アルフィンの軌跡〜トールズ士官学院編〜   作:龍造寺

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第0章トールズ士官学院入学編2話です。


第0章ートールズ士官学院入学編ー3ー2話ートールズ士官学院。

 

西トリスタ街道の端→近郊都市トリスタ内

 

七燿暦1204年3月31日・午前・エレボニア帝国・近郊都市トリスタ。

 

わたくしとハチマンさんは、徒歩でトールズ士官学院の所在地であるトリスタに到着しました。トリスタ駅からはすでに多くの新入生がやって来ており、緑の制服を着た平民の生徒や白の制服を着た貴族の生徒たちがたむろしています。

 

入学式は確か9時から始まる予定。まだ時間に余裕があるためか、皆さんゆったりと過ごしているようです。わたくしは道端に咲くライノの花を眺めながら歩きます。

 

隣を歩くハチマンさんも、ライノの花に見惚れているようですね。ライノの花は、どこかあの桜の花を思い出させますわ。とはいえ、今は桜やライノの花の感想を語る場面ではありません。

 

トールズ士官学院について、少し説明しなければ。わたくしが口を開こうとしたその時、大賢者が割り込んできました。

 

大賢者「解。かの獅子心皇帝ドライケルスが、晩年にこの地で教鞭を取っていた。それがトールズ士官学院の起源です。かつては貴族しか入学できなかったものの、今は平民生徒や女性も入学可能となりました」

 

大賢者の説明が終わると、ライノの花びらがまるでわたくしたちを祝福するかのように舞い落ちてきます。

 

トリスタの街には必要最低限のお店があり、住民の方々も穏やかに暮らしています。トリスタの住民たちは、学院生を温かな目で見守ってくださっているようですね。

 

ふと、わたくしは教会でお祈りをしたいと思い、ハチマンさんに声をかけました。

 

アルフィン【ハチマンさん、ちょっと寄り道ですけど、トリスタ礼拝堂でお祈りしませんか?】

 

ハチマン「……ったく、面倒くせえな。まあ、いいけどよ」

 

こうして、わたくしたちはトリスタ礼拝堂でお祈りを捧げ、その後、トールズ士官学院へと歩みを進めました。

 

ハチマンさんがふと口を開きます。

 

ハチマン「士官学院っつっても、新入生は多いんだな。……白と緑の制服を着た連中はゴロゴロいるのに、俺たちの真紅の制服を着た連中はちらほらだ」

 

アルフィン【そうですわね】

 

ハチマン「まあ……オリビエが何か企んでそうだよな」

 

ハチマンさんはわたくしをチラリと見て、そう呟きました。確かに、オリビエ兄様が関わっています。この特科クラス《Ⅶ組》の計画に、わたくしやハチマンさんが選ばれたのです。他の真紅の制服を着た生徒たちも同様に。

 

アルフィン【わたくし、何も知りませんわ】

 

ハチマン「……どうだかな。お前が知らないってことはねえと思うがな」

 

アルフィン【知らないものは知りませんわ】

 

すると、大賢者が割り込んできました。

 

大賢者「告。マスター、トールズ士官学院の正門にて、緑の制服を着た小柄な女子生徒と、黄色の作業着を着たふくよかな男子生徒が、真紅の制服を着た生徒たちを止めて何かしているようです」

 

アルフィン【……大賢者、おそらくは……】

 

ハチマン「なんか、正門前に誰かいるな。緑や白の連中には声をかけてねえのに、真紅の制服を着た連中だけ止めてるぞ」

 

アルフィン【そうですわね】

 

 

トリスタ→トールズ士官学院・正門前

 

七燿暦1204年3月31日・午前・エレボニア帝国・トールズ士官学院・正門。

 

わたくしとハチマンさんが正門をくぐると、大賢者の言った通り、緑の制服を着た小柄な女子生徒と、黄色い作業着を着たふくよかな男子生徒が話しかけてきました。

 

??「ご入学おめでとうございます! うんうん、君たちが最後みたいだね。アルフィン・レンハイムさんとハチマン・ヒキガヤ君でいいんだよね?」

 

アルフィン【はい、初めましてですわ】

 

ハチマン「え、あ、合ってるけど、なんで俺たちの名前を?」

 

小柄な女子生徒とふくよかな男子生徒は顔を見合わせ、ニコニコと笑いながら、「まだ自分たちからは話せないよ」と意味深な言葉を残しました。

 

ふくよかな男子生徒が続ける。

 

??「これが二人が申請した品かい?」

 

ハチマン「ああ、パンフレットに書かれてたやつか。俺の得物はこれだな」

 

ハチマンさんは背中に背負っていた細長い入れ物を男子生徒に渡しました。

 

大賢者「告。あれは大剣ですね」

 

アルフィン【大剣……ハチマンさんの武器は大剣でしたね】

 

リベールの異変の際、ハチマンさんが大剣を振るって戦っていたのを思い出します。

 

そういえば、パンフレットには【「入学式の際に自身の得物を預ける」】と書かれていました。オリビエ兄様は理由を教えてくれませんでしたが、意味のないことをするはずがありません。きっと何か深い意図があるのでしょう。

 

ハチマンさんが手続きを終えたので、次はわたくしの番です。わたくしはショルダーバッグから得物を出し、男子生徒に渡しました。

 

??「これは……籠手! なるほどね。どうりでアンが……」

 

アルフィン【アン?】

 

??「いや、なんでもないよ! 君たちが最後みたいだし、さあ、二人とも講堂に急いでね!」

 

