ケルディック・大市→ケルディック・領邦軍詰所
七燿暦1204・4月25日・昼・帝国・ケルディック・領邦軍詰所。
わたくしたちは、領邦軍の詰所まで訪れたのですが、領邦軍の兵士の方々は何だか威圧的な感じがします。
スハルトさんは、渋い表情をされてますし、エリオットさんは不安顔になられてます。
話を聞いてくれるような感じではなかったのですが、ラウラさんの起点を聞かせてくれて、なんとかなりました。
『トールズ士官学院の生徒として、軍の先輩方の仕事について勉強する機会をいただきたい』ですか。これを言われたらさすがに無視はできませんよね。
1人の領邦軍の兵士の方が、領邦軍の隊長さんをお呼びになられて、渋々の表情で隊長さんはわたくしたちの前に来てくれました。
領邦軍隊長「やれやれ、我々は忙しいのだかね。まあいい、手短に用件を行ってみたまえ」
本当にあからさまに迷惑そうな表情をされている領邦軍の隊長さん。
リィン「では、単刀直入にお聞きします。領邦軍としてはあれ以上の調査を行わないおつもりですか?」
領邦軍隊長「フン、何を言うかと思えば…そんなことか」
ラウラ「そんなこと、とは?各地の治安維持を預かる領邦軍としては、いささかそぐあの言動に思えるが」
スハルト「そうだな」
エリオット「ラウラ、スハルト……」
領邦軍隊長「フン、威勢のいいことだ。だが、その認識はまだまだ青いと言わさず得ないな」
アリサ「どういうことですか?」
領邦軍隊長「我々領邦軍が各地を維持するにあたって、最も重要なものがわかるかね?それは各地を治める領主。我々の場合はアルバレア公爵家。彼らの意向ということになる」
帝国軍正規軍は、皇帝陛下…お父様の意向が働きます。領邦軍は四大名門の領主の意向が働くということです……。正規軍はお父様の命令が絶対のように領邦軍に所属する以上は、貴族の命令は絶対なのです。これが帝国の決まりだから、それをどうこうすることできませんね。
領邦軍隊長「我々はその意向に従い、守るべきものを冷静に判断しているだけなのだよ」
アルフィン【アルバレア公爵家に出されている❝増税取りやめの陳情❞があるからでしょうか?それを取り下げない限り、ケルディックの大市は、❝守るべきもの❞ではないんですね?】
領邦軍隊長「好きに解釈したまえ。あくまで我々は職務を全うしているにすぎん。軍人とはそういうものだ。士官学院に入ったばかりの、羽根も生え揃わぬひよっこ共にとやかく言われる筋合いはない」
ラウラ「くっ…」
スハルト「ちっ」
やはりそのようなことを申されますか。どれだけ面の顔が厚いんでしょうか。どうにかして話を聞かなくてはならないんですが……
領邦軍隊長「さて、ここに話はないのかね?我々も忙しい。それ以上ないなら、そろそろお引き取り願いたいのところだが…」
エリオット「あのっ!!僕から最後に1つ」
領邦軍隊長「フン、いいだろう。何でも言ってみたまえ」
エリオット「それじゃあ、えっとその…被害者のマルコさんが取り扱ってた商品ですけど、あの装飾品の行方がどうなったかわかりますか?」
領邦軍隊長「……?何を言っている。
リィン「え?」
スハルト「は?」
領邦軍は、ろくに調査もされていないのには関わらずなぜ装飾品がハインツさんだとわかるのでしょう?領邦軍の隊長さんがおっしゃってることが矛盾を生んでいますね。
領邦軍隊長「……な、なんだ?」
エリオット「……どうしてそんなことは詳しく知っているんですか?」
スハルト「だな、この事件についてはお前ら領邦軍はろくに調査もしていなかったはずだろ?なのに装飾品がハインツだって断言できるんだ?」
ラウラ「ふむ、腑に落ちぬな」
アルフィン【このことについては、わたくしたちもお二方からお話を伺ってから分かったことなんですが?】
領邦軍の兵士さんたちの顔色が変わりましたわ。それに隊長さんも。これは図星を疲れたと言っても過言ではありませんよね。
領邦軍隊長「わ、我々も我々で独自の情報網持っているということだ!さあ、話は終わりだ!これで失礼する!」
領邦軍の隊長さんは、慌てるように詰所の方に戻られていきました。明らかに図星を疲れて慌てているような感じがわたくしなりにしましたね。ただ、領邦軍の方々に調べる時間なんてあったんでしょうか?
