに、である。

 

なんだか太い線を引き抜いた時、もの凄い雷が走った。雷の魔法を使う奴を見た事はなんどでもあるから、別に驚かない。

 

わたしの体を直撃したようだが、まったく効いていないようである。魔法なしの今のわたしなんて、非力極まりない筈だが。

 

よく分からないな。

 

そう思いながら、更に線を引き抜く。だんだん転生神の悲鳴が小さくなっていく。

 

「やめろやめろやめろ! あたしを作った外宇宙の方々が黙ってはいないぞ!」

 

「だったら何ですか。 貴方を野放しにしていたような連中なんて知りません」

 

「あらゆる苦痛を受けながら、地獄の業火に灼かれ続ける事になるんだぞ! 相手はあたしみたいなまがい物じゃない! 本物の神々と同じか、それ以上の力の持ち主なんだよ!」

 

「そうですか。 良かったですね」

 

また一つ、大きな管を石で傷つけ、切断した。

 

凄まじい悲鳴が上がった。

 

どんどん壊してやる。

 

円筒形のは既に全てが集まって来ていたが、どうしようもできないらしく、わたしが淡々と壊して行く様子を見守るだけだ。

 

大きな管。

 

今までで一番大きいかも知れない。

 

それに手を掛けると、ついに悲鳴は懇願に代わった。

 

「それは止めろ! それは電力供給とか、そういう次元のものじゃない! 中枢システムからの司令を直に届けるためのものだ! 破壊されたら、あの区画そのものが滅びる事になるぞ!」

 

「そう」

 

「やめろやめてください! あたしが悪かった! だから!」

 

「そうやって命乞いをした相手を、貴方が放った玩具が一体何人殺したんですか。 それを貴方は、ずっと笑いながら見ていた。 だったら、それを聞く理由はないですね」

 

石を振るう。

 

そのなんたらいう太い管を切り裂き、傷つける。管の中に更に管がたくさん入っている。細いものであっても頑丈だが、時間を掛けて、徹底的に石で破壊していく。

 

時間は過ぎていく。どれほど過ぎているかも分からない。

 

わたしは疲れないって便利だなと思いながら、更に破壊し続けて行く。いつのまにか、転生神は泣き出していた。

 

恐怖が明らかに混じっている。

 

やっぱり此奴、人間の悪影響を最大限受けたんだな。

 

此奴を育てたのは、30億年まるで進歩しなかった人間だ。

 

だから、滅びるのは仕方がないんだろうな。

 

いずれにしても、此奴を許したりしたら。残りの時間も人間は玩具にされて遊ばれるだけだ。

 

それだけじゃない。

 

もっと苛烈に虐げられ続けるだろう。

 

何しろわたしみたいな反逆者を出したのだ。

 

既に公平性なんてなくして、感情で動くようになっている管理者なんて、害悪でしかない。

 

わたしも幾つかの国を渡り歩いて来て。

 

窮屈ではあったけれど、それでも法治主義が行き渡っていたスポリファールが一番マシだった。

 

そういうものだ。

 

わたし自身は三回も彼処で追放されて、色々と思うところはあるけれど。

 

それでも感情抜きに考えて、あそこが一番良かった。

 

それは事実だ。

 

感情で考えると、此奴みたいになる。

 

だから。わたしはもうこれでいい。

 

此奴みたいになるのだけはごめんだからだ。

 

大きめの管みたいなのを引き抜く。

 

雷が走るが、わたしにはまったく影響がないようだ。そのまま無言で、他の管も石で傷つけて、或いは引き抜く。

 

「やめろやめてくださいたすけてわたしがきえる」

 

「消えてください。 いや消えなさい」

 

「ひぎゃああああああああ!」

 

わたしは、管みたいなのをかき分けて、更に奧へ。既に彼方此方雷が走っていて、普通だったら焼け死んでいる筈だ。

 

一際黒くて太い管みたいなのを見つけた。

 

わたしはそれを石で傷つける。

 

なんぼでも時間を掛けて痛めつけていく。やがてそれの内部が露出して、それを更に傷つける。

 

石をぶつけて、手で掴んで傷ついたのを引っ張る。

 

