アルフィンの軌跡〜トールズ士官学院編〜   作:龍造寺

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第3章鉄路を越えて編5話です。


第3章ー鉄路を越えて編ー81ー5話ーアルフィンとアリサの雨の中の語らい。

 

一方、ユウは学院の廊下を歩いている途中、突然頭の中に響く声に足を止めた。それはかつて、自称特別捜査隊のメンバーや協力者たちと強い絆を結んだ時に聞いた、あの声だった。

 

    我は汝……汝は我……汝、新たなる絆を見出したり……

 

    絆は即ち、激動の時代を進む力なり……

 

    汝、『愚者』のペルソナを生み出せし時、

 

     我ら、更なる力の祝福を与えん。

 

 

ユウは静かに息を吐き、胸の内に新たな感触が生まれるのを感じた。

 

ユウ「これが俺の新しい力……。俺とリィンは、似ているのかもしれないな」

 

雨が激しく降りしきる窓の外を一瞬だけ見つめ、再び廊下を歩き出し、下の階へと降りて行った。

 

次にユウが向かったのは、エマたちがいる図書館だった。

 

エレボニア帝国・トリスタ・トールズ士官学院へ続く道

 

七燿暦1204年6月15日・夕方・帝国・トリスタ・トールズ士官学院へ続く道。

 

雨が容赦なく降り続くトリスタの夕暮れ時、一台の導力車が路肩に停まっていた。ラインフォルト社最新モデルの高級車――トーラスシルヴァーナ(TS)である。傘を差した女性と、運転席に座る男性の二人がいた。

 

女性はクラシカルなメイド服を基調とした衣装を身に着けている。フリルとリボンがあしらわれたエプロンドレスは、身体のラインを美しく引き立てつつも、動きやすさを兼ね備えた完璧な仕事着だった。髪はきっちりとまとめられ、カチューシャや小さなアクセサリーも含め、どこから見ても『理想のメイド』そのものだった。

 

男性の方は、魔法科高校の劣等生・司波達也を少し大人びた印象にしたような、落ち着いた風貌の青年である。

 

シャロン「タツヤ様、ここまでお送りいただき、ありがとうございます」

 

タツヤ「礼には及ばない。俺もアリサが通うトールズ士官学院を一度見ておきたかった。それに、帝都に用事もある」

 

シャロン「会長の名代として、革新派の幹部とのお食事会でしたね」

 

タツヤ「ああ。革新派も貴族派も、会食や会談の申し込みが後を絶たない。オズボーンや公爵連中からのものは断れないが、それ以外は俺が対応している」

 

シャロン「フフ……会長も、タツヤ様にお任せすれば安心ですわ」

 

タツヤ「当然だ。会長やアリサ……そしてお前も、俺にとっては大切な家族だ。あの時に誓ったように、何があっても守り抜く」

 

シャロン「タツヤ様……そのお言葉は、ぜひアリサお嬢様に直接お伝えになってはいかがですか?」

 

タツヤ「からかうな、シャロン。アリサのことは、よろしく頼む」

 

シャロン「はい、かしこまりました」

 

タツヤが運転するトーラスシルヴァーナ(TS)は、雨の中のトリスタを後にし、東トリスタ街道を帝都方面へと走り去っていった。

 

シャロン「さて……まずはヴァンダイク学院長にご挨拶をしなければなりませんね」

 

傘を傾けながら、シャロンは静かにそう呟くと、雨の降りしきる中をトールズ士官学院の方へと歩き始めた。

 

 

エレボニア帝国・トリスタ・トールズ士官学院とトリスタをつなぐ道

 

七燿暦1204年6月15日・夕方 帝国・トリスタ・トールズ士官学院とトリスタをつなぐ道。

 

本校舎の玄関を出て、第3学生寮へ帰ろうとしたその時、不意に声をかけられました。

 

シャロン「もし……」

 

アルフィン【え?】

 

わたくしに話しかけてきたのは、メイドさんのようでした。どちらかの貴族のお屋敷に仕える方でしょうか……でも、どこかで見たようなお顔のような気がします。

 

