アルフィンの軌跡〜トールズ士官学院編〜   作:龍造寺

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第1章ー初めての特別実習編8話です。


第1章ー初めての特別実習編ー15ー8話ーケネスと釣りとコレットの依頼。

 

第3学生寮・1階玄関前→トリスタ内

 

七燿暦1204・4月18日・午前・帝国・トリスタ内。

 

 

トリスタ内初めての自由行動日、晴天で気持ちいいですわ。雨だったら気分も半減ですものね。

 

アルフィン【さて、始めましょうか】

 

コレットさんに会う前に、ちょっと寄りたいところがありますわ。行ってみましょう。

 

 

トリスタ・第3学生寮前→トリスタ・質屋・ミュヒト

 

七燿暦1204・4月18日・午前・帝国・トリスタ内・質屋・『ミュヒト』。

 

 

トリスタの質屋『ミュヒト』に入りました。店主のミュヒトさんはカウンターで新聞を読み、わたくしの気配に気づくと目だけこちらへ向けました。

 

ミュヒト「なんだ、アンタか。別にアンタに有意義な情報は入ってねえぞ」

 

アルフィン【情報を得に来たわけじゃありませんわ】

 

ミュヒト「……噂の生徒会の仕事の手伝いか?」

 

少し驚いて、ミュヒトさんを見ました。

 

アルフィン【さすが情報通のミュヒトさん。昨日決めたばかりなのに、もう情報が流れてるんですね】

 

ミュヒト「フン……アンタの近くにおしゃべりなやつがいるってことさ」

 

わたくしの近くにおしゃべりな人? 生徒会の仕事を引き受けたのを知っているのは、トワ生徒会長、エリオットさん、ガイウスさん、サラ教官の4人。トワ生徒会長が話すはずないし、エリオットさんやガイウスさんも違う。となると、サラ教官……?

 

大賢者【解。十中八九、サラ教官がミュヒト氏に話した可能性が高いですね】

 

アルフィン【元を辿れば全てサラ教官が絡んでますものね】

 

学生手帳を取りに行かせた時から、彼女の策略だったんでしょうね。

 

ミュヒト「何か情報が入ったらアンタにも教えてやるよ」

 

アルフィン【ありがとうございますわ】

 

ミュヒト「それと、これ持ってきな」

 

ミュヒトさんからコインを渡されました。

 

アルフィン【これは?】

 

ミュヒト「学生の誰かの故郷で拾ったんだとよ。古い物に興味ない連中が質屋に売りに来た。俺は金目の物かと思ったが、知り合いの考古学の連中に見せたら、ただの玩具のコインだっつう話。買い取って損したぜ。だからアンタにやるよ」

 

アルフィン【あ、ありがとうございますわ】

 

ミュヒトさんに挨拶し、質屋『ミュヒト』を出ました。

 

 

トリスタ・質屋・ミュヒト→トリスタ内・質屋『ミュヒト』前

 

七燿暦1204・4月18日・午前・帝国・トリスタ内・質屋・『ミュヒト』前。

 

 

ミュヒトさんからもらったコインを改めて見ます。まさか……?

 

大賢者【解。マスター、そのまさかです。サーチの結果、地球製のコイン……フランスの硬貨です】

 

アルフィン【フランスの硬貨、やっぱり大賢者のサーチもそう出たのね】

 

ゼムリア大陸に「フランス」という国は存在しません。フランスの硬貨なんてありえない。わたくしと同じ転生者がいるということ? それとも……。

 

大賢者【解。マスターたちがいた劣等生世界(あの世界)からゼムリア世界(こちらの世界)へ転生した可能性はゼロじゃない。他の可能性もあります】

 

アルフィン【他の可能性……わたくしがいた劣等生世界(あの世界)の並行世界ってことよね】

 

大賢者は以前、カズヤさんとマユミさんが並行世界の光井和也と七草真由美(前世の二人)だと話したことがありますわ。わたくしも二人をサーチしたけど、わたくしの眼ではわからなかった。

 

でも、確かに20代の光井和也(前世の自分)と真由美に見える瞬間があるんです。マユミさんはトールズの教官ですし、聞けば何か分かるかも。でも、聞いてどうなるというのでしょう?