緑の制服の女子生徒と黄色い作業着の男子生徒は、笑顔でわたくしたちを見送ってくれました。

 

おそらく、真紅の制服を着た生徒は、わたくしとハチマンさんが最後だったのでしょう。後ろからは、緑や白の制服を着た生徒たちが続々とやってきています。

 

ハチマン「アルフィン、お前、さっきの二人が言ってた『俺たちが最後』って意味、わかったか?」

 

アルフィン【ええ、わかりましたわ】

 

ハチマン「そうか……まあ、俺もわかったけどな」

 

トリスタ→トールズ士官学院・正門前→講堂。

 

七燿暦1204年3月31日・午前・エレボニア帝国・トールズ士官学院・講堂。

 

わたくしたちは講堂に向かい、椅子に腰を下ろしました。ハチマンさんは座るなり目を閉じ、寝たふりを決め込むようです。

 

わたくしは周りをキョロキョロと見回しながら、ふと考えに耽りました。すると、大賢者がまた割り込んできました。

 

大賢者「告。マスターとハチマン氏以外の真紅の制服を着た生徒のデータ分析をしますか?」

 

アルフィン【しなくていいですわ。そんなことしたら、わたくしが変態みたいじゃありませんか!】

 

大賢者「了……それでは、緑と白の制服を着た生徒の……」

 

アルフィン【結構よ!】

 

大賢者「……ケチ……」

 

アルフィン【ケチで結構】

 

わたくしは小さく息を吐き、大人しく待つことにしました。

 

その時、学院長であるヴァンダイク学院長が講堂に入ってこられました。続いて教頭先生や他の教官の方々も次々と入場。いよいよ入学式が始まるようです。

 

新入生たちは緊張した表情を浮かべています。そんな中、ヴァンダイク学院長が壇上に立ち、式が始まりました。

 

オリビエ兄様からの祝電をはじめ、多方面からの祝電が読み上げられ、わたくしは少し嬉しくなりました。形式的なものであっても、妹としてはやはり嬉しいものですわ。

 

そして、ヴァンダイク学院長がある言葉に力を込め始めました。

 

ヴァンダイク学院長「――最後に、君たちに一つの言葉を贈らせてもらおう。本学院が設立されたのは、およそ220年前のこと。創立者はかの【ドライケルス大帝】――【獅子戦役】を終結させ、エレボニア帝国中興の祖と称される英雄である」

 

わたくしたちのご先祖様の一人ですね。帝国では大帝を英雄視していますし、わたくしも尊敬する人物の一人ですわ。

 

ヴァンダイク学院長「即位から30年あまり、晩年の大帝は、帝都から程近いこの地に兵学や砲術を教える士官学校を開いた。近年、軍の機甲化に伴い本学院の役割も大きく変わり、軍以外の道に進む者も多くなった。それでも、大帝が遺した❝ある言葉❞は、今なお学院の理念として息づいている――若者よ、世の礎たれ

 

わたくしもオリビエ兄様も、この言葉に導かれるように行動してきました。大帝の言う通り、果たして“世の礎”になれているのかはまだわかりませんが。

 

ヴァンダイク学院長「❝世❞という言葉をどう捉えるのか。何を持って❝礎❞たる資格を得るのか。これからの2年間で自分なりに考え、切磋琢磨する手がかりにしてほしい。ワシからは以上だ」

 

ヴァンダイク学院長はそう告げると壇上から降り、学院長席に着席されました。

 

続いて、教頭先生が壇上に上がり、わたくしたちを見据えます。

 

教頭「これにて、入学式は終了とする」

 

教頭先生が入学式の終了を宣言し、各自が自分のクラスへ移動するよう指示されました。

 

教頭「これから、各自に記されたクラスへと移動してもらおう。クラスにてオリエンテーションを行う。では、解散」

 

教頭先生の解散の合図で、緑の制服や白の制服を着た生徒たちが次々と立ち上がり、それぞれのクラスへと歩き出しました。

 

 

トリスタ→トールズ士官学院・生徒会室

 

七燿暦1204年3月31日・午前・エレボニア帝国・トールズ士官学院・生徒会室。

 

一方、正門の前のいた小柄の女子生徒と黄色の作業着を着たふくよかな男子生徒は、Ⅶ組だけが行うオリエンテーションのために、彼らから集めた得物ととあるモノを旧校舎の地下1階の台座に置いてから生徒会室に戻っていた。

 

??【僕達の仕事は終わったけど、クロウ達の方は掛かってるみたいだね】

 

??【そうみたいだね、サラ教官が色々と現場を仕切ってるみたいだしなんとかなると思う】

 

??【まあ、マユミ教官もいることだし、変なことにはならないと思うけど…】

 

黄色の作業着を着たふくよか男子生徒が、ため息を吐きながら

 

??【アンとクロウが何かしでかさなければいいのだけど】

 

??【だ、大丈夫だよ、ジョルジュ君、スミレちゃんやシェルちゃんもいるから…ね?】

 

ジョルジュ【スミレやシェルは大丈夫なのは分かるんだが…あっ、トワ…あと少しで入学式も終わるね、もうそろそろアンやクロウがいるとこに行かないとね】

 

トワ【そ、そうだよ、あっという間の時間過ぎちゃったね…】

 

トワとジョルジュはクロウやアンと呼ばれた生徒が待つ場所へ向かうことにしたのだった。

ユウのヒロインは誰が良いでしょうか?

  • 1ーエマ
  • 2ーフィー
  • 3ートワ
  • 4ーサラ
  • 5ースミレ
  • 6ーそれ以外(アリサとラウラは除く)
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