エレボニア帝国・トリスタ・トールズ士官学院・本校舎・Ⅶ組教室
七燿暦1204年6月16日・朝 帝国・トリスタ・トールズ士官学院・本校舎・Ⅶ組教室。
今日から4日間の中間テストが始まります。やれることはやりましたので、あとは自分を信じて臨むだけですわ。
最初の教科は帝国史。トップバッターですね。スラスラと解答を進めていくと、見覚えのある問題が出てきました。
《中世の時代、エレボニア帝国で起こった内戦。《獅子戦役》はドライケルス帝により終止符を打たれた。獅子戦役が終戦した年と月を答えなさい。》
簡単ですわ。もちろん七耀暦952年7月ですわ。
――芸術の問題は、アリサさんやラウラさんと一緒に勉強していて本当に良かったですわ。わたくし一人でやっていたら、ここまで解けなかったかもしれませんね。
《Aさんは、大まかに着色したラフな水彩画を描きたいと思っています。下絵に最もふさわしい手法は何でしょうか?》
これはスケッチですわね。
エレボニア帝国・トリスタ・トールズ士官学院・本校舎・Ⅶ組教室
七燿暦1204年6月17日・朝 帝国・トリスタ・トールズ士官学院・本校舎・Ⅶ組教室。
中間テスト2日目、軍事学ですわ。ユーシスさんたちと勉強していて助かりました。
《図1にある遠征部隊の状況を示した進軍中の部隊の兵科名を答えよ。》機甲部隊ですね。これからの戦いは、機甲部隊が主力になっていくのでしょう。
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七燿暦1204年6月18日・朝 帝国・トリスタ・トールズ士官学院・本校舎・Ⅶ組教室。
中間テスト3日目、気持ちを切らさずに頑張らなければなりませんね。今日は導力学。ここもマキアスさんたちと一緒に勉強したので、完全に覚えていますわ。
《戦術導力器について述べた文がある。以下のうち間違っているものの番号を示せ。》
普通は正しいものを答える問題なのに、マカロフ教官らしいひねりですわ。
間違っているのは③――内部機構のみで魔法現象を発現、ですね。
――
次のテストは、ハインリッヒ教頭の政治経済ですわ。
トワ会長やアンゼリカさんにしっかり教えていただきましたので、勝ちに行きます。やはり時事ネタの問題が多いですね。
《昨年制定された法律のうち、帝都ヘイムダルにおいて先行して施行された法を答えよ。》
これは帝国交通法ですわ。
エレボニア帝国・トリスタ・トールズ士官学院・本校舎・Ⅶ組教室
七燿暦1204年6月19日・朝 帝国・トリスタ・トールズ士官学院・本校舎・Ⅶ組教室。
中間テスト最終日、やっと最終日になりましたわ。
実戦技術のテストは、クロウ先輩にしっかり教えていただいたところがしっかり出ています。
《緊急時の心肺蘇生法を、4つの手順に分けた。この手順を正しい順に並び替えなさい。》
A ・呼吸の有無を確認する
B ・意識の有無を確認する
C ・心臓マッサージと人工呼吸を繰り返す
D ・大声で応援を呼ぶ
正しい順はBからですわ。クロウ先輩が『異性が相手だったらラッキー』などとおっしゃっていたのが思い出されます。
今回は全体的に手応えがありましたわ。みんなでテスト勉強をしたおかげですね。こうして4日間の中間テストは無事に終わりました。
エレボニア帝国・トリスタ・トールズ士官学院・本校舎・Ⅶ組教室
七燿暦1204年6月19日・昼間 帝国・トリスタ・トールズ士官学院・本校舎・Ⅶ組教室。
中間テストが終わった教室には、安堵の空気が漂っていました。ホームルームが始まります。
サラ「いや〜っ、4日間ホントにご苦労様だったわね。ちょうど雨も止んだみたいだし、タイミング良かったんじゃない? これも空の女神の粋な計らいかしらね」
アリサ「また適当なことを……」
ハチマン「適当なこと言ってると罰が当たるぞ……」
エリオット「つ、疲れた……」
フィー「……もうムリ……」
スハルト「4日間きつかったぜ……」
エマ「ふふっ、フィーちゃんお疲れ様でした」
ラウラ「ふう……」
ハチマン「ラウラ、お疲れさん」
ラウラ「ハチマン、試験の出来はどうだった?」
ハチマン「まあ、ぼちぼちじゃねえか。お前に教えてもらったところが出て、マジ助かったと思ったからな」
ラウラ「そうか、ならよかった」
ハチマン「そういうラウラはどうなんだよ?」
ラウラ「私か? 私もハチマンと同じでぼちぼちってとこだ」
ハチマン「そうなのか? 俺より上行ってそうな感じがするけどな……」
