アルフィンの軌跡〜トールズ士官学院編〜   作:龍造寺

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第1章初めての特別実習編21話です。


第1章ー初めての特別実習編ー28ー21話ー初めての依頼を終わらせて。

 

ケルディック・礼拝堂→ケルディック・東側出入り口

 

七燿暦1204・4月24日・正午・帝国・ケルディック・東側出入口。

 

わたくし、アリサさん、エリオットさんは、ケルディックの東側の出入り口方面に向かい、先にお待ちになられていたリィンさんたちと合流しました。

 

リィンさんたちの街道の街灯の交換の依頼でも魔物たちと遭遇されたようです。

 

壊れた街道灯の交換ですから、魔物に襲われる可能性は十分に高いですね。街道灯のおかけで、魔物は街道に近づけないのですから。でも壊れていては、その役目は果たせないので、交換が必要なのです。こういう依頼は、遊撃士に依頼されるのですが、今回はわたくしたちの特別実習の課題のために協力してくれたみたいです。

 

リィンさんたちも街道灯の交換を3人でやられたようです。

 

そして今のわたくしたちは、A班全員でやる課題、魔物退治の依頼の話しをしています。

 

依頼内容からして、農家の方がかなり困っていらっしゃるのは間違いないですわ。今、収穫の時は待っているライ麦が大型魔獣のせいで、収穫ができないなんて、みんなが困ることですわ。農作物の物流が止まるなんて考えたくもありませんわね。

 

わたくしたちは、6人揃って東ケルディックの農家さんであるサイロさん宅を目指して歩いていきます。

 

ケルディック・東側出入り口→東ケルディック・サイロ老人宅

 

七燿暦1204・4月24日・正午・帝国・東ケルディック・サイロ老人宅前。

 

東ケルディック街道を歩いて、サイロさん宅にやって来ましたけど、さきほどの西ケルディック街道と違って、魔獣の数が多い気がしますね。西ケルディック街道の方は、農家の方々がライ麦を収穫されていたのに対して、東ケルディック街道の方は誰も収穫している人がいませんね。やはり大型魔獣のせいでしょうか。ただのどかなのは変わりませんが。

 

大賢者【解、おそらくは手配魔獣、大型魔獣が原因だと考えられます】

 

アルフィン【大型魔獣がですか……】

 

大賢者【解、大型魔獣が何らかの力を得て、その辺りにいる魔獣に影響を与えれている可能性は十分に考えられます】

 

アルフィン【その大型魔獣が影響を与えているのなら倒すしかありませんわね】

 

リィン【さてと、ここが手配魔獣の依頼を出した農家で間違いないと思うが…】

 

スハルト【ここで間違いないと思うが?というかここ以外ないだろ?】

 

ラウラ【どうする?立ち寄って話を聞いてみるか?】

 

アルフィン【ここで合っていますわ】

 

エリオット【え?断言しちゃうの?うーん、依頼主さんがいれば詳しい話を聞かせてもらえるかも】

 

スハルト【アルフィンの言うとおりだぜ、この辺りには農家ここにしかないってな】

 

スハルトさんは、いつの間にかここの住民の人に話しかけていて、ちゃんと確認を取ったみたいですわ。

 

アリサ【スハルト、アンタって人は…それじゃあお話を聞きに行きましょう】

 

 

東ケルディック・サイロ老人宅前→サイロ老人宅

 

七燿暦1204・4月24日・正午・帝国・東ケルディック・サイロ老人宅。

 

わたくしたちは、サイロさんと思われるお爺様に話しかけてみました。

 

アルフィン【貴方が、サイロさんでお間違いはないでしょうか?】

 

エリオット【僕たち、手配魔獣の依頼を受け取ったトールズ士官学院の者です。よければ魔獣について詳しく伺いたいんですけど】

 

サイロ老人【ほう、君たちが……いかには私がサイロと申します。しかし、士官学院の学生さんが頼みを聞いてくれるという話は聞いていたものの…娘さんもおられるようじゃし、君たちのような若者に危険な仕事を頼むのは忍びないのう…】

 

サイロさんのおっしゃることは、当たり前なのかもしれないですわ。ましてやわたくしたち、女性や若者に危険な事を頼むことに抵抗感があるのでしょうけど、ここにいる6人は、少なからず戦闘経験がありますから何とかなりますわ。でもサイロさんのお気遣いはありがたいですわ。

 

