アルフィンの軌跡〜トールズ士官学院編〜   作:龍造寺

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第1章初めての特別実習編25話です。


第1章ー初めての特別実習編ー32ー25話ー暗躍と大市の騒ぎ。

 

ケルディック・大市

 

七燿暦1204・4月24日・夜・帝国・ケルディック・大市。

 

夜も更け、静まり返った大市。

 

しかし闇の中では、荒々しい破壊音と荷物を運び出す足音が響いていた。二軒の屋台が徹底的に破壊され、商品は箱に詰められてどこかへ運ばれていく。

 

その作業を指揮するのは、常盤台中学の制服に黒と緑のマントを羽織った双子の少女──御坂琴美と御坂美琴。

 

前にも説明したが、姉の琴美は黒、妹の美琴は緑。年齢は16か17歳ほど。

 

琴美「屋台は徹底的に壊して」

 

美琴「関係ない店には絶対手を出さないで。ターゲットはハインツとマルコの二軒だけ」

 

猟兵たち「ヤー!」

 

琴美「品物はすべてルナリア自然公園へ。多少物音がしても構わない。人払いのルーンを張ってるから誰も近づけない」

 

美琴は貼られた和紙のようなルーンを指で弾く。

 

美琴「この紙一枚で人が寄り付けなくなるなんて……やっぱり結社の技術ってすごいわね」

 

琴美「便利でしょ。余計な殺生をしなくて済む」

 

美琴「私たちが殺すのはターゲットだけだからね」

 

作業が終わると、猟兵のリーダーが報告。

 

猟兵リーダー「破壊と搬出完了」

 

琴美「ご苦労様。先にルナリア自然公園へ。こっちはまだ用があるから」

 

猟兵たちが去った後、姉妹だけが残る。

 

美琴「ルナリアには帝国解放戦線の“G”がいるんだよね」

 

琴美「ええ。今回の雇い主は“C”だけど、四大名門のカイエン公やアルバレア公からも依頼が来てる」

 

美琴「……貴族の仕事って、こういうセコいことばっかり」

 

琴美「クロスベルの特務支援課やリベールの遊撃士とやり合う方がまだマシだったわよね」

 

美琴「私は強い相手と戦いたいな〜。例えば……今ケルディックにいる《Ⅶ組》とかさ」

 

琴美「はぁ〜、気持ちはわかるけどCからは“今は戦うな”って」

 

美琴「……まあ、向こうの段取りもあるしね」

 

琴美「いずれ必ずぶつかるわ。Ⅶ組も、あちこち嗅ぎ回ってる連中も」

 

美琴はフランス硬貨を指先で弾いてキャッチしながらため息。

 

美琴「これだから堅物の貴族って嫌なんだよね〜」

 

琴美「私も嫌だけど、雇い主だから機嫌を損ねるわけにはいかないわ」

 

美琴「そういう交渉は琴美に任せる。私、手が滑っちゃうし」

 

琴美「過去に依頼主殴って契約破棄になったことあったものね」

 

美琴「だって触ってきたんだもん。自業自得でしょ」

 

二人は笑いながら、バリアハート方面へ歩き出す。

 

琴美「私たちは闇と共に生きる者。行こう、美琴」

 

美琴「うん」

 

双子の背中が闇に溶けていく。その直後、影から一人の男が現れた。ロビンフッドだった。

 

ロビンフッド「……絶対零度(アブソリュートゼロ)の御坂琴美、超電磁砲(レールガン)の御坂美琴か。まさかあの双子がここで動いてるとは……」

 

壊された屋台を見下ろしながら、彼は静かに呟く。

 

ロビンフッド「朝になったら大騒ぎになるだろう。Ⅶ組がどこまで辿り着けるか……それとも俺が手を貸すことになるか。ルナリア自然公園の連中までたどり着けるか、見ものだな」

 

サングラスの奥の瞳に鋭い光を宿し、ロビンフッドもまた闇の中へ消えていった。ケルディックの夜は、静かに次の嵐を孕み始めていた。

 

→ケルディック・風見亭

 

七燿暦1204・4月25日・朝・帝国・ケルディック・風見亭。

 

わたしたちは、無事に朝6時に起きることができ、それから色々と身支度を済ませてから、朝ご飯を食べることになりました。朝ごはんを食べたらすぐに特別実習の課題をしないといけないようですね。ちゃんと今日1日分の実習課題はあるみたいですから。

 

