トールズ士官学院・ギムナジウム→トールズ士官学院・学生会館へ向かう途中
七燿暦1204・4月17日・午後・帝国・トリスタ・トールズ士官学院・学生会館前。
学生会館は技術棟の南側にあるはず。技術棟の脇を通ると、興味深い機械や装置が目に入りますが、サラ教官に生徒会室へ行くよう命じられているので、寄り道は我慢ですわ。
もう目の前に学生会館が見えてきました。2階の奥の部屋でしたね。
あら? 学生会館の前にはリィンさんがいらっしゃるけど、もう一人、誰かといらっしゃる? 何かお話をしているのかしら?
その銀髪で緑の制服を着た男子生徒は……確か、入学前に正門前で「手品」と称してわたくしの50ミラをネコババした先輩!
クロウ・アームブラスト、2年生ですわ。調べたところ、彼は次のターゲットをリィンさんに定めたようで。全く懲りない方ですわね。
わたくしが止めようとした時には、すでに遅かった。リィンさんが「右手」と答えた瞬間、
クロウ「残念、ハズレだ!」
リィン「参りました。動体視力には自信があったんだけど……って、あれ? 手品ってことは――」
クロウ「こういうことさ」
リィン「え……」
アルフィン【また懲りずに何も知らない人にそんなことしてるんですか?】
わたくしの登場に、クロウ先輩が動揺しています。
クロウ「なんでお前が……アルフィンがこんなとこにいるんだ?」
アルフィン【サラ教官に生徒会室へ行くよう言われましたので、参りましたわ】
リィンさんも驚いた様子でわたくしを見ました。
リィン「アルフィンもサラ教官に?」
アルフィン【ええ、部活動の見学中に呼び出されまして、行くよう言われたんですわ】
クロウ先輩がニヤニヤしながら巾着袋を手に持つ。
クロウ「フフン、まあその調子で精進しろよ。せいぜいサラのしごきにも耐え抜けよな。――そうそう、生徒会室なら2階の奥だぜ。アルフィンは知ってるみたいだが、一応言っとく。それじゃ、良い週末を!」
クロウ先輩はそう言うと、第2学生寮の方へ去っていきました。リィンさんは50ミラを返してもらっていないことに気づきましたが、すでに先輩は正門をくぐって遠ざかってしまっていました。
アルフィン【リィンさん、50ミラをあの先輩から取り戻して差し上げますわ】
リィン「いいよ、アルフィン。完全に一本取られた俺が悪いんだし」
アルフィン【本当によろしいんですか?】
リィン「ああ。それに、俺が生徒会室に行くことをなぜか知ってたみたいだしな」
クロウ先輩、一体何者なんでしょう?
大賢者【告。探ってみますか?】
アルフィン【そんなことしなくてよろしいわ】
大賢者【了。】
リィン「そういえば、アルフィン。あの先輩のこと、知ってたみたいだな?」
アルフィン【ええ、まあ……わたくしもリィンさんと同じく、手品と称して50ミラをやられましたから】
リィン「アルフィンも50ミラを?」
アルフィン【その時は油断してましたわ。手品だと思って、手の方ばかり見てましたから】
わたくしはクロウ先輩のトリックの種明かしをリィンさんに説明しました。両手のどちらかにあると思わせて、
実は巾着袋に落としていただけ。後で気づいて腹が立ちましたけどね。
皇族のわたくしが50ミラで騒ぐわけにはいきませんわ。あの50ミラは差し上げた、もしくは貸したと思うことにしました。
リィン「つまり、2年生も曲者揃いってわけか」
アルフィン【そうですね。とにかく、生徒会室へ参りましょう】
リィン「そうだな」
わたくしとリィンさんは、学生会館の中へ入りました。
トールズ士官学院・学生会館内
七燿暦1204・4月17日・午後・帝国・トリスタ・トールズ士官学院・学生会館・生徒会室。
食堂には多くの生徒が夕食を食べに集まっています。学生寮の食事だけが全てではありませんし、好きなものを食べるのが一番ですわね。
わたくしとリィンさんは食堂を横目に、2階の奥にある生徒会室の前までやってきました。
リィン「どうやらここが生徒会室みたいだな」
アルフィン【そうですね】
Student Organization Room
生徒会室。
生徒会室の前に到着。緊張しますわね。一体何の用で呼ばれたのか、気になります。
リィンさんがドアをノックすると、中から女性の声が。
どこかで聞いた声……どこだったかしら?
