トワ「うんうん、さすが新生《Ⅶ組》だね!」
なぜこんな話に? 誰かがそんなことを?
まさか、サラ教官がトワ生徒会長に吹き込んだのでは……?
リィン「えっと……何の話ですか?」
トワ「生徒会で処理しきれない仕事を手伝ってくれるんでしょ? 《特科クラス》の名にふさわしい生徒として成長しようって――みんな張り切ってるから、生徒会の仕事は回してあげてって、サラ教官に頼まれたんだけど……」
やはり、サラ教官の策略! わたくしたちが断れないように仕向けたのね!
トワ「ひょ、ひょっとして、私、なんか勘違いしちゃった? 入学したばかりの子たちに無理難題を押しつけようとしてたとか!?」
菩薩のようなトワ生徒会長を悲しませるわけにはいきませんわ。断れば罪悪感が残りそう……。リィンさんと顔を見合わせ、彼も同じ考えのよう。
リィン「――いえ、サラ教官の話通りです」
アルフィン【トワ生徒会長、お忙しそうですし、遠慮なく仕事を回してくださいませ】
トワ「そ、そっか! びっくりした。えへへ、でも安心して、あまり大変な仕事は回さないから!」
トワ生徒会長によると、仕事は士官学院や町の人からの《依頼》が主だそうです。遊撃士の依頼やヴァンさんの
トワ「うん、生徒会に寄せられた意見や要望ってところかな。今日中にまとめて、朝までに寮のリィン君かアルフィンさんの郵便受けに入れておくから」
リィン「はい、構いません」
アルフィン【よろしくお願いしますわ】
わたくしとリィンさんは、正式に生徒会の仕事を引き受けることになりました。
トールズ士官学院・学生会館→トールズ士官学院・学生会館前
七燿暦1204・4月17日・午後・帝国・トリスタ・トールズ士官学院・学生会館前。
その後、トワ生徒会長に食堂で夕食をご馳走になりました。奢っていただいたわけですわね。
学生会館を出るわたくしとリィンさん。外はすでに闇に包まれ、星々が輝いています。
リィン「結局、トワ会長に夕食まで奢ってもらったな」
アルフィン【そうですね。トワ生徒会長はまだ仕事が残っていると生徒会室に戻られましたが……本当にすごい方ですわ】
リィン「そうだな」
生徒会室を振り返りながら話していると、
わたくしとリィンさんが
リィン「えっと……リィン・シュバルツァーです」
???「グーテンターク!我が愛しの教え子よ!」
サラ教官の声! リィンさんも気づいた様子。
サラ「どうやら会長に夕食を奢ってもらったみたいね?」
リィン「……その愛しの教え子を二人も騙し討ちしてくれましたね」
アルフィン【全く、トワ生徒会長に何を吹き込んだんですか?】
サラ「吹き込む? 何のことかしらね。――まあ、詳しくは言えないけど、来週伝える《カリキュラム》にもちょっと関係してるのよ」
《カリキュラム》に関係? 一体何のこと?
サラ「誰かにそのリハーサルをやってもらおうと思ってね。生徒会が忙しすぎるのも確かだし、一石二鳥の采配だと思わない?」
アルフィン【お言葉ですが、トワ生徒会長の仕事を増やしてるのはサラ教官たちでは?】
リィン「趣旨はわかりました。明日の自由行動日に生徒会の仕事を手伝えばいいんですね?」
サラ「あくまで君たちの判断に任せるわ。特定のクラブに入るつもりなら、無理には言わないよ?」
リィン「いえ、ピンとくるものがまだないので問題ありません」
アルフィン【わたくしは水泳部に入りましたが、生徒会の仕事はリィンさんと一緒にやろうと決めましたわ】
トワ生徒会長の笑顔を守りたい気持ちと、遊撃士や
リィンが真剣な眼差しでサラ教官に尋ねます。
リィン「俺から一つ、いいですか?」
サラ「何かしら?」
リィン「どうして《俺》や《アルフィン》なんですか?」
サラ「…………」
リィン「クラスの委員長はエマだし、副委員長はマキアスですよね? 身分で言えば、ユーシスやラウラみたいな真っ当な貴族出身者もいる――なのに、なぜ俺たちなんですか?」
わたくしとリィンさんが選ばれた理由? 確かに気になりますわ。わたくしが皇族だから? まさかそんなはずは……。
サラ「それは、君たちがあのクラスの《重心》とでも言えるからよ」
リィン「え?」
アルフィン【《重心》……】
《重心》という言葉、わたくし、リベールで聞いたことがありますわ。いえ、言われたんです。
リベールの異変でエステルさんたちと戦った時、占い師のような人に言われました。仲間の中心はエステルさん、その《重心》はわたくしだと。
エステルさんやヨシュアさんが仰ってましたっけ。わたくしの言葉は、どんなに辛くても仲間を奮い立たせると。
オリヴァルトお兄様も同じようなことを仰ってましたわ。
サラ「《中心》じゃないわ。あくまで《重心》。対立する貴族と平民、留学生までいる状況で、君たちの存在は《特別》なのよ」
わたくしは皇族でありながら、普通の人々と共に歩んできた自負があります。リーゼお姉様と比べられ、じゃじゃ馬娘と言われたことも。でも、皇族だから大人しくしているだけが皇族じゃない。オリヴァルトお兄様の行動こそ正しいと信じています。
お兄様を放蕩皇子と揶揄する声もありますが、民を苦しめるのはそんな発言をする人たちだと、わたくしは思いますわ。だからこそ、わたくしは――!
