アルフィンの軌跡〜トールズ士官学院編〜   作:龍造寺

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第3章鉄路を越えて編2話です。


第3章ー鉄路を越えて編ー78ー2話ーテスト勉強。

 

エレボニア帝国・トリスタ・トールズ士官学院・Ⅶ組教室

 

七耀暦1204年6月15日・昼過ぎ・帝国・トリスタ・トールズ士官学院・学院内。

 

本校舎内、いろんなところを歩いて回ったのですが、明日から中間テストが始まりますので、みなさんいろんなところで勉強していらっしゃいますね。

 

あの世界では、雨の日は勉強がはかどると言われていましたが、その言葉はこのゼムリア世界でも当てはまるみたいですね。そういう光景を見ていると、わたくしも誰かと勉強やりたくなってきますね。

 

外の見回り……雨が降っていますから、傘をさしてまで見回りをしなきゃいけませんね。

 

うん?妙に視線が感じますね……誰かに見られているのでしょうか?

 

4月、5月の活躍でⅦ組も注目されるような存在のクラスになったというのは、学院の雰囲気からもわかりますが、この視線の眼差しは、憧れとか尊敬の眼差しではないような気がします。

 

アルフィン【……何なんでしょう、この視線は】

 

大賢者【告、マスター、その視線の人物は廊下の角を曲がった観葉植物の陰に隠れています】

 

アルフィン【観葉植物の陰に隠れてる?なぜそのようなことを……】

 

大賢者【解、シャイなマスターのファンかもしれませんね】

 

アルフィン【シャイって……】

 

わたくしは、忍び足でそーっとその人物に近づいてみると、その人物もびっくりしたようで

 

???「うわっ〜、びっくりした。いきなり背後に現れないでください」

 

アルフィン【……驚かせてしまったのには謝りますが、あなた、わたくしのファンか何かですか?】

 

???「ファンと言いますか?何と言いますか……あなたのファンというよりⅦ組のファンだと言った方がよろしいかもしれませんね……」

 

アルフィン【Ⅶ組のファン……そのⅦ組のファンさんは、なぜゆえにわたくしばかり、導力カメラで撮っていらっしゃるんですか?】

 

???「それは被写体が良ければ、色々と儲けになりますから」

 

アルフィン【儲け?まさか、あなた!?】

 

???「おっと口を滑らせてしまいましたね。そういえば自己紹介がまだでした。私、トールズ士官学院・2ーⅤ組所属で新聞部部長のランコ・ハタと申します。以後お見知りおきを」

 

アルフィン【あなた、先輩だったんですね】

 

ランコ「ええ、一応先輩です。あなた方Ⅶ組にはいずれ取材したいと思いますので、その時はお手数かけますがよろしくお願いしますね……それでは!」

 

ランコ先輩は、風の如くわたくしの前からいなくなってしまいました。

 

アルフィン【ランコ・ハタ先輩……クロウ先輩やアンゼリカ先輩と違う意味で濃ゆい方でしたわ】

 

大賢者【告、マスター、先ほどの人物の追跡をしますか?】

 

アルフィン【大賢者、別にしなくていいわ】

 

大賢者【解、マスター、一応耳に入れといてください。先ほどの人物とオーロックス砦から高速に移動した人物を照合してみましたが、一致しませんでしたね。ですので、先ほどの彼女ではないということですね】

 

アルフィン【そうね、雰囲気とか気配とかが違っていましたから】

 

しかし、新聞部があったなんてある意味初耳なんですけどね。新聞部だし部室を持っていないてことはないですよね。とにかく、今は見回りをしないといけませんわね。さてと、今度はどこを回りましょうか。わたくしは、考えながら本校舎内を歩いていました。

 

エレボニア帝国・トリスタ・トールズ士官学院・旧校舎付近

 

七耀暦1204年6月15日・昼過ぎ・帝国・トリスタ・トールズ士官学院・旧校舎付近

 

雨が降りしきる中、赤い傘をさした緑の制服を着た赤毛のポニーテールの女子生徒、スミレはENIGMA(エニグマ)で誰かと連絡をしていた。

 

スミレ「イチカさん、やっぱりそうだったんですね」

 

