アルフィンの軌跡〜トールズ士官学院編〜   作:龍造寺

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第1章ー初めての特別実習編11話です。


第1章ー初めての特別実習編ー18ー11話ー旧校舎の調査②

 

トールズ士官学院・学院長室→トールズ士官学院・旧校舎

 

七燿暦1204・4月18日・午後・帝国・トールズ士官学院・旧校舎入口前。

 

ヴァンダイク学院長からの依頼は、旧校舎地下を巡り、変化を確認すること。【Ⅶ組】全員への依頼ですが、全員が来るのは難しい。リィンさんと相談し、ARCUS(アークス)で連絡を取れる人に呼びかけました。リィンさんはエリオットさんとガイウスさん、わたくしはハチマンさんに連絡。3人が来てくれたので、鍵を開け、旧校舎へ入ります。

 

トールズ士官学院・旧校舎前→トールズ士官学院・旧校舎内部

 

七燿暦1204・4月18日・午後・帝国・トールズ士官学院・旧校舎・1階。

 

入学式のオリエンテーション以来の旧校舎。相変わらず薄暗く、埃っぽい雰囲気ですわ。

 

エリオット「ううっ……またこんな場所に来るなんて。ど、どう考えても無謀だよ……」

 

リィン「まあ、確かに。気が進まないなら無理しなくていいぞ?」

 

ハチマン「俺も気が進まねえけど、トマス教官の手伝いよりマシだ。こっちに来たわけ」

 

アルフィン【トマス教官のお手伝いって……大丈夫ですの?】

 

ハチマン「トマス教官が『Ⅶ組の依頼なら行ってこい』ってさ」

 

リィン「すまんな、ハチマン」

 

ハチマン「別にいい。お前らだけだと心配だしな。エリオット、お前は……」

 

エリオット「う、ううん、来週の実技テストもあるし、魔導杖の扱いに慣れたいから。それに、4人じゃ心配だよ」

 

リィン「そうか、助かる」

 

アルフィン【エリオットさん、ありがとうございますわ】

 

ガイウス「前回の半分以下の人数だ。慎重に進もう」

 

ハチマン「そうだな」

 

正面の扉から地下へ続く階段部屋へ。石の守護者(ガーゴイル)と戦った場所ですわ。大賢者、|探索(サーチ)をお願い。

 

大賢者【了。サーチ開始。──石の守護者(ガーゴイル)の気配なし。──!? 入学式時の部屋の配置が変わってる?】

 

アルフィン【どういうことですの?】

 

大賢者【解。旧校舎自体が変化してる可能性があります。かなりの注意が必要です。一巡りで終わるか怪しいかと】

 

アルフィン【すでに変化が起きてるってこと?】

 

大賢者【解。その可能性は極めて高いです】

 

変化がすでに……自分の目で確かめましょう。階段部屋へ向かいました。

 

トールズ士官学院・旧校舎前→トールズ士官学院・旧校舎内部

 

七燿暦1204・4月18日・午後・帝国・トールズ士官学院・旧校舎・地下1階。

 

扉を開け、階段部屋に到着。すぐに変化に気づきました。石の守護者(ガーゴイル)がない。部屋が狭くなったような……リィンさんたちも気づいたようです。

 

リィン「俺たちがあの化け物と戦った時より、部屋が小さくなってる」

 

エリオット「え?」

 

ハチマン「ざっと見て、2回り以上小さくなってるな」

 

ガイウス「ハチマンの言う通りだ。見覚えのないものも現れてる」

 

オリエンテーション時にはなかった扉が!

