アルフィンの軌跡〜トールズ士官学院編〜   作:龍造寺

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第1章初めての特別実習編9話です。


第1章ー初めての特別実習編ー16ー9話ーコレットの学生手帳とマユミ。

 

トールズ士官学院・学生会館→トールズ士官学院・本校舎・2階。

 

七燿暦1204・4月18日・午前・帝国・トールズ士官学院・本校舎・2階・休憩スペース。

 

2階で探索(サーチ)をかけると、休憩スペースに学生手帳らしきものを見つけました。ソファーの間に挟まっているようです。

 

アルフィン【ありましたわ、コレットさんの学生手帳!】

 

手を伸ばしましたが、掴めず、反対側に落としてしまいました。

 

アルフィン【反対側に落としてしまいましたわ】

 

床に四つん這いになり、ソファーの下に手を伸ばします。大賢者【告。この休憩スペースで四つん這いは、向こうから来る人に丸見えですよ】

 

アルフィン【今は誰もいないんですから、早く取っちゃいます!】

 

 

ーーーー

 

第3者Side

 

同時刻、1年生の教室からマユミ・アレイスター教官が出てきた。彼女は共和国史と一般教養の数学の補習授業を終えたところだ。資料を取りに廊下に出ると、2人の男子生徒がこそこそ何かをしている。マユミは直感で「よからぬことでは?」と疑い、気配を消して様子を伺う。

 

男子生徒たちは興奮気味に何かを凝視している。その視線の先に、真紅の制服を着た金髪の女子生徒が四つん這いで何かしている姿が。

 

マユミ「彼女は……特科クラスのアルフィンさん? 何してるのかしら?」

 

男子生徒1「Ⅶ組のアルフィン・レンハイムだろ?」

 

男子生徒2「四つん這いで何やってんだ? でもよ、緋いパンツ、薔薇柄だな……食い込んでて、あと少しで大事なとこが……」

 

マユミは気配を消して背後に立ち、頭をパチパチと叩く。男子生徒たちは驚いて振り返る。

 

マユミ「あなたたち、何してるの? 女の子のパンツを覗くためにここにいるの?」

 

男子生徒1「え!? マユミ教官、なんでこんなとこに!?」

 

男子生徒2「そ、そうですよ、なんで!?」

 

マユミ「私は補習授業のためにここにいるの。あなたたちは覗きの授業? ナイトハルト教官に報告しますよ?」

 

ナイトハルトの名前に、男子生徒たちは慌てて階段を駆け下りた。

 

マユミ「全く、逃げ足だけは早いんだから……さて、アルフィンさん」

 

アルフィン【取れましたわ!】

 

コレットの学生手帳をようやく拾い上げ、思わず声が出ました。

 

トールズ士官学院内

 

七燿暦1204・4月18日・午前・帝国・トールズ士官学院・本校舎・2階・休憩スペース。

 

向こう側に落とした学生手帳を無事回収。コレットさんのものか確認すると、間違いありませんでした。そこへ、マユミ教官が話しかけてきました。

 

マユミ「アルフィンさん、こんなところで何してるの?」

 

アルフィン【何を、と言いますと、学生手帳を拾ってまして】

 

マユミ「学生手帳を拾う?」

 

アルフィン【ソファーの間に挟まってたんですが、誤って反対側に落としてしまいまして】

 

状況を説明しました。

 

マユミ「事情はわかったわ。でも、女の子がそんなはしたない格好をして、男子生徒に襲われたらどうするの?」

 

アルフィン【わたくしみたいな子、殿方が襲うなんてありませんわ】

 

マユミ教官は大きなため息をつき、呆れた様子。確かに四つん這いはまずかったかも。でも、わたくしみたいな幼児体型、襲われるはずありませんわ。

 

大賢者【告。マスターだけがそう思ってるだけですよ。襲われない? それは違うかと】

 

アルフィン【なぜですの? ナイスバディな方々がたくさんいるのに】

 

大賢者【告。マスター、自覚した方がいいですよ。実の弟さんすら、性的な目で見てるようですし】

 

アルフィン【セドリックが? まさか! お姉様ならまだしも、わたくしを……】

 

確かに、セドリックが妙な目で見てる気はしてました。思春期のせいだと思ってたんですけど……。

 

マユミ「貴女、自分を卑下しすぎよ。もっと自信を持ちなさい」

 

アルフィン【別に卑下してるつもりは……】

 

マユミ「……リベールで初めて会った時からそんな感じだったわね。なんか、あの人にそっくりっていうか……」

 

アルフィン【あの人って?】

 

マユミ「私の旦那、カズヤ君よ。赤の他人のはずなのに、どこか似てるのよね。自分をすぐ卑下するところとか!」

 

やっぱり。わたくしとカズヤさん、マユミさんが並行世界(パラレルワールド)光井和也と七草真由美(前世の二人)だという仮説。その歩みも、細かい違いはあれど、ほぼ同じ。自分を卑下すること。確かに、前世でも周りに「卑下するな」と言われてました。

