アルフィンの軌跡〜トールズ士官学院編〜   作:龍造寺

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第1章初めての特別実習編24話です。


第1章ー初めての特別実習編ー31ー24話ー1日目の終わりに。

 

→ケルディック・風見亭

 

七燿暦1204・4月24日・夜・帝国・ケルディック・風見亭。

 

わたくしたちは、マゴットさんから先程の依頼で、サイロさんから貰いましたケルディック産のお野菜で美味しいものを作ってくれました。やはり新鮮なお野菜はお味が違いますわ。本当はB班のみなさんにも食べさせたかったですが、新鮮さが保てないので、わたくしたちだけで、美味しくいただきました。

 

みなさん、結構食べましたわね。もちろんわたくしもですけど。

 

この満腹感だとレポートは書けませんね。やはり先に済ませておいて正解でしたわ。

 

大賢者【告、マスター、やはり私の忠告を聞いていたほうが正解でしたね】

 

アルフィン【確かに大賢者の言ったとおりでしたわ】

 

大賢者【解、お腹が膨れた状態だと眠気がやって来て、レポートが書ける状態では無くなってくると色々な計算から導いただけですが】

 

アルフィン【それだけではなくて、安心して食事だけを楽しむことができますしね】

 

レポートと先に済ませるか、後でやるとではモチベーションや食事をちゃんと楽しめれるのかどうかも関係してきますしね。

 

大賢者【解、報告ですが、先程の気配はどうやらケルディックから消えたようです】

 

アルフィン【え?消えた?ケルディックからいなくなったってこと?】

 

大賢者【解、そういうことになりますね】

 

わたくしたちを見ていた謎の気配は、このケルディックで何かしようというわけではなかったというわけでしょうか?

 

それに謎の気配は、わたくしたちを見ていた人物以外にも感じましたし。

 

大賢者【解、そのことも含めて解析と警戒をします】

 

アルフィン【大賢者、お願いします】

 

大賢者との会話は、これまでにして他のみなさんは食事を終えられて、くつろぎの時間になっていました。

 

エリオット「うーん、さすがに野菜とか新鮮で美味しかったねぇ」

 

リィン「ああ、さすがに地の物の料理は違うな」

 

スハルト「当たり前だよな、鮮度が落ちる前に調理して食べるんだからな」

 

ラウラ「ライ麦を使ったパンもなかなかの美味だった」

 

アリサ「うーん、こんな楽しみがあるなら《特別実習》も悪くないけど。今頃B班のエマたちはどうしてるのかしら?」

 

アルフィン【エマさんたちは、長旅の末にやっとパルムに到着して、わたくしたちと同じように食事をされてる可能性は高いですけど】

 

リィン「そうだな、こんな風に一緒にテーブルを囲んではいなさそうだけど」

 

スハルト「マキアスとユーシスは囲んでないだろうな。それ以外があいつらなら囲んでそうだが」

 

エリオット「そうだねぇ」

 

マキアスさんとユーシスさん。この2人のいがみ合いの根深さは、ちょっとやそっとでは解決しないのもここにいる皆さんは分かっています。リィンさんとアリサさんみたいに互いに歩み寄ろうとしてされてましたが、タイミングが悪くて謝ることができなかったことと全然違いますから。

 

貴族と平民、そう簡単に片付けられないものが目の前にあるのですから。そんな中、エリオットさんが

 

エリオット「……本当、僕たち《Ⅶ組》ってなんで集められたんだろうね?どうもARCUSの適性だけが、理由じゃない気がするんだけど」

 

スハルト「確かにな」

 

ラウラ「うん、それは間違いあるまい。それだけならば、今日のような実習内容にはならぬだろうしな」

 

ラウラさん、さすがに鋭いですわね。

 

アリサ「どうやら私たちに色の色な経験をさせようとしているみたいだけど……どんな真意があるのかをまでは、現時点ではまだ分からないわね」

 

リィン「そうだな」

 

わたくしは、オリビエお兄様がリーゼお姉様にⅦ組に加入するように手配をされてましたが、『わたくしが行きます』とお兄様に頼見込んで入ったのも事実。オリビエお兄様はわたくしが説得して納得されました。