その度に凄い雷が走るけれど、今のわたしには何の影響も無い。

 

もう少しで此奴は死ぬ。

 

そう思うと、手を更に頑張って動かして。体全部で管を引っ張って、引きちぎる。わたしは相変わらず力もなければ運動も出来ないけれど。

 

それでも、時間があるし。

 

何より傷つくことがない。

 

理由は分からない。

 

でも、それで充分だ。

 

心があったら、浴びせられていた心ない言葉に傷ついていたのだろうか。だが、残念な事に。

 

わたしにそれはない。

 

管を引っこ抜くと。

 

ぶちんと、なにかが決定的に壊れたのが分かった。

 

辺りが真っ暗になる。

 

それはここに来た時の、何となく周囲が見えていた暗い世界とは違う。

 

本物の闇。

 

何度かアンゼルと逃げ回っているときに、曇っていたり雨が降ったりしている日の夜に経験した。

 

文字通り、一寸先も見えない闇だった。

 

終わったんだな。

 

わたしは大きな溜息をついた。

 

後は永遠の闇の世界で、何もできずに過ごすのかも知れない。

 

だが、それでも別に一向にかまわない。

 

それが罰だというなら受け入れるし。

 

それで壊れるような心だってわたしにはないのだから。

 

 

 

生き残った人々を集めて、軍師だったリョウメイが空を見る。

 

一瞬、空が真っ暗になった。

 

だが、すぐに明るくなった。

 

おかしな現象だ。

 

だが、あの世界に対する狼藉者達の力を見た後である。それで、今更驚く事もなかった。

 

もうスポリファールもハルメンもパッナーロもない。

 

今は集落を回って生き残った人を集めている。

 

カヨコンクムとクタノーンは文字通り全滅。

 

アルテミスに彼方此方見て回って貰ったが、本当に生存者はただの一人だっていなかった。

 

勿論アイーシャもいない。

 

そして、白い石も見つからなかった。

 

あの穴は風魔法で調べる限り、世界でもっとも高い山を逆さにしたより地下深くに続いている。転生神の怒りを買ったのかも知れない。

 

いずれにしても赴くのは自殺行為だ。

 

同じものを見つけない限り、狼藉者が次に世界に現れたとき、もはやどうすることも出来ないだろう。

 

だから、少しでも早く文明を復興させ。

 

少しでも人を集めて。

 

国家を再建。

 

混乱を出来るだけ急いで収めなければならなかった。

 

昔とは比べものにならないほどの規模の都市。みな、リョウメイの事はいい目でみていない。

 

アプサラスが必死にまとめてくれているが。

 

やはり敵意の方が強いようだ。

 

このままでは生き残る事ができない。

 

そう告げて、人を集めて。破壊されたインフラを修理して回っているが。魔法を使える人間はほとんどあの災厄で生き残れなかった。

 

アプサラスもアルテミスも、連日疲れ果てている。

 

そんな中、すこしずつ心が戻り始めているメリルが、どんどん魔法を覚えて、インフラの修復を精力的にやってくれている。

 

アイーシャほどではないが。

 

それでもかなりの有望株だとアプサラスは太鼓判を押していた。

 

アプサラスはこの二年で酷く老け込んでいて、まだ三十すこしの筈なのに老婆のようになっている。

 

無茶な力の使い方をしたこともある。

 

最後のあのおぞましい破壊をかろうじて防いだ後に言っていた。もう数年もてば良い方だろう。

 

その言葉通り、長くは無さそうだ。

 

それでも最後に命尽きるまでと、働いてくれている。

 

その様子を見て誰かが奮起してくれればとリョウメイは思うのだが。

 

残念ながら、敵意を向けたり、石を投げたりする者はいても。

 

アプサラスに敬意を払う人なんて、いないのだった。

 

こんな人間を守って、何か意味があるのだろうか。

 

そうリョウメイも時々思ってしまう。

 

だけれど、守って意味があるというのかという問いについては、ある。

 

命に貴賤なんかない。

 

えげつない戦略を駆使して、ハルメンを勝ちに持っていく策略を駆使して成功させたリョウメイだが。

 

元々野心なんてなかったし。

 

人を殺すのなんて怖くて仕方がなかった。

 