 

大賢者【解。あの扉はオリエンテーション時になかったです。変化の第一弾かと】

 

リィン「正直、半信半疑だったけど……」

 

ガイウス「とにかく、降りて扉の先を確認しよう」

 

ハチマン「それしかないな」

 

アルフィン【未知の領域ですわ。皆さん、慎重に】

 

リィン「アルフィンの言う通り、慎重に進もう」

 

 

トールズ士官学院・旧校舎前→トールズ士官学院・旧校舎内部

 

七燿暦1204・4月18日・午後・帝国・トールズ士官学院・旧校舎・地下第1層。

 

旧校舎地下1階が予測不能に変わってます。大賢者の探索(サーチ)|が効かなかったのはそのせい? それとも誰かの仕業?大規模な魔術を使えば、わたくしや大賢者の探索(サーチ)|に引っかかるはず。それが検知されず構造を変えたなら、わたくしの能力を知る者が対抗策を用意した可能性が……。

 

エリオット「って、ここ、完全に別の場所じゃない!? こんなとこ通った覚えがないよ!?」

 

ハチマン「こんなとこ通るはずねえ。まるで……」

 

リィン「間違いない。地下の構造が完全に変わった」

 

ガイウス「徘徊する魔獣の気配も違う」

 

ハチマン「確かにそう感じる」

 

学園都市の魔獣のような気配だけど、どこか違う。構造の変化が影響してるのかしら?ヴァンダイク学院長も、ここまでの変化は予想してなかったはず。

 

リィン「学院長の依頼は異変の確認だ。この状況、手ぶらで帰るわけにはいかない。行けるとこまで行こう」

 

アルフィン【それしかありませんわね】

 

エリオット「はぁ……仕方ないか」

 

ハチマン「しっかりしろ、エリオット。行くなら腹くくれ」

 

ガイウス「女神の加護を。行こう」

 

構造が変わった地下1階を、【戦術リンク】を駆使し、慎重に進みました。徘徊する魔獣はオリエンテーション時より強く感じましたが、最奥の扉まで到達。明らかに他の扉と異なる雰囲気です。

 

トールズ士官学院・旧校舎前→トールズ士官学院・旧校舎内部

 

七燿暦1204・4月18日・午後・帝国・トールズ士官学院・旧校舎・地下第1層・最奥。

 

最奥の扉を開け、部屋を調べようとした瞬間──

 

大賢者【告。マスター、最奥で突然のエネルギー反応! おそらく敵です!】

 

アルフィン【敵!?】背後から《ミノスデーモン》が出現!

 

アルフィン【皆さん、【戦術リンク】で戦いましょう!】

 

リィン「そうだな」

 

わたくしとハチマンさん、リィンさんとガイウスさんが連携。エリオットさんとハチマンさんがアーツで援護し、ガイウスさんの一撃でよろめかせ、わたくしの《獅子放光破》とリィンさんの《紅葉斬り》で《ミノスデーモン》を撃破!

 

エリオット「はぁ〜……マジ危なかった……」

 

ハチマン「まあ、俺たちだけで何とかなっただろ」

 

リィン「【戦術リンク】のコツがやっと掴めてきた。ARCUS(アークス)|で呼吸を合わせる感覚だな」

 

アルフィン【そうみたいですわね】

 

ガイウス「悪くない感覚だ」

 

ハチマン「不思議な感覚だぜ」

 

周囲を見渡すも、これ以上の敵はなし。ここが行き止まりのようです。

 

ガイウス「終点のようだな」

 

リィン「他のルートもない。地下の構造が完全に変わったんだ」

 

構造が変化したのは、誰かが大規模な魔術を使った証拠。わたくしや大賢者が知らない魔法なら、相当な力を持つ者が近くに……?

 

エリオット「うーん……信じられないけど」

 

ハチマン「……」

 

リィン「一旦、旧校舎から出るか」

 

エリオット「そうだね」

 

ガイウス「道は覚えた。帰りは楽に戻れる」

 

最奥を出ようとした時、近くの装置が突然光り出し、わたくし達を包み込んだ!

 

アルフィン【この装置、さっきは光ってませんでしたのに!】

 

リィン「この光は!?」

 

ハチマン「邪気はねえが、この装置は何だ!?」

 

全身が光に包まれ、意識が飛んだような感覚に──

 

トールズ士官学院・旧校舎前→トールズ士官学院・旧校舎内部

 

七燿暦1204・4月18日・午後・帝国・トールズ士官学院・旧校舎・地下1階。

 

目を開けると、階段部屋に瞬間移動していました。あの装置は一体?