アリサ「……ねえ、さっきの話って」
リィン「領邦軍が、被害者について、ある程度の調べを進めていた」
スハルト「あの連中、不干渉を貫いてるかと思えば、そういうとこの調査はしてやがったんだな」
アルフィン【そうですわね。でも事件は昨日の夜に起こったわけですし、発覚したのは今日の朝ですわ。領邦軍の方々に調べる時間なんてないと思われますけど?】
スハルト「おそらく、昨日今日で調べたことじゃねえ。随分前から調べていたに決まってるだろ」
ラウラ「スハルトの言うとおりだな。領邦軍の主たる公爵家には、商人たちの生涯の許可証が出されていたが…」
アリサ「……その筋から得られた情報だと考えれば辻褄が合いそうね。となると、今度はどうしてそんな情報を得ていたかが気になってくるわね」
スハルト「……誰かを雇って下準備のために調べさせたかもしれねえしな」
エリオット「その可能性も考えられるね。多分、あの事件は少し前から計画されていたんだよ」
スハルト「だな、商人たちの商売許可証に同じ場所が書かれていたのも、ただの偶然じゃないってことだな。あ、いつらをいがみ合わせて、ほとぼりが冷めないうちにまた違う事件を起こす。そんなところか」
エリオット「領邦軍の介入なしでは解決できないほどに騒ぎを悪化させたんだ」
リィン「なるほど、要するにあの証人たちは利用されていたわけか」
アルフィン【エリオットさんたちの推理は確証を得てるかもしれませんわ。ハインツさんもマルコさんも怒りでオットー元締めさんの声も届いていませんでしたし】
ラウラ「だが領邦軍が大市のトラブルにまともに取り合うことはない。❝増税取り消しへの陳情❞が取り下げられない限りはな」
アリサ「あのタイミングで現れ、強引にでも事態を収集することで領邦軍の存在をアピールした…そうやって大市の人たちに陳情を取り下げさせざる得ない状況を作ろうとしたのね。……思った以上に真っ黒だったみたいね…」
アルフィン【スハルトさんとエリオットさんの推理でようやく事の真相が見えてきましたね】
ラウラ「よくぞ機転を利かせて言葉を引き出したものだ。ふふ、そなたはなかなかに策略家だな」
スハルト「確かにそれは言えてるかもしれんな」
エリオット「あははっ、たまたまだよ」
エリオットさんみたいな方がそういう策略家だったりしてするんですよね。
リィン「とにかく、領邦軍が今回の❝犯人❞に関わっている可能性は高そうだ。なんとか見つけ出して捕まえたいところだけど…軍の内部に犯人がいたら、調べるのは難しいだろうな」
アルフィン【リィンさん、軍の内部には、犯人はいないと思いますわ。あの方々か自分たちの手を汚すような真似はしないと思いますし。軍とは関係のない何者かを使って間接的には関わってるでしょうが】
スハルト「俺もそう思うぜ、犯人は別にいる…」
アリサ「そうね、それに犯人がこの町に居座っている可能性も低そうだわ。屋台から盗んだ商品……町のどこかに隠しきるのはちょっと難しいと思うのよね」
盗んだ商品をケルディック内に隠蔽するのはかなりリスクがありますわ。万が一他の商人さんたちに見つかる可能性もありますし。観光客発見されるおそれもあります。かと言って鉄道で運ぶという手段をリスクは伴いますからね。どこかで鉄道憲兵隊に荷台を押さえれる可能性もありますから。
大賢者【告、マスター、今この街に人払いのルーンの気配は全くありません。ですので、ケルディックにはいないのでしょう。ただ、近くに潜伏している可能性は高いかと】
アルフィン【近くですか…】
盗んだ商品をそのまま置いといてもバレないような場所、この辺りにはありませんわ。隠せる場所でしたら、ルナリア自然公園ぐらいしか思いつきませんが、あ、そこは普通に観光客も訪ねる場所ですから、そのようなものがあればすぐに見つかるはずですよね。とにかく表通りで話を聞くしかないですわ。
大賢者【告、マスターが怪しいと思われているルナリア自然公園をサーチかけてみますか?】
アルフィン【お願いしますわ】
わたくしたちは、表通りの人たちに怪しい人物を見ていないか、と、伺いましたが、ほとんどの方が怪しい人物など見ていないと答えられました。
ただ、礼拝堂の外にあるベンチに座ってらっしゃる女の子から犯人に繋がる情報を教えてくれました。
女の子の名前はミナちゃん。ミナちゃんが先ほど西口の方で猫ちゃんを追いかけていらっしゃったみたいですね。追っかけていましたら、変なおじさんが道端でグーグーと寝ていたそうです。
それは酔っ払いのおじさんじゃないですかね。もしかすると、このおじさんが何かを見ているかもしれませんわね。