サラ「それは否定しないわよね?」
リィン「それは……」
アルフィン【わたくしは否定しませんわ】
サラ「……そしてあたしは、その《重心》にまず働きかけることにした。《Ⅶ組》という初めての試みがどうなるかを見極めるために。それが理由よ」
リィン「……」
リィンさんがなぜ選ばれたのか、わかりませんわ。でも、何か理由があるのでしょう。アストライア女学院にリィンさんと同じ名字の男爵家の子がいましたわ。リーゼお姉様と仲が良く、わたくしもお友達に。でも、リィンさんは平民だと仰ってたから、別人よね?
わたくしだって、身分を隠してるんですから、人に言えたものじゃありませんけど。
サラ教官、アルコールの匂いが……。呂律が少し回ってない? 「ぷはぁ~」なんて、絶対飲んでますわ!
アルフィン【サラ教官、何飲んでるんですか? まだ勤務中じゃありません?】
サラ「ビールよ、ビール! 週末なのに部屋で一人酒に決まってるでしょ。ダンディで素敵なオジサマの知り合いでもいれば飲みに行ってるんだけどね」
リィン「……あの、ですね……」
サラ「――ま、深く考えずにやってみなよ。リィン、君は《何か》を見つけようと焦ってるみたいだけど、飛び込んでみないと《立ち位置》も見つからないわよ。アルフィンの方はその辺、心配いらないだろうけど」
リィン「……!!」
アルフィン【《立ち位置》……確かに、サラ教官の仰る通りですわ。わたくしも悩んだ時期がありましたから】
サラ「さすがね。それなら、リィンに教えてあげられるわね?」
アルフィン【わたくしのは……】
サラ「ふふっ、じゃあね。寮の門限までには帰ってくるのよ~! 二人で抜け出してイチャイチャしたらダメなんだから!」
リィン・アルフィン【しません!】
サラはそう言って通信を切りました。
リィン「《立ち位置》か……」
アルフィン【リィンさん、《立ち位置》については、まず動いてみたらどうでしょう?】
リィン「そうだな。アルフィンやサラ教官の言う通り、動いてみるよ」
アルフィン【その意気ですわ! わたくしも偉そうなことを言ってますが、まだまだ未到達のものばかりですから】
リィン「ありがとう、アルフィン」
わたくしとリィンは第3学生寮に戻りました。他の皆さんも自室に戻っているようで、明日の自由行動日や部活の準備かしら?
リィン「俺たちも一旦部屋に戻ろう。学生手帳は後でゆっくり配るか」
アルフィン【そうね、その方がいいですわ】
2階でリィンさんと別れ、わたくしは3階の307号室へ。
帰り道で決めた通り、男子の手帳はリィンさんが、女子はわたくしが配ることに。
しばらくして、女子の手帳を一人ずつ配りました。アリサさんやエマさんとは少し話し込み、ラウラさんからは入部届を預かりました。ラウラはクライン部長から受け取ったそうです。
わたくしはラウラさんに、生徒会の仕事を終えたら水泳部に向かうと伝えてほしいとお願いしました。
最後はフィーちゃんに手帳を渡し、2階に降りてリィンさんに報告。リィンさんも男子に全て配り終えていました。お互い確認し、各自部屋へ戻りました。
明日から生徒会の依頼をこなし、水泳部も始まる。忙しくなりますが、ワクワクが抑えられませんわ!
色々あって間が空きましてすいませんでした。
ユウのヒロインは誰が良いでしょうか?
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1ーエマ
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2ーフィー
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3ートワ
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4ーサラ
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5ースミレ
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6ーそれ以外(アリサとラウラは除く)