アルフィンの軌跡〜トールズ士官学院編〜   作:龍造寺

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第1章初めての特別実習編10話です。


第1章ー初めての特別実習編ー17ー10話ー旧校舎の調査①

 

トールズ士官学院・学生会館→トールズ士官学院内

 

七燿暦1204・4月18日・午前・帝国・トールズ士官学院・学生会館前。

 

学生会館を出て、リィンさんにARCUS(アークス)で連絡。導力器の配達依頼を終え、休憩中とのこと。わたくしもコレットさんの依頼完了を報告し、休憩後にヴァンダイク学院長の依頼に取りかかることに。

 

まずは水着や釣り竿の入った袋を置かなくちゃ。修練場(ギムナジウム)の水泳部女子更衣室へ行き、荷物を置きました。休憩中のクライン部長とマイン副部長に許可をもらい、依頼終了後に戻ることを約束。軽く何か食べようと、トリスタの喫茶店《キルシェ》へ向かいました。

 

 

トールズ士官学院・修練場(ギムナジウム)→トリスタ・喫茶店キルシェ

 

七燿暦1204・4月18日・午後・帝国・トリスタ・喫茶店キルシェ。

 

 

《キルシェ》のテラス席で、マキアスさんがコーヒーを飲みながらくつろいでいます。

 

アルフィン【マキアスさん、ここにいらしたんですか?】

 

マキアス「まあな。このトリスタ、書店、雑貨屋、ブティックと一通り揃ってる。このカフェも快適で、勉強が(はかど)るんだ」

 

アルフィン【学生には便利な街ですわね。マキアスさん、勉強熱心ですのね】

 

マキアス「はは、学生として当然だろ? 君も予習・復習をしっかりやった方がいいぞ」

 

アルフィン【もちろんですわ】

 

いい機会ですし、少し話してみましょう。

 

アルフィン【マキアスさん、よかったらご一緒させていただけます?】

 

マキアス「構わないよ。ちょうど休憩中だしな。君も何か注文をしたらどうだ?」

 

アルフィン【そうさせていただきますわ】

 

わたくしは紅茶、マキアスさんはコーヒーを注文。お互い飲み物を味わい、感想を口にします。

 

マキアス「深い苦味と香ばしい香り……この店、いい豆を使ってるな」

 

アルフィン【マキアスさん、コーヒーに詳しいんですのね?】

 

マキアス「はは、実は父さんが大のコーヒー好きでね。勉強の合間に飲むうちに、すっかり覚えたんだ」

 

マキアスさんのお父様は、帝都知事のカール・レーグニッツさん。バルフレイム宮でよくお名前を耳にしましたわ。

 

大賢者【告。カール・レーグニッツ。平民出身の帝都知事。革新派でオズボーン宰相の右腕とも。市民には絶大な人気ですね】

 

アルフィン【帝国時報や市民の声で知ってますわ】

 

大賢者【解。奥さんとは死別、父親一人でマキアス氏を育てたようです。ただ……】

 

アルフィン【大賢者、その先はいいわ。マキアスさんの過去を詮索するのは失礼ですもの】

 

大賢者【解。了解です。カール氏はコーヒー好きで、豆にこだわりがある。それがマキアス氏にも受け継がれたようですね】

 

カールさんのコーヒー愛がマキアスさんにまで。共和国の日本人街の《ルブラン》という店は、コーヒー通なら訪れるとヴァンさんから聞いたことがありますわ。マキアスさんがチラチラ紅茶を見てます。気になってるのかしら?

 

マキアス「ところで、君が飲んでるのは紅茶か?」

 

アルフィン【紅茶ですけど、何か? リラックスできるんですのよ?】

 

マキアス「やれやれ、紅茶は貴族御用達ってイメージがな。こないだもあの忌々しい男が気取って飲んでたし……」

 

ユーシスさんのことね。確かに彼も《キルシェ》で紅茶を飲んでましたっけ。

 

マキアス「はっ、すまん。貴族でもない君にケチつけて、僕もまだまだだな」

 

アルフィン【……気にしませんわ】

 

貴族じゃない、皇族ですもの。マキアスさんを騙してるみたいで、ちょっと心が痛みます。

 

アルフィン【せっかくですし、紅茶を一杯いかがです? 悪くありませんわよ】

 

マキアス「……ああ、じゃあお言葉に甘えるか。なら、このコーヒーも飲んでみてくれよ」

 

アルフィン【ありがとうございますわ】お互いのポットから紅茶とコーヒーを注ぎ、飲み干しました。

 

マキアス「……うーむ、紅茶も悪くないかもな」

 

アルフィン【そうでしょ? わたくし、勉強の時はコーヒー派ですわ】

 

マキアス「はは、そうだろ? そのうち一緒にここで自習でもしようか」

 

アルフィン【その時は喜んでご一緒しますわ】

 

その後もティータイムを楽しみ、わたくしとマキアスさんの絆が少し深まった気がします。

 

トリスタ・喫茶店キルシェ→トールズ士官学院・学院長室

 

