アルフィンの軌跡〜トールズ士官学院編〜   作:龍造寺

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第2章ー麗しき翡翠の都編29話です。


第2章ー麗しき翡翠の都編ー68ー29話ーオーロックス砦。

 

エレボニア帝国・バリアハート・オーロックス峡谷道

 

七耀暦1204年5月29日・昼・帝国・バリアハート・オーロックス峡谷道の洞穴。

 

わたくしはふと目を開けましたら、リィンさんたちが覗き込んでいました。

 

フィー「良かった、アルフィンが目を覚ましたよ」

 

エマ「アルフィンさん、良かった……本当に……」

 

アルフィン【……エマさん、フィー……ここは?】

 

ユーシス「渓谷道にある洞穴だ……それより身体は大丈夫なのか?」

 

身体……確かに何か背中に違和感がありますが……それ以外は何ともないですね。それよりもリィンさんは?

 

アルフィン【リィンさん、あなたの傷は大丈夫ですの?】

 

リィン「傷の方は、委員長のお婆ちゃんの秘薬で何とか傷まずに済んだよ……俺のことよりアルフィンの方が心配だ」

 

エマ「そうですよ、アルフィンさん、あの時、リィンさんたちの前で崩れるように倒れられたんですから」

 

フィー「フェイトスピナーではない、()()()アルフィンの側を通ってものすごい速さでどこかに行ってしまった……私の目で捉えられたのはそこまでだった」

 

リィン「いや、そこまで捉えられてたなんて、フィーは凄いな……」

 

わたくしの側をものすごい速さで通り抜けていった?大賢者、それって一体何なの?

 

大賢者【解、おそらく❝ペルソナ❞だと思われます。それも未知のペルソナ能力だと思われます】

 

サナダさんたちのペルソナ能力は、あの時にある程度把握していましたが、それ以外のペルソナ能力者となると、わたくしだけでは何ともなりませんね。それに触れたものの❝精神❞を肉体から引き離すなんて……結構恐ろしい能力ですわね……。

 

エマ「アルフィンさんの背中にもお婆ちゃんの秘薬を塗っておきました」

 

フィー「大丈夫、エマが全部塗ったから」

 

アルフィン【ありがとうございます】

 

だから背中に少し違和感があったんですね。

 

アルフィン【エマさん、背中の傷って……】

 

エマ「傷と言いますか、何か殴られたような跡と言いますか……ちょっと説明しようがないような……」

 

アルフィン【そうですか……】

 

何かしらのペルソナで、わたくしの身体に触れた跡だと考えた方がいいですわね。今のところはそれ以上の事を調べることもできませんしね。今は特別実習の課題を終わらせることが先決ですわ。

 

ピンクソルトの調達はまだ終わってないはずですわ。

 

アルフィン【……みなさん、まだピンクソルトは調達できてないのでしょう?】

 

エマ「はい、続けざまにリィンさんとアルフィンさんがこんなことになったので……」

 

フィー「私だけで行くって言ったけど止められた」

 

ユーシス「当たり前だ。こんなことになってるお前だけを行かせるわけがなかろう?」

 

フィー「……別に1人で行けたのに……」

 

エマ「フィーちゃん、まあまあ……」

 

マキアス「僕たちが……あそこで言い争わなければ……こんなことには……」

 

リィン「済んだこと言っても仕方がない。俺は大丈夫だがアルフィンは大丈夫なのか?」

 

アルフィン【わたくしは……大丈夫ですよ、むしろリィンさんが心配ですわ!】

 

リィン「俺は大丈夫さ」

 

アルフィン【それでしたらわたくしも大丈夫ですわ。それと、ユーシスさん、マキアスさん、お2人のお怪我がなかったので安心しましたわ】

 

マキアス「アルフィン……君は……」

 

ユーシス「………」

 

フィー「2人とも、あんまり無理しない方がいいと思う」

 

エマ「ええ、お2人は私たちのバックアップに回って下さい」

 

リィン「別に俺は……」

 

アルフィン【みなさん、ありがとうございます。ほらっ、リィンさんもバックアップに回りましょう。今のわたくしたちはまず傷を癒しましょう】

 

リィン「……わかった。アルフィンがそこまで言うなら仕方がない……」

 

アルフィン【みなさん、前衛はお任せしましたわ】

 

フィー「任された」

 

エマ「何とかやってみます」

 

リィン【まずは手配魔獣を討伐したことを領邦軍に報告しないとな】

 

マキアス「砦の兵士に報告すれば、依頼完了となっていたな」

 

ユーシス「…オーロックス砦は、渓谷をあと少し越えた先だ。夕方までに街に戻るなら急ぐ必要がありそうだな」

 

フィー「じゃ、行こっか」こうして、改めてわたくしたちの特別実習を再開することになりました。

 

マキアスさん、ユーシスさん、フィーさんが先を歩き出された時、エマさんがわたくしとリィンさんを呼び止めて、何か魔術、呪文のような詠唱が微かに聞こえたと思いましたら、わたくしの背中の痛みが完全に消えていくのがわかりました。まさか……エマさん!?魔術や呪文を使えるのですの?