ミナちゃんは、そのおじさんを見かけたのはつい最近のこと見たいですね。ということは、この街の人間ではないということですか。
お昼からお酒をお飲みになってるってことは重要参考人にされてもおかしくはないですわね、
ミナちゃんたち子供たちにお礼をして、わたくしたちは、酔っ払いのおじさんがいらっしゃる西口へ向かうことにしました。
ケルディックの西口に来てみると、道端の塀のとこに一升瓶を抱えた男性が座っていました。アルコールの匂いがプンプンさせながら、『酒を持ってこい』と叫んでいらっしゃいました』
エリオット「昼間から完全に出来上がってるみたいだね」
スハルト「昼間から酒といい、いいご身分じゃねえか」
ジョンソン「うるせえな。おじさんのことほっといてくれよぉ…こんないきなりクビにされちまうなような、ロクデナシよぉ〜!!自然公園の管理はお礼の生きがいだったのによぉ」
ラウラ「自然公園の管理?」
自然公園の管理の職員をいきなりクビにすることはできないはずですわ。やめさせる場合にもちゃんとした理由が必要なはずです。これには何か裏を考えた方がいいかもしれませんね。
スハルト「ルナリア自然公園、あ、そこなら盗んだ商品を一時的なら隠せるかもしれないな」
ジョンソン「おお〜、坊ちゃんたち知ってんのかぁ〜。おじさんはな、そこの管理人を知っていたのだぁ?
アリサ「管理人、ねぇ…いきなりクビにされたって言ってたけど」
ジョンソン「うう〜そうなんだよ〜いきなりなんだよ。本当にさぁ……」
おじさんは、下を向きながら自然公園の管理を頑張っていたのに、評価されずにいきなりクロイツェン州のお偉いさんからクビを言い渡されたて、悲しくて悔しくてたまらなくてお酒に逃げたみたいですね。理由なき解雇は不当に当たるので、訴えることはできますが、相手が大貴族であるからそれもできませんか。ただ、理不尽だとしか言えません。
この1件、クロイツェン州のお偉方、領邦軍、真犯人…どうやら全て繋がりがあるみたいですね。
おじさんは、わたくしたちがお話を聞いていたので、わかってくれる人がいるだけでもありがたいとおっしゃっていました。
ジョンソン「あんなチャラチャラした若造や
エリオット「チャラチャラした若造?」
スハルト「どこかの制服とマントを着た双子の姉妹だと?」
どこかの制服とたマントを着た双子の姉妹?まさか深夏さんと深雪さん?ううん、そんなわけありませんわ。お2人がこんなことをして、何の得があるというのですか。
深夏さんたちが、領邦軍の方々と協力したりするはずがありませんわ。だとしたら、やはり……
大賢者【告、マスターそのことに関して
アルフィン【わたくしたちが知ってる方ですの?】
大賢者【解、ええ。これから言う人物の名前を聞いて驚かないでください】
アルフィン【……ええ、わかったわ】
大賢者【解、私の知る限りのデータと照らし合わせた結果、御坂姉妹の可能性が非常に高いです】
アルフィン【御坂姉妹!?琴美さんと美琴さんのことですよね!?】
大賢者【解、マスターが持っているフランス硬貨、人払いルーン…能力の流れとを考慮した結果、やはり御坂姉妹という可能性が高いと】
アルフィン【待ってください、大賢者……この世界のお二方は、悪事を働いてることになります】
大賢者【解、御坂姉妹のデータは遊撃士協会やクロスベル警察に交戦記録が残っているようですから】
アルフィン【………】
大賢者【解、マスターは信じたくはないでしょうが、この世界の御坂姉妹は、闇に生きるモノのようです】
わたくしがご存知のあのお2人は……。
確かに琴美さんは、あの世界においても魔術師として、裏の世界で暗躍と申しますか……活躍されていたんですけどね。美琴さんは学園都市の7人しかいないLevel5の第3位。
大賢者【解、あのお2人の二つ名は、
アルフィン【大賢者、解説ありがとう】
大賢者【解、マスター、あまり受け止めたくないのでしょうが、この世界はあの世界とは違うのです。同じ顔をしているからといって、
アルフィン【…わかってるわ】
とにかく、わたくし自身の目で確かめないといけませんね。人払いのルーンを見た時から……あの時は言いませんでしたけど、琴美さんの事が頭に少しあったのです。
あのルーン文字の書き方、彼女の書き方と同じだったので、まさか彼女ではないかとも…あの時、同じ世界から来た転生者と言葉を濁したのも、彼女だという確証がまだなかったから。ルーン文字だけで彼女だと決めつけるのは、さすがに乱暴すぎますからね。
大賢者【告、マスター、私も謝罪をしなければいけません】
アルフィン【大賢者が謝罪?どうしてですの?】
大賢者【解、色々と
アルフィン【大賢者は、わたくしのことを考えてのことだったんでしょ?】