シャロン「雨の中、お呼び止めして申し訳ありません」

 

アルフィン【いいえ、別に構いませんわ】

 

シャロン「こちらの学院の本校舎、その建物でよろしいでしょうか?」

 

アルフィン【はい、こちらの本校舎1階の右翼が学院長室でございますわ。受付の方はもうお帰りになったと思いますので……わたくしが学院長室までご案内いたしましょうか?】

 

シャロン「ふふっ……ありがとうございます。ですが、そこまでお手を煩わせるわけには参りません。それでは失礼いたします、()()()()()様」

 

え? わたくし、名乗ったかしら……?

 

この学院に関係する貴族のメイドさんなら、名前を知っていてもおかしくはないですけれど……。メイドさんはスカートを軽やかに翻し、傘を差したままもう一度優雅にお辞儀をすると、本校舎の方へと入っていかれました。

 

大賢者【告、マスター。あのメイドはおそらく……】

 

アルフィン【大賢者、それ以上は言わなくていいわ。彼女には彼女の事情があるのでしょう。わたくしたちが知っている結社の人物ではないはずよ】

 

大賢者【解、マスターがそうおっしゃるのなら、私は何も言いません】

 

気を取り直して、赤い傘を差して歩き出そうとした時、今度は図書館の方角から別の声が聞こえてきました。

 

アリサ「あら、アルフィン?」

 

アルフィン【アリサさんも今からお帰りになるんですか?】

 

アリサ「ええ。エマたちはまだ残って勉強していくみたいだけど、私は寮に戻って明日に備えることにするわ」

 

アルフィン【そうなんですね】

 

エマさんはフィーにお勉強を教えていらっしゃるようですし、自分のお勉強の方はどうなっているのか気になりますけれど……彼女のことですから、普段からコツコツと頑張っていらっしゃるのでしょうね。

 

アルフィン【せっかくですから、アリサさん、一緒に帰りませんか?】

 

アリサ「そうね」

 

わたくしたちは自然と並んで歩き始めました。二人だけで下校するのは、なんだか久しぶりな気がします。生徒会のお仕事をリィンさんとお引き受けするようになってから、アリサさんたちと一緒に帰る機会がすっかり減ってしまいましたから。

 

アリサ「そう言えば、二人だけで帰るのもなくなったわね」

 

アルフィン【そうですわね。わたくしは学院内を一通り見回ってから帰ることが多いので、ほとんど一緒に帰るのはリィンさんですもの】

 

アリサ「そういえばそうね。いつも一緒に帰っていたわよね。それにしてもアルフィン、あなたって本当に赤が好きよね」

 

アルフィン【ええ、赤が一番好きな色ですから。そういうアリサさんは、シマシマのストライプがお好きなんですね】

 

わたくしはアリサさんに向かって、にやにやしながら言いました。アリサさんの下着、ブラもショーツもお揃いのシマシマストライプのことが多いんですもの。

 

アリサ「シマシマ……!? あ、アルフィン! あなた、何を言ってるのよ……! それにアルフィンこそ、赤ばかりじゃないの!? それとも、誰かに見せるつもりなのかしら?」

 

アルフィン【べ、別に誰かに見せるわけでは……アリサさん、お姉様や弟みたいなことをおっしゃるんですね】

 

アリサ「……はあ。そのお姉さんや弟さんと気が合いそうな気もするわ」

 

アルフィン【な、なんでそこでお姉様も弟もそんな話になるんですの……】

 

アリサさんと何故かこんなことで言い合いになってしまいましたが、

 

アリサ「こんな話より、中間試験の出来の方はどうなの?」

 

アルフィン【わたくしは、やれるだけのことはやりましたわ。あとは……女神様のみぞ知る、といったところかしら】

 

アリサ「なによ、女神様のみぞ知るって……」

 

アルフィン【アリサさんこそ、見えないところでしっかり努力されているんですから……】

 

アリサ「……アルフィン、あなたね……そうね。これでも地元ではトップクラスの成績だったのだけど、士官学院に来てみたら私より上の子がいて……さすが帝国は広いなって、改めて実感しちゃったわね」

