エレボニア帝国・トリスタ→翡翠の都・バリアハート
七耀暦1204年5月29日・午前・帝国・バリアハート行き旅客列車内。
わたくしたちがトリスタ駅から乗車して、早1時間が経過しようとしていました。ただ、わたくしやリィンさん、エマさんはなんとか和やかな雰囲気にしようとしましたが、マキアスさんとユーシスさんには全く効果がありませんでした。
お2人はずっと口を閉ざしたままで、相手の方すら見ようともなさいません。
あからさまにため息をつくわけにはいかず、心の中でずっとため息をついていたのでした。
そんな中、この沈黙に耐えきれなくなったエマさんが話し始めました。
エマ「と、とりあえず実習先のおさらいをしましょうか?」
アルフィン【そうですわね、わたくしたちが向かうバリアハートについて話しましょう】
リィン「そうだな、ユーシス、せっかくだから《バリアハート市》についての概要を説明してくれないか?」
ユーシス「フン、別に構わないが……そこの優秀な男に解説してもらった方がいいんじゃないか?貴族の目線で語るよりさぞ批判的で気の利いた説明をしてくれるだろうさ」
マキアス「……くっ……僕がイデオロギーに歪んだものの見方をしているというのか?」
ユーシス「いや、何しろ入学試験で次席を取っている優等生殿だ。加えて、日頃の脇目も振らずほどの余裕のない勉学ぶり……佐渡教科書的な知識
マキアス「ッ……!」
マキアスさんはユーシスさんにそうおっしゃられて、立ち上がられました。頭に血が上っているようです。お2人とも、帝国の縮図を表しているようなものです……。
ユーシスさんも棘のある言い方でマキアスさんにものを言うし、マキアスさんは、ものの見方に視野が狭いように感じられます。これはちょっと違いますが、かつてリベールで見たヤツに似ていますわ。あの時はエステルさんが何度壁にぶち当たっても絶望を味わわされても、そこから何度も立ち上がってみんなをまとめ上げました。
だから、今度はわたくしがやらねばならないのです。
エマ「ちょ、ちょっとお二人とも……!」
アルフィン【……なるほどですわ、ハチマンさんやガイウスさんから、散々だったと聞かされてはいましたが、目の前で見せられると、納得してしまいますわ】
マキアス「な、なんだと!?」
ユーシス「………」
リィン「そうだな、アルフィンの言うとおりだな。先月のB班の特別実習につけられた評価は❝E❞……」
アルフィン【これが試験でしたら、赤点で落第点がつけられますわね。お二人はまた同じことを繰り返すおつもりですか?】
マキアス「そ、それは……」
ユーシス「……フン……だからわだかまりを捨てて仲良くしろとでも言いたいのか?」
アルフィン【わたくしはそこまでは言っていませんわ。わたくしたちがどのような経緯で選ばれたのか、お忘れではありませんよね?立場も違えば考えも違います。男だ女の違いもありますから。だからこそ、どうしても譲れないこともあります。だけど、わたくしたちはA班というチームを結成したんです。数日間ですが、わたくしたちは同じ❝仲間❞なんですよ!】
リィン「……俺が言いたいことまで、アルフィンが言っちゃったな」
エマ「……アルフィンさん……」
ユーシス「フン、何を言い出すかと思えば……」
マキアス「冗談じゃない!誰がこんなヤツと」
アルフィン【誰も仲良くする友人になれと言ってるわけじゃありません!同じ時間と同じ目的を共有する❝仲間❞です。言葉は悪いですが、アリサさんやハチマンさんたちB班に負けないための❝仲間❞じゃありませんか?】
リィン「間違いなく、アリサたちB班は高得点を取ってくるだろう。向こうにはこっちのように
ふふっ、リィンさんもお2人を煽っていらっしゃいますね。そうですね、この2人は煽られることによって、力を発揮しそうな気がしてきましたから。
ユーシス「……お前たちが勝敗にこだわるタイプとは思わなかったが…」
アルフィン【わたくし、かなり勝敗にはこだわりますよ?だって勝った方が嬉しいじゃないですか?ねぇ、リィンさん?】
リィン「ああ、勝ち負けが気にならないほど達観してるわけじゃないからな。委員長やマキアス、ユーシス、そしてアルフィンたちの成績がいいのは羨ましいし……こないだのスミレ先輩との勝負だって正直、悔しくて仕方なかった」
エマ「あ……」
マキアス「……」
ユーシス「……」
リィン「実際、スミレ先輩の実力は圧倒的だったと思う。同じ八葉の者としても……士官学校で過ごした時間も違う。それだけではなく、相当の実力者だということはわかった。だけど、もし俺たち3人がもう少し連携できていれば、
リィンさん、ちゃんとあの時のことを分析してらっしゃいますね。あの時はみんなバラバラで戦ったから、何もできずに終わってしまいましたけど、3人がちゃんと
フィー「そうだね、あの先輩の戦い方はちょっと見ただけだけど、❝戦い方❞がうまかった。もし、リィンたちがあの先輩の猛攻をしのげていれば、たとえ勝てなくても❝負けない❞事はできたと思うよ」