大賢者【解、その通りです】
アルフィン【大賢者もそれに関してはもう気にしなくていいわ。もしあの2人が…わたくしたちの敵に回るのならこちらも向かい撃つだけですわ】
わたくしは、自分にそう言い聞かせながら酔っ払いのおじさんのお話を聞いていました。
ジョンソン「ああ〜おじさんは昨日の夜もここで飲んでたんだ〜そしたら読むさっき言った連中…管理人の服を着た若造たちとどこかの制服とマントを身に着けた双子の姉妹が、西口の方から出て行ったんだよ〜あんな夜中に、木箱やら何やら抱えて走ってたな〜双子の姉妹の方は若造たちに命じていただけだがな〜若ェやつは、これだからよぉ〜」
アルフィン【……】
アリサ「最後の一言は、ちょっとあれですけど、管理人の服を着た連中と双子の姉妹が怪しいわね」
スハルト「その連中が木箱やら何やら抱えて運んでたのならほぼ確定だな」
ラウラ「なるほど、自然公園か盲点だったな。あの公園ならそれなりに広いスペースもあるだろうし、潜伏場所として最適かもしれん」
リィン「盗品を隠す場所にしてもいくらでもあるはずだ」
大賢者【告、昨日の自然公園の異変はこのことだったのかもしれません。管理服を来た集団が自然公園に潜伏しているのは発見済みです】
アルフィン【わたくしたちが課題を進めている時に、裏ではこのようなことが動いていたんですね】
クロイツェン州からの命令で実行されてるとなると、結果は真っ黒ってことですわ。
人払いのルーンの効果で、目撃証言が取れるかどうかわからなかったですけど、このおじ様が目撃してくれたおかげで全てが解決に向かっている気がしますわ。
アルフィン【おじさま、こちら情報料ですわ】
ジョンソン「ありがたいね〜」
わたくしは、お財布から情報料としてお酒代のミラを渡しました。アリサさんやスハルトさんから、本当に渡すのって顔されましたが、オリビエお兄様と一緒に旅をしてる時にも情報をくれた方々には情報料として、ミラを渡していましたわ。
ラウラ「情報料は、この際いいとして、御仁、今のうちに酒を抜くがいい。場合によってはそなたの場所を取り戻してややれるかもしれん」
ジョンソン「……はあ?」
アルフィン【わたくしたちが、取り戻して差し上げますから】
おじさんから少し離れたところで、わたくしたちは、最後の確認をいたします。
リィン「ルナリア自然公園…万全に準備を整えてから向かうことにしよう」
スハルト「そうだな」
エリオット「う、うん……!」
わたくしたちは、色々準備をします。その中で、オットー元締めさんからの依頼である大型魔獣の討伐について、もう1度オットー元締めさん宅を訊ねて、依頼内容の大型魔獣についてのお話を伺いました。
オットー元締めさんの話によれば、昨夜に西ケルディック街道に現れたらしいのです。この件については領邦軍も一応は対処するとのことだったらしいですが、どうにも動く気配がないようです。悪いと思いながらもわたくしたちに頼ることにしかできないとおっしゃいました。
大型魔獣は、巨大な鳥型魔獣のようですね。何でも街道のど真ん中に突然現れたらしく、通行の邪魔になっているようです。
だからわたくしたちに依頼されたのでしょう。西ケルディック街道は、人々の往来が激しい街道の1つです。帝都からのお客様が陸路でいらっしゃる方々も多いですからね。そんな陸路の場所に大型魔獣が出没したなんて、大市側にも打撃になってしまいますわ。
鳥型の大型魔獣。
ケルディックとトリスタの間に川が流れていますが、その石橋の上に大型魔獣が待ち伏せのようにしているようですわ。
名前はズウォーター
まずは、西ケルディック街道の鳥型の大型魔獣ズウォーターを倒して、オットー元締めに報告してから、ルナリア自然公園を目指すことにしました。
ユウのヒロインは誰が良いでしょうか?
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1ーエマ
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2ーフィー
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3ートワ
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4ーサラ
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5ースミレ
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6ーそれ以外(アリサとラウラは除く)