アルフィンの軌跡〜トールズ士官学院編〜   作:龍造寺

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第1章初めての特別実習編15話です。


第1章ー初めての特別実習編ー22ー15話ーケルディックとパルムへ。

 

トールズ士官学院・第3学生寮

 

七燿暦1204・4月24日・午前・帝国・トールズ士官学院・第3学生寮・アルフィンの部屋(307号室)

 

特別実習の最終確認中。1泊2日の荷物で、A班のケルディック行きは問題なさそうですわ。

 

大賢者【告。交易地ケルディックなら、トリスタから歩ける距離ですね】

 

アルフィン【わたくし一人なら歩く選択もありますけど、チームプレイですから無理ですわ】

 

大賢者【解。晴れてよかったですね。雨なら実習が大変だったでしょう】

 

サラ教官の言っていた《特別実習》。自由行動日にリィンさんとやった生徒会の課題がヒントのような気がします。トワ生徒会長の課題も、遊撃士の依頼に似てましたし、サラ教官が無意味なことをさせるはずもない。特別実習は、遊撃士的な課題を想定してるのかも。

 

籠手をケースに、ARCUS(アークス)をショルダーバッグに。このバッグ、まるで日本のFLT社製のよう。わたくしの知るFLT社とは別ですけど。ハンカチとティッシュをポケットに入れ、準備完了。

 

大賢者【告。マスター、A班にも爆弾があるのはわかってますよね?】

 

アルフィン【リィンさんとアリサさんのことね?】

 

大賢者【解。わかってればいいんですが。B班との競争なら、足を引っ張る可能性も】

 

アルフィン【そんなこと言わないで。ギクシャクしてるけど、きっかけがあれば好転すると思うわ】

 

大賢者【解。具体的にはどんな策を?】

 

アルフィン【策なんてありませんわ。運に任せて、良い方向に進むのを願うだけ】

 

大賢者【解。運任せは時間がかかりそう。この実習中に解決は難しいかもしれません】

 

確かに時間はかけられない。でも何か仕掛けるのも難しい。ワクワクと不安が入り乱れますわ。

 

大賢者【告。マスターがアリサさんの立場なら、リィンさんをひっぱたきますか?】

 

アルフィン【わたくしがあの状況なら?】

 

想像してみる。リィンさんがわたくしを守ってくれて……恥ずかしいけど、平手打ちはしないかな。変なとこ触ったら別ですけど。

 

アルフィン【叩かないですわ】

 

大賢者【解。マスター、抱き抱えられるのに慣れてますからね?】

 

アルフィン【大賢者! どういう意味ですの!?】

 

大賢者【解。マスターが一番わかってることですよ】

 

確かに、数人の殿方に抱き抱えられたことあるけど、危険を避けるためで……あっ!?

 

大賢者【解。マスターもリィンさんと同じ。前世の光井和也で、危険な時に誰かを助けてましたよね?】

 

アルフィン【うっ、確かにやってましたわ……】

 

無意識に助けてただけですわ!

 

アルフィン【とにかく、時の運に任せるしかないですわね】

 

大賢者【解。今はそれしかないですね】

 

リィンさんとアリサさんのことは置いといて、特別実習に集中。Ⅶ組専用バッグ(必要最低限の荷物)と籠手ケースを持ち、部屋を出ます。

 

 

トールズ士官学院・第3学生寮・アルフィンの部屋→第3学生寮・玄関

 

七燿暦1204・4月24日・午前・帝国・トールズ士官学院・第3学生寮・玄関)。

 

 

階段を降りると、リィンさんやアリサさんたちが揃ってました。わたくしが最後? あれ、リィンさんとアリサさんが笑って話してる。昨日までのギクシャクが嘘みたい。エリオットさんが「もう仲直りしたよ」と教えてくれました。わたくしがあれだけ悩んだのに、あっさり仲直り? 何のための悩みだったの?