 

大賢者【告、マスター、先程のやつは魔術のようですね。色々とサーチの結果、エマさんは魔女の可能性が高いかと】

 

アルフィン【魔女……確かに存在するのではないかとおっしゃっていた人達もいらっしゃいましたが、おとぎ話の中だけの存在だとなっていましたが……】

 

大賢者【解、どうやら存在するようですね。サーチの範囲が及ばないエリアがありますが、私的試算では、そこが魔女の血を引く一族がいるのではないかと思っています】

 

アルフィン【……エマさんが魔女の血を引く一族ですか……】

 

確かに今までの行動を鑑みてみれば、不思議なことはいくらでもありました。エマさんの近くをあの黒猫さんがうろうろしてますし、彼女が旧校舎付近を1人でうろうろしてたのを見たことがあります。それで彼女を問い詰めることはしませんわ。エマさんも事情があって身分を隠されていらっしゃるわけです。わたくしだって身分を隠している身ですから。

 

リィンさんは何もわからないようで。

 

リィン「委員長、さっきのは?」

 

エマ「ちょっと、お2人の包帯の様子を確かめただけです。うん、大丈夫そうですね」

 

アルフィン【……エマさん、ありがとうございますわ】

 

エマ「でもしばらくは、あまり動かさないでください」

 

こうして、わたくし、リィンさん、エマさんと3人の後をついて行くことになりました。

 

リィンさんから聞きましたけど、あの後フェイトスピナーも1人で倒してしまったそうですから。エマさんもフィーもただものではないことが改めてわかりました。

 

 

エレボニア帝国・バリアハート・オーロックス峡谷道

 

七耀暦1204年5月29日・夕方前・帝国・バリアハート・オーロックス峡谷道。

 

わたくしとリィンさんは、後衛でみなさんのバックアップに徹しながら、オーロックス砦を歩いていきます。その途中で、バスソルトの依頼……ピンクソルトの岩塩を発見しました。もちろん、大賢者から教えてもらった場所をさり気なく、みなさんにお話ししました。

 

リィン「アルフィンの言った通りあったな」

 

ユーシス「ああ、おそらく間違いない」

 

エマ「綺麗な薄ピンク色ですね……」

 

そんな話をしてましたら、フィーが手ですくって、岩塩を舐めました。

 

マキアス「お、おい何を!?」

 

フィー「ん、塩にしては少し甘いかも」

 

マキアス「だ、大丈夫なのか?」

 

ユーシス「阿呆が、当たり前だろう」

 

アルフィン【マキアスさん、岩塩も食事に使われますわ】

 

リィン「しかし、これを風呂にか。いかにも貴族らしいというか……まあいい、とりあえず必要な分だけ摂取しよう」

 

わたくしたちは、必要の分だけを摂取しましたわ。

 

エマ「えっと、……依頼者にお渡しするのは、砦に報告した後で構いませんかね?」

 

アルフィン【そんなことをしている時間はないと思いますわ。今日中にお渡しできれば、良いはずですので】

 

ユーシス「オーロックス砦はすぐそこだ。渡すだけのために戻って、またここにやってくるのは、時間の無駄というものだろう」

 

フィー「じゃ、先に砦へゴー」

 

エレボニア帝国・バリアハート・オーロックス峡谷道→オーロックス砦

 

七耀暦1204年5月29日・夕方前・

帝国・オーロックス砦。

 

わたくしたちがオーロックス砦方面に歩いていましたら、目の前に中世のお城のような砦が見えてきました。そう、あれがクロイツェン領邦軍が拠点にするオーロックス砦ですわ。

 

マキアス「こ、これは……」

 

リィン「すごいな……」

 

エマ「《オーロックス砦》……帝国東部、クロイツェン州の治安を守る『領邦軍』の拠点ですね」

 

アルフィン【そうですわね】

 

フィー「ちょっと予想外。ベースは古い砦だけど、大規模に改造されてるね」

 

ユーシス「………」

 

リィン「ユーシス、どうしたんだ?」

 

ユーシス「いや、何でもない。とっとと魔獣のことを砦に報告するとしよう」

 

マキアス「……?」

 

わたくしたちが砦の方に歩き始めましたが、列車の汽笛が聞こえて、そちらの方を向いてみると、貨物車両らしきものがオーロックス砦に入っていくのが見えました。あれは間違いなく戦車のようでした。