 

アルフィン【ええ、そうですわね。地元ではトップでも、帝国全体や外国まで目を向けると、わたくしよりもはるかに優秀な方々がたくさんいらっしゃいますもの。だからこそ、わたくし自身もっと高みへ行きたくなります】

 

アリサ「……アルフィン、そういう言葉をスラスラと言えるところが逆に感銘するわね」

 

アルフィン【それって、褒められているんでしょうか?】

 

アリサ「褒めてるわよ」

 

アルフィン【……アリサさんは確か、ご出身はルーレ市でしたよね? そこでトップだったのも、ある意味すごいと思いますわ】

 

アリサ「うーん、と言っても日曜学校での成績だから。それに、私の成績が良かったのも……タツヤのおかげだから」

 

アルフィン【タツヤ……?】

 

アリサさんから度々出てくる❝タツヤ❞という名前。おそらく男性の名前だと思いますが、以前にも聞いた時には上手くはぐらかされてしまいました。

 

アリサ「ううん、なんでもない! そんなことより、私の名前のこと、気になったりしないの?」

 

アルフィン【ファミリーネームの❝R❞のことですの?】

 

大方ファミリーネームの頭文字だと思いますけど……それに大体何者なのかは見当がついていますから。それに、わたくし自身だって❝レンハイム❞を名乗っていますし、それ以上詮索はできませんわ。

 

アリサ「……アルフィン、あなた……その、別に大した事情っていうわけじゃ……リィンやフィーやスハルトの出身を聞いていたら、大したことない気がして……」

 

アルフィン【リィンさんのことは驚きましたけど、フィーやスハルトさんのことは、あまり驚きませんでしたわ】

 

アリサ「そ、そうなの?」

 

アルフィン【ええ。軍関係のことやお二人の身体能力を考えれば、やっぱりそうだったんですね、としか思えませんでしたから】

 

お二人がどこの猟兵団だったのかは分かりませんが、おそらく名の知れた有名な猟兵団なのでしょうね。

 

アリサ「二人の出身猟兵団……サラ教官なら事情を知っていそうだけど。あの三人、入学式の時から初対面じゃなかったみたいだし……それを言うならあなたやハチマンもなんだけど……」

 

アルフィン【……あはは……な、何ででしょうね。そういえば先ほど、不思議な人に会いましたわ】

 

アリサ「不思議な人?」

 

アルフィン【アリサさんと会う前に、少しお話ししたんですけど……】

 

わたくしはアリサさんに、先ほどのメイドさんのことを話しました。名前を知っていたことや、学院長に用があったことなど話しましたが。

 

アリサ「へぇ~。アルフィンの名前を知っていたメイドさんねえ。貴族生徒の誰かのメイドさんなんじゃないの?」

 

アルフィン【そう考えるのが一番自然ですよね……わたくしたちより少し年上で、サラ教官やマユミ教官よりも若い、20代前半くらいの女性ってところでしょうか】

 

アリサ「20代前半……」

 

アルフィン【どうかされましたか?】

 

アリサ「う、ううん、そうよね……❝彼女❞であるはずないわよね。母様やタツヤのフォローで精一杯だろうし、こっちまで来るなんてことは……」

 

母様やタツヤのフォロー……?

 

アリサ「……そう、普通に考えたら第1学生寮で働いている新人のメイドさんじゃない? アルフィンの名前を知っていたのはちょっと分からないけれど」

 

アルフィン【……そう考えるのが一番妥当そうですわね】

 

結局、あのメイドさんの正体は分かりませんでしたね。その後は中間試験の話や、互いの勉強法について意見を交換しながら、第3学生寮へと帰っていきました。




アルフィンの相手はリィンに決まりました。

ユウのヒロインは誰が良いでしょうか?

  • 1ーエマ
  • 2ーフィー
  • 3ートワ
  • 4ーサラ
  • 5ースミレ
  • 6ーそれ以外(アリサとラウラは除く)
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