 

大賢者【解。あの部屋から瞬間移動したようです】

 

アルフィン【瞬間移動? わたくしの座標移動(ムーブポイント)とも違う力?】

 

大賢者【解。解析を試みましたが、何かの力で弾かれました。解釈不能です】

 

アルフィン【今のわたくし達じゃ、解析も力も及ばないってことですのね……】

 

リィンさんたちは困惑した表情。ハチマンさんだけ渋い顔をしてます。何か知ってるのかしら? 聞くのはやめておきましょう。無言で旧校舎を後にしました。

 

トールズ士官学院・旧校舎内部→トールズ士官学院・旧校舎の外

 

七燿暦1204・4月18日・午後・帝国・トールズ士官学院・旧校舎の玄関前。

 

ガイウス「そろそろ夕刻か……」

 

エリオット「思ったより時間かかったね」

 

ハチマン「だな。予想以上に手間取った」

 

アルフィン【旧校舎の変化が多すぎましたから】

 

リィン「一旦、学院長に報告しよう」

 

アルフィン【エリオットさんたちもご一緒しません?】

 

エリオット「うん、もちろん」

 

ガイウス「行くとしよう」

 

ハチマン「報告するなら行くしかねえだろ」

 

わたくし達は、学院長室へ向かいました。

 

ーー

 

七燿暦1204・4月18日・午後・帝国・トールズ士官学院・旧校舎の屋根の上。

 

アルフィンたちを見下ろす二つの影。人間と猫である。

 

カズヤ「ふぅ、これほどの変化を起こすとは、旧校舎もやるじゃねえか。セリーヌ、どう思う?」

 

セリーヌ「まだまだね。あの程度の試練で手こずるようじゃ、この先の試練に耐えられないわ」

 

《エルフィン・スナイパー》のカズヤ・アレイスターと猫のセリーヌが会話している。

 

カズヤ「そうか? セリーヌ、厳しすぎだろ。5人で乗り越えたんだ、俺なら及第点だな」

 

セリーヌ「カズヤは甘いわ。厳しく育てないと、動乱を生き抜けないわよ」

 

カズヤ「わかってるよ。だからエマをⅦ組に入れたんだろ?」

 

セリーヌ「そうかもしれないけど……」カズヤが学院の方を見ながら続ける。

 

カズヤ「セリーヌ、真面目すぎんだよ。肩の力抜けよ。急ぐ必要はあるが、ずっと張り詰めてたら倒れちまうぜ」

 

セリーヌ「そんなことわかってるわよ」カズヤがどこからか受け取った紙を見て、真剣な表情に。

 

セリーヌ「どうしたの?」

 

カズヤ「猟兵崩れが共和国からクロスベル経由で帝国に入ったらしい。手引きしてる奴がいるかもしれねえ。調査に行かなきゃ。今夜、マユミを呼び出すつもりだったが……セリーヌ、マユミに伝えてくれ」

 

セリーヌ「ちょっと! そういうのは自分で言いなさいよ!」

 

カズヤは座標移動(ムーブポイント)で消えた。残されたセリーヌは──

 

セリーヌ「全く、いつも面倒な役目を……カズヤはカズヤだし、今さらどうにもならないわね。まあ、お土産は高いのでいいわ」

 

セリーヌは旧校舎の屋根から降り、本校舎へ向かった。

 

 

学院長室で、ヴァンダイク学院長、サラ教官、マユミ教官に旧校舎の出来事を報告。

 

サラ「地下の構造が丸ごと変わったか……」

 

マユミ「前から不思議なことはあったけど、構造が完全に変わるなんて……今までにないわ」

 

エリオット「その遺跡って、どんな由来なんですか? 外観から、かなり古そうですけど」

 

お父様もオリヴァルトお兄様も、旧校舎の起源や建設者は不明とおっしゃってました。

 

ヴァンダイク「誰が建てたかはわからん。だが、学院設立以前からある。数百年以上前……『暗黒時代』のものじゃろう」

 

ガイウス「『暗黒時代』……」

 

ハチマン「暗黒時代か……」

 

『暗黒時代』、1200年前の『大崩壊』後の混沌の時代ですわ。

 

サラ「その遺跡、魔導や錬金術、失われた技術が使われてるみたいだし、おかしなことだらけなのよね」

 

マユミ「でも、構造が別物になるなんて、さすがに異常よ!?」

 

