アルフィンの軌跡〜トールズ士官学院編〜   作:龍造寺

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麗しき翡翠の都編6話です。


第2章ー麗しき翡翠の都編ー45ー6話ーカルバード共和国へ。

 

エレボニア帝国→カルバード共和国

 

七燿暦1204・5月5日・夜・共和国・イーディス・旧市街・アダムアパート・305号室・シアゲの部屋・シャワールーム。

 

わたくしとシアゲさんは、共和国のイーディス近郊に座標移動をして、誰もいない隠れた場所でミラージュシステムを解除してから、イーディスへ向かうバイパスへ合流しました。

 

そして、イーディス市内に入りまして、そのままシアゲさんのイーディス市内の仮のアジトへ行くことになりました。そこは任務中によく寝泊まりするとこらしいです。

 

イーディス市内の中心地というより外れたような場所、そう裏解決屋のヴァンさんが事務所は構えているような旧市街の中にひっそりと佇むアパート、アダムアパートと呼ばれるアパートのようですね。レンガ風というより木造のアパートの感じのアパートですね。

 

木造建築のアダムアパートの305号室がシアゲさんの仮のアジトのようですわ。わたくしは、すぐさまにシャワーを貸してもらいましたわ。夕方以降の出来事でしたけど、色々と汚れましたからね。シャワーを浴びながら、今日あったことを振り返ろうとした時、大賢者が話しかけてきました。

 

大賢者【告、マスターに言われていたことですが…】

 

アルフィン【セントアークのホテルから共和国に向かったもう1人の人物ですが、何かわかったのかしら?】

 

大賢者【解、マスターが調べるように言われた人物ですが、どうやら共和国の人間ですね。マスター、約7年前に共和国で起きたニュクス事件は覚えてますね?】

 

アルフィン【もちろん覚えているわ。わたくしも微力ながら、あの方たちのお手伝いをしましたしね】

 

大賢者【解、あの時のニュクス召喚に関わった関係者はほとんど逮捕されましたが、1人だけ捕まっていなかった人物がいたようです】

 

アルフィン【その関係者って確かD∴G教団の…この事件をきっかけにロッジ壊滅作戦が計画されて実行されたはずですわ。関係者全て逮捕されたとサナダさんやシアゲさんから聞きましたわ】

 

大賢者【解、発表は確かにそうなっていますが、実は数名行方不明になっているようです。行方不明になっていた1人のD∴G教団の関係者は、クロスベル騒乱を起こしたヨアヒム・ギュンター】

 

ヨアヒム・ギュンター、クロスベルの聖ウルスラ病院の教授。これは表向きの彼の肩書きであっただけですね。裏ではD∴G教団の人間として、クロスベルに騒乱というものを起こした張本人ですわ。

 

彼は、結局特務支援課とエステルさんたち、教会の関係者によって彼の野望を打ち砕いたとクロスベルタイムスで読みましたわ。ヨアヒム・ギュンターみたいな方が、まだ数名いるなんて考えただけでもゾッとしますわ。

 

大賢者【解、今回の件に絡んでいる人物、D∴G教団から、桐条の研究部門に入り込んだ、タナトス・アグラリア】

 

アルフィン【タナトス・アグラリアさん?この方は一体?】

 

大賢者【解、タナトス氏は、桐条財閥の研究部門で、シャドウと魔獣を合わせた合成魔獣、次元や時空を研究していたようです】

 

アルフィン【シャドウですか…】

 

あれは、影時間と呼ばれる時間帯にしか現れないとされていたものでしたが、影時間ではない時にも現れるようになったと報告されていますわ。ですが、影時間が無くなってからは、トオル・アケチ、シドウの乱の時以外では、シャドウが現れたどういう報告を受けていないみたいですわ。そのシャドウにこの世界にいる魔獣を合わせるなんて……。

 

大賢者【解、どうやら❝負の産物❞が、出回ってる可能性があります。桐条財閥は、負の産物を回収を教会や遊撃士協会に依頼をしているようですね】

 