???「鍵はかかってないから、そのままどーぞ!」
リィン「あれ? この声……」
リィンさんも気づいたようですが、入学式の日に正門前で得物を預かってくれた小柄な女子生徒の声に似ていますわね。
リィン「失礼します」
アルフィン【失礼いたしますわ】
わたくしたちは声に導かれ、生徒会室へ入りました。
トールズ士官学院・学生会館内
七燿暦1204・4月17日・午後・帝国・トリスタ・トールズ士官学院・学生会館・生徒会室。
生徒会室に入ると、緑の制服を着た小柄な女子生徒が出迎えてくれました。
やはり、入学式の日に正門前にいた方! 緑の制服から、生徒会関係者だと推測できますわね。
トワ「えへへ、2週間ぶりだね! 生徒会室へようこそ! リィン・シュバルツァー君とアルフィン・レンハイムさん。サラ教官の用事で来たんでしょ?」
リィン「え、ええ。生徒会の方だったんですね」
サラ教官の用事とは何でしょう? 面倒なことは避けたいところですわ。リィンさんが何か良からぬことを考えている気が……この小柄な先輩を年下だと思ってる?
リィン「いえ、その、やっぱり2年生なんですね?」
トワ「はは、そんなにかしこまらなくていいよ! この学院の生徒会長、トワ・ハーシェルだよ。改めてよろしくね、リィン君、アルフィンさん!」
リィンが突然大きな声を上げました。わたくしも内心では驚いていますわ。
リィン「せ、生徒会長ッ!?」
アルフィン【やはりそうでしたか。生徒会関係者だとは思ってましたが、まさか生徒会長とは!】
トワ「うん、そうだけど? これから新入生と関わることも多いと思うんだ。困ったことや相談があれば、ぜひ生徒会に来てね! 一生懸命サポートするから!」
リィン「はい、よろしくお願いします」
アルフィン【こちらこそ、よろしくお願いしますわ】
入学式の流れが全て繋がりましたわ。トワ先輩が生徒会長なら、わたくしたちの情報を事前に知っていたのも納得です。
リィンが真剣な表情でサラ教官の用件を尋ねます。
リィン「コホン、それで、サラ教官の用事ですが。《Ⅶ組》に関する何かを預かっているとか?」
《Ⅶ組》に関するもの? リィンさんはサラ教官から何か説明を受けているようですが、わたくしには「行け」と言われただけなのに。一体何でしょう?
トワ「あ、うんうん、これなんだけど……」
トワ生徒会長が机の上のメモ帳のようなものをリィンさんに渡しました。全部で12冊。
トワ「一番上がリィン君ので、2番目がアルフィンさんのだよ」
よく見ると、学生手帳! そういえば、わたくしたちはまだ受け取っていませんでしたわ。
トールズの学生手帳、ずいぶん立派ですわね。アストライア女学院の手帳より豪華かも。
リィン「学生手帳――そういえば、まだもらってませんでしたね」
アルフィン【他のクラスの皆さんは持っていらっしゃいましたから、なぜわたくしたちにないのか不思議でしたわ】
トワ「ごめんね。《Ⅶ組》はカリキュラムが他のクラスと違ってて……
やはり、そういう理由でしたか。わたくしたちの手帳は、他のクラスと明らかに違いますわね。
リィン「戦術オーブメント……
トワ「うん。学生手帳には
仕様が異なるなら、時間がかかるのも仕方ありませんわ。それだけわたくしたちの
リィン「そうだったんですか。って、編集まで会長が?」
確かに、リィンさんの言う通り。トワ生徒会長が全て編集したんですの? わたくしでも大賢者のサポートなしでは難しいのに、彼女は一人で?
トワ「うん、サラ教官に頼まれて。ごめんね、こんなに遅れちゃって」
トワ生徒会長、一人で編集なんて、驚くべき能力ですわ。これだけの作業をこの短期間で終えるなんて、むしろ早いくらい!
リィンさんも驚いています。
リィン「いや、とんでもないです! むしろ恐縮というか……」
そもそも、編集が生徒会長の仕事? 教官の役割では?
アルフィン【トワ生徒会長、編集って生徒会長の仕事ではない気がしますわ。明らかに教官がすべき仕事かと】
トワ「うーん、サラ教官もいつも忙しそうだし……マユミ教官も同じく……他の教官の仕事も手伝うことが多いから、今さらって感じかな?」
トワ生徒会長、まるで菩薩のようですわ。好き嫌いで仕事を選ばない姿勢、わたくしも見習わなければ。
リィン「――えっと、じゃあ、他の手帳を《Ⅶ組》のみんなに渡しておけばいいんですね?」
トワ「うん、よろしくね! うーん、でも、リィン君たち、1年なのに感心しちゃうな」
リィン「……?」
アルフィン【感心? わたくしたち、何かしましたか?】
トワ生徒会長がニコニコしながら話しかけてきます。何のことやら、さっぱりですわ。
トワ「えへへ、サラ教官からバッチリ事情を聞いてるから!」
アルフィン【サラ教官から何を聞かされたんですの?】
わたくしは素直に疑問を口にしました。
トワ「何でも、生徒会の仕事を手伝ってくれるんでしょ?」
生徒会の仕事? 初耳ですわ! リィンさんも知らない様子。トワ生徒会長は話を進めます。
ユウのヒロインは誰が良いでしょうか?
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1ーエマ
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2ーフィー
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3ートワ
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4ーサラ
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5ースミレ
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6ーそれ以外(アリサとラウラは除く)