フィーもそこまで分析していらっしゃったわけですか。やはりただものではありませんわね。
エマ「フィーちゃん」
アルフィン【ふふっ】
リィン「……そっか」
マキアス「……」
ユーシス「……」
まさか、マキアスさんも、ユーシスさんもフィーに論破されるとは思っていなかったでしょうね。
エマ「……実際、アリサさん、ラウラさん、エリオットさん、スハルトさんは前回と同じ班ですし、ガイウスさんはどなたとでも合わせてくれるそうですし、ハチマンさんはなんだかんだ言っても引っ張ってくれますし、向こうでもやっていけるでしょうね」
フィー「……リィンとアルフィンがさっき言った通りにチームワークは全然心配なさそう」
アルフィン【間違いなく、万全な態勢で特別実習をやり遂げられるでしょうね。下手をすれば、ダブルスコアをつけられるくらいに……】
マキアス「判った……もういい!そこまで言われたら協力するしかないだろう!?」
ユーシス「合わせるつもりはないが……負け犬に成り下がる趣味は持ち合わせていない」
アルフィン【……誰だって負け犬にはなりたくありませんわ】
マキアス「今回の実習が終わるまでは少なくとも休戦する……!君もそれでいいな!?」
ユーシス「フン、いいだろう。それくらいの茶番に耐える。忍耐力なら発揮してやろう」
マキアス「ぼ、僕の方こそ!」
なんとかなったってことでいいんですよね。やっとこれで、わたくしたちA班はスタートラインに立てた気分ですわ。
前回と違って、朝からゾッとする疲れが出ましたわ。リィンさんもエマさんも安堵の表情を浮かべていらっしゃいます。
フィーにも助けられてしまいましたわ。わたくしがフィーにありがとうのウィンクをしましたら、彼女もそっとVサインを密かに見せてくれました。
エマさんが小声で、前回の特別実習より良くなることをおっしゃっていましたが、前回より悪くなることはもうないと思うのですけどね。それでも油断はならないことだけは確かですけど。
フィーがおっしゃっていましたが、前回の特別実習は、ハチマンさんが文句を言いながらも引っ張ってたようですね。人前に立つことを極力嫌がるハチマンさんですが、彼がやらなければならないほど酷かったってことですけどね。
それからユーシスさんがバリアハートについて説明をしてくださいました。
バリアハートは、東部クロイツェン州の中心都市です。クロイツェン州の州都でもありますが。人口は30万人ほど。前世の世界からすれば少ない感じの人口ですけど、この世界では結構な人数ですわ。
周辺に広がる丘陵地帯では、毛皮となるリンクが多く生息しているみたいですね。領内にある七耀石の鉱山からは良質な宝石が取れることが有名ですね。
だから翡翠の都とも言われるわけですけど。宝石と毛皮がバリアハートの強みでもあります。これらを加工する職人街と言われる場所がバリアハートにはありますね。ここには腕利きのいい職人が集まっていると聞いていますね。もちろん、帝都にもバリアハート産の宝石等を扱っているお店はありますね。
忘れてはいけないのが1つ、バリアハートは西の海都オルディスと同じ貴族派の中心地であること。白亜の旧都セントアークのように、大手を振って平民の方々は歩けないと思っていた方がいいですわね。
全てが公爵家のため、貴族のために作られていると言っても過言ではないと、ユーシスさんはおっしゃいました。
それとマキアスさんに安易な貴族批判は控えるように忠告されました。ケルディックよりも領邦軍の見回りがすごいはずですからね、領邦軍に批判なんか聞かれては、拘束されてオーロックス砦に連行されてしまいますからね。どうなるかって?それは後が大変ですので……絶対に駄目ですわ。
この後、バリアハートに着くまでブレードで遊ぶことにしました。前回はアリサさんに優勝を持って行かれましたが、今回はわたくしが優勝しましたわ。自由行動日の日にクロウ先輩と勝負していて色々と策や相手の出方とかわかるようになってきましたから。それとユーシスさん意外に強かったですわね。トリスタ駅から乗り込んだ時と違って、バリアハートに着いた時は幾分なごやかな感じにA班はなっていたと思いますわ。
ユウのヒロインは誰が良いでしょうか?
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1ーエマ
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2ーフィー
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3ートワ
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4ーサラ
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5ースミレ
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6ーそれ以外(アリサとラウラは除く)