イチカ「私もサナダさんやアラガキさんに問い合わせて、一応調べてもらったわ。やはりカモシダは、収監されてるサイラス刑務所を脱獄もしてないし、本人には事情聴取したみたいよ。本人曰く帝国のバリアハートなんて言ったこともないってね」

 

スミレ「そうですか、CIDのみなさんやイチカさんが調べられて、カモシダ本人が脱獄してないとなると、やはりバリアハートにいたカモシダは、明智さんの時と同じ……誰かの認知世界のカモシダをこちらに引き込んだ人間がいるってことになりますね」

 

イチカ「おそらくそうかもしれないね。それと、これはあなたの耳に直接入れておいた方がいいわね」

 

スミレ「何ですか?直接耳に入れてあげた方がいいって?」

 

イチカ「私の知り合いの遊撃士からの情報なんだけど、カモシダが目撃されたのと同時にレン・アマミヤをバリアハートで見たって話してくれたの。その時はどうもⅦ組を陰ながら見守ってたらしいのだけど」

 

スミレ「雨宮先輩がバリアハートに!」

 

スミレは、傘の取っ手を握る手に自然と力がこもる。ずっと探し求めていた情報が手に入ったのだから。それも確たる証拠となって。

 

スミレ「……雨宮先輩はまだバリアハートにいるってことでしょうか?」

 

イチカ「ううん、彼はその時、帝都の方に行くって言ってたらしいわ」

 

スミレ「帝都にですか……」

 

スミレは降りしきる雨の中、帝都方面を見る。灰色の雲の向こうにレンがいるかもしれない。一緒にユキナがいるのかもしれない。早る心を落ち着かせながら

 

スミレ「イチカさん、お忙しい中本当にありがとうございました」

 

イチカ「良いのよ、お姉さん頼られるのは好きだから。それと明日から中間試験なんでしょ、頑張ってね」

 

スミレ「はい」そう言ってスミレはENIGMA(エニグマ)の通信を切った。雨の粒が旧校舎の建物に降り注ぐ音を聞きながらスミレは、旧校舎を見上げる。

 

スミレ「入学式のオリエンテーション以降、地下の構造が変わってるって報告されてるけど……メメントスみたいな仕掛けがあるの?」

 

スミレはそんなことを考えながら、旧校舎を後にしたのだった。

 

 

エレボニア帝国・トリスタ・トールズ士官学院・本校舎→学生会館

 

七耀暦1204年6月15日・昼過ぎ・帝国・トリスタ・トールズ士官学院・学生会館。

 

わたくしは赤い傘をさして学生会館の方へやってきました。途中でスミレ先輩と会いましたが、何か考える事をされていたのか、心ここにあらずみたいな感じでしたね。

 

学生会館でも中間テストの勉強をされてる方々が結構いらっしゃいますね。わたくしはちょっと生徒会室を訪れてみようかなと思っています。

 

理由はトワ会長の様子を見てこようと思っています。

 

わたくしは階段を登って2階の廊下を歩き、一番奥の部屋の扉の前に立ちます。ここを訪れるのもリィンさんと一緒に訪れた以来ですわ。

 

生徒会室の扉をノックして、中へ入ります。

 

トワ「あ、アルフィンさん。どう、試験勉強ははかどってる?」

 

アルフィン【毎日コツコツとやってきましたから、あとは最後の見直しぐらいですかね。それでも試験の前は緊張しますね】

 

アンゼリカ「フフ、1年生は初々しいね。うちは士官学校だから特殊な科目も多い。まあ慣れるしかないだろう」

 

トワ「そうだね、軍事学に実戦技術なんかもあるし…あっ、政経には気をつけた方がいいかも」

 

アルフィン【政経ですか?】

 

アンゼリカ「ああ、担当があのちょび髭だからねぇ〜」

 

ちょび髭?……あ、あ〜ハインリッヒ教頭のことですね。まあちょび髭ですけど。

 

トワ「も、もう、アンちゃん、ハインリッヒ教頭のことをそんな風に言っちゃだめだよ〜!」

 

アルフィン【ふふっ、そう言いたくなる気持ちは分からなくはないですけどね】

 

トワ「もうっ!アルフィンさんまで…そうだアルフィンさん、時間があるなら見てあげようか?」

 

