アルフィンの軌跡〜トールズ士官学院編〜   作:龍造寺

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第3章鉄路を越えて編8話です。


第3章ー鉄路を越えて編ー84ー8話ーグランローズとグランローゼとマルガリータ。

 

エレボニア帝国・トリスタ・トールズ士官学院・体育倉庫裏→花屋

 

七燿暦1204年6月20日・朝 帝国・トリスタ・花屋。

 

わたくしたちは早速、トリスタにある花屋を訪れました。アルフィン【お時間よろしいでしょうか?】

 

ジェーン「はい、何かしら?」

 

リィン「ちょっとお聞きしたいことがあるんですけど」

 

わたくしたちはジェーンさんに事情を説明し、ここ最近グランローズを購入した1年生の女子生徒について尋ねてみました。

 

ジェーン「グランローズを買った1年生ねえ……まあ、帳簿を見ればわからないことはないけど」

 

アルフィン【なんとかお願いしますわ】

 

ジェーン「うーん、教えちゃっていいのかしら?」

 

リィン「もちろん、その女性に対しては最大限の配慮をしますので」

 

アルフィン【プライバシーに関わることは口外しません。差出人が分かったとしても、ご本人が名乗り出るのを拒否される場合は黙っていますわ】

 

ジェーン「……なるほどね。君たちがそこまで言うなら、協力させてもらいましょう。ただし、あくまで背中を押すだけよ?」

 

アルフィン【分かっていますわ。わたくしも女ですから、野暮なことはいたしません】

 

ジェーンさんから聞いたところによると、最近グランローズを購入した1年生の女子生徒は3名いるそうです。貴族クラスの1年Ⅲ組・ベリルさん、1年Ⅳ組・ヴィヴィさん、そして1年Ⅴ組・ロジーヌさんの3人でした。

 

アルフィン【まずは一番近くの礼拝堂にいらっしゃるロジーヌさんから伺いましょうか】

 

リィン「そうだな」

 

 

エレボニア帝国・トリスタ・花屋→トリスタ礼拝堂

 

七燿暦1204年6月20日・朝 帝国・トリスタ・トリスタ礼拝堂前。

 

礼拝堂の入り口付近で掃除をしていたロジーヌさんを見つけました。

 

アルフィン【ロジーヌさん、おはようございます】

 

ロジーヌ「アルフィンさん、おはようございます。今日もお祈りですか?」

 

アルフィン【お祈りもあるのですが、少しお聞きしたいことがありまして……】

 

事情を説明し、ヴィンセント先輩にラブレターを出したかどうか尋ねました。

 

ロジーヌ「いえ、私はそんな……グランローズは教会に飾るために買ってきただけですよ」

 

アルフィン【ごめんなさい、気分を害してしまったのなら謝りますわ】

 

ロジーヌ「大丈夫です、アルフィンさん」

 

ロジーヌさんを除外した後、わたくしとリィンさんは残る二人――ベリルさんとヴィヴィさんのどちらを先に訪ねるか相談し、占い部の部室にいるベリルさんを先に訪ねることにしました。

 

 

エレボニア帝国・トリスタ・トリスタ礼拝堂→トールズ士官学院・学生会館・2階・占い部

 

七燿暦1204年6月20日・朝 帝国・トリスタ・トールズ士官学院・学生会館・占い部。

 

ベリル「フフフ、確かに私はベリルだけど……何かご用かしら?」

 

事情を説明し、ラブレターの件を尋ねると、ベリルさんは小さく笑いました。

 

ベリル「フフフ……私がそんな色恋沙汰に興味があるように見える?ベリルグランローズを買ったのは、あくまで『儀式』に使うためよ。他に理由はないわ」

 

アルフィン【儀式……ですか】

 

大賢者【告、マスター。気になるのなら調べてみましょうか?】

 

アルフィン【大賢者、調べなくていいわ】

 

リィン「まあ、違ったらいいんだ。それじゃ邪魔したな」

 

アルフィン【お手間を取らせてすみませんでした】

 

 

エレボニア帝国・トリスタ・トールズ士官学院・学生会館・2階・占い部→中庭・園芸部

 

七燿暦1204年6月20日・朝 帝国・トリスタ・トールズ士官学院・中庭・園芸部・花壇。

 

園芸部の花壇にいたヴィヴィさんは、こちらを見るなりにやにやと笑いました。

 

ヴィヴィ「アルフィン、いつからリィン君と付き合ってるの?」

 

アルフィン【別にそんなんじゃないですわ。ただ生徒会の依頼を一緒にこなしているだけですよ】

 

ヴィヴィ「ふ〜ん、そうなんだ……まあいいわ。それで話って何?」

 

事情を話してラブレターの件を尋ねると、ヴィヴィさんは小悪魔的な笑みを浮かべました。

 

ヴィヴィ「なになに、それ面白そうね?」

 

アルフィン【ヴィヴィさん、面白がらないでください】

 

リィン「その反応……つまり君じゃないってことだな」

 

ヴィヴィ「ふふ、まあね。今はお姉ちゃんをからかう方が面白いから」

 

リィン「……ちなみにグランローズは買ったみたいだけど、また誰かに同じようなことをしたのか?」

 

ヴィヴィ「うん、お姉ちゃんは何度でも引っかかるからつい」

 

エンデさん……大変ですね。結局、3人ともヴィンセント先輩にラブレターを送ったわけではないようでした。お花屋さんでグランローズを買ったという情報は合っているのに、差出人が見つからないのは不思議ですわ。

 

アルフィン【……手がかりはなかったようです。一旦ヴィンセント先輩に報告した方が良さそうですね】

 

リィン「そうだな」

 

 

