アルフィンの軌跡〜トールズ士官学院編〜   作:龍造寺

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トールズ士官学院入学編1話です。


第0章ートールズ士官学院入学編
第0章ートールズ士官学院入学編ー2ー1話ー異例な入学式。


 

七燿暦1204年3月31日・午前・エレボニア帝国・西トリスタ街道。

 

わたくしの名前は、アルフィン・ライゼ・アルノール。エレボニア帝国皇帝ユーゲント三世の二女です。世間から見れば、わたくしは皇女ということになりますわ。

 

きょうだいは、異母兄と姉、そして双子の弟がいます。

 

姉はアンネリーゼ・ライゼ・アルノール。リーゼ姉様は優しく、頭脳明晰で容姿も整った、誰からも慕われる女性です。『帝国の女神』なんて愛称まであるんですのよ。それに、ええ、強調すべきところはしっかり強調していますわ。

 

弟はセドリック・ライゼ・アルノール。男の子なのに可愛らしい雰囲気ですが、本人は【「凛々しい男になりたい」】と意気込んでいますね。

 

そして異母兄、オリヴァルト・ライゼ・アルノール。わたくしは幼い頃からオリビエ兄様と呼び、彼について回っていました。オリビエ兄様との冒険の旅は本当に楽しかったですわ。リベールではエステルさん、ヨシュアさん、正体を隠していたクローゼさん、ティータさん、アガットさん、シェラさん……たくさんの素敵な方々と出会いました。まだまだ語りたいことは山ほどありますが、それはまた追々に。

 

簡単な自己紹介や昔話はこれくらいにして。わたくしは真紅の制服に身を包み、学院から送られてきた例のモノを身に着け、ショルダーバッグを肩にかけながら、西トリスタ街道を歩いています。

 

すると、頭の中に声が響いてきました。

 

大賢者「告。何故マスターは、列車という便利な移動手段があるのに、原始的な徒歩でトールズ士官学院に向かっているのでしょうか?」

 

わたくしに語りかけてくるこの存在、それが大賢者。最初の世界で起きたあの悲劇以来、わたくしが目覚めたユニークスキルの一種です。このスキルのおかげで、禁書世界、魔法師世界、そしてその他の世界を冒険してきましたわ。

 

あら、大賢者の質問に答えてあげないと。

 

アルフィン【そうね……列車で行くのも悪くありませんが、わたくし、歩くのが大好きでして】

 

大賢者「解。楽な移動手段があるにも関わらず、徒歩を選ぶ皇女は、マスター以外にいないでしょうね」

 

アルフィン【大賢者、わたくしがドMだとでも言いたいのかしら?】

 

大賢者「解。私はそこまでは言っていませんが……マスターはどちらかというと、ドS寄りですよね?」

 

アルフィン【……!? わたくしはドSじゃありませんわ!】

 

大賢者「告。それにしても、自ら厄介事に首を突っ込む癖は、ミツイカズヤ時代から変わりませんね」

 

アルフィン【厄介事? トールズ士官学院に入学することが、ですの?】

 

大賢者「解。オリヴァルト皇子の助力や、協力者たちの援助によって設立された特科クラス《Ⅶ組》……本来ならマスターではなく、姉のアンネリーゼが行くはずだったのに、マスター自ら立候補したのでしたよね」

 

アルフィン【……大賢者、それは楽しいからに決まってるでしょ】

 

大賢者「了。マスターは楽しいからトールズ士官学院に入学、と」

 

アルフィン【大賢者、嫌味な言い方はやめなさい】

 

トールズ士官学院の特科クラス《Ⅶ組》。

 

オリビエ兄様が、エルフィン・スナイパーのカズヤ・アレイスターさん、マユミ・アレイスターさん、何でも屋の方々、RFのタツヤ・ラインフォルトさん、そして日本の四葉家、七草家、十文字家の協力を得て設立したクラスです。

 

日本の名家の名前には懐かしさを感じますが、わたくしが知る魔法師世界の日本や十師族百家とは別物。あくまで名称が似ているだけ、というところでしょうか。

 