朝ご飯を食べ終えた後、リィンさんが2日目の特別実習の課題の封筒をマゴットさんから受け取り、中身をみなさんで確認します。

 

特別実習・2日目

 

実習内容は以下の通りー

 

西ケルディック街道の手配魔獣

 

落とし物の財布

 

 

件 名西ケルディック街道の手配魔獣

 

依頼者オットー元締め

 

西ケルディック街道に現れた危険な大型魔獣が出現したので討伐を頼みたい。

 

魔獣:【ズウォーダー】

 

場所:【西ケルディック街道・帝都方面に通じる橋】

         

────元締め・オットー

 

件 名落し物の財布

 

依頼者商人リジー

 

昨日、店の前で落し物の財布を拾いました。どうか持ち主を探し出して、届けてあげてもらえないでしょうか?

 

詳しくは、大市の《リジー陶器店》まで。

 

────リジー

 

課題を一通り目を通したわたしたちは、同じことを思っていたでしょうね。

 

アリサ「あら……思ったよりも少ないわね」

 

エリオット「僕たち、今日中には帰るから元締めさんが気を遣ってくれたのかな?」

 

マゴット「ああ、よく気が付く人だからね。トリスタ方面の最終便は夜の9時くらいまであるはずだ。早めに終わらせて、夕飯は家で食べてから列車に乗るといいさ」

 

リィン「はは…お言葉に甘えさせてもらいます」

 

アルフィン【何から何までありがとうございますわ】

 

ラウラ「ご配慮、痛み入る」

 

スハルト「で、2日目はどうするんだ?」

 

アルフィン【課題も2つしかありませんから、2日目はみんなでやりましょうか?リィンさんもそれで構いませんよね?】

 

リィン「ああ、俺は構わないさ」

 

ラウラ「それでは、行くとしようか」

 

エリオットさんとアリサさんが何やら慌てたような感じでいらっしゃいますが、おそらくリィンさんとラウラさんのことを気にかけているとそういうような感じですね。わたくしもどうしたものかと思っていましたら、リィンさんが、ラウラさんの方を向いて

 

リィン「ラウラ、昨日はすまなかった」

 

ラウラ「?」

 

エリオット「え?リィン?」

 

アリサ「あ?」

 

ラウラ「何のことだ?そなた自身の問題ゆえ、私に謝る必要はないと言ったはずだが?」

 

リィン「いや、そうじゃない。謝ったのは、❝剣の道❞を軽んじる言葉を言ったことだ」

 

ラウラ「……!」

 

リィン「『ただの初伝止まり』なんて考えてみれば失礼な言葉だ。老師にも他の兄弟弟子にも八葉一刀流にも。❝剣の道❞そのものに対しても。それを軽んじたことだけはせめて謝らせて欲しいんだ」

 

ラウラ「………1つ抜けている」

 

リィン「え?」

 

ラウラ「そなたの事情は知らぬ。だが、身分や立場に関係なく、どんな人間も誇り高くあれると、私は信じている。ならばそなたは、そなた自身を軽んじたことを恥じるべきだろう」

 

リィン「……あ……」

 

ラウラ「リィン。そなた、❝剣の道❞は好きか?」

 

リィン「……好きとか嫌いとか、もうそういった感じじゃないな。あるのが当たり前で、自分の一部みたいなものだから」

 

わたくしも格闘術は、わたくし自身の一部だって自覚があります。前世では、銃や太刀がそう思えたように今では、格闘術がそれに当たるのですから。

 

ラウラ「ならばよい。私も同じだ」

 

リィン「ラウラ」

 

アリサ「はぁぁぁ〜っ……」

 

エリオット「えへへ、よくわかんないけど、仲直りできたみたいだね?」

 

スハルト「それはお前たち2人の取り越し苦労だろ。だから俺は言ったんだ、あの2人はすぐに仲直りするさってな」

 

アルフィン【まあまあ、リィンさんとラウラさんは、別に喧嘩をしてたわけじゃないですからね】

 

リィン「ああ、アルフィンの言う通りだ。俺とラウラは、別に仲違いをしていたわけじゃないんだが」

 

ラウラ「まあ、そうだな」

 

アリサ「全く2人だけで、分かった顔をしちゃって」

 

スハルト「こういうことは、❝剣の道❞とやらを歩んでるやつしかわからんってことだろ」

 

アリサ「これじゃあ、どう仲直りさせようか悩んでいたこっちが…」

 

スハルト「だから取り越し苦労だって言ってるだろ」

 

