アルフィンの軌跡〜トールズ士官学院編〜   作:龍造寺

73 / 94
第2章麗しき翡翠の都編30話です。


第2章ー麗しき翡翠の都編ー69ー30話ー依頼を終わらせて。

 

エレボニア帝国・バリアハート・オーロックス砦内

 

七耀暦1204年5月29日・夕方前・帝国・オーロックス砦出入り口。

 

オーロックス砦の出入り口付近で、マキアスさんがユーシスさんを呼び止められたので、わたくしたちも立ち止まることに。さっきのことをおっしゃるつもりなのでしょうか?

 

マキアス「…待て。これはどういうことだ?」

 

アルフィン【マキアスさん、先ほどのことをおっしゃるつもりなのですか?】

 

ユーシス「……」

 

マキアス「共和国と国境を接してるクロスベル方面ならともかく……!どうして地方の領邦軍なんかに最新の戦車が必要になるんだ!?おまけに砦を大幅に改造して、対空防御まで備えるなんて……さすがに常軌を逸しているぞ!?」

 

アルフィン【マキアスさん、それは……】

 

フィー「まあ、確かに」

 

ユーシス「……貴様にもとっくにわかってるんだろう。これが帝国の❝現状❞だと」

 

マキアス「……くっ」

 

ユーシス「《貴族派》と《革新派》……四大名門による貴族連合と鉄血宰相オズボーンの対立は水面下で激化している……今のがその一端というわけだ」

 

マキアス「………」

 

リィン「噂は聞いていたけど……」

 

ユーシス「軍備増強を決めたのも俺の父アルバレア公だろう。だが、そのことについて俺からコメントするつもりはない。文句があるなら受け付けてやってもいいが?」

 

マキアス「いや、いい。そろそろ夕方だ。街に戻るのが先決だろう」

 

リィン「そうだな……」

 

フィー「じゃ、行こっか」

 

マキアスさん、ここでやっても何にもならないことはわかってらっしゃるようですね。ユーシスさんにおっしゃっても、意味がないことは、誰にでもわかることですから。

 

 

エレボニア帝国・バリアハート・オーロックス渓谷道

 

七耀暦1204年5月29日・夕方前・帝国・バリアハート・オーロックス渓谷道の途中。

 

わたくしがオーロックス渓谷道を歩いて、バリアハートへ戻る最中に急にサイレンが鳴り響き始めました。オーロックス砦方面から聞こえるサイレンですわね……

 

一体何があったんでしょうか?

 

リィン「なんだ?」

 

エマ「サイレンでしょうか?」

 

マキアス「これは……砦の方からか?」

 

フィー「アルフィン、ちょっと」

 

アルフィン【何です、フィー】

 

フィーが指さしておっしゃった方向に視線を向けると、どこかで見たような飛行物体と、わたくしのそばを高速で走り抜けていく何かがいました。

 

アルフィン【今のは一体?】

 

エマ「……」

 

マキアス「なんだ、あれは?この辺りにはあんな鳥が飛んでいるのか!?」

 

ユーシス「阿呆が……そんなわけあるか」

 

リィン「あはは……それに俺たちのそばを誰かが高速で走り抜けていったな」

 

フィー「うん、今の人が乗ってたし、こっちの方も人が高速で走り抜けて行ったね」

 

アルフィン【……空を飛んでいたものに乗ってたのってまだ子供のような感じがしましたが……】

 

マキアス「……な、何だって、アルフィン!?」

 

ユーシス「それは本当か?」

 

アルフィン【顔までははっきりとまでは見えませんでしたが、あれは子供でしたね】

 

エマ「信じられません……」

 

今の出来事を話して言いましたら、わたくしたちのいる方へ砦の方から車両が近づいてくるのがわかります。これは軽戦車でしょうか。

 

領邦軍兵士1「ユーシス様!」

 

領邦軍兵士2「お、お帰りになるところでしたか……?」

 

ユーシス「一体何の騒ぎだ?あのサイレンはどうした?」

 

領邦軍兵士1「それが……つい先ほどオーロックス砦に侵入者がありまして」

 