アルフィン【良いんですか!?是非お願いしますわ】

 

トワ「いつもお世話になってるし、このぐらいさせて欲しいな」

 

アンゼリカ「ふふっ、政経はトワの得意中の得意分野だからね。いい勉強になると思うよ」

 

わたくしは、トワ会長とアンゼリカさんからテスト勉強を見てもらうことになりました。

 

 

アルフィン【なるほど……よくわからなかった部分が、わかるようになりました!】

 

トワ「えへへ、そう言ってもらうと私も嬉しいな。後は…そうだ。時事問題も押さえておかなくちゃ」

 

アルフィン【そうですわね、時事問題といっても国内外とありますから、どっちを抑えていた方がいいのでしょうか?】

 

トワ「ハインリッヒ教頭は、国外より国内の最近のニュースから問題を出す方が多いかな。今年は、そうだなぁ……最近施行された法律なんかをおさらいしておくといいかも」

 

アルフィン【最近施行された法律ですか】

 

アンゼリカ「いかにもありそうだね。後で『君たちは社会のルールに興味がないのかね?』とか説教されそうだ」

 

アルフィン【うわっ〜それはちょっと……】

 

嫌な表情して答えてしまいましたわ。ハインリッヒ教頭は、そう、おっしゃりますけど、ルールに縛られてばっかりじゃ、何もできないと思うのもあると思うんですよね。誰も全てを守らないでいいと言ってるわけではないので。

 

マキアスさんもバリアハートで来てみて聞いて、狭かった視野が一気に広がっていろんなものが見えてきたとわたくしは思いますわ。

 

トワ「去年施行された法律といえば、『金融取引法』が有名かな。これはね、株式が証券を売る時に、きちんとリスクを伝えないといけないっていう法律なの。近年株式なんかを買って保存する人が増えたから定められたみたい」

 

アルフィン【『金融取引法』】

 

あの世界では普通に覚えていた単語ですわね。仮にも国や企業を立ち上げようとしていたんですもの。そういうことは頭の中に叩き込んでいましたわ。

 

トワ「あとは交通ルールを定めた『帝国交通法』も去年できた法律だね」

 

ええ、帝国でも導力自動車が増えましたから、それに伴いルール作り、すなわち帝国交通法ができたわけですね。貴族の方以外に平民の方も導力自動車を普通に持つようになりましたから、歩行者と導力自動車との事故等が増え、ルールを定めなくてはならなくなったわけですね。

 

トワ「特に帝都が多くて…だから帝都だけ先行して施行されたんだよ」そうですわね、帝都では事故を見ない日が無いぐらい事故が多かったですからね。だから帝都でまず先行して、ゆくゆく帝国中に帝国交通法を適用するようですね。

 

トワ「あと、今年に入って各州で施行されているのが、『臨時課税法』なんだけど…」

 

アンゼリカ「かの悪名高い『増税法』だね。四大名門の納める4州で施行され、土地や商取引全般に今までの2倍近い税を課している。君にも耳にしたことくらいあるんじゃないか?」

 

アルフィン【耳にするだけではなく、特別実習中、ケルディック、バリアハートで実際に見てきましたから】

 

トワ「出題されそうなのはこの3つかなぁ。アルフィンさんの力になれればいいんだけど」

 

アルフィン【いえいえ、もう十分に力になってもらっていますわ。すごく勉強になりましたから。トワ会長、アンゼリカさんにこれ以上お手間を取らせたらいけませんね。今日は本当にありがとうございました】

 

アンゼリカ「フフ、私はただここでダベっていただけさ」

 

トワ「まだわからないところがあったら聞いてね。何でも答えちゃうから!」

 

アルフィン【ありがとうございます】

 

『わたくしと、トワ会長、アンゼリカさんとの仲が深まった気がしますわ』

 

わたくしは、生徒会室を後にし学生会館を出て、技術棟の方へ歩いて行きました。

ユウのヒロインは誰が良いでしょうか?

  • 1ーエマ
  • 2ーフィー
  • 3ートワ
  • 4ーサラ
  • 5ースミレ
  • 6ーそれ以外(アリサとラウラは除く)
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