アリサさんもラウラさんもわたくしと同じようなことおっしゃっていますわ。

 

サイロ老人【そうですか……。ならこれ以上は言いますまい。魔獣が出るのは、これより少し先、街道のハズレにある高台付近です。これが実に獰猛なやつでして、辺りをおちおち通ることすら叶わぬ状況でしてな。向かう際には十分にお気をつけてくだされ】

 

エリオット【な、なるほど。みんな準備は万全に整えておこうね】

 

スハルト【言われなくても分かってるって】

 

アリサ【確かに、その方が良さそうね】

 

アルフィン【それでは準備ができ次第、魔獣退治に向かうとしましょうか】

 

リィン【あ、油断せずに行こう】

 

わたくしたちは、自分の装備等をちゃんと確認をやってから、手配魔獣の大型魔獣を退治するために東ケルディックの街道の外れにある高台を目指して歩いていきます。

 

 

東ケルディック・サイロ老人宅→ケルディックの街道外れの高台

 

七燿暦1204・4月24日・昼過ぎ・帝国・東ケルディック・東ケルディックの街道の高台。

 

ケルディック街道の外れにあるちょっと丘みたいになっているところを登ってったところが、高台みたいです。その高台のとこに手配魔獣『スケイリーダイナ』がいますわ。

 

確かにあんな大型魔獣がいるのでは、街道の往来やライ麦の収穫とかできるわけがありませんわ。普通の方々が、あんな大型魔獣に襲われでもしたらひとたまりもありませんから。

 

エリオット【あれが…手配魔獣!?】

 

ラウラ【どうやら手配にあった魔獣のようだな】

 

スハルト【そうだな】

 

アリサ【さすがに強そうね、どうするの?】

 

リィン【農家の迷惑になっている以上、退治するしかない】

 

アルフィン【そうですわね。わたくしたち全員で戦えば、勝てると思いますわ!】

 

リィン【戦術リンクや導力魔法を組み合わせて戦おう!】

 

わたくしたちは、それぞれの役目を追うように、周りに動き回ります。わたくし、リィンさん、ラウラさんは前衛へ。アリサさん、スハルトさん、エリオットさんは、後衛から支援をやってくれています。

 

まずは、リィンさんとラウラさんが大剣と太刀で、大型魔獣の『スケイリーダイ』に攻撃を仕掛けましたが、軽く弾かれた感じになりました。2人は体制を整えるために一旦引きます。

 

わたくしは、【スケイリーダイナ】に拳でダメージを与えに行きましたが……【スケイリーダイナ】の身体の皮膚がとてつもなく硬い気がしますわ。

 

これ、ほとんどダメージは与えられていない感じがすぐにわかりましたわ。

 

大賢者【告、スケイリーダイナは、斬撃や拳等の攻撃は効きにくいかと。その代わり、水属性は弱点のようです】

 

アルフィン【大賢者、スケイリーダイナのサーチ、ありがとうですわ。と言ってもわたくし、水属性の攻撃はほとんど…】

 

わたくしは炎(火)属性、水属性はあまり扱えませんわ。だから確か相性の良かったスハルトさんに

 

アルフィン【スハルトさん、スケイリーダイナは水属性が弱点ですわ!】

 

スハルト【水属性だと!?】

 

アリサ【アルフィン、水属性が有効なの?水属性の攻撃なら】

 

アリサさんは、導力弓に何かをセットしたかと思いましたら、スケイリーダイナに

 

アリサ【なら、これが有効ね!】

 

そうおっしゃって、スケイリーダイナに導力弓を放ちました。放たれた導力弓は、途中で氷を纏ったようになり、スケイリーダイナの硬い皮膚に刺さり、太刀や大剣で攻撃した時よりもダメージがあるのは、誰の目にしてもわかるような効果ですね。

 

スハルトさんも自身の得物をスケイリーダイナに向けて

 

スハルト【あまり使ったことはないが、弱点なら仕方ねえか】

 

スハルトさんは2発の銃弾を発射して、2発ともスケイリーダイナの身体に命中しました。すると命中したところからスケイリーダイナが凍り始めました。

 

スハルト【とある武器商人から購入したアイスニードル、滅多に使ったことはないが効果的面だな。あとはよろしく、リィンたち!】

 

リィン【動きが止まったな、アルフィン、ラウラ、俺たちでとどめを刺そう】

 

ラウラ【承知!】

 

アルフィン【わかりましたわ】

 