やはり先ほどのアレが侵入者ってことでしょうか。

 

マキアス「さっきの銀色と……」

 

フィー「渓谷道を高速で走り抜けて行った人物……」

 

領邦軍兵士1「み、見られたのですか!?」

 

領邦軍兵士2「その銀色と高速移動の人物はどちらへ!?」

 

ユーシス「南西の方角で飛び去って行ったのとバリアハートの方に走り抜けて行ったばかりだ。どちらともかなりの速度だったぞ」

 

領邦軍兵士1「くっ、失礼します!」

 

領邦軍兵士2「ユーシス様もくれぐれもお気をつけて!」

 

それだけおっしゃると領邦軍の兵士の方々は、バリアハート方面へ軽戦車を走らせて行かれました。

 

フィー「追いつけるとは思えないけど……」

 

リィン「ああ、でも一体何だったんだ?」

 

エマ「そうですね……飛行船ではないのに空を飛べる物体なんて……」

 

マキアス「そんな発明がされたなんて聞いたことがないぞ……?」

 

ユーシス「………」

 

アルフィン【……】

 

表ではそのような発明はなされてはいませんが、裏では……特に13工房や学園都市絡みではあったりするんですよね……まあ、ろくなことに使われないから遊撃士やその他の勢力の人たちから壊されてしまいますから。

 

ユーシス「まあ、彼らに任せておけ。俺たちはあくまで士官学院の実習中の身。逃げた新入者を捕まえてやる義理も余裕もないだろう」

 

マキアス「そ、それはそうだが……」

 

エマ「一応、サラ教官への報告には記してた方が良さそうですね」

 

アルフィン【そうですわね】

 

リィン「前回のケルディックの時もサラ教官への報告に書いたしな。それはそうと、俺の肩の傷も完全に治ったみたいだ。そろそろ戦線復帰するよ」

 

わたくしもぴょんぴょんと飛び跳ねて、手足の感覚を確かめてみました。背中にも触れられた時の違和感もなくなったみたいですし、わたくしも戦線復帰しましょうか。

 

アルフィン【わたくしも戦線復帰致しますわ】

 

ユーシス「2人とも大丈夫なのか?」

 

マキアス「……あんなことあったから、こんな短時間で治るとはちょっと信じられないが……」

 

フィー「リィンにアルフィン、特異体質?」

 

リィン「さ、さすがにそれはないとは思うけど……」

 

アルフィン【……わたくしは、怪我をしても人より治りが早いと言われたことはありましたけど……それが特異体質かどうかはわかりませんけどね】

 

リィン「まあ、委員長のおばあさんの傷薬が効いたんじゃないか?」

 

アルフィン【エマさんのおばあ様の傷薬、なんだか温かったですし、傷に効いてる感じがしましたからね】

 

エマ「そ、そうですね。ふふっ、ちゃんと治ってよかったです」

 

アルフィン【エマさん、本当にありがとうございます】

 

こうしてわたくしたちは、バリアハートへ向けて、オーロックス渓谷道を歩いて行きました。

 

 

エレボニア帝国・バリアハート・バリアハート市内

 

七耀暦1204年5月29日・夕方・帝国・バリアハート・バリアハート市内。

 

わたくしたちがバリアハートに到着した時にはすでに夕方になっていて、茜色に染まった空が見えています。

 

リィン「もう夕方か」

 

エマ「今日の実習はここまでですね……」

 

マキアス「ふう……やたらと疲れたな」

 

フィー「お腹減ったかも」

 

アルフィン【ふふっ、体を動かした後はお腹が減りますからね】

 

ユーシス「……あの奇妙な物体と高速で走り抜けて行った人物は街には来なかったようだな」

 

アルフィン【確かに言われてみれば……】

 

あのようなものがバリアハートの街の中に現れていたなら、バリアハート中がパニック状態になっていた可能性はありますわ。それがないところを見れば、あれはバリアハートには来ていないということになりますね。

 

リィン「どちらにせよ、遠くの方に行ったのだろう」

 

アルフィン【❝侵入者❞に関しては一旦置いといて、わたくしたちは遅くならないうちにホテルに帰りましょうか】

 