 

皇族がいることで、Ⅶ組の運営をスムーズにできるようにしたいってのもあったのでしょう。リベールのジェニス王立学園、共和国のアラミス高等学校の理念にも共感されていましたし。その理念を帝国風に変えて、自分なりのやり方でトールズ士官学院にⅦ組という新しい風を吹かせようと……

 

わたくしは、当初は楽しければいいかなと思っていましたが、今ではⅦ組のみなさんと共に成長していきたいと思うようになったのです。

 

オリビエお兄様がリベールの異変で❝答え❞を見つけたように今度はわたくしが❝答え❞を見つける番なのかもしれませんね。サラ教官がおっしゃっていた。何事も飛び込んでみないと❝立ち位置❞もわからないという言葉に動かされたかもしれませんね。

 

リィンさんも❝何か❞を見つけようとして焦ってらっしゃるように見えますし。

 

リィン「士官学院の志望した理由が同じというわけでもないだろうし」

 

スハルト「は?」

 

エリオット「士官学院への志望理由?」

 

アリサ「その発想はなかったわね……」

 

わたくしは、そういうことでしたが、皆さんの志望動機はどんなものなんでしょうね。ラウラさんがそのことで話し出しました。

 

ラウラ「ふむ、私の場合は単純だ。目標としている人物に近づくためといったところか」

 

エリオット「目標としている人物?」

 

ラウラ「ふふ、それが誰かはこの場では控えておこう」

 

ラウラさんが目標としている人物は、なんとなくですがラウラさんのお父様であるヴィクター・S・アルゼイド様でしょうね。

 

ラウラ「アリサの方はどうだ?」

 

アリサ「そうね……色々あるんだけど、❝自立❞とラウラと同じで❝ある人❞に近づきたいからかな。ちょっと実家とうまくいっていないのもあるけど」

 

リィン「そうなのか……」

 

アリサさん、ご両親とうまくいっていないのかしら?ある人って、誰なんでしょうね?前にちらっと聞いたタツヤさんという方なのでしょうか?

 

スハルト「俺は、サラに紹介されてここに入っただけだがな、って済ませようと思ったが、❝とある人❞に入ってみないかって言われていたからな。だから来た。サラの紹介は後の偶然さ」

 

エリオット「そうなんだ、みんななんか目標の人がいるんだね〜その意味では僕は少数派なのかなぁ」

 

スハルト「うん?それはどういう意味なんだ?」

 

エリオット「元々、士官学院とは全然違う進路を希望していたんだよね」

 

アリサ「あら、そうなの?」

 

アルフィン【確かエリオットさん、帝都のあの有名な音楽学校に行きたかったと、以前おっしゃっていましたね】

 

エリオット「アルフィンに話してたね、まあ、そこまで行きたかったわけじゃないんだけどね」

 

以前、わたくしは誰もいない音楽室で楽器が鳴っていたので恐る恐る中に入りましたら、エリオットさんが1人で演奏されていたので、お話を聞いたらそのようなことをおっしゃっていました。

 

帝都には、有名な音楽学校があります。そこは身分関係なく入れる学校ですので、音楽の道に行かれる方はこの音楽学校に進学されますね。

 

お嬢様系の方々は、アストライア女学院に親御さんが入学させることは多いですが。

 

エリオット「なんか自分のこと話すの恥ずかしいな〜ところで、リィンやアルフィンはどうなの?2人からそんなこと聞いたことなかったけど?」

 

リィン「俺は、そうだな……❝自分❞を見つけるためかもしれない」

 

アリサ「え…」

 

スハルト「……」

 

エリオット「へ?」

 

アルフィン【……】

 

ラウラ「……」

 

リィン「いや、その別に大層な話じゃないんだ。あえて言葉にするならそんな感じと言うか…」

 

リィンさんがおっしゃった❝自分❞を探すためですか……。

 

わたくしは……オリビエお兄様と一緒に行動して、いろんなものを見て色々考えてきました。そして、わたくし個人でも色々動いて考えて今までやってきました。

 

わたくしには大賢者という❝特別な相棒❞がいます。だからこそもっと人々のため世界のためにやりたいと思っていたのです。でもそれは1人では絶対に成しえないこと。

 

