トールズ士官学院・学生会館・学生食堂→トールズ士官学院・第3学生寮へ向かう途中
七燿暦1204・4月18日・午後・帝国・トールズ士官学院・第3学生寮へ向かう途中。
水泳部の歓迎会を30分ほど楽しみました。クライン部長は新入生4人の加入に感激し、マイン副部長は女子の増加に喜んでいます。第2学生寮前でクライン部長やパスカルさんたちと別れ、わたくしとラウラさんは第3学生寮へ向かいました。話しながら歩いていると、喫茶《キルシェ》のマスター、フレッドさんが困った顔で立っています。何かあったのかと思い、声をかけました。
アルフィン【フレッドさん、どうかされました?】
フレッド「ん? アルフィンか。ちょっとやっちまったんだよ」
アルフィン【やっちまったって、何ですの?】
フレッド「いつも使ってる調味料を、さっき使い切っちまってな」
調味料を切らし、買いに行くのも注文もできない様子。フレッドさん曰く、その調味料を使った料理を楽しみにしている学院生も多いとか。ラウラさんが代用品を提案しましたが、風味が変わるため難しいそうです。これも生徒会の依頼の延長と考え、詳しく聞きます。
アルフィン【その調味料って、どんなものですか?】
フレッド「大陸南部原産のパッションリーフって珍しい香辛料だ」
大賢者【解。パッションリーフ、大陸南部産の香辛料ですが、ほとんどはリベール産。今から入手は難しいかと】
アルフィン【そうよね……リベールではよく見ましたが、帝国では珍しいですわね】
帝国はリベールから輸入してるから、入手が困難。フレッドさんは普段、ブランドンの店で特別に仕入れているそうですが、在庫チェックを怠り、切らしてしまったと嘆いています。大賢者から意外な情報が。
大賢者【告。
アルフィン【学院内に持ってる方が!?……フレッドさん、ちょっと待っててください。心当たりがありますわ】
フレッド「アルフィン、いいのか? 頼んじまっても?」
アルフィン【構いませんわ。生徒会の依頼と思えば、なんとかなります】
トワ生徒会長を通さず動くのは気が引けますが、腹を括ります。
フレッド「ありがとな、アルフィン」
アルフィン【確実な保証はありませんけど、いいですわよね?】
フレッド「ああ、わかってる」
ラウラさんが心配そうに見ています。
ラウラ「アルフィン、そなた……」
アルフィン【大丈夫ですわ。人助けは慣れてます。ラウラさんは先に寮へ帰っててください】
ラウラ「いいのか? 私も手伝おうか?」
アルフィン【何かあれば頼りますわ。荷物、寮に持って帰ってもらえます?】
ラウラ「そんなことか。構わんぞ」
ラウラさんに荷物を預け、彼女は何か言いたそうでしたが、黙って寮へ。心の中で謝り、フレッドさんの依頼を開始。まずは調理部のニコラス部長に【パッションリーフ】を尋ねます。本校舎2階の調理部室へ向かいました。
トールズ士官学院・第3学生寮へ向かう途中→トールズ士官学院・本校舎・調理部室
七燿暦1204・4月18日・午後・帝国・トールズ士官学院・調理部室
調理部室に着くと、ニコラス部長が声をかけてきました。
ニコラス「やあ、アルフィン君。調理部に用かな?」
アルフィン【ニコラス部長、ちょっとよろしいですか?】
事情を説明し、【パッションリーフ】の有無を尋ねました。
ニコラス「なるほど、『パッションリーフ』か……すまない、使ったことはあるけど、今は持ち合わせてないんだ」
アルフィン【そうですか……わかりましたわ】
貴重な香辛料と知っていただけに、落胆します。残りは学生食堂のラムゼイさん。すると、ニコラス部長がにこやかに続ける。
ニコラス「諦めるのは早いよ。調理部にはないけど、学生食堂ならあるかも。前に日替わり定食で、微かに【パッションリーフ】の風味を感じたんだ。隠し味程度だけどね」
大賢者【告。改めて
アルフィン【ニコラス部長の舌、ありがとうございますわ。大賢者も感謝ですわ】
大賢者【解。マスターのためなら何でもします】
アルフィン【ありがとう、大賢者】
わたくしは、改めてニコラス部長にお礼の挨拶をします。
アルフィン【ニコラス部長、ありがとうございましたわ】
ニコラス「いや、力になれなくてすまないな」
アルフィン【これもわたくし達の仕事ですから】
調理部を出て、学生会館の学生食堂へ向かいます。
トールズ士官学院・本校舎・調理部室→トールズ士官学院・学生会館・学生食堂
七燿暦1204・4月18日・午後・帝国・トールズ士官学院・学生会館・学生食堂。
学生食堂に着き、調理室へ。ラムゼイさんに話しかけます。
ラムゼイ「お? 何か用か? つまみ食いでもしに来たか?」