 

色々あったから、自然とそう思うようになってたんですわ。

 

マユミ「でも、他人のために動く時は、誰よりも熱い心を持ってるわ」

 

アルフィン【そうなんですね。だから、あんな会社を設立されたんですね】《エルフィン・スナイパー》。今や誰もが知る企業に成長しました。軍民複合企業と揶揄する声もありますけど。

 

マユミ「世界や誰かのためって、学生時代からカズヤ君が言ってたのよ」

 

アルフィン【夢を実現させたんですね。すごいですわ】

 

会社か……わたくしは学園都市計画みたいな、国家規模の夢まで考えてましたけど。

 

マユミ「《エルフィン・スナイパー》を立ち上げて軌道に乗せるまで、色々あったわ。それが揶揄される原因にもね。猟兵団に武器を渡したり、紛争に関与してるなんて言われて」

 

アルフィン【なるほど……】

 

会社や国家を運営するには、綺麗事だけじゃダメ。どんな国も、多少は汚いことをしてきたんですから。マユミさんが慌てて何かを思い出した様子。

 

マユミ「あっ、いけない! 補習の資料を取りに行くんだった。じゃあ、アルフィンさん、生徒会のお仕事頑張ってね!」

 

ウインクして、1階へ降りていきました。

 

アルフィン【ふふ、マユミさんはマユミさんですわ】

 

大賢者【解。並行世界(パラレルワールド)のマユミさんでも、変わらないですね】

 

アルフィン【そうね。さて、コレットさんに報告しなくちゃ】

 

制服の汚れを払い、学生会館へ向かいました。

 

 

トールズ士官学院・本校舎・2階休憩スペース→トールズ士官学院・学生会館

 

七燿暦1204・4月18日・午前・帝国・トールズ士官学院・学生会館。

 

 

学生会館に戻り、コレットさんに学生手帳を見つけたことを報告。

 

コレット「もう見つけてくれたの!?」

 

アルフィン【見つけましたわ。念のため、確認してください】

 

コレットさんに手帳を渡す。

 

コレット「ありがとう! 間違いない、私の手帳! ふぅ、ほんと良かった〜! これがないと身分証明できないし、再発行なんてしたら教官にめっちゃ怒られるって話だし……アルフィンさん、ほんとありがとう! ぐすっ……あはは、安心したら涙出てきちゃった!」

 

アルフィン【安心すると、つい涙が出ますよね】

 

コレット「えっと、どこで見つけてくれたの?」

 

アルフィン【本校舎2階の休憩スペースで、ソファーの間に挟まってました】

 

コレット「そっか、あそこでみんなと休んでた時に……そういえば、前にも座った時に落としたことあったんだよね〜。あの時は音で気づけたんだけど」

 

スカートのポケットだと、座った時に落としやすい。気づければいいけど、気づかないことも。わたくしも昔はスカートのポケットに入れてて、お兄様やカズヤさんに「上着の内ポケットに入れなさい」と言われたっけ。それ以来、落としたことはありませんわ。前世でも、ズボンのポケットには入れず、上着の内ポケットを使ってました。コレットさんに、内ポケットを勧めてみました。

 

コレット「上着の内ポケット? そんなのあるの?」

 

アルフィン【ありますよ。男子生徒の多くはそこに入れてるみたいです】

 

コレット「ちょっと探してみる……あ、本当だ! こんなとこにポケットが! 男子ってここに入れてるんだね〜」前世の自分や、ハチマンさん、リィンさん、エリオットさん、ガイウスさんが「内ポケットが一番」と言ってたのを思い出しました。

 

コレット「確かにここなら落とさないかも! ありがとう、これからはここに入れるよ〜」

 

アルフィン【お役に立てて何よりですわ】

 

コレット「ふふ、なんかアルフィンさんにすっごくお世話になっちゃった! 代わりってわけじゃないけど、これもらってくれない?」

 

コレットさんから《シルバーチェイン》を受け取りました。

 

アルフィン【アクセサリー? お礼なんて必要ありませんわ】

 

コレット「気にしないで! こないだ、間違えて同じの2つ買っちゃってさ〜。有効活用ってことで!」

 

アルフィン【ふふ、そういうことでしたの。じゃあ、お言葉に甘えて。ありがとう、コレットさん】

 

コレット「それはこっちのセリフだよ! アルフィンさん、今日はほんとありがとう!」

 

落とした学生手帳】の依頼を達成しましたわ。コレットさんにお礼を言われ、学生会館を後にしました。

ユウのヒロインは誰が良いでしょうか?

  • 1ーエマ
  • 2ーフィー
  • 3ートワ
  • 4ーサラ
  • 5ースミレ
  • 6ーそれ以外(アリサとラウラは除く)
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