それでも軍師として抜擢してくれたハルメンにはずっと感謝していたし。

 

接した大人の中には、まともな人だってたくさんいた。

 

あの異変の影響だろうか、世界の人間はみんなエゴを剥き出しに、あけすけの感情で振る舞うようになってしまったが。

 

元は誰もが抑えながら生きていただけ。

 

それが剥き出しになっただけ。

 

いずれ、この荒れ果てた世界も戻る。

 

そう思って、リョウメイは頑張るだけだ。

 

アルテミスが戻って来た。

 

軽く話をする。

 

「グンリに行ってきましたが、旧パッナーロの惨状を聞いて進駐を諦めたようです。 ほとんど被害が出なかったとはいえ、余所に外征軍を出す余裕もないようですね」

 

「その様子だとドラダンも」

 

「ドラダンは今巨人が大量に発生していて、多数の民が食い荒らされているようでして、もはや身を守るだけで精一杯のようです」

 

「……分かりました。 最悪の場合、連携して少しでも国を回復させ、場合によってはグンリと国を統合することも手だったのですが。 ともかく、人の行き来を出来るように、準備を整えましょう。 それ以前に、まずは都市を幾つか人が生きていける状態にすることからですが」

 

石が飛んできた。

 

最近は側に控えているメリルが即応して、風の魔法で弾き返す。

 

それを見て、石を投げた女は、被害者面をしながら、悲鳴を上げて逃げていった。

 

メリルは悲しそうにそれを見る。

 

「アイーシャさんは、無表情で多分感情も本当にほとんどなかったんだと思うけれど、それでも敵意がない相手にはあんな酷い事はしなかったです」

 

「そうですね。 あの人は多くの欠点を抱えていたかも知れません。 でも、あの人がいなければ、世界はもっと悲惨な事になっていたでしょう。 文字通り世界そのものから追放されてしまいましたが。 あの人は最善を尽くしてくれました」

 

さあ、復興を急ごう。

 

そう声を掛けて、メリルと一緒に、すこしずつやれることをやる。

 

肉体労働はアルテミスとメリルに任せて、リョウメイは技術をひたすら書いて残していくことに注力する。

 

文明や技術は簡単に失われる。

 

あの大破壊で、貴重な書籍なども多くが失われてしまった。

 

世界に対する狼藉者達は、自分が理解出来ない学問を敵視していた節まである。多くの書庫などがまるごと失われてしまっていた。

 

そんな中シスターPだけは書庫を大事にとってくれていた。

 

だから、カヨコンクムから、何度かに分けて本を運び出している。そしてこの、今一番人を集めている街に。

 

知識を集約させ。

 

人類の技術があらかた無くなってしまうのを防ぐため。

 

ひたすら努力を続ける。

 

一度失った技術を取り戻すのは、本当に大変な事なのだ。

 

少しでも人の力を復興に向けるためには。

 

無駄な努力などさせない方が良い。

 

努力なんてものは、目的に向かって行動するだけの行為だ。

 

少ない方がいいに決まっている。

 

人間はろくでもない生物なのかも知れないが。

 

その蓄えた知識と技術だけは尊い。

 

使う人間が駄目なだけだ。

 

それは恐らく、世界中を戦果に包んだリョウメイも、同じ事なのだろう。だからこそ、今こうして、行動している。

 

それから、ずっとリョウメイは行動を続けた。

 

次の世代が生まれ始めた頃には、世界の人間はすこしずつ理性を取り戻していた。

 

アプサラスは、シスターPが死に、アイーシャがいなくなった時から四年三ヶ月で亡くなった。

 

葬儀をしている時に、泣いていたのはリョウメイ達だけ。

 

他の民はずっとザマア見ろという視線を向けていた。

 

それでもめげずに復興を続けた。

 

アルテミスはアプサラスの後継としてリーダーシップを取ってくれた。

 

メリルは恐らくアイーシャの後継と自分を考えていたのだろう。背が伸びきった頃には、ダーティーワークを平気でやってくれるようになっていた。

 

世代が変わった頃には、幾つかの都市が復興され。すこしずつ人間も理性を取り戻していき。

 

世界に光が戻り始めていた。

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