アルフィン【……ミツルさん……お父様から、桐条財閥を受け継がれ、お爺さまの尻拭いをされてるんでしたね。あの戦いでお父様を亡くされて、それから立ち直って桐条財閥をなんとか立て直されて…】

 

あの時の世間のバッシングは共和国だけではなく、周辺諸国までに及びましたからね。一番矢面に立たれたのは、ミツルさんでしたから。何を言われようともひたすら我慢して、非難を受け入れて桐条財閥の共和国での影響力を無くすことになっても、桐条財閥の立て直しに尽力を尽くされましたわ。だから今では、エルザイム公国や学園都市からの融資等を受けれるように信頼と信用を取り戻されましたから。

 

大賢者【解、今現在、桐条財閥は、軍事兵器部門等は全て解体され、民衆の役に立つものを生み出していますね】

 

アルフィン【それが、ミツルさんの決意そのものなんでしょう。それにしても…姿を消していたタナトスさんが今頃になって…】

 

大賢者【解、おそらくは、クロスベルでヨアヒム・ギュンターがあんなことになり、教団関係者の再捜索が行われるんじゃないかと噂もありますからね。そういうことから鑑みての行動かと】

 

アルフィン【おとなしくしているわけではなく、どうせ捕まるのなら一泡吹かせてやる、ってとこかしら?】

 

エレボニア帝国→カルバード共和国

 

七燿暦1204・5月5日・夜・共和国・イーディス・旧市街・アダムアパート・305号室・シアゲの部屋・リビング。

 

アルフィンがシャワーを浴びている同時刻、シアゲは誰かと連絡を取っていた。

 

シアゲ「……以上が帝国での出来事の報告であります」

 

サナダ「なるほどな、オリアナの件の追っていた1人が共和国入りしたと。で、入国した人物が、重要指名手配人物のタナトス・アグラリアだと言うのだな?」

 

シアゲ「ああ、CIDやオリアナから送られてきた資料を元に導き出した答えがタナトスです」

 

シアゲは、ここに帰ってきてすぐに色々と資料等を片っ端から調べていたのだ。オリアナが後から送ってきた資料に何か引っかかりを覚え、それから、ここにあった資料などと照らし合わせてたのだ。

 

サナダ「今まで潜伏していたタナトスが、クロスベルの件で自分にも包囲網が及ぶのではないかと、行動を開始したとお前はそういうのだな?」

 

シアゲ「ああ、サナダ室長もご存知の通り、あの男がいつまでも大人しくしてると思いません。ヨアヒムが行動起こした…次は自分だと思ってる可能性が十分にあります。だから共和国に戻ってきた……」

 

サナダ「ああ、俺も奴の手口がよく知っている。共和国で何かをする前に…争いの芽は摘む必要がある」

 

シアゲ「俺は引き続き、タナトスの行方を探ります」

 

サナダ「分かった、引き続き頼む。ところで話は変わるが、アルフィンも一緒か?」

 

シアゲ「は?ったく…本当に話変えてきますよね…ええ、まあ、アルフィンも一緒ですが…というか彼女に共和国での身分証を与えたのは室長だそうですね?」

 

サナダ「彼女に身分証を持たずにうろうろされたくないからな。一緒に行動するなら分別をわきまえて行動しろ」

 

シアゲ「わかってますよ」

 

サナダ「何かあったらちゃんと報告しろ。勝手に深追いだけはするなよ?」

 

シアゲ「分かってます」

 

こうしてシアゲは、サナダとのやり取りを終え、窓の外を見る。昼間とは違いし~んと静まり返える旧市街地。ちょっと前まではずっと騒乱が立て続けに起こった。それを乗り越えてやっと築いた平和。だが今の平和がかかりそめであることは、シアゲも分かっている。

 

移民推進派と反移民派の対立は、ますます激しくなるばかり。いつその導火線に火がつくかわからないところまで来ているのだ。

 

シアゲ「タナトス、やつはこういう対立は最も好むところだからな」

 