サラ「ほらほら、ペラペラ喋らないの。まだHR中よ。明日は自由行動日だし、せいぜい鬱憤を晴らしなさい。それと、試験の結果は来週の水曜日に返却されるわ。そうそう、その日の午後には今月《実技テスト》もあるからね」
もうそんな時期なのですね……先月の特別実習もついこの間のように感じますのに。
マキアス「はあ……それがありましたか」
ユーシス「少しは空気を飲んでもらいたいものだかな」
リィン「次の《特別実習》についての発表もあるんですね?」
サラ「ええ、来週末にはそれぞれ実習先に向かってもらうから。ま、そういう意味でも明日は羽を伸ばすといいわね」
ガイウス「ふむ……」
来週末には特別実習先に向かうのですか。今度は一体どこが実習先なのでしょうね。
アリサ「うーん、久々に部活に顔を出しておこうかしら……」
サラ「ああ、それとあたしはこの後ちょっと野暮用が入ってるから。明日の夜までは戻らないわ。くれぐれも寮のことは頼んだわよ。何かあったらユウにでも伝えて。彼にもそう説明しておくから」
こうして、中間テスト明けの放課後が始まるのでした。
エレボニア帝国・トリスタ・トールズ士官学院・本校舎・Ⅶ組教室→屋上
七燿暦1204年6月19日・昼間 帝国・トリスタ・トールズ士官学院・本校舎・屋上。
ギムナジウムで水泳部のみなさんと少しお話しした後、リィンさんたちと一緒に帰るために本校舎に向かっていると、スミレさんに声をかけられました。
スミレ「アルフィンさん、少しお話してもいいかな?」
アルフィン【スミレ先輩、お話ですか? 別に構いませんが】
スミレ「ここじゃなんだし、屋上に行きましょうよ」
アルフィン【わかりましたわ】
わたくしとスミレ先輩は、久しぶりに晴れ渡った青空の下、屋上へ上がりました。お日様がトリスタにしっかりと日差しを届けてくれていて、旧校舎の木々もキラキラと輝いて見えます。
アルフィン【スミレ先輩、お話というのは何でしょうか?】
スミレ「単刀直入に聞くけど、アークライド解決事務所って知ってる?」
スミレ先輩もアークライド解決事務所のことをご存知なのですか。カルバードから来た留学生だっておっしゃっていましたし、知っていてもおかしくはないですけれど……。
アルフィン【ええ、存じていますけど……スミレ先輩もご存知なんですか?】
スミレ「うん、知ってるわ。遊撃士が扱わないような依頼も引き受けるって評判の事務所でしょ。所長はヴァン・アークライド。そして……あなたの正体も」
アルフィン【……わたくしの正体をご存知なんですか?】
スミレ「知ってるって言ったら?」
スミレ先輩は真剣な眼差しでこちらを見つめてきます。わたくしは少し警戒しながら、様子をうかがいました。
スミレ「そんなに警戒しないでよ。別にあなたと敵対するつもりなんて100%ないんだから」
アルフィン【何が目的なんですか?】
スミレ「目的かぁ〜。私はある人たちを探すためと、あなたのお兄さんの頼みでこのトールズ士官学院に入学したの」
アルフィン【オリビエお兄様がおっしゃっていた、カルバードの友人というのはスミレ先輩のことだったんですね】
オリビエお兄様が『エレボニアとカルバードの架け橋になってくれればいいのに』と呟いていたのを覚えています。その時はまだスミレ先輩のことだとは知りませんでしたけれど。
スミレ「最初は断ったんだけど……お兄さんが直接会いに来て、頭まで下げられたから……そこまでされたら断れないでしょ。だから入学を決めたの。それに、探している人たちも帝国にいるっていう情報が手に入ったから」
アルフィン【探している人って?】
スミレ「私の背中を追いかけている人たちかな。アルフィンさん、マサヨシ・シドウの騒乱って知ってる?」
アルフィン【ええ、カルバードの1議員でしかなかったシドウさんが、いろんな協力者と一緒にクーデターを起こしたんですよね。直接見たわけではないので何とも言えませんが……その時に人々の味方と言いますか、怪盗団……ザ・ファントムという怪盗団がマサヨシ・シドウたちを倒したとされていますわ】
スミレ「……私もその怪盗団の一人として、シドウと戦ったの」
アルフィン【え? スミレ先輩が……そうだったんですね。でも、怪盗団の正体は秘密ということになっていたような……そんなことをわたくしに話してもよろしかったんですの?】
スミレ「私はあなたが皇女様だって知ってるのに、自分の正体を隠したままじゃ公平じゃないでしょ?」
アルフィン【ふふっ、律儀なお方ですね】
スミレ「私、お父さんに言われてるの。周りに流されず、自分が信じた道を突き進めって。亡くなった双子の姉も、夢の中で『私がそうしたい道を信じて歩きなさい』って言ってくれたことがあるの。だから私は、自分が信じた道を突き進むって決めたの」