 

ユーシス「……」

 

マキアス「あ、あれは……!?」

 

エマ「バ、バリアハートからの貨物列車みたいですけど……」

 

アルフィン【積荷は、あの形状からして❝戦車❞ってとこでしょうか】

 

リィン「戦車……それもかなりの重戦車みたいに見えた……」

 

フィー「…RF社が生産している最新鋭の主力戦車……18(アハツェン)……」

 

ユーシス「………」

 

四大名門の軍備拡張の話は色々と聞こえてきましたが、実際自分の目で見るとやはり、帝国正規軍への対抗意識がピリピリと感じますわ。帝国正規軍もRF社と日本のFLT社(四葉家)と共同開発の新型戦車、信玄型式04戦車(帝国名、S4(フィーア))の正式導入も近いって、噂も聞こえてきますしね。

 

そんなことを考えていると、ユーシスさんが1人でサクサク歩いて行かれるので、わたくしたちもその後ろを歩いて行きました。そして領邦軍の門番の殿方々に報告をすることに。

 

門番1「お前たちは……」

 

門番2「制服……?そういえば……」

 

アルフィン【わたくしたちは、トールズ士官学院、《Ⅶ組》の者です】

 

マキアス「こちらで出した魔獣退治の報告に寄らせてもらった」

 

門番1「お前たちが……」

 

門番2「話には聞いていたが、子供までいるのか……」

 

フィー「……む……」

 

全くデリカシーがない殿方たちですわね。

 

エマ「その、指定された魔獣は先ほどなんとか退治しました。この場で報告する形で構いませんか?」

 

門番2「ああ、それは構わんが……お前たち、本当に倒せたのか?」

 

リィン「ええ、なんとか」

 

この殿方たちは、わたくしたちが倒せるはずがないみたいな感じでおっしゃっていますね。

 

マキアス「……まあ、手こずりはしたが」

 

門番1「ふむ、大したものだな。動きが素早い上に獰猛だからつい放置してしまっていてな。装甲車で行き来する分には全く事実害はなかったが……さすがに学生に回していいか少々心配だったもんでな」

 

エマ「そうだったんですか……」

 

ユーシス「フン……いい訓練になったとだけは言っておこう」

 

門番1「……?」

 

門番2「……へ?」

 

ユーシスさんがそうおっしゃった後、領邦軍の門番の殿方たちもさすがに気づいたようで

 

門番2「ユ、ユーシス様!?どうしてこんなところに……ハッ……その制服、よもや!?」

 

ユーシス「見ての通り、ちょうど実習でバリアハートに戻ってきている。あくまで士官学院の一学生。彼らと同じように扱ってくれ」

 

門番1「はっ」

 

門番2「了解であります!」

 

さすがユーシスさんってとこでしょうか。

 

ユーシス「それよりも……先ほどの列車は何だ?」

 

門番1「ああ、ご覧になりましたか。いやぁ、ついに我が領邦軍にも戦車が配備され始めましてね!」

 

門番2「やはり装甲車と戦車では走行と火力が段違いですし……いつまでも正規軍の連中に大きな顔をさせておけませんよ!」

 

マキアス「……」

 

ユーシス「……なるほどな。見たところ、取手の方も大幅に改修されたようだが?」

 

門番1「ええ、ええつい先月に大規模な工事がありました。ちょっとやそっとの砲撃ではビクともしないそうです」

 

門番2「いずれは対空防御も大幅に強化される予定です!我がクロイツェン州の誇り……どうか楽しみにしていただけると!」

 

ユーシス「………ああ……」

 

ユーシスさんはくるりと回れ右をされて

 

ユーシス「用件は済んだ。さっさとバリアハートへ戻るぞ」

 

リィン「……そうだな」

 

アルフィン【そろそろ夕刻になる頃ですし急ぎませんと】

 

フィー「ラジャ」

 

マキアス「……」

 

マキアスさんは何かおっしゃりたいような表情をされていますが、ぐっと堪えて溜飲を飲み込んでいらっしゃることがわかりますわ。わたくしも色々とは言いたいことはありますが、ここは我慢するしかありませんわ。

 

門番の殿方たちから報酬を受け取りました。一応、砦の方から報酬がもらえましたわね。もらえなさそうな感じもありましたけど、ユーシスさんの手前、そんなことはできなかったと見るべきでしょうかね。

 

クエスト・『オーロックス砦の手配魔獣』の依頼を達成しましたわ。

ユウのヒロインは誰が良いでしょうか?

  • 1ーエマ
  • 2ーフィー
  • 3ートワ
  • 4ーサラ
  • 5ースミレ
  • 6ーそれ以外(アリサとラウラは除く)
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