動きを止めたスケイリーダイナにリィンさんは太刀で、ラウラさんは、大剣で攻撃を仕掛けます。

 

リィン【紅葉斬り!】

 

ラウラ【鉄砕剣!】

 

2人の2連撃をもらったはずなのに、スケイリーダイナは、最後の力を振り絞りながらわたくしの方へ突進してきましたわ。リィンさんたちが何かおっしゃっていますが、今のわたくしは、右手に意識を集中させていますので、聞き取ることはできません。

 

アルフィン【獅子奮迅!】

 

スケイリーダイナの尻尾攻撃を華麗に避けてからの無防備になったスケイリーダイナの背中に溜めた気の力を渾身を込めて放ちました。

 

スケイリーダイナは絶命の雄叫びを上げながら倒れてしまいました。

 

わたくしたちは、得物をしまうと緊張の糸が切れたように

 

エリオット【……なんとか勝てた】

 

アリサ【……戦術リンクが無かったら難しかったかもしれないわね……ARCUS、悔しいけど、それなりに見込みがあるみたいね】

 

リィン【?悔しい?】

 

アリサ【あ、ううん、気にしないで】

 

スハルト【……そんなことより、魔獣を倒したことを農家のサイロ爺さんに報告は先じゃねえのか?】

 

リィン【ああ、そうだな】

 

エリオット【えへへ、喜んでもらえるといいけど】

 

ラウラ【……】

 

ラウラさん、何だかリィンさんをずっと見ている気が…

 

大賢者【告、彼女、先ほどの戦闘が終わってからずっとリィンさんを見ているようですね】

 

アルフィン【……ラウラさんも気づいたのかもしれませんわ】

 

大賢者【解、リィンさんが己の実力を出していないということ…でしょうか】

 

アルフィン【大賢者も気づいていたのね。ええ、わたくしは八葉の使い手を側で見てきたから言えるのですが、その使い手の中でもリィンさんは筋が良いのです。なのにリィンさんは己のその力を抑えているように見えるのですわ。そのことも同じ剣術のラウラさんなら気がついてもおかしくありませんわ】

 

ラウラさんの視線を感じ取ったのか、リィンさんはラウラさんの方を向いて

 

リィン【ラウラ、どうかしたのか?】

 

ラウラ【……いや…なんでもない…行くとしようか】

 

リィン【……ああ?】

 

ラウラさんはそう言うと先に歩き出してきました。次にアリサさん、エリオットさん、スハルトさんと順番に。困っリィンさんはわたくしに聞いてきましたわ。

 

リィン【アルフィン、ラウラのアレ…何だったんだろうか?】

 

アルフィン【……わたくしに聞かれても困りますわ。お2人の件でわたくしが何か言えることはありませんわ。ただ…リィンさん、あなた自身の胸の内にはわかるのではありませんか?】

 

わたくしは、そう言うとスハルトさんの後を追って歩いて行きました。リィンさんはわたくしに言われたことをキョトンとした顔で聞いていましたけど。さすがにわからないってことはないですよね?

 

リィンさんも慌ててわたくしのとこまで走ってきて一緒に歩いていくことにしました。

 

ケルディックの街道外れの高台→東ケルディック街道・サイロ老人宅

 

七燿暦1204・4月24日・昼過ぎ・帝国・東ケルディック・サイロ老人宅。

 

サイロさん宅に到着する前に、巡回をするクロイツェン州の領邦軍の兵士さんたちに会いましたが、とてつもなく嫌な方々でした。トールズ士官学院出身ってとこまではよかったのですが、何より上から目線でおっしゃっていることが、許せませんわ。正体を隠している以上、何も言えないですが。リィンさんたちを見下したような目、そしてわたくしたちをいやらしく見る目が許せませんわ。

 

大賢者【解、マスター落ち着いて下さい】

 

アルフィン【大賢者、わたくしは十分に落ち着いていますわ】

 

大賢者【解、落ち着いていないから言っているんです】

 

アルフィン【……そうね、ありがとう、大賢者。何とか気持ちは落ち着きましたわ】

 

一度、軽く深呼吸をして、気持ちを落ち着けることにしました。アリサさんやスハルトさんもさっきの領邦軍との出来事は、イラッて来てたんですね、3人で深呼吸してたら、互いに笑いがでましたわ。

 

そしてわたくしたちは、サイロさんにスケイリーダイナを討伐したことをご報告させて頂きました。

 

