アルフィンの軌跡〜トールズ士官学院編〜   作:龍造寺

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第2章麗しき翡翠の都編33話です。


第2章ー麗しき翡翠の都編ー72ー33話ー2日目の開始とユーシスの離脱。

 

エレボニア帝国・バリアハート・ホテル・エスメラルダ

 

七耀暦1204年5月30日・朝・帝国・バリアハート・ホテル・エスメラルダ。

 

わたくしたちは、いつも通りに起床し身支度を済ませ、ホテルの中で簡単に朝食を済ませてから、総支配人であるリシリューさんにルーファスさんから預かっていた特別実習の封筒を渡されました。

 

封筒はリィンさんが受け取りました。

 

リィン「確かに」

 

ユーシス「ご苦労」

 

リシリュー総支配人「それでは私めはこれで。何かあれば申し付けください」

 

リシリューさんは、それだけおっしゃるとホテルのフロントの方へ戻って行かれました。

 

ユーシス「さて、どんな依頼を兄はまとめたことやら」

 

リィン「さっそく、確認してみるか」

 

 

特別実習・2日目

 

実習内容は以下の通りー

 

北クロイツェン街道の手配魔獣】【必須

 

懐かしのメニュー

 

件 名北クロイツェン街道の手配魔獣

必須

 

依頼者リシリュー総支配人

 

北クロイツェン街道に、危険な大型魔獣が出没中とのこと。どうか討伐をお願いいたします。

 

魔獣:【ヴィナスマントラ】

 

場所:【北クロイツェン街道・ケルディック方面に通じる石橋】

 

───────《ホテル・エスメラルダ》総支配人・リシリュー

 

件 名懐かしのメニュー

 

依頼者ハモンド・オーナー

 

とある懐かしのメニューを作るための材料調達をお願いします。詳しくは、レストラン《ソルシエラ》ハモンドまで。

 

────────ハモンド

 

エマ「昨日と同じくバランスよくまとめてくださっていますね」

 

リィン「ひょっとしたら…昨日の依頼のトラブルなんかも最初から見越してたかもな」

 

マキアス「貴族と平民の問題は僕たちに見せるためにか……」

 

アルフィン【その可能性はあると思いますわ】

 

マキアス「フン、さすが貴族派きっての才子というところか」

 

フィー「如才ない感じ」

 

ユーシス「まあ、兄のことはいいだろう。期間は残り1日。明日の朝にはトリスタに戻らなくてはならない。すぐにでも動いた方が……」

 

マキアス「ユーシス・アルバレア。」

 

ユーシス「……なんだ。マキアス・レーグニッツ」

 

マキアス「ARCUS(アークス)の戦術リンクの機能……この実習の間に何としても成功させるぞ」

 

ユーシス「……!何?」

 

マキアス「……いくら君相手とはいえ、他のメンバーができていることをできないのは不本意だからな。ちょうど新たな手配魔獣も出ているし、昨日のリベンジをするのはどうだ?」

 

ユーシス「……やれやれ。我らが副委員長殿は単純だな。大方、昨晩の話を盗み聞きして、奮起したと言ったところか?」

 

マキアス「……!なっ、決めつけないでもらおう!」

 

ふふっ、リィンさんたち男子の部屋で何があったのかは分かりませんが、それでユーシスさんとマキアスさん、そしてリィンさんが少しでも仲良くなってくれるなら、それはそれでいいことですわ。

 

大賢者【告、リィン氏とユーシス氏が身の上話をしていたところで、マキアス氏が寝たふりをして聞いていたみたいですね】

 

アルフィン【…なるほど……って大賢者もそれを聞いていたんですか?】

 

大賢者【解、オーロックス砦を見張るついでにですが……マスターはあの2人の話を聞きますか?興味ありますか?】

 

アルフィン【結構ですわ、本人が知らないのにわたくしが知っていたら、わたくし自身が変態だと疑われてしまいますわ】

 

大賢者【解、十分マスターも】

 

アルフィン【何か言いまして?】

 

大賢者【解、何もありませんと、冗談はここまででして、昨日の夜、オーロックス砦で何か騒ぎがあったようです】

 

アルフィン【昨日の夜、砦で騒ぎ?】

 