ヴァンダイク「学院の記録でも、そんな事例はない。今回、ここまでの変化が……」

 

サラ「ま、私の方でも暇を見つけて調べてみるわ」

 

マユミ「私も調べるわ。旧校舎、ずっと気になってたし」

 

ヴァンダイク「それは助かる。シュバルツァー君、グレイグ君、ウォーゼル君、ヒキガヤ君、レンハイム君、ご苦労だった。よく調べてくれた」

 

リィン「いえ、力になれたなら幸いです」

 

アルフィン【ありがとうございますわ】

 

エリオット「あはは、頑張った甲斐があったよ」

 

ハチマン「そうだな」

 

ガイウス「……失礼する」

 

トールズ士官学院・本校舎・学院長の部屋→トールズ士官学院・1階の廊下

 

七燿暦1204・4月18日・午後・帝国・トールズ士官学院・本校舎・学院長の部屋の前。

 

サラ「ふふ、なかなか頑張ったじゃない」

 

マユミ「皆さん、旧校舎の調査、よくやってくれたわ。石の化け物じゃなく、いきなり魔獣が出てきたって聞いて、びっくりしたのよ」

 

サラ「マユミ、心配しすぎよ。無事に戻ってきたんだから。ARCUS(アークス)の【戦術リンク】も掴めてきたみたいだし」

 

【戦術リンク】のコツはだいぶ掴めました。今回は4人との連携でしたが。

 

リィン「【戦術リンク】ですね」

 

アルフィン【色々試してみましたわ】

 

ガイウス「使いこなせれば、かなりの力になる」

 

ハチマン「まあ、相手にもよるけどな」

 

エリオット「タイミング合わせるの、難しいよね」

 

サラ「いずれ他のメンバーとも合わせてもらうわ。とりあえず、依頼含めお疲れ!」

 

マユミ「リィン君、アルフィンさん、生徒会の依頼、ありがとう。エリオット君、ガイウス君、ハチマン君、旧校舎の件、ありがとうね」

 

サラ「特にリィンとアルフィン、次もこの調子で頼むわよ?」次も、ね。やっぱり。リィンさんは一回きりと思ったのか、驚いてますわ。

 

リィン「ちょっと待ってください。また次も!?」

 

アルフィン【こうなるのはわかってましたわ】

 

サラ「ほら、アルフィンはやる気ね。君たち、向いてるよ。それに、忙しい生徒会長の力になりたいと思わない?」

 

マユミ「トワさんにお仕事押し付けてるのは、サラ教官な気がするけど……私も人のこと言えないけど」

 

リィン「確かに、トワ会長、めっちゃ忙しそうだったけど……」

 

アルフィン【どうあがいても、わたくし達がやるしかなさそうですわ】

 

リィン「アルフィン……もう、了解です!」

 

サラ「うんうん、学院長に伝えておくわ。旧校舎の鍵は、そのまま君たちに預けとくって学院長が。気が向いたら、また皆で見てきて」

 

マユミ「危なかったらすぐ逃げるのよ。忘れないでね」

 

サラ「そうよ、マユミの言う通り。それじゃ!」

 

サラ教官とマユミ教官は教官室へ戻った。残されたわたくし達5人は──

 

エリオット「え、えっと……」

 

ハチマン「リィン、アルフィン、引き受けちまって大丈夫か?」

 

リィン「はは、クラブも決まってないし、今日みたいな依頼なら2人でやれると思う」

 

アルフィン【わたくしは水泳部との兼ね合いですけど、ね】

 

ガイウス「手が足りなかったら、遠慮なく声かけてくれ」

 

エリオット「うん、旧校舎行く時はまた付き合うよ!」

 

ハチマン「俺も、旧校舎ならまた行くぜ」

 

アルフィン【皆さん、ありがとうございますわ】

 

旧校舎の地下の調査】の依頼を達成しましたわ。報酬として《封技の刃》を受け取りました。

ユウのヒロインは誰が良いでしょうか?

  • 1ーエマ
  • 2ーフィー
  • 3ートワ
  • 4ーサラ
  • 5ースミレ
  • 6ーそれ以外(アリサとラウラは除く)
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