リベールの異変、あれだって1人では無理であってもみんなの力を合わせれば、苦難も絶望も乗り越えていけるって確信させられるものでした。

 

わたくしは、前世の頃は何でも1人でやらなければならないという気持ちの方が強かった……。みんなを世界を守らなければという気持ちが強くて、仲間と共に戦うという気持ちが薄かったですわ。

 

でもわたくしは、アルフィンとして生まれてきて、お兄様やお姉様の背中を見つめてきて、本当にできる人間はこういうものだと思い知らされましたわ。

 

前世の自分はただの独りよがりだったって事を……。そんなことに大賢者まで付き合わせてたってことに申し訳ない気持ちでいっぱいでしたわ。

 

わたくしがそんなこと思い出していましたら

 

リィン「それで、アルフィンどうなんだ?」

 

アルフィン【わ、わたくし!?】

 

アリサ「アルフィン、みんなの分を聞いて、自分だけ話さないとかそういうのは無しよ?」

 

アルフィン【アリサさん、ジト目でこちらを見ないでください。は、話しますから。わたくしも、ラウラさんやアリサさんと近いかもしれません。わたくしも目標としてます人物がいまして、その方々と並び立ちたい、その人たちに認めてもらいたい。そういう気持ちがあります】

 

お兄様、お姉様、カズヤさん、そしてわたくしの中にある❝ある人❞に並びたって共に戦いたいというモノ…

 

アリサ「やっぱり武芸をやってると、目指す目標の人とかできるものなの?」

 

ラウラ「全員とは言わないが、師匠あたりが目標になるものも多い」

 

アルフィン【ええ、そうですわね。師匠や兄弟子、姉弟子…同期、色々と目標になるものは人それぞれ違いますから。それにリィンさんの❝自分❞探しなんてかっこいいと思いますよ】

 

エリオット「うーん、❝自分❞を見つけるかぁ」

 

スハルト「リィン、お前がまさかロマンチストだとは思わなかったぜ」

 

アリサ「そうね、リィンからそんな言葉が出てくるなんて思わなかったわ。ちょっと意外だったわね」

 

リィン「みんな……はぁ…変なこと口走ったな」

 

ラウラ「………」

 

この後も少しお話をしまして、マゴットさんがお風呂の時間だということを教えてくれました。レポートも先に終わらせているので、お風呂に入った後はすぐにでもベッドの中に入って眠れそうですわ。

 

わたくしたちの起床時間は明日の6時、士官学院ではみなさんそれぐらいに起きていますので苦ではないですわ。そして実習時間は明日の朝から帰るまでの夕方までだそうです。

 

お部屋は、部屋内で区切ってあるそうですので、一番そのことを気にしていたアリサさんも大丈夫だと思いますが。

 

わたくしたちは、お風呂に入る準備をするため部屋へ戻ることに。アリサさん、スハルトさん、エリオットさん、わたくしは、部屋の方へ戻りかけでリィンさんとラウラさんが何かおっしゃっていました。

 

ラウラ「……そなた、どうして本気を出さない?」

 

リィン「……え?」

 

ラウラ「そなたの剣、そして太刀筋…《八葉一刀流》に間違いないな?」

 

リィン「あ……」

 

ラウラ「《剣仙》ユン・カーファイが起こした東方剣術の集大成との言うべき流派。❝皆伝❞に至った者は、❝理❞に通ずる達人として《剣聖》とも呼ばれているという」

 

リィン「詳しいんだな。帝国ではほとんど知られていない流派のはずなんだけど」

 

ラウラ「我がアルゼイド流は、古流ながら他の流派の研究も欠かしておらぬ。それに父に言われていたのだ。『そなたが剣の道を志すならば、いずれ八葉の者と出会うだろう』と」

 

リィン「《光の剣匠》が?ははっ、光栄と言うか恐れ多いと言うか…」

 

ラウラ「……父からだけではない、ハチマンからも色々と聞いていた。あやつはああしていても他人のことは鋭く見ているでな。話を半分だけ聞いて、あとは自分の目で確かめるまでは、何も言うまいと思ったが……」

 