 

大賢者【告。マユミ・アレイスター嬢がその事(フランスの硬貨)について知っているとは限りません。コインは一旦保留にしましょう】

 

アルフィン【そうね。今は生徒会の依頼が第一優先だわ】

 

士官学院を見ながら、そう決意しました。ブティック『ル・サージュ』にも行きたいけど、それはまた次の機会に。わたくしは士官学院へ向かいました。

 

 

トリスタ内・質屋『ミュヒト』前→トリスタ・士官学院に向かう橋。

 

七燿暦1204・4月18日・午前・帝国・トリスタ内・トールズ士官学院に向かう途中の橋。

 

トリスタの中央を東西に流れる川の橋の東側で、白の制服を着た男子生徒が川を眺めています。釣りをする方かしら

 

???「いや〜、今日はほんっとにいい天気だな! まさに絶好の釣り日和ってやつだね!」

 

やっぱり釣りの方でしたわ。トリスタの川で魚が釣れるのかしら?彼がわたくしの気配に気づきました。

 

??「やあ、初めまして。君もリィン君と同じ特科クラス《Ⅶ組》だろ?」

 

アルフィン【リィンさんをご存じですの?】

 

??「ちょっと前に知り合ってさ。ちょうど君みたいに、そこに立ってたからね」

 

わたくし、リィンさんと同じ行動をしてたってこと? 確かに、川をじーっと見てたら気になりますわよね。

 

ケネス「俺は1年Ⅱ組のケネス・レイクロードだ」

 

アルフィン【わたくしはアルフィン・レンハイムですわ】

 

ケネス「《釣皇倶楽部》って、わりとのんびりした部活にいるやつさ。ま、よろしく!」

 

そういえば、生徒会室近くの文化系部室の前に、《釣皇倶楽部》の看板がありましたわ。釣りですか……エステルさんが《釣公師団》に入ってたことを思い出します。わたくしは自由気ままに釣りを楽しみ、下手ランクから普通程度には上達したはず。《釣公師団》は《釣皇倶楽部》をライバル視してましたけど、こちらはどう思ってるのかしら?ケネスさんは貴族なのに、話しやすい方ですわ。

 

アルフィン【ケネスさんはここで部活動、つまり《釣皇倶楽部》の活動を?】

 

ケネス「ご明察! 自由行動日だし、どこで釣ろうかな〜ってブラブラしてたところさ。トリスタって、けっこういろんな魚が釣れるんだよね」

 

アルフィン【そうなんですか。気ままな釣り道楽って感じで、いいですわね】

 

ケネス「ふふっ、よかったら君もどうだい? 釣り、やってるんだろ?」

 

アルフィン【まあ、人並みに嗜む程度には……わたくしが釣りをしていたと、どうしてわかったんです?】

 

ケネス「君、なんかリィン君と同じ雰囲気だったからさ」

 

アルフィン【そんな雰囲気でした?】

 

ケネス「リィン君にも渡したけど、お近づきの印にこれをやろうかな」

 

ケネスさんから釣り手帳と《リトルシューター》を受け取りました。

 

アルフィン【釣り竿と、釣った魚を記録する手帳ですわね。こんな物をいただいてもいいんですか?】

 

ケネス「オッケー、オッケー! 釣りの普及もウチの部の使命みたいなもんだし! 始めたばかりは白竿釣師(ホワイトアングラー)|からだけど、気長にやればいいさ」

 

白竿釣師(ホワイトアングラー)……つまり初心者ランクですわね。

 

ケネス「そそ、たくさん魚を釣ったら俺のとこに報告に来てくれよ。釣果(ポイント)に応じて交換できる景品も用意してるからさ」

 

景品? なんだかやってみたくなりますわ!