オリビエ兄様は、リベールでの経験を活かし、帝国に新しい風を吹き込もうとしました。しかし、貴族派と革新派の対立という壁に阻まれ、思うように進みませんでした。

 

そこで、トールズ士官学院に新しい息吹を吹き込み、帝国の未来を担う人材を育てるため、協力者たちと共に特科クラス《Ⅶ組》を設立したのです。

 

本来、オリビエ兄様はリーゼ姉様にトールズ士官学院への入学を望んでいました。でも、わたくしが自ら【「わたくしが行く」】と申し出て、何とか決まったのです。

 

とはいえ、わたくしはアストライア女学院に通っていましたから、転校という形で入学することに。親友のエリゼやイツキ、ミルディーヌには理由を聞かれましたが、【「自分自身でやりたいことができた」】と説明しました。3人とも怪しんでいましたけどね。

 

そんな過去を思い出していると、大賢者が再び語りかけてきました。

 

大賢者「告。500セルジュ先に人の気配あり」

 

アルフィン【人の気配……わたくしと同じように、歩いてトールズ士官学院に向かっている方がいらっしゃるのね】

 

大賢者「解。この気配は、以前リベールで出会った人物のものに似ていますね」

 

アルフィン【リベールで出会った人物、ですか……】

 

わたくしは目を閉じ、第3の眼で500セルジュ先を観察してみました。この第3の眼は、建物や人の配置、命の輝き、さらには魔法式や魔術式まで見える優れもの。一度見た魔法や技は、わたくし自身の能力として取り込むこともできるんですの。

 

さて、500セルジュ先に視線を向けると、黒髪でわたくしと同じ真紅の制服を着た男性が、木陰で休んでいるのが見えました。この命の輝き……なるほど、あの方ですね。

 

アルフィン【大賢者、500セルジュ先の彼に追いつきますわよ】

 

大賢者「了」

 

わたくしは秘策を用いて、一気に彼との距離を縮めました。

 

西トリスタ街道→西トリスタ街道の脇

 

七燿暦1204年3月31日・午前・エレボニア帝国・西トリスタ街道の脇

 

わたくしは座標移動(ムーブポイント)を使用して、500セルジュ先にいた黒髪の男性のそばへ瞬時に移動しました。

 

彼は西トリスタ街道の脇の木陰で休憩しているようですね。わたくしの気配に気づいたのか、すぐに臨戦態勢を取ります。

 

???「じゃ、だれだ!」

 

あら、彼、誰だと言いたかったのでしょうけど、言葉を噛んでしまいましたね。思わず笑ってしまいましたわ。

 

アルフィン【クスクス……そこで噛んじゃいます?】

 

???「……あんた、あのオリビエの妹の……」

 

彼がわたくしの名前を口にする前に、すかさず彼の口に指を当てました。彼は驚いた表情を浮かべます。

 

アルフィン【ハチマンさん、それ以上おっしゃらないで。これからはアルフィン・レンハイムなんですから】

 

彼の名前はハチマン・ヒキガヤ。リベールの異変の際にオリビエ兄様と一緒に出会った方ですわ。

 

ハチマン「アルフィン・レンハイム……その名前、リベールで冒険してた時の名前じゃねえか。つーか、兄貴共々レンハイムの苗字だったな」

 

オリビエ兄様と旅をしていた時、わたくしたちはレンハイムと名乗っていました。レンハイムはオリビエ兄様のお母様の苗字。全くの偽名を使うより、お母様の証にもなる苗字を名乗る方が良いと、わたくしなりに考えたのです。

 

アルフィン【流石にアルノールを名乗るわけにはいきませんからね】

 

ハチマン「そりゃそうだ。そしたら何のためのお忍びの旅だかわからねえからな」

 

アルフィン【そうですわ。それにしても、ハチマンさんは徒歩でトールズ士官学院に向かっているんですの?】

 

ハチマン「そうだな。トールズ士官学院に入学するため……なのに、俺は列車で行きたかったんだが、アイツがこんなとこに降ろしやがった」

 