アルフィン【違いますわ! ラムゼイさんに用事があって来ました!】
つまみ食いじゃないと伝え、事情を説明。ラムゼイ「《キルシェ》のために『パッションリーフ』か? 確かにここにある」
アルフィン【本当ですの!?】
これでフレッドさんも、料理を楽しむ学院生も助かりますわ。安堵しました。
ラムゼイ「これ、持ってけ」
『パッションリーフ』の束を受け取りました。
アルフィン【ラムゼイさん、すみません、お代金を……】
制服のポケットからフレッドさんから預かったお金を出すと、ラムゼイさんが遮る。
ラムゼイ「そんなもんいらねえ。2週間はそれで凌げるだろ。足りなくなったら、また来な」
アルフィン【わかりましたわ。ラムゼイさん、ありがとうございました】
厳しそうな人でしたが、優しい方でしたわ。調理室を出て、《キルシェ》へ向かいます。
bgcolor:#4399C7》トールズ士官学院・学生会館・学生食堂→トリスタ・喫茶キルシェ《/bgcolor》
七燿暦1204・4月18日・午後・帝国・トリスタ・喫茶キルシェ。
喫茶店《キルシェ》に着き、フレッドさんに話しかけます。
フレッド「まさか……『パッションリーフ』持ってきてくれたのか?」
アルフィン【ええ、持ってきましたわ】
『パッションリーフ』の束を渡します。
フレッド「はは、ほんとに持ってきてくれるとはな。ありがとな、恩に着るぜ、アルフィン」
アルフィン【わたくし、❝承った依頼は必ず達成する❞がモットーですわ】
フレッド「遊撃士も顔負けだな」
フレッドさんは、『パッションリーフ』が高価だと驚きつつ、事情を説明。
アルフィン【実は調理部じゃなく、学生食堂から頂いたものですの】
フレッド「なるほど、ラムゼイさんか。改めて礼を言いに行かなきゃな」
アルフィン【わたくしもお礼しましたが、フレッドさんからもお願いしますね】
フレッド「ああ、そうさせてもらう。お前にも感謝だ。客をがっかりさせずに済んだし、何より一生懸命動いてくれて嬉しかった。つまらんもんだが、これ持っててくれ」
『クリスピーピザ』を3個受け取りました。
アルフィン【こんなに……いいんですの?】
フレッド「いいに決まってる。生徒会にはいつも助けられてるからな。今回は特にアルフィンに」
フレッドさんと少し世間話をして、『クリスピーピザ』を持って第3学生寮へ。Ⅶ組のみんなと分け合って、美味しく頂きました。
トリスタ・第3学生寮内
七燿暦1204・4月18日・午後・帝国・トリスタ・第3学生寮・307号室・アルフィンの部屋。
お風呂を済ませ、307号室でオリヴァルトお兄様やユーフェミアお姉様への手紙や自由行動日のノートを書きつつ、リィンさんからもらった導力ラジオを手に取ります。技術部の依頼の流れでリィンさんが貰ったものを、わたくしにもプレゼントしてくれたのは嬉しいですわ。小型で場所を取らないし。そういえば、リィンさんがトリスタ放送で新番組が始まると言ってましたっけ。スイッチを入れ、周波数を合わせると、BGMと共にパーソナリティの声が。
ミスティ【今週から、日曜日のこの時間に新トーク番組が始まります。番組名は〚アーベントタイム〛──❝夕べの時間❞。ベタですけど、基本と行動は大事ってことで。進行・パーソナリティはわたくし〚ミスティ〛がまったり勤めさせていただきます。いずれ豪華なゲストも予定してるので、楽しみにしててくださいね】
アルフィン【ミスティさん? 色っぽい声だけど、どこか聞き覚えが……でも、こういうノリの番組、嫌いじゃありませんわ】
ミスティ【4月半ばを過ぎ、皆さんいかがお過ごし? トリスタでは、ライノの花が散り始めてますね。花の儚さや風情も格別。新生活で忙しい方も、たまには外の景色を見て息抜きを。いいリフレッシュになりますよ】
入学以来、トリスタから出かけてませんわね。ミスティさんのおっしゃる通り、余裕があれば自然を眺めるのもいいかも。ミスティさんの番組を楽しみつつ、夜が更けていきました。
トリスタ→西トリスタ街道の入り口
七燿暦1204・4月18日・午後・帝国・西トリスタ街道の入り口。
マユミが導力バイクの試作機(ジョルジュとアンゼリカの依頼でテスト中)に乗り、帝都の自宅へ帰ろうとした時、黒い猫が飛び出してきた。
マユミ「こら、急に飛び出すと危ないでしょ!」
セリーヌ「こうでもしないと、走り出しちゃうでしょ?」
マユミ「そうね、走るとこだったわね。あなたがこうやって出てきたってことは、何かあったの?」
セリーヌ「カズヤからの伝言よ」
マユミ「カズヤくんが学院に来たの?」
セリーヌ「あの子たちの旧校舎の試練を見てきたのよ」
マユミ「旧校舎……構造が変わるって、まさか試練のために?」
