エレボニア帝国・オーロックス砦
七耀暦1204年5月30日・夜・帝国・オーロックス砦内
夜の静けさが深まるオーロックス渓谷道の奥にあるオーロックス砦。クロイツェン州の領邦軍の重要な拠点であり、通常なら見張りの領邦軍兵士が人数を割いて厳重に守っているはずだった。
しかし――砦の入り口を守る門番の領邦軍兵士が一人、バタリと倒れたのが事の始まりだった。
門番2「お、おい!どうした?」
もう一人の門番が倒れた兵士を呼びかけ、起こそうとするが、彼もまたあっという間に倒れてしまった。そして、砦の外側で警備に当たっていた領邦軍兵士たちも、次々と倒れていった。
そんな中、オーロックス砦の入り口付近に立っていたのは、明るい茶色のくせ毛をポニーテールにまとめ、ヘアピンがローマ数字のXXⅡの形をした少女――コトネ・シオミだった。彼女がなぜここにいるのか。
それは、昼間に目撃した❝侵入❞たちの行動が気になったからだ。元々コトネは、バリアハート近郊と双龍橋近郊で大型魔獣の退治依頼を受けていた。その最中、銀色の乗り物に乗った人物と、高速で移動する人物が双龍橋の中から出てくるのを目撃したのだ。その直後に双龍橋から警報のサイレンが鳴り響いたため、あの2人が何かに関わっているのではないかと疑った。さらに、2人がオーロックス砦に向かう様子を確認したため、バレないよう尾行し、様子をうかがっていた。
アルフィンたちがオーロックス砦を訪れていたことも、彼女は知っていた。アルフィンたちが去ってしばらく経つと、砦の中からサイレンが鳴り響き、銀色の乗り物と高速移動の人物はあっという間に逃走していった。
2人が逃走する前、砦内でこんなやり取りがあった。
???「あと少しだったのに!なんで見つかっちゃうのかな……」
???「それは、ミリアムがいかにも危なそうなもの開けようとしたからでしょ!?」
ミリアム「ニシシ、ヨツバ、レクターたちは、隅々まで調べて来いって言ったよ」
ヨツバ「それは言ってましたけど、ミサキさんから無茶はしないようにと訂正が入りましたよ」
領邦軍兵士の足音が近づいてくるのが、二人の耳にも入った。
ミリアム「領邦軍の連中がこちらに近づいてくる」
ヨツバ「そうみたいね、別々に逃げるとしましょう」
ミリアム「そだね、おじさんたちが知りたがっていた情報もなんとか手に入ったからね」
ヨツバ「まあ、この情報は私が手に入れたんですけどね」
ミリアム「ヨツバの手柄だよ……って、さっさと逃げないとね!」
ヨツバ「ミリアムは、アガートラムで飛んで逃げればいいかもしれませんが、こちらは走って逃げないといけないんですよ。ですので、お先に失礼します」
ヨツバはそう言うと深呼吸をして精神を落ち着け、逃走経路を見つめて高速で走り出した。ミリアムもそれを見て壁をぶち破り、そのまま外へ飛んで逃げて行った。
そんなことがあったため、いつもよりも警備を厚くしていたのだが、コトネのペルソナによる睡眠効果は絶大で、オーロックス砦の警備体制は丸裸同然になっていた。
コトネ「あの2人が落としていったこの紙の資料には……❝シャドウ化計画❞って書いてあったんだけど、これっていったい……」
コトネはその紙切れの資料を持って、オーロックス砦の中に入った。外から見れば中世の城のように見えるこの砦。しかし、中を見てみれば完全に近代化された要塞へと生まれ変わっていた。
格納庫らしき場所には、昼間に運び込まれたばかりの重戦車、18《アハツェン》が置かれていた。それだけではなく、装甲車や軽戦車なども数多く並んでいる。
コトネ「双龍橋の領邦軍の拠点でも今のようなものが配備されていましたが」
国を守る正規軍が配備するのはともかく、州内の治安維持のためにこのようなものを配備していること自体がおかしいと彼女は思った。
コトネ「やはり、革新派との対立がこのような結果になってしまってる……」
この流れが、軍備拡張へとどんどん進んでいる。しかしコトネ一人でどうにかできる問題ではない。分かっているからこそ、ちっぽけな自分に腹が立ってくるのだ。
コトネ「……私、1人ではこの流れを止めることなど何もできない……でもあのⅦ組のメンバーなら……」
コトネはずっとアルフィンたちの行動を見ていた。
リィンとアルフィンがあんなことになった時には助けに入ろうかと思った。
