トールズ士官学院・第3学生寮
七燿暦1204年4月5日・午後・エレボニア帝国・トリスタ・第3学生寮・ハチマンの部屋(208号室)
アルフィンがヴァンと連絡を取っている同時刻、第3学生寮の別の部屋では、一人の男子生徒がやる気のない目で
彼の名はハチマン・ヒキガヤ。特科クラス《Ⅶ組》のメンバーだ。
ハチマンは、アルフィンと同じく
???「よう、うまく入学できたみたいだな。おめでとうさん!」
ハチマン「そのおかげで大変な目に遭ったけどな……。俺じゃなくて、アンタが入学すりゃよかったじゃねえか?」
???「ハハ、確かにそれも一理あるかもな。けどよ、俺は
ハチマン「その仕事って、クロスベルのことか?」
???「ああ、そうだな。クロスベルでなんか嫌な予感がしてんだ。例の教団の生き残りが暗躍してるらしい」
ハチマン「………」
???「悪い、教団の話をお前の気持ち考えずに出しちまったな」
ハチマン「別にいいよ。そこまで気ぃ使わなくたって」
ハチマンは、D∴G教団の共和国イーディス郊外ロッジの生き残りだ。かつて東ゼムリアの日本から教団に拉致され、過酷な生体実験の被験者となった。多くの子供たちがいたロッジで、生き残ったのはハチマンだけ。教団はそこで、ある【『悪魔』】を降臨させる儀式を企てていたという。
だが、儀式が完成する前にD∴G教団は壊滅。ハチマンを救ったのは、
ハチマンは、教団が求める【『悪魔召喚』】の生贄として選ばれた理由――生まれ持った特殊な能力を持っていたからだ。その力を制御できなかった彼は、教会の指導のもとで厳しい修行を積み、今では能力を制御できるようになった。現在は副長の従騎士として仕えている。
ハチマン「まさか上司と同じ職場にいるとはな……複雑な気分だよ」
???「副長はお前を高く買ってるぜ。お前が立派な正騎士になるためにさ」
ハチマン「俺は従騎士のままでいい。正騎士なんて、なりたい奴がなればいいさ」
???「俺も副長と同じで、お前のこと買ってんだよ。実力なら、お前は俺より――」
ハチマン「そんなことねえよ。俺は教団にあれこれいじられただけだ。ステイル、お前の実力の方が本物さ」
ステイル「卑屈だな、お前……まぁ、そういう口が叩けるってことは、順調ってことだろ?」
ハチマン「さあな」
ハチマンは窓を開け、星空を見上げた。
ハチマン「あいつらは元気にしてるか?」
ステイル「ユキノのことか? それともユイか?」
ハチマン「なんでピンポイントなんだよ!」
ユキノ・ユキノシタとユイ・ユイガハマ。彼女たちは、ステイルが先代から第七位の守護騎士の座を継承して間もない頃、教団の別のロッジ殲滅作戦で救出された二人だ。ハチマンと同じく、東ゼムリアの日本から拉致され、生体実験の被害者だった。
ステイルは副長の指示を受け、二人をアルテリア法国で保護。ハチマンと同じく、彼女たちも能力を制御するための修行を積んだ。その結果、ユキノとユイは能力を制御できるようになり、本人たちの希望で従騎士となった。
ただし、能力の相性から、ユキノは守護騎士第十一位のリオン・バルタザールの従騎士に、ユイはステイルの従騎士として仕えている。
ステイル「三人一緒に修行した仲だろ。何かあったって不思議じゃねえよな」
ハチマン「な、なんで俺があいつらとそんな仲にならなきゃなんねえんだよ! あのユキノには小言ばっか言われて修行してたんだぞ……文句言えば、精神凍らせる勢いで睨んでくるし……」
ステイル「そうだったのか? ユキノがな! ハハ、お前とバカ話してたら、緊張もほぐれたぜ」
ハチマン「緊張ほぐすために俺と話してたのかよ? って、クロスベルで何かあるのか?」
ステイル「元ウルスラ医科大学の准教授、ヨアヒム・ギュンターの隠れ家がわかったらしい。遊撃士のクロスベル支部と秘密裏に話し合わなきゃならねえ。それだけじゃねえけどな……」
ハチマン「クロスベル大聖堂の誰かさんが、封聖省や
ステイル「彼の顔も立てなきゃならねえからな。まぁ、向こうは気にしねえだろうけど。じゃあ、お前も頑張れよ、ハチマン!」
ハチマン「ぼちぼち頑張るさ。上司と同僚が見てるからな」
ステイル「アハハ! そうだったな!」
アルフィンがヴァンと通話していたその時、ハチマンはステイルとこんな会話を交わしていたのだった。
トールズ士官学院・第3学生寮
七燿暦1204年4月17日・午前6:50・エレボニア帝国・トリスタ・第3学生寮・アルフィンの部屋(307号室)
激動の2週間が過ぎようとしています。
第3学生寮に引っ越した当初は、とても学生寮として生活できる状態ではありませんでした。入学式のオリエンテーリング後、疲れた体に鞭を打って荷解きや簡単な掃除を済ませたものです。
それだけでなく、お風呂がなく、第2学生寮のお風呂を借りに行かなければならない始末でした。
そして昨日、ようやく急ピッチで完成した第3学生寮のお風呂が使えるようになりました。男女別で、簡素ながらしっかりとした造りです。
わたくしやユーシスさん、ラウラさんがいることを考えると、簡素すぎるお風呂にはできなかったのでしょうね。オリビエ兄様たちの贈り物として、ありがたく受け取っておきましょう。
そんな中、わたくしは机に向かい、帝国時報を手に取り、気になる記事がないか確認しました。