サイロ老人【おお、どうやら魔獣を退治していただけたようですな】

 

リィン【はい、無事に討伐できました】

 

サイロ老人【よかった、これで一安心じゃ。早速家のものにも伝えて、あの辺りの収穫に入らねばのう。いや、本当にありがたい】

 

アルフィン【いえ、そう言ってもらえて恐縮です】

 

ラウラ【しかし、意外とこの辺りは街からそう遠くはない。これなら領邦軍に頼んだ方が早かったのではないだろうか?】

 

スハルト【エリオット、さっきのでわかっただろ?領邦軍に頼めねえから俺たちに頼んだろ、爺さん?】

 

【ええ、あなた様がおっしゃる通りです。領邦軍に頼んだとしても彼らが動くことはありません。領邦軍を動かすためには大金が必要なのですよ。そもそもケルディック自体がクロイツェンの北端ですからな。公爵家も領邦軍もそう、熱心に対応してはくれないのです】

 

エリオット【そうなんですか……】

 

さっきのあの領邦軍の傲慢な態度なら、困っている住民の方々を助けるような感じではないですわね。

 

ラウラ【……ふむ、理解はできても納得はしかねるが…】

 

サイロ老人【……まあ、これ以上言うのはやめておきましょう。それはそうと君たちにはお礼を渡さんと。どうか、これを持ってってくださらんか】

 

わたくしたちは、とれたての卵、スターベリー、ハニーシロップらを10個ずつ貰いました。

 

リィン【こんなに……頂いてしまっていいんですか?】

 

サイロ老人【何のなんの、我が家にはいくらでも転がっておるものです。どうか召し上がってくだされ】

 

アリサ【ありがとう、お爺さん】

 

エリオット【ケルリックさんの新鮮食材かぁ。えへへ、楽しみだね】

 

ラウラ【うん、これほどのものを毎日食べられるとは羨ましいな】

 

ケルディック産の新鮮野菜、バルフレイム宮では、いつも宮廷料理として出されていましたが、やはり現地で食べる新鮮野菜の方が何倍も美味しいですわね。

 

大賢者【解、確かにそうでしょうね。新鮮野菜もいち早く届けられるとはいえ、多少なりの時間は経っていますから、鮮度が落ちるのは仕方ないでしょう】

 

アルフィン【そうだわ、この新鮮野菜を夜ご飯にって、風見亭のマゴットさんに頼んでみるのはどうでしょうか、大賢者?】

 

大賢者【解、学生寮に持って帰るより、ケルディックにいる間に調理する方が新鮮野菜を鮮度が落ちずに美味しくいただけると思われます】

 

わたくしは、この案をみんなに話して、了承を得ることができましたわ。やっぱり新鮮野菜を学生寮に持ち帰るより、ここで美味しくいただいちゃう方がいいとみんな判断したみたいね。

 

確かにB班のみんなにもケルディックの新鮮野菜を食べさせてあげたい気持ちはありますが、鮮度が落ちてしまうので、そこは何とも言えませんわ。それにB班は向こうで、美味しいものをいただけますからね。

 

大賢者【告、パルムは、帝国料理の他にリベール料理や日本料理も食べられる場所です】

 

アルフィン【そうね、リベールに近いからリベール料理、東ゼムリアの日本から帝国に移民された方々が、パルムで日本料理店を始めて人気が出て、今に至ると料理歴史の教科書で見ましたわ】

 

このゼムリア世界の日本は、わたくしが知っているあの日本と似てるようで非なるものですわ。サムライとか徳川幕府とかは一緒なんですけどね。それ以外が違うと言うか…

 

と、この話終わりにしましょうか。話が長くなりそうなので。

 

手配の大型魔獣の討伐依頼】の依頼を達成しましたわ。

 

サイロさんにお礼をしてから、一旦風見亭のマゴットさんにもらい受けた新鮮野菜を使った料理を食べさせてもらえないかどうか交渉したところ、マゴットさんは快く承諾してくれました。

 

そしてマゴットさんから、必須の依頼が終わったのならケルディック大市でも見てきたらと勧められて、わたくしたちはその大市の方へ歩みを進めました。

ユウのヒロインは誰が良いでしょうか?

  • 1ーエマ
  • 2ーフィー
  • 3ートワ
  • 4ーサラ
  • 5ースミレ
  • 6ーそれ以外(アリサとラウラは除く)
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