七燿暦1204・4月18日・午後・帝国・トールズ士官学院・学院長室。

 

休憩を終え、リィンさんと本校舎の玄関で待ち合わせ、学院長室へ。窓の外を見ているヴァンダイク学院長に挨拶します。

 

リィン「学院長、失礼します。1年Ⅶ組、リィン・シュバルツァーです」

 

アルフィン【学院長、失礼いたしますわ。同じく1年Ⅶ組、アルフィン・レンハイムです】

 

ヴァンダイク「おお、待っておったぞ」

 

学院長が振り向く。背が高い……2アージュ、地球換算で200cm近くありますわね。

 

ヴァンダイク「トワ君から聞いておる。君たちが引き受けてくれたとな。初めての自由行動日なのに悪いが、話を聞いてくれるかな?」

 

リィン「はい、構いません」

 

アルフィン【ええ、構いませんわ】

 

リィン「裏手の旧校舎の地下調査についてですね?」

 

ヴァンダイク「うむ。入学式で使った場所だ。ちなみに、あの落とし穴の仕掛けはサラ君と協力者がやったんだが……ちとやりすぎた。ワシからも謝らせてくれ」

 

リィン「い、いえ、とんでもない」

 

アルフィン【もう気にしてませんわ】

 

やっぱりサラ教官と協力者が旧校舎の床を爆破したんですね。怪我人が出なかったのは不幸中の幸いですわね。

 

ヴァンダイク「話は戻るが、旧校舎には不思議な逸話が多い。石の守護者(ガーゴイル)もその一つだ」

 

リィン「どう考えても、あれは普通の魔獣じゃなく魔物でした」

 

石の守護者(ガーゴイル)……一人で生き返るはずないし、召喚されたような雰囲気でしたわ。

 

大賢者【解。後でサーチし直したら、何か呼び出された痕跡がありました】

 

アルフィン【呼び出された痕跡? 大賢者的には、誰が呼び出したと思います?】

 

大賢者【解。おそらく魔女関係の力かと】

 

アルフィン【魔女? 帝国には魔女の眷属(ヘクセンブリード)という一族がいますけど……旧校舎と関係があるのかしら?】

 

大賢者【解。結論を出すには情報が少なすぎます。情報が揃ってからでも遅くないかと】

 

アルフィン【そうね。まずは旧校舎の状態を確認しないと】

 

大賢者と結論を保留し、学院長の話に戻ります。

 

ヴァンダイク「❝魔獣❞は学園都市が人工的に生み出したか、❝魔物❞を飼い慣らしたもの。報告のものは魔物そのものだった。放っておけば、いつの間にか石像に戻る」

 

リィン「そ、そうなんですか!?」

 

アルフィン【元通りに?】

 

復元魔法……前世では聞いた気がしますが、この世界では初耳ですわ。

 

大賢者【解。復元魔法は確認できてませんが、身喰らう蛇(ウロボロス)ならそんな技術を持ってるかも】

 

アルフィン【結社なら、ありえるかも……】

 

ヴァンダイクの話を聞きながら考えます。

 

ヴァンダイク「この1年ほど、状況が変わったようじゃ。無かった扉が現れたり、どこからか声が聞こえたり、不思議な報告が相次いでおる」

 

去年から異常が増えた? 扉や声は確かに異常。魔女や結社の力が関係してるのかしら?

 

リィン「そんなことが……不思議な現象の確認を?」

 

ヴァンダイク「うむ。地下を一巡りして、先月末と違うことが起きてないか確認して欲しい。君たちなら適任じゃろう」

 

リィン「なるほど、確かに」

 

アルフィン【適材適所、学院長のご判断に敬意を表しますわ】

 

リィン「わかりました。何とかやれると思います。石の化け物が復活してたら厳しいですが……」

 

アルフィン【復活してたら、また倒すまでですわ】

 

リィン「二人だけじゃ厳しい可能性が高い」

 

ヴァンダイク「その時はとっとと引き返すことじゃ。これは【Ⅶ組】全員への依頼じゃなからな。他のメンバーや協力できそうな仲間を誘って入りなさい」

 

リィン「それは──」

 

アルフィン【了解しましたわ。協力してくれる方と一緒に調査します】

 

リィン「……アルフィン、そうだな。協力して入ろう」

 

ヴァンダイク「では、これを」

 

リィンさんが旧校舎の鍵を受け取ります。

 

ヴァンダイク「それで入り口が開くはずじゃ。よろしく頼んだぞ」

 

リィン「はい」

 

アルフィン【わかりましたわ】

 

こうして、旧校舎地下の調査を始めることに。協力者は……エリオットさんやガイウスさん? ハチマンさんも頼めば来てくれるかも。わたくしとリィンさんは、学院北東部の旧校舎へ向かいました。

ユウのヒロインは誰が良いでしょうか?

  • 1ーエマ
  • 2ーフィー
  • 3ートワ
  • 4ーサラ
  • 5ースミレ
  • 6ーそれ以外(アリサとラウラは除く)
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