案の定、D∴G教団の生き残りがクロスベルで暗躍していたようです。
《クロスベル警備隊の一部が暴走、クロスベル市内を一時占拠》
《クロスベル警察特務支援課とクロスベル遊撃士支部の協力により解決》
記事によると、暴走の原因には元ウルスラ医科大学のヨアヒム・ギュンター准教授が深く関与しており、クロスベル警察捜査一課が慎重に捜査を進めているとのこと。
マクダエル市長から、ロイド・バニングスとミサキ・カミジョウが表彰されると記載されています。帝国時報とクロスベルタイムズの紙面には、特務支援課のロイドさんとその隣で嬉しそうに微笑むミサキさんの写真が掲載されていました。
アルフィン【ミサキさん……よかったですわね】
わたくしはミサキさんのことを知っています。以前、オリビエ兄様が連れてこられたことがありました。
ミサキさんは、わたくしに自分の過去を包み隠さず話してくれました。その話を聞きながら、わたくしは大粒の涙を流し、彼女を力強く抱きしめました。
ミサキさんは「わたくしたちのためなら何でもする」と仰いましたが、その気持ちだけで十分嬉しかったですわ。
わたくしたちもミサキさんの力になりたいと思っていますが、皇女である以上、表立って手助けできないのが歯痒いところです。
彼女は革新派のリーダー、オズボーン宰相の
共和国と違い、帝国ではまだ女性の活躍を認めない人々が少なくありません。
大賢者が補足します。
大賢者「解。隣国のカルバードでは、七耀暦1100年頃にカルバード民主革命を起こし王政を倒した女性革命家、シーナ・ディルクを始め、今では多くの女性が社会で活躍しています」
アルフィン【そうですわね。帝国では、ドライケルス大帝と共に獅子戦役を戦った槍の聖女、リアンヌ・サンドロット様くらいしかいらっしゃいません。ラインフォルト社のイリーナ会長も、男性社会で活躍する数少ない女性の一人ですわ】
わたくしはそう言いながら、部屋の窓を開けました。トリスタの街を包むひんやりとした春の風が部屋を吹き抜けます。
アルフィン【春先のひんやりした風、気持ちいいですわ】
今のわたくしは下着姿です。シルクの緋色の薔薇柄のブラと、それに合わせたショーツ。
以前は白い下着を好んでいましたが、最近は緋色ばかり身につけています。
ミサキさんからプレゼントされた黒の下着もありますが、まだ一度も着たことがありません。わたくしとしては、運命の殿方と特別な関係になった時の【『勝負下着』】にしようと思っているんですの。
大賢者が茶々を入れてきます。
大賢者「解。マスター、運命の相手ですか? どんなタイプがお好みですか?」
アルフィン【殿方のタイプ? そうですね……見た目は悪そうでも、中身は優しい殿方かしら?】
大賢者「解。マスターの好みは、確かカミ――」
アルフィン【わぁ! それを言っちゃダメですわ!】
わたくしは顔が真っ赤になるのを感じながら、大賢者にジェスチャーで否定していると、突然、部屋の扉が開きました。
そこにはアリサさんが立っていました。
アリサ「何度もノックしたんだけど、返事がなかったから入っちゃったけど……アルフィン、下着姿で何やってるの?」
アリサさんのジト目が突き刺さります。なんだか恥ずかしいですわ。
アルフィン【え、えっと……その、妄想の体操?】
アリサ「はぁ~、朝からわけわかんないこと言ってないで、早く支度しなさい!」
アルフィン【わかってますわ】
アリサ「私とエマは1階で待ってるからね」
アリサさんはそう言うと、部屋を出ていきました。
アルフィン【アリサさんやエマさんを待たせるわけにはいきませんわね】
わたくしは急いで真紅の制服に着替え始めました。
最近、アリサさんやエマさんとはすっかり仲良くなり、よく一緒にいます。ラウラさんは少し素っ気なく、どこか避けられている気がしますわ。フィーさんはマイペースで、エマさんとお喋りしていることが多いようです。
男子では、ハチマンさん、リィンさん、エリオットさん、ガイウスさんとはよく話しますが、マキアスさん、ユーシスさん、スハルトさんとはまだあまり話せていません。
これから少しずつ交流を深めていければいいですわね。
姿見の鏡で身だしなみを確認し、わたくしは部屋を出ました。
ファンタジーライフiをやっていて、投稿が遅れました。
ユウのヒロインは誰が良いでしょうか?
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1ーエマ
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2ーフィー
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3ートワ
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4ーサラ
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5ースミレ
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6ーそれ以外(アリサとラウラは除く)