リィン「そうだな、レポートにまとめることがかなりありそうだしな」

 

マキアス「……確かに」

 

エマ「夕食の時にでも一旦整理しましょうか」

 

アルフィン【ええ、そうしましょう】わたくしたちは、依頼のピンクソルトをお届けにあの貴族の殿方たちがいらっしゃった高級料理店《ソルシエラ》のオープンカフェに向かいました。

 

 

エレボニア帝国・バリアハート・バリアハート市内→高級料理店《ソルシエラ》オープンテラス

 

七耀暦1204年5月29日・夕方・帝国・バリアハート・高級料理店《ソルシエラ》・オープンテラス。

 

オープンテラスに向かうと、貴族の殿方のお二人は、姿が見えると、立ち上がってビシッとした姿勢になられました。

 

ユーシス「依頼の品を持ってきた。確認するといい」

 

ユーシスさんは、依頼品であるピンクソルトを依頼者のハサンさんにお渡しになりました。

 

ハサン「あ、ありがとうございます。それではこちらを……依頼をこなしていただいたお礼です」

 

ハサンさんから銀の砂時計をユーシスさんはいただくことに。

 

ユーシス「まあ、受け取っておこう」

 

ハサン「あ、ありがとうございます」

 

ウディロ「先ほどは本当に失礼しました」

 

あれはわたくしたちへの謝罪ではなく、あくまでもユーシスさんに無礼を働いたという謝罪ですからね。本当の意味の謝罪ではないというわけですね。

 

クエスト・『バスソルトの調達』の依頼を達成しましたわ。

 

エレボニア帝国・バリアハート・高級料理店《ソルシエラ》オープンテラス→ホテル・エスメラルダ

 

七耀暦1204年5月29日・夕方・帝国・バリアハート・ホテル・エスメラルダ。

 

わたくしたちがクタクタでホテル・エスメラルダに入店しようとした時に導力車のクラクションが鳴りました。わたくしたちはそちらの方へ向くと、ホテル・エスメラルダ前に導力高級リムジンがそこに停車していました。あれは……あの導力高級リムジンは……確か……まさかアルバレア公爵!?

 

ユーシス「……ち、父上!」

 

エマ「……え?」

 

マキアス「なに……!?」

 

ユーシスさんは、すぐに導力高級リムジンへ駆け寄ってきました。

 

アルバレア公爵、バルフレイム宮で何度も見たことがありますが、ザ・貴族の代表格といっても過言はありませんね。本当ならそういうことも言いたくはないのですが、貴族さえよければ平民のことはどうでもいいという考えがわたくしは許せないことですね。

 

ハイアームズ侯爵は、話せばわかる御方なのですが、カイエン公、アルバレア公は、貴族主義の塊ですので、他のことは全く考えていらっしゃらないのです。

 

それにしても、お父様と息子の会話とはとても思えないですわね。わたくしのお父様、エレボニアの皇帝であるユーゲント3世でもわたくしたちの前では、普通のお父様と変わらない表情をされますのに……あれではよっぽどルーファスさんの方がお父様のように見えましたわ。

 

フィー「なにあれ……」

 

エマ「フィー、フィーちゃん……」

 

マキアス「今のが《アルバレア公》……四大名門の一角にして絶大な権勢を振るう大貴族か」

 

ユーシス「ああ……そして信じられることに俺の父でもあるらしい」

 

リィン「……ユーシス」

 

アルフィン【……ユーシスさん……】

 

マキアス「……」

 

ユーシス「詮無いことを言った。腹が減ったな。一旦部屋に戻ったら食事でも繰り出すか」

 

エマ「そうですね……」

 

フィー「お腹ペコペコかも」

 

この後、わたくしたちは、部屋に戻ってシャワーを浴びました。ひと休憩を置いてから中央広場のレストランに繰り出しました。

ユウのヒロインは誰が良いでしょうか?

  • 1ーエマ
  • 2ーフィー
  • 3ートワ
  • 4ーサラ
  • 5ースミレ
  • 6ーそれ以外(アリサとラウラは除く)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。