「太刀川隊、現着……ってもう終わってんじゃん。」
トリオン兵と天津気の戦闘が終わり、彼らが離れるのと入れ違いで現れたのは、
ボーダー所属 A級1位 太刀川隊の2人、隊長の太刀川と、隊員の出水の2人だった。
「綺麗に真っ二つ…旋空孤月じゃないすか?」
『それが多分違うんだよね〜』
「というと?」
『この場所で使われたトリガーは
「え!?」
「まじかよ」
「つまりそいつは訓練用のトリガーだけで、モールモッドを倒したのか?」
「それが本当なら期待の新人所の話じゃないですよ!」
「なぁ、国近今そいつどこに居る?」
その男の双眸は獣のようにギラついていた。
一方その頃、天津気は先程の少年、石上隼也と共に三門市内を散策していた。
「素晴らしい街並みだな。人が皆生き生きしている。」
「ええ、ここは三門市の中でも特に人や店が多い地域ですからね。」
一見すれば高校生が年上に対して自分の町を紹介している所だが、男が身に纏う服装とその整った顔付きのせいか、明らかに浮いていた。
「どうやら本格的に私がいた世界とは違うようだな」
「天津気さんのいた世界ってどんな所だったんですか?」
「技術はここよりも幾分か先だったが、常に滅びがそばにある世界だった。」
「……そうですか…すみません。」
「別によい。それにもう遥か昔の事だ。あの世界はもう殆ど姿を変え、歩き出している事だろう。」
そう語る天津気の目は遠く先にある、何かを見つめる様な目だった。
「ん?遥か昔ってどれくらい前ですか?」
「この世界にくる直前から計ると……3,000年は過ぎているだろうな。」
「………は?」
「3,000年って今何歳ですか?」
「途中から数えるのをやめたのでな。」
「ナガイキシタンデスネ〜」
「まあな。」
そんなふうに話しつつ先程の場所に近づいた時だった。
「ちょっとそこのお二人さん。」
急に誰かに声をかけられる。
そこにいたのは……
「A級一位…太刀川隊!?」
ボーダー所属、A級一位太刀川隊の太刀川慶だった。
「おっ、知ってんのか。なら話は早い。あんま時間取んないから少しだけ質問してもいいか?」
「はい…どうぞ。」
できるだけ平然を装ったつもりの隼也は内心焦りまくっていた。
「なんで太刀川隊が!よりにもよって今!絶対さっきの件じゃん!やばいじゃん!まじで!かなり!やばいじゃん!これバレたら速攻アウトだよねぇ!)
そんな隼也とは別の理由で、天津気は太刀川を警戒していた。
(気配が薄い、手練れか。)
「1時間程前に、この近くで
「いえ…知り、ません…」
しかし緊張したのか、隼也は途切れ途切れに話す。
それは誰がみても嘘をついているというのがバレバレだった。
「とりあえず、本部で話聞こうか。」
そう言って太刀川が隼也の手を取った時だった。
「それをやったのは私だ。」
「はぁ?」
そう言って、天津気が太刀川の腕を掴んだのだ。
そして隼也のポケットからトリガーを取り出す。
「やる気か?」
「いかにも。」
太刀川が腰に付けた刀を抜くのと、天津気がトリガーを起動するのは全くの同時だった。
という事で、太刀川戦です。
次まではかなり時間が空くと思うので、暇な時に見に来てくれると嬉しいです。