帝国でも何かをしようとしているのは確かだ。貴族派と革新派の対立、同じく共和国と同じような構図になっている。タナトスにとっては、高笑いが出るような美味しいものであるのだ。いろんな負の感情が渦巻くような場所にタナトスは現れる。人々が殺し合うような状況が一番好物なのだから。

 

シアゲ「これ以上やつの思い通りにさせてたまるか」

 

シアゲがなぜここまでになるのか。それは大事な恋人リコウが、タカヤが引き起こした騒乱の時に、シャドウと魔獣の合成体に襲われそうになった人を助けるために身を呈して庇ったのだ。その後、救助隊が彼女を病院に連れて行ったのだが、病院に到着した時がすでに息を引き取っていたのだ。シアゲは自分の与えられた任務を片付けて、すぐに病院に駆け付けたのだが、すでに息を引き取った後だった。

 

タカヤの騒乱の後は、最愛の恋人、リコウを失ったシアゲは、かなり荒んでいたのだ。仕事も休職状態に陥っていたが、たまたま共和国に来ていた、グンハ・ソギイタという学園都市の遊撃士の男に喝を入れられ、己を取り戻したのだ。それから仕事に邁進し、CID内でも出世したのだ。

 

本来ならサナダよりも上の階級になっていたのだが、本人の都合により現場で動き回る方がいいということで幹部に昇格するのを辞退しているのだ。ある時、帝国の内情を調べている時にアルフィンと出会ったってというわけだが。

 

シアゲ「タナトスの他にもう1つ伝えておけなければならないものがある」

 

サナダ「なんだ?」

 

シアゲ「オリアナからの情報なんだが、先の帝国の件、どうやら共和国のロアアーム社が関わっているようだぞ」

 

サナダ「ロアアーム社か、他のところから報告が入っている。数日後にイーディス裁判所からの家宅捜索令状が取れるはずだ。それを持ってロアアーム社に家宅捜索を開始する。その時にはお前にも来てもらうぞ」

 

シアゲ「分かった」

 

こうしてシアゲとサナダのやり取りは終わる。その直後にアルフィンがシャワー室から出てくる。先ほどの服と違い、どうやら鞄に着替えを入れていたようだ。シアゲは、火照ったアルフィンを見て、何だか色気があるなと見つめていると、その視線に気がついた彼女が

 

アルフィン【シアゲさん、どうかされました?】

 

シアゲ「い、いや…今日はもう遅いし、早く寝ろっていう意味で見てたんだがな」

 

アルフィン【そうですね。もう夜も更けてますし】

 

シアゲ「あんたはそのベッドに寝ろ」

 

シアゲは、アルフィンにベッドの方を指差して言った。彼はほとんどそのベッドを使っていない。ほとんどそこらの床で寝るか、ソファーで寝転んで寝るかの2択であるためだ。

 

アルフィン【いいんですの?】

 

シアゲ「アルフィンを床やソファーで寝せたらいろんなとこから苦情が来そうだしな」

 

アルフィン【わたくしは、そんなことでチクったりはしませんわ】

 

シアゲ「こんな俺だけどな、ちゃんと礼節はわきまえてるつもりだ」

 

アルフィン【別にそこまでかしこまらなくても…】

 

シアゲ「自分がベッドに寝て、女の子をソファーや床に寝せるような器の小さい男じゃねえ」

 

シアゲはそう言うと床の方にタオルケットを取ってそのまま寝転んでしまった。

 

アルフィン【シアゲさん…ありがとうございます】

 

アルフィンは、シアゲの耳元で囁くようにそう言ったのだ。彼は彼で、耳元で言われたのだからドキドキをしていたのだ。彼女はベッドの方に入り、そのまま横になって眠りにつくのだった。一方のシアゲは、ドキドキしながら眠りにつくのであった。

 

ユウのヒロインは誰が良いでしょうか?

  • 1ーエマ
  • 2ーフィー
  • 3ートワ
  • 4ーサラ
  • 5ースミレ
  • 6ーそれ以外(アリサとラウラは除く)
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