 

大賢者【解。エステル嬢も釣った魚を何かと交換してましたよね】

 

アルフィン【確かに、景品に交換してましたわね】

 

ケネス「俺は学院の池で釣ってるから、気が向いたら遊びに来なよ」

 

ケネスさんはそう言うと、校舎の方へ歩いて行きました。士官学院の園芸部近くに池がありましたよね。あそこで釣るのかしら。ん? ケネスさん、レイクロードとおっしゃいましたわよね。

 

レイクロードは釣具の大手企業! まさかそのご子息とお知り合いになるなんて! この釣り竿にも「レイクロード」の刻印が。ケネスさんが釣り経験者だと見抜いたのも納得ですわ。

 

大賢者【告。トリスタの川、東西に流れてますが、魚はけっこう釣れるみたいですね。サーチしたら、けっこうな大物もいるようですよ】

 

アルフィン【大物まで!? 時間がある時に釣りを嗜むのも悪くないですわね】

 

さて、コレットさんに会いに行かなくちゃ。学生会館へ、水着の袋と釣り竿を持って歩き始めました。

 

 

トリスタ・士官学院に向かう橋→トールズ士官学院・学生会館

 

七燿暦1204・4月18日・午前 ・帝国・トリスタ・トールズ士官学院・学生会館。

 

学生会館に到着。コレットさんを探さなくちゃ。今の時間、食堂には誰もいませんが、茶色の髪に緑の制服の女子生徒が一人。あれがコレットさんかしら?

 

アルフィン【あの、貴女が1年Ⅳ組のコレットさん? 生徒会に依頼を出された方ですよね?】

 

コレット「そ、そうですけど……あなた、Ⅶ組の人だよね? もしかして生徒会に入ったの?」

 

アルフィン【生徒会には入ってませんわ。ただ、トワ生徒会長のお手伝いをすることに。依頼を受け取りましたの】

 

コレット「へー、同じ1年生なのに……特科クラスの人ってすごいんだね!」

 

アルフィン【そんな大したことありませんわ。それで、落とした学生手帳を探しているんですよね?】

 

コレットさんの話では、朝から心当たりの場所を探したけど、見つからないそうです。

 

コレット「依頼、すぐに引き受けてくれそう?」

 

アルフィン【ええ、今から学生手帳の捜索に協力しますわ】

 

コレット「わぁ、ありがとう!」

 

アルフィン【もう少し詳しく状況を教えてください。いつ手帳を落としたことに気づいたんです?】

 

コレット「うん、昨日の放課後なんだけど……図書館で本を借りるのに手帳が必要で、その時に初めてないことに気づいたの」

 

アルフィン【昨日の放課後? 最後に手帳を確認したのはいつです?】

 

コレットさんによると、放課後が始まった直後に友達とおしゃべりしながら手帳にメモを取ったそう。ということは、彼女のクラスの教室ですね。

 

大賢者【解。コレット嬢は教室から図書館までのどこかで落としたことになりますね】

 

アルフィン【そうね。教室から図書館まで……範囲は広いわね。途中でどこかに寄った可能性もあるし、聞いてみましょう】

 

コレットさんに、教室から図書館までの間に立ち寄った場所を尋ねました。

 

コレット「うん、まずは本校舎でしょ? それからこの学生会館の図書館だね。他には行ってないかな」

 

アルフィン【なるほど、場所はだいぶ絞れますわね。では、手分けして、わたくしは本校舎方面を探した方がいいかしら?】

 

コレット「うん、実は私もそうお願いしようと思ってたの。図書館は今朝探したし、野外は用務員さんに聞いたら朝の掃除で見なかったって」

 

アルフィン【そういうことでしたか】

 

大賢者【解。コレット嬢が本校舎で落とした可能性……教室以外の立ち寄り先は、2年生の廊下、階段、踊り場、玄関前。人目に付きやすい場所なので、落としたなら誰かに拾われて届けられる可能性が高いですね】

 

アルフィン【確かに。人目に付く場所なら届けられる可能性は高いわね。まぁ、変な人に拾われたら別ですけど】

 

コレットさんは他の教室には入っていないそうなので、教室は除外してよさそう。休憩スペースを重点的に調べる必要がありそうですわ。最後に、コレットさんから釣り竿を持っていることを聞かれました。途中でケネスさんにもらったと説明したら、不思議そうに見られましたが、本当にもらったものですから、仕方ありませんわ。学生手帳捜索のため、本校舎2階の廊下と休憩スペースへ向かうことにしました。

 

ユウのヒロインは誰が良いでしょうか?

  • 1ーエマ
  • 2ーフィー
  • 3ートワ
  • 4ーサラ
  • 5ースミレ
  • 6ーそれ以外(アリサとラウラは除く)
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