 

大賢者【解。疲れ損ですね】

 

アルフィン【そうね、わたくしだけ疲れ損。でも、これで後腐れなく実習に臨めますわ】

 

大賢者【解。マスター、ポジティブですね】

 

アルフィン【足を引っ張る心配がなくなっただけでも、よしとしなきゃ】

 

リィンさんとアリサさんは、朝の何かで仲直りしたみたい。みんなも二人の空気にモヤモヤしてたから、よかったわね。

 

アルフィン【特別実習、みんなで楽しく行きましょう。その方が楽しいですわ】

 

エリオット【そうだよね】

 

スハルト【B班みたいな空気だと、先が思いやられるからな】

 

B班はマキアスさんとユーシスさんのいがみ合いで空気が最悪。帝国南部の紡績町パルムまで列車で移動中も一緒だなんて、ゾッとしますわ。

 

リィン【話はここで切り上げて、そろそろ出発しよう】

 

アルフィン【列車まで時間あるし、お店に寄ってもいいんじゃない?】

 

アリサ【士官学院の購買、早朝から開いてるって】

 

エリオット【購買や技術部で装備も整えられるね】

 

スハルト【装備はちゃんと確認しろよ】

 

ラウラ【では、行こうか】

 

士官学院へ向かい、技術部でARCUS(アークス)のクオーツを確認、購買で必要最低限の物を購入。学生会館を出ると、白い制服の女子生徒が入ってきた。エメラルドグリーンのゆるふわな髪、ブルーとレッドのオッドアイが印象的。

 

大賢者【告。2年Ⅰ組、シェルファニール・フォン・オルコット。オルコット伯爵家のご息女。スリーサイズは……】

 

アルフィン【大賢者、なにサーチしてるの? 危険人物ならともかく、先輩の……】

 

シェルファニールさんが話しかけてきた。

 

シェルファニール【貴方たちはⅦ組さんですわね?】

 

リィン【はい、そうです。あなたは?】

 

シェルファニール【申し遅れましたわ。わたくし、シェルファニール・フォン・オルコットですわ】

 

ラウラ【シェルファニール嬢ではないか】

 

シェルファニール【ラウラさん! トールズに来てくれて嬉しいですわ】

 

ラウラ【こちらこそ光栄だ】

 

シェルファニール【今日から特別実習ですわよね? 頑張ってくださいな】

 

そう言って、学生会館の上階へ。バルフレイム宮で会ったことあるわ。お父上の後ろに隠れてた少女が、こんな美人に。わたくしを見て「どこかで会ったような」表情だったけど、気づかないでね。

 

アリサ【ラウラ、シェルファニール先輩と知り合い?】

 

ラウラ【剣を通じての仲だ。ああ見えて剣の使い手だ】

 

エリオット【え、そうなの?】

 

スハルト【ラウラの言う通り。無駄のない動きだ】

 

リィン【ああ、スハルトの言う通りだな】

 

わたくしもわかる。朝の鍛錬で、シェルファニールさんが大剣を軽々と振る姿を見ました。歩き方も姿勢が美しい。

 

アリサ【人は見かけによらないわね】

 

リィン【そうだな】

 

 

学生会館を出て、トリスタ駅へ。途中でミュヒトさんが

色(・)々(・)と(・)物(・)騒(・)だ(・)か(・)ら(・)気(・)を(・)つ(・)け(・)ろ(・)と。

 

リィンさんたちは何のことかわからない様子。ミュヒトさんは情報屋だから、ホラじゃない。ケルディックで何かある?

 

大賢者【告。探索(サーチ)しますか?】

 

アルフィン【やめなさい。大賢者、危険が迫ったらすぐ教えてね】

 

大賢者【了】

 

リィンさんたちが駅へ。わたくしも向かおうとすると、ミュヒトさんが。

 

ミュヒト【もう一つ。あの辺は縄張り意識が強い連中が多い。気をつけな】

 

アルフィン【縄張り意識……ご忠告ありがとうございますわ】

 

ミュヒト【店に戻るか。お前たち以外、まだ客はいねえな】

 

質屋に戻るミュヒトさん。ケルディックは領邦軍と鉄道憲兵隊の対立がある。何事もなければいいけど。メガネの女性が眠そうに歩いて行く。

 

大賢者【告。トリスタ放送局から出てきた模様】

 

アルフィン【ラジオ局の関係者?】

 