アリサ「スハルト、アンタはもうちょっと気の利くこと言えないのかしら?」

 

スハルト「はぁ~なんで俺がお前に言わなきゃいけないんだよ?」

 

エリオット「まあまあ、2人とも落ち着いて」

 

わたくしもアリサさんとスハルトさんをエリオットさんと一緒に宥めて、リィンさんとラウラさんは、アリサさんに心配かけたことを謝ったのでした。マゴットさんから『雨降って地固まる』とおっしゃいました。本当にその通りですね。

 

一件落着したことで、わたくしたちは今日の課題を済ませるため、最初に落とし物の財布を届けてほしいと依頼を出された商人リジーさんの元へ行くことを決めました。大型魔獣は、落とし物の財布を届けてからでも遅くありませんから。

 

そして商人リジーさんにお話を聞くために風見亭を出ようとしましたら、風見亭で働く女性が慌ててお店の中に入ってきました。

 

???「大変、大変!大変だよ、女将さん!」

 

マゴット「なんだい、朝っぱらから騒々しいわねぇ」

 

確かこの女性は、ルイセさんって名前だったはず。

 

マゴット「ていうか、ルイセ。出てくるのが遅すぎるよ」

 

ルイセ「ご、ごめんなさーい。ちょっと話を聞いてて……それよりも!大変なことがあったんですっ!」

 

大変なことですか……。

 

アルフィン【大賢者、ちょっとケルディック内の様子を調べてちょうだい】

 

大賢者【了】

 

大賢者は直ぐにケルディック内にサーチをかけて、騒ぎの原因を特定してくれました。

 

大賢者【解、ルイセさんの言っていることは、おそらく大市内の騒ぎだと思われます】

 

アルフィン【大市で?またあの2人が喧嘩でもしてるんですか?】

 

大賢者【解、どうやら喧嘩をしているようです】

 

アルフィン【昨日、約束を取り付けましたのに…】

 

大賢者【解、2人は場所のことで揉めているようではありません。2人の屋台が粉々に壊されて、売りにしていた品を全て奪われているようです】

 

アルフィン【な、なんですって!】

 

どういうことですの?一体誰が…ルイセさんからもお話を聞いた方がよろしいですね。

 

ルイセ「大市の方で❝事件❞ですよ!」

 

マゴット「事件…?」

 

リィン「?」

 

アルフィン【ルイセさん、その話は詳しく教えてください】

 

ルイセ「えっとね、大市に出てる屋台らしいんだけど…夜、粉々に壊されちゃって、商品も盗まれちゃったんだって!」

 

スハルト「なんだと!」

 

ラウラ「それは…」

 

エリオット「と、盗難事件…!?」

 

マゴット「なんとまぁ……すると大市が開かれるのは、少し遅れるかもしれないね。ここでまずお客さんは増えそうだ。ルイセ、とっとと用意をおし」

 

ルイセ「は〜い」

 

ルイセさんはマゴットさんにそう言われて、慌てて準備をするために向かわれてきました。マゴットさんはわたくしたちに

 

マゴット「ま、あんたたちは気にしないで、実習とやらを始めるんだね。今日1日、頑張ってきな!」

 

リィン「……はい!」

 

アリサ「行ってきます」

 

→ケルディック・風見亭→ケルディック・風見亭付近

 

七燿暦1204・4月25日・朝・帝国・ケルディック・風見亭付近。

 

わたくしたちは、風見亭を出てすぐにみなさんで話し合うことに。もちろん大市の件ですが。

 

エリオット「……ど、とうしよう?」

 

スハルト「エリオット、どうするとは?」

 

エリオット「大市のことだよ?スハルトは気にならないの?」

 

スハルト「確かに気になるが、女将が気にするなと言ったからな」

 

アリサ「スハルト、アンタねー」

 

ラウラ「ふむ……大市の件、確かに気になるな」

 

アルフィン【わたくしも気になりますし、少し様子を確かめるのはどうでしょうか?】

 

アリサ「そうね、近くだし様子を確かめるのは賛成ね」

 

リィン「ああ、実習始める前に大市に行ってみよう」

 

こうしてわたくしたちは、大市の方へ様子を確かめるために行くことになりました。

ユウのヒロインは誰が良いでしょうか?

  • 1ーエマ
  • 2ーフィー
  • 3ートワ
  • 4ーサラ
  • 5ースミレ
  • 6ーそれ以外(アリサとラウラは除く)
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