セリーヌ「私やカズヤが試練をどうこうできるわけじゃない。旧校舎の力か、他の誰かの影響かもしれない」
マユミ「他の誰かって……結社じゃないわよね?」
セリーヌ「それはないわ」
マユミ「なら、調べるしかないわね」
セリーヌが伝言を伝えると、マユミはカズヤが直接来なかったことに不満そう。
セリーヌ「本当は直接言うつもりだったみたい。けど、帝国内に猟兵が入り込んだとかで、呼び出されたのよ」
マユミ「猟兵!? それは大変……明日、学院長に相談しないと。カズヤが動くのも仕方ないわ。セリーヌ、ありがとう」
セリーヌ「言われたことを伝えただけ。じゃ、戻るわ」
セリーヌはトリスタへ戻り、マユミは星空を見上げる。
マユミ「殿下が言ってた動乱が始まるのかしら? 私とカズヤくんがいた世界のようには……」
拳を握り、マユミは思う。あの世界で滅亡の危機を防いだが、力の解放でこの世界に飛ばされた。オリヴァルトと出会い、《エルフィン・スナイパー》を設立。トールズの教官も彼の頼みだ。
マユミ「ううん、あの世界のようにはさせない。やらせない!」
そう決意し、導力バイクで帝都へ走り去った。
西トリスタ街道の入り口→帝都ヘイムダル・マユミ、自宅
七耀暦1204・4月18日・午後・帝国・帝都ヘイムダル・マユミの自宅
導力バイクの試作機をフルスロットルで走らせ、マユミは帝都ヘイムダルの自宅に到着した。夜の街は静まり返り、遠くの導力灯がちらちらと光ってる。
ガレージにバイクを停め、ヘルメットを外すと、冷たい夜風が頬を撫でた。
マユミ「ふぅ…やっと着いたわ。ジョルジュ君とアンゼリカさんの試作機、結構スピード出るじゃない…アドバイスするにも乗ってみないとね」
自宅のドアを開け、リビングに明かりをつけた。シンプルな部屋に、オリヴァルトからもらった小さな竪琴の置物が飾られており、2人の(カズヤとマユミの結婚式)が写真が置かれてる。
マユミ「猟兵が帝国内に…カズヤ君が動くのも当然ね。学院長に報告したら、私も何かできることを探さないと」
ソファに腰を下ろし、今日の出来事を整理する。セリーヌの言葉が頭を離れない。
マユミ「旧校舎の構造変化…試練って言ってたけど、結社じゃないなら何の力? 魔女の一族か、それとも別の何か…明日、ヴァンダイク学院長としっかり話さないと」
ふと、壁に掛かった写真に目が留まった。カズヤとマユミが別の世界で戦った時のものだ。あの時、世界の滅亡を防ぐために力を解放した瞬間、二人はこの帝国に飛ばされた。
マユミ「オリヴァルト殿下と出会って、エルフィン・スナイパーを立ち上げて…あの動乱を繰り返さないために、私達はここにいるんだよね」
キッチンでお茶を淹れ、温かいカップを手に持つ。オリヴァルトの頼みでトールズの教官になったマユミ。今はそれ以上の責任を感じている。
マユミ「Ⅶ組の子供たち…アルフィンさんやリィン君たちが旧校舎で頑張ってたみたいだけど、あの子たちにも動乱が迫ってるかもしれない。守れるように、私も準備しないと」
窓の外を見ると、帝都の夜景が広がってる。猟兵の動きが何を意味するのか、カズヤがどこで何をしてるのか、不安が胸をよぎる。
マユミ「カズヤ君、無茶しないでね。私たちの世界みたいに、全てを背負わなくていいんだから…」
マユミはカップを置いて、デスクに向かった。明日、学院長に報告するためのメモを書き始める。猟兵の情報、旧校舎の異常、カズヤの動向…これを整理して、対策を考え始める。
マユミ「動乱は絶対に防ぐ。オリヴァルト殿下のため、Ⅶ組のため、そしてこの世界のために…私にできることをやるだけよ」
夜が更ける中、マユミはペンを走らせ続けた。導力車のエンジン音が遠くに響き、帝都の夜が静かに過ぎていく。
ユウのヒロインは誰が良いでしょうか?
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1ーエマ
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2ーフィー
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3ートワ
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4ーサラ
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5ースミレ
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6ーそれ以外(アリサとラウラは除く)