だがフィーがフェイトスピナーを倒し、エマがリィンとアルフィンの看病をし、仲違いしていたマキアスとユーシスも一時的でも協力していた。
それを見てもしかしたらⅦ組のメンバーなら、この激動時代の荒波にも負けず、その激動に立ち向かっていける力を有するものだと、考えるようになったのだ。
だからⅦ組の障害になりうるモノを排除しようと考えた。遊撃士である自身がそんなことしていいのかと葛藤もある。
彼女も迷いの中にいるのだ。
コトネがオーロックス砦に入ると、砦内にいた領邦軍兵士たちも床に転がるように寝ている。そんな中、その静寂を破る絶叫が響き渡る。
コトネ「……!?今のは何?人の叫び声?」
コトネが周りを探っていると、ドタバタとこちらに近づいてくる足音があった。これはとても人のものとは思えないようなものである。彼女は背中の薙刀を構え、臨戦態勢に入った。
コトネ「……やっぱりこの砦には何かある」
コトネがそう言った直後、シャドウと魔獣が合体した合成魔獣が現れた。コトネ「これって……なんなの!?魔獣!?」
黒くて気持ちの悪い色をした体に、魔獣の手足のようなものが生え、顔の部分には仮面のようなものがついている。
コトネ「……さっきの資料にシャドウ化計画とかあったけど、まさかこんな気持ちの悪いものを生み出す計画だってこと?」
コトネは薙刀を握る手に力を込めた。このような化け物をオーロックス砦から出すわけにはいかない。そして似たようなものが双龍橋にもいたこと。そちらではまだ魔獣とシャドウを合成させておらず、別方面の研究が行われていただけだったが、危険だと判断した彼女が破壊したのだ。
コトネ「人々の平穏を壊すような、このような兵器は、私が壊します!」
コトネは、合成魔獣を見据えながら精神を研ぎ澄ませて
コトネ「来て!ヘイムダル!!」
彼女が叫んだ瞬間、彼女の背後に佇む神々しい光を放つ門番のような女性の幻影が現れ、合成魔獣へ槍先を向けた。
コトネ「手応えはあり!舞え、桜の舞!」
コトネは薙刀で合成魔獣を桜の花びらが舞うが如く斬り裂いた。合成魔獣は絶叫を発しながら消えていく。消えていく瞬間、わずかに誰ともわからない人物が現れ
???「ありがとう……俺の精神の呪縛から解き放ってくれて。これで俺は……」
コトネ「……え!?これは一体どういう……」
???「奴らは……生きてる……人間の精神を……」
それ以上の言葉をコトネは聞くことができなかった。彼は言葉を言い終える前に消えてしまったのだ。
コトネ「……奴ら?人間の精神を?これだけでは意味がわからない」
先ほどの言葉の意味を考えていたコトネだったが、砦内に再び足音が聞こえ始めた。おそらく外から帰ってきた巡回兵士が砦の異変に気づいてやってきたようだ。
コトネ「……これ以上は砦にいてはまずいわね」
運よく、ミリアムが壁を壊したところから外へ出られた。
一応はここは修理中だったのだが、コトネのペルソナ・ヘイムダルの能力の一つである睡眠効果により、砦内外の領邦軍兵士たちが眠ってしまったため、作業が止まっていたのだ。
巡回中だった兵士たちによって、眠っていた砦内外の領邦軍兵士たちは起こされたが、再び侵入を許し合成魔獣を倒されたという失態を犯したため、アルバレア公より厳しい沙汰が下されることになった。処罰を受けたくなければ、必ず犯人を見つけ出すことときつくお灸を据えられたのであった。砦を脱出したコトネは、拾った資料と砦で得た情報をトヴァルの元へ届けるために、ほうきに乗ってレグラムへと飛び去って行った。
ユウのヒロインは誰が良いでしょうか?
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1ーエマ
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2ーフィー
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3ートワ
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4ーサラ
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5ースミレ
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6ーそれ以外(アリサとラウラは除く)