リィン「……ハチマンが、か……確かにハチマンからも指摘されたことがあった。でも……俺は…ただの❝初伝❞止まりさ。確かに一時期、ユン老師に兄弟弟子たちと共に師事していたこともある。だが、剣の道に限界を感じて老師から修行を打ち切られた身だ」

 

ラウラ「……え?」

 

リィン「その、ハチマンにも言ったが、だから別に手を抜いているわけじゃないんだ。八葉の名を汚しているのは重々わかってはいるけど…これが俺の❝限界❞だ。誤解をさせたのならすまない」

 

ラウラ「……」

 

リィン「…ラウラ?」

 

ラウラ「そなた自身の問題だ。私に謝る必要はない。()()()()()()()()()()()()が、こればかりは己で何とかしなければならないだろう。ただハチマンやアルフィン以外の稽古相手が見つかったと思ったのだがな。少し外で素振りをしてくる。アリサやアルフィンには、先に風呂に入っててくれと言ってくれ」

 

ラウラさんはそうおっしゃった後、風見亭の外へ出て行かれました。

 

大賢者【告、リィンさんの力は、限界値に達していませんね】

 

アルフィン【そうね、大賢者。わたくしも側で見ていて、リィンさん自身が力の出し方というか、使い方をわからないでいる。そんな感じがしますわ】

 

大賢者【解、それだけではなくリィンさん自身の中に何か別の力を秘めているそんな感じの力を感じ取りました】

 

アルフィン【❝未知なる力❞ならわたくしも秘めてますわ。わたくし自身がその力を制御できなくて暴走しかけた時にヴァンさんが危険を顧みずに彼も不思議な力を使って暴走を鎮めてくれました】

 

大賢者【解、マスター、あの時のことは私自身も悔やんでおります。未知なる力を制御しなければいけなかった私まで暴走してしまったことを……】

 

アルフィン【大賢者、わたくしも怒りという感情に負けて、力を暴走させてしまった……それは前世と同じことを繰り返そうとしてました……】

 

大賢者【解、マスター、私もマスターもまだまだ未熟です。だからこそ一歩一歩前へ進んで成長すればいいのです】

 

アルフィン【そ、そうですわね】

 

この後、わたくしはアリサさんに先に入っていい事を伝え、外に出たラウラさんと一緒にお風呂に入る前の鍛錬をする事にしました。

 

わたくしも色々思うとこありますが、外野が何かを言って変わるわけでもありませんわ。本人が何かを得てその殻を破って出てくるの見守ることぐらいしかできませんから。

 

ラウラさんもラウラさんで思うことはあるのでしょう。八葉一刀流の人間に会うのは、初めてなんでしょうから。

 

大賢者【告、マスターもカズヤさんから八葉一刀流を習ってましが、太刀は使わないんですか?】

 

アルフィン【太刀ですか?確かに習いましたけど、太刀より籠手の方がしっくりくるんですよね】

 

大賢者【解、マスターの戦い方なら籠手が一番合ってのでしょうが】

 

この後もラウラさんと一対一で模擬戦をやってお互いに疲れ果てたところで2人でお風呂に入ることにしました。

 

わたくしとラウラさんがお風呂から上がって部屋に戻った時には、すでにアリサさんは、睡眠中でリィンさんたちの方も静かになっているので、みんな寝ているのでしょう。

 

わたくしとラウラさんもベッドの中に入ると

 

ラウラ【アルフィン、鍛錬付き合ってくれて、感謝する】

 

アルフィン【お礼には及びませんわ。わたくしも食後に体を動かしたかったので】

 

ラウラ【……そうか……そなたも】

 

アルフィン【ラウラさん?何か言いました?】

 

ラウラ【……なんでもない。私たちも早く寝なければ、明日の実習に響く。お休み、アルフィン】

 

アルフィン【おやすみなさい、ラウラさん】

 

わたくしもそう言うと急に眠気が襲ってきて、そのまま眠りについたのでした。

 

ユウのヒロインは誰が良いでしょうか?

  • 1ーエマ
  • 2ーフィー
  • 3ートワ
  • 4ーサラ
  • 5ースミレ
  • 6ーそれ以外(アリサとラウラは除く)
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