アルフィン【そうだったんですか……】
スミレ先輩、双子のお姉様を亡くされていたんですね。お父様もお姉様も、スミレ先輩のことを本当に愛していらしたのね。
アルフィン【ところで、スミレ先輩は今も怪盗を?】
スミレ「たまにね。正体を探られたくない時だけ怪盗で。それ以外はちゃんと遊撃士として、人々のために活動してるわ」
アルフィン【なるほど】
以前ジンさんが『期待の若手遊撃士がいる』とおっしゃっていたので、スミレ先輩もその一人なのでしょうね。
スミレ「私のことはひとまず置いといて、最初に言ったこと覚えてる?」
アルフィン【アークライド解決事務所のことでしたわよね?】
スミレ「そう。アークライド解決事務所のヴァンさんから、アルフィンさんへの言付けと、以前見せてもらった『コイン』を拾ったから届けるって言われたの」
スミレ先輩はポケットから透明なケースに入ったコインを1枚取り出しました。やはり、ミヒュトさんからもらったあのフランスのコインと同じものです。まさか共和国でも落ちていたなんて……あの人がこの世界にいるということなのでしょうか?
スミレ「そのコイン、もしかすると共和国やクロスベル、ノーザンブリアあたりで殺し屋として暗躍していた双子の姉妹の妹が、同じようなコインを使って戦ってるのを見たことがあるの」
アルフィン【双子の姉妹……】
スミレ「……双子の姉は
アルフィン【………わたくしは直接戦ったことはありませんが、戦った方々からお話を聞いたことはありますわ】
スミレ「私は直接戦ったわけじゃないけど、2人の戦闘能力がかなり高いことは遠くから見ていてもわかったわ」
わたくしが知っている前世のお二人は、誰かのために戦っていました。この世界のお二人は……少し違うのでしょうね。
スミレ「それともう一つ、ヴァンさんやイチカさん、それとCIDのシアゲさんから」
アルフィン【スミレ先輩は、お二人のこともご存知なんですか?】
スミレ「人助けの過程で知り合ったの」
アルフィン【なるほど】
スミレさんの話によると、わたくしたちが中間テストで忙しかった頃、共和国側のノルド方面の監視塔を含む基地で、最新式の兵器群が謎の暴走を起こしたそうです。
暴走した兵器はクレイユ村方面と帝国側へ侵攻するようプログラムされていたとのこと。数日前から反移民派の動きを察知していたシアゲさん、ヴァンさん、イチカさんはクレイユ村に滞在していて、夜中にサイレンが鳴り響く中、暴走兵器群を基地内で破壊し、反移民派と結託した基地幹部5名を逮捕。司令と副司令は監督不行届として降格処分になったそうです。
何より、民間の方々に怪我がなかったことが唯一の救いでしたわ。
スミレ「今度の特別実習、どっちに行くにしても気をつけてね。最近、わけのわからない人物たちが頻繁に動いてるみたいだから」
アルフィン【はい、スミレさん、色々とありがとうございます。それとシアゲさんとヴァンさんにも、イチカさんにもお礼を伝えてください】
スミレ「伝えておくわ」
アルフィン【それともう一つ、先輩が探している人物の一人と思われる方が、バリアハートにいらっしゃいましたわ。わたくしたちに色々とアドバイスをしてくださいました】
スミレ「うん、アマミヤ先輩がバリアハートにいたことは、他の遊撃士仲間から聞いたよ。その後帝都の方に行くって言われたらしいから、帝都を調べてみたんだけど……なかなかね」
アルフィン【見つかるといいですね】
スミレ「ありがとう。必ず見つけるから、時間がかかっても。さて、私はトワとこれからお茶するんだった。それじゃあね、アルフィンさん」
アルフィン【スミレ先輩、お疲れ様でした】
スミレ先輩はそう言うと、屋上のドアを開けて本校舎内へと入っていかれました。
双子の姉妹……いずれどこかで戦うことになるのかもしれませんね。氷と雷……わたくしが知っているお二人は頼もしい限りでしたけれど、この世界のお二人は……かなり厄介そうですわ。
アルフィン【わたくしもそろそろ帰りますか】
わたくしも屋上のドアを開け、本校舎へと戻りました。
ユウのヒロインは誰が良いでしょうか?
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1ーエマ
-
2ーフィー
-
3ートワ
-
4ーサラ
-
5ースミレ
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6ーそれ以外(アリサとラウラは除く)