大賢者【解、はい。マスターたちが寝静まってる時にですが。砦に1人の侵入者がいたようです。昼間に潜んでいた1人でしょう。不思議な力、おそらくあれはペルソナ能力でしょう。その力を使って、砦を無力化。その後砦内で合成魔獣らしきモノと交戦し、それを撃破しています】

 

アルフィン【……合成魔獣って双龍橋から動いていないんじゃなくて?】

 

大賢者【解、マスター……合成魔獣の件、私たちが調べる前からかなり浸透している可能性が高いです。タナトスは結構前から関わっていた可能性は高いですね】

 

アルフィン【……わかりましたわ。それで砦にあった合成魔獣は、その侵入者さんが倒したってことでよろしいのですか?】

 

大賢者【解、はい。侵入者が去った後、探知してみましたが、合成魔獣の気配は消えていましたから】

 

アルフィン【……思っていたよりも深刻になってきましたね……合成魔獣の件、いろんな勢力が調べてる可能性はあるわよね?】

 

大賢者【解、ええ、国内外の諜報機関が調べている可能性は極めて高いですね】

 

今はうろうろしていた方々が味方であることを信じるしかありませんわね。それよりも今は、特別実習の課題を終わらせる事が大事ですし、何よりマキアスさんとユーシスさんの戦術リンクをできるようにしないといけないですからね。

 

マキアスさん、ご自身の口から聞いていたことを暴露しちゃいました。

 

リィンさん、ユーシスさん……リィンさんは、捨て子だったのをシュバルツァー男爵に拾われて、ユーシスさんは、平民のお母様から生まれた……そのような身の上話をマキアスさんは、実はこっそり聞いていたから自分で……

 

……平民のお母様……何だか……お兄様と……境遇が似てらっしゃるような……。

 

ユーシス「いいだろう。その話、乗ってやる。俺の方がうまく合わせるってやるから大船に乗った気でいるがいい」

 

マキアス「ふ、ふん……!それはこちらの台詞だ。せいぜい寛大な心を持って、君の傲慢さに合わせてやろう」

 

ユーシス「……フン」

 

なにはともあれ昨日の特別実習より、実のある実習になるような予感はします。

 

わたくしが特別実習を始めようとしたその時、ホテルの扉が開いてユーシスさんの名前を呼ぶ声が聞こえました。一斉にそちらの方を向くと、そこには運転手さんらしき殿方がゆっくりと入ってきました。確かあの殿方は、アルバレア家のお抱え運転手さんじゃありませんか。何かあったのでしょうか?

 

ユーシス「……アルノー……父上付きのお前がどうしてこんなところに?」

 

アルノー「昨日はご挨拶もできずに失礼いたしました。今朝、参上いたしましたのは、ユーシス様をお迎えするためでして」

 

ユーシス「……!俺は迎えに?一体どういうつもりだ。士官学院の実習で戻ってきたのはお前も知っているはずだろう?」

 

アルノー「ええ、ですから今朝、公爵閣下がユーシス様をお館に呼ぶようにおっしゃられまして、それで参上した次第であります」

 

ユーシス「ち、父上が……?だが、昨日はそんな素振りは全く見せなかっただろう?」

 

アルノー「公爵閣下のお言葉は絶対……私めは従うだけでございます。それに僭越ながら閣下にしても昨日のやり取りを省みられたところがあったのではないかと」

 

ユーシス「……あ……しかし……」

 

普通でしたら喜んで送り出すのもわたくしたちの役目でしょうが、相手がアルバレア公爵、普通のお父様たちとは訳が違います。なぜこの朝のタイミングにユーシスさんをわざわざお館から呼び出す必要があるのでしょう?

 

アルバレア公爵もわたくしたちが特別実習で来訪していることは、分かっていらっしゃるはずです。もしユーシスさんに会いたいのであれば、実習が終わった今日の夕方以降でも構わないのではでしょうか。

 

わたくしたちとユーシスさんを引き離す必要がある?