大賢者【解。調べますか?】

 

アルフィン【人のプライバシーを勝手に見ないの】

 

大賢者【了】

 

アリサさんが駅から顔を出し

 

アリサ【アルフィン、何してるの? 切符買ったよ】

 

アルフィン【すみません、ちょっと考え事】アリサ【悩みでも?】

 

アルフィン【別に悩みはないけど……】

 

トリスタ駅へ向かいました。

 

トリスタ→トリスタ駅

 

七燿暦1204・4月24日・午前・帝国・トリスタ・トリスタ駅内。

 

リィンさんから切符を受け取り、B班を見ると、予想通りの空気。ハチマンさんが話しかけてきました。

 

ハチマン【お前ら、もっとゆっくりでもよかっただろ?】

 

リィン【さすがにゆっくりはできないさ】

 

フィー【おはよー】

 

スハルト【フィー、おはようさん】

 

アリサ【そっちはもう出発?】

 

エマ【パルムは遠いからですから。今出ても夕方着です】

 

スハルト【リベール国境みたいなもんだからな】

 

エリオット【帝国で一番南の町だよね】

 

マキアスさんとユーシスさん、背中合わせで無言。ガイウスさんがなだめるも効果なし。

 

アリサ【あれって】

 

リィン【ずっとあの調子なのか?】

 

ハチマン【ああ、ずっとだ】

 

エマ【溝が思ったより深くて……】

 

フィー【正直、うっとおしい】

 

スハルト【同情するぜ、フィー】

 

フィー【同情なら、変わってよ】

 

スハルト【それは嫌だ】

 

アルフィン【リィンさんとアリサさんのようにはいきませんね】

 

エマさんが振り向き。

 

エマ【そういえば、アリサさん、リィンさんと仲直りしたんですね?】

 

アリサ【べ、別にそんな大したことじゃ……そもそも最近知り合っただけだし!】

 

ハチマン【よかったな、リィン】

 

フィー【やったね】

 

リィン【はは、ありがとう】

 

アリサ【だから大げさじゃないって!】

 

駅にアナウンスが流れる。

 

【まもなく2番ホームに帝都行き旅客列車が到着します。ご利用の方は連絡階段を渡ったホームでお待ちください】

 

ユーシスさんがスタスタ歩き出し、マキアスさんも続く。行動だけは一致してるわね。エマさんやハチマンさん、大変そう。

 

リィン【大変そうだが、頑張ってくれ】

 

ハチマン【そう言うなら代わってくれよ】

 

アルフィン【サラ教官の許可なしじゃ無理ですわ】

 

ハチマン【アルフィン、ただ言っただけだ】

 

エリオット【ハチマンもガイウスも大変だけど……】

 

ガイウス【やるだけやってみる】

 

ハチマン【めんどくせえが、ガイウスと協力して何とかする】

 

スハルト【何かあったら、あの二人を黙らせるのも必要だ】

 

ラウラ【そなたたちも武運を。気をつけてな】

 

ハチマン【ラウラもリィンたちもな】

 

アリサ【初めての特別実習、頑張りましょう】

 

エマ【そうですね】

 

フィー【じゃね】

 

ハチマンさん、ガイウスさん、エマさん、フィーちゃんは帝都行き列車に乗り、帝都中央駅でセントアーク方面の列車に乗り換え、パルムへ。リベール国境近くで、移動に1日かかります。

 

リィン【ハチマンやエマ、ガイウスがいればなんとかなるだろ。フィーは……よくわからないな】

 

スハルト【フィーも戦闘ならやってくれる。特に戦闘はな】

 

アリサ【まぁ、独特だけど問題起こす子じゃないわ】

 

アルフィン【じゃあ、わたくし達も気を引き締めて行きましょう】

 

リィン【そうだな】

 

B班と逆のクロスベル方面の列車を待ち、帝都から来た列車に乗り、ケルディックへ向かいます。

 




昼投稿です。

ユウのヒロインは誰が良いでしょうか?

  • 1ーエマ
  • 2ーフィー
  • 3ートワ
  • 4ーサラ
  • 5ースミレ
  • 6ーそれ以外(アリサとラウラは除く)
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