アルフィン【アイツ……ステイル・アレフガルドさんのことですか? 実はわたくしもトールズ士官学院に入学するんですのよ】

 

ステイル・アレフガルド。ハチマンさんの相棒的存在だと聞いています。二人にはそれぞれ複雑な過去や理由があるようですが、わたくしが語るのもおかしな話。機会があれば、二人から直接聞けるでしょう。

 

ハチマンさんとステイルさんは何でも屋を営んでいて、それで生計を立てているとか。何でも屋、つまり遊撃士がやらないような依頼も請け負うそうです。

 

ハチマン「ああ、そうだ。アイツは別の依頼を受けて、どっかに行ったんだろうが。ったく、なんで俺がこんな目に遭わなきゃならねえんだよ。つーか、なんでお前がトールズに入学!?」

 

アルフィン【それには色々とありますの。でも、わたくし、ハチマンさんが一緒で嬉しいですわ。知らない方ばかりより、知った方がいるのは心強いですし】

 

ハチマン「色々ねぇ……なんかあのオリビエが絡んでる気がするんだよな」

 

アルフィン【さて、何のことですの?】

 

わたくしはハチマンさんに小悪魔的な笑みを浮かべました。ハチマンさんは呆れた表情で、

 

ハチマン「……とぼけるつもりだな。まあいい。俺には俺の役目があるからな」

 

アルフィン【役目とは何ですの?】

 

ハチマン「そっちが話さねえんだから、こっちも話さねえぞ」

 

アルフィン【ケチ】

 

ハチマン「ケチで結構」

 

ハチマンさんはそう言うと、荷物を持ち、西トリスタ街道をトールズ士官学院方面へ歩き始めました。わたくしもショルダーバッグを手に、彼の後を追って街道へ出ました。

 

ハチマン「ったく、皇女様がこんな朝から絡んでくるとか、俺の運もそこそこだな」

 

アルフィン【真逆だと思いますわよ、ハチマンさんの運は、これから上がっていきますわ】

 

ハチマン【お前、自分は幸運の女神みたいに言うなよ…】

 

ハチマンさんはため息混じりに歩き、わたくしはハチマンさんをからかいながらトールズ士官学院の方へ歩いて行きました。

 

歩いている最中に大賢者がわたくしに話しかけて来ました。

 

大賢者【告、思えば魔法師世界の、第1高校入学式の時もこのように歩いて行きましたね】

 

アルフィン【そうでしたね、あの時は修行の一環ということで、歩いて行った気がしますわ】

 

大賢者【解、九重八雲師匠からやらなくていいと言われていたことを本当にやってのけたマスターでしたね】

 

あの時は確か向こうの世界(禁書世界(光井和也が付けた名前))から戻ってきて、こっちの世界に早くなれようとして、あのようなことをした覚えがありますわ。まあこれが後々に自分自身に生きてきたことは実感できましたから。

 

大賢者【解、禁書世界でも大変でしたが、自分の世界の方もかなり大変でしたね】

 

アルフィン【争いはどこの世界でもありますから。もちろんこの世界でも…】

 

これから入学するトールズ士官学院、Ⅶ組…期待と不安の陽極端な気持ちがあります。不安と言えば、リーゼ姉様が行くはずだったⅦ組にわたくしが自ら行くと決めた事で失敗はできないというプレッシャー。期待の部分は…

 

アルフィン【わたくし、どんな仲間と出会えるのかしら。オリビエ兄様の夢を、わたくしなりに支えたいんですの】

 

東から登る太陽の陽射しがわたくしの進む道を照らしている感じがして不安な気持ちが解消されていく感じがしましたわ。




九重八雲【魔法科高校の劣等生のキャラ】九重寺の住職。八雲和尚。光井和也は八雲和尚の弟子でもあった。

ユウのヒロインは誰が良いでしょうか?

  • 1ーエマ
  • 2ーフィー
  • 3ートワ
  • 4ーサラ
  • 5ースミレ
  • 6ーそれ以外(アリサとラウラは除く)
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