 

嫌な予感がしてきますわ。

 

大賢者【告、マスターの嫌な予感はおそらく危険探知が働いているものだと思われます】

 

アルフィン【大賢者、やっぱり危険探知が働いているのね】

 

マキアス「行ってきたまえ。戦術リンクを試すのは別に急ぐ必要はないだろう」

 

リィン「午前中は俺たちだけでやるからユーシスは実家に戻るといい」

 

エマ「ふふっ、せっかくの機会ですし、ご家族でお話をするべきですよ」

 

フィー「だね」

 

アルフィン【………】

 

ユーシス「……お前たち……うん?アルフィン、何かあるのか?」

 

わたくしが真剣な表情で考えていたので、ユーシスさんが何かあると思って話しかけられてきました。

 

アルフィン【あ、いえ、この際ですしお父様と……ゆっくりとお話されるのもいいのではないでしょうか】

 

わたくしは、ユーシスさんにそっと近づき耳元で

 

アルフィン【(ユーシスさん、こういうことを言うのはちょっと心苦しいですが、十分に気をつけてください)】

 

ユーシス「(気をつける?………わかった、その忠告は受け取っておく)」

 

ユーシスさんは、なんとかわたくしの忠告を受け入れてくれました。何もなければそれでいいのですが、危険探知が知らせてくるとなると、何かあるのは必然ですから。

 

ユーシス「お前たちの言うことはわかった。午後にはそちらに合流する。俺なしでは心許ないと思うが、せいぜい頑張ってこなすがいい」

 

マキアス「フン、言われなくても」

 

リィン「それじゃあ昼くらいにホテルのロビーで落ち会おう。何かあったらフロントに伝言を頼む」

 

ユーシス「わかった。戻るぞ、アルノー」

 

アルノー「かしこまりました。ご学友の方々、それでは失礼いたします」ユーシスさんとアルノーさんは、ホテル・エスメラルダから出て行ってしまいました。

 

リィン「よし、それじゃあ、せいぜい頑張って依頼をこなしてユーシスを楽にさせてやるか」

 

エマ「ふふっ、そうですね……それにしても……」

 

わたくしたちは、マキアスさんの視線を移しました。

 

マキアス「な、なんだ……?その何か言いたそうな顔は!って、アルフィンもあの男の耳元で何か言ってたんじゃないのか?」

 

マキアスさんは、わたくしに先ほどの話題(ユーシスさんと話したこと)をふってきました。

 

アルフィン【あ、あれは……別に……】

 

フィー「そういえば、話してたね。何を話してたの?」

 

エマ「フィーちゃん……」

 

アルフィン【あれはですね……】

 

ユーシスさんとお父様であるアルバレア公爵とせっかくの里帰りですので、ゆっくり話されたらどうですか?と話した事を伝えただけだと説明をしました。もちろん本当のことは言えませんけど。

 

フィー「ふ〜ん」

 

エマ「まあ、まあ」

 

リィン「あはは……それにしてもマキアスのおかげでいい方向に行きそうだと思ってさ」

 

アルフィン【そ、そうですわ!マキアスさんの機転でいい方向に向かってますわ】

 

フィー「えらい、えらい」

 

マキアス「ええい、子供か僕は!なんだその生暖かい目は!リィン、君とのわだかまりだって。まだ溶けたわけじゃないぞ!?」

 

リィン「え、そうなのか?」

 

マキアス「それとエマ君とアルフィン!来月の中間試験では絶対に。君らには遅れは取らないつもりだ!せいぜい全力を尽くしたまえ!」

 

エマ「は、はぁ……頑張ります!」

 

アルフィン【わたくしは何事も全力でいきますので、マキアスさんこそ、頑張ってくださいね】

 

マキアス「ア、アルフィン、君は……そしてフィー!この際だから言わせてもらうが授業中に寝るんじゃない!いいか、勉強というものは、まずは授業でノートを取るのが全ての基本であって……」

 

フィーはしゃがみ込んで耳を塞いでらっしゃいます。あはは……マキアスさんのお説教は聞きたくないとそういうことなんですね。

 

マキアス「って耳を塞ぐんじゃない!」

 

フィー「聞こえない」

 

リィン「あはは……とにかく出かけるか」

 

エマ「はい……」

 

アルフィン【それでは参りましょうか】

 

わたくしたちは、改めて特別実習の課題をこなすためにホテル・エスメラルダから出ることにしました。

ユウのヒロインは誰が良いでしょうか?

  • 1ーエマ
  • 2ーフィー
  • 3ートワ
  • 4ーサラ
  • 5ースミレ
  • 6ーそれ以外(アリサとラウラは除く)
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