エレボニア帝国・トリスタ・トールズ士官学院・体育倉庫裏

 

七燿暦1204年6月20日・朝 帝国・トリスタ・トールズ士官学院・体育倉庫裏。

 

ヴィンセント「それで、勝報はどうだった? もうすでに近くまで連れてきているとか……?」

 

アルフィン【ヴィンセント先輩、申し訳ありません。見つけることはできませんでした】

 

ヴィンセント「な、何だって!? ちゃんと花屋で話を聞いたんだろうな?」

 

アルフィン【はい、購入された3名の方にお話を伺ってまいりました】

 

リィン「3人とも、それぞれ別の目的で花を買ったみたいでした」

 

アルフィン【もっと詳しくお伝えすることもできますが、どうしましょうか?】

 

ヴィンセント「……いや、いい。それを知ったところで大した意味はなさそうだ」

 

アルフィン【そうですか……お力になれず申し訳ありませんでした。それと、グランローズをお花屋さんで買っていないとしたら、どこから手に入れたのでしょうか?】

 

ヴィンセント「さあな。もし差出人が貴族の子女なら、取り寄せることも考えられるが……」

 

その時、どこからか野太い声が響きました。

 

???「あ、いたいた〜! 私のヴィンセントさま〜んっ!!」わたくしたちは振り返りました。そこにいたのは、白い制服を着た貴族の女生徒――マルガリータさんでした。

 

マルガリータ「ムフフ〜、実はさっき作ったクッキーが思いのほか美味しくできたんですのぉ。それで是非、ヴィンセント様に食べていただきたくってぇ〜」

 

ヴィンセント「い、いきなり現れて何を訳のわからんことを……! 大体、私は貴様のことなどこれっぽっちも知ら……」

 

マルガリータ「ムフフフ……実は、このあたしこそが《グランローゼ》と言ってもよろしいかしら?」

 

リィン「!!」

 

ヴィンセント「!!!!」

 

アルフィン【……マルガリータさんが、ドレスデン男爵家のご息女だったのですね】

 

マルガリータ「ムフッ、あたしの本名はマルガリータ・ドレスデン。芳しきグランローズは、私の名産品なのですわ〜んっ」

 

ヴィンセント「き、貴様が……かの《グランローゼ》の血縁者だと……ありえん……」

 

マルガリータ「わかりますわ、あたしのことがありえないぐらい美しい……そうおっしゃりたいのですわよね? ムフォッ、ヴィンセント様ったらお上手なんですからぁ」

 

マルガリータさんはグイグイと距離を詰め、ヴィンセント先輩は明らかに青ざめています。

 

マルガリータ「さあ、ではヴィンセント様。ラブレターのお返事を聞かせてくださいまし! あたしとお付き合いするかどうか……はいかイエスで答えてもらえますわっ!」

 

リィン「はいかイエスって……」

 

アルフィン【断ることができませんわね……】

 

ヴィンセント「ぜ、全然違〜うっ! そんなものはノーに決まっている! さっさと私の前から消え失せろ!」

 

ヴィンセント先輩、断るにしろそのような言葉で断るのはどうかと思いますけどね。もうちょっとオブラートに包むとか色々あるでしょうに……。

 

マルガリータ「そう……ですか……。ムフフ、ヴィンセント様は本音を隠すタイプのようですわね。いいですわぁん、ならあたしが今回用意したこのクッキーを食べてくださいまし。そうすればきっと本音を出せると思いますから」

 

ヴィンセント「も、もしかしてあのクッキー……何か盛って……」

 

マルガリータ「ムフフ、それは乙女の秘密ですわ」

 

ヴィンセント「よ、よせっ、こっちに来るな!」

 

アルフィン【マルガリータさん、いい加減にされたらどうですの? ヴィンセント先輩が嫌がっていらっしゃるじゃありませんか】

 

マルガリータ「な、なんですの、貴女!? まさか貴女もヴィンセント様を狙っているの!?」

 

アルフィン【ち、違いますわ!! わたくしはあくまで依頼主であるヴィンセント先輩をお守りしているだけですの!】

 

その時、聞き覚えのある声が響きました。

 

サリファ「ヴィンセント様、ここにいらっしゃいましたか」

 

ヴィンセント「この声は……!」

 

サリファさんが現れ、状況を説明すると、彼女は冷静に対応してくれました。

 

サリファ「とりあえずヴィンセント様、今すぐ第1学生寮に戻っていただけますでしょうか? フロラルド伯爵閣下から急ぎのお荷物が届いています」

 

ヴィンセント「ほ、ほう、そうか……ならすぐ確認せねばな」

 

サリファ「そのクッキーは後で必ず本人がいただきますので、一旦私にお預けください」

 

マルガリータ「え、ええ……それなら」

 

サリファさんはマルガリータさんからクッキーを受け取り、わたくしたちにも軽く頭を下げました。

 

サリファ「貴方様方はヴィンセント様の戯れに付き合ってくださったご様子。どうかこちらをお受け取りください」

 

サリファさんからプリズムケープを受け取りました。

 

アルフィン【ありがとうございます】

 

サリファ「それでは皆さん、ごきげんよう。ヴィンセント様、参りましょうか」

 

ヴィンセント先輩とサリファさんが去った後、マルガリータさんも新しいクッキーを焼くと言って走り去っていきました。

 

リィン「何と言うか……濃い人ばかりだったな」

 

アルフィン【本当に、濃い方々でしたわね】

 

リィン「アルフィン、さっきはごめん。助けられなくて……」

 

アルフィン【リィンさん、気にしないでください。あれはわたくしが勝手にやったことですもの】

 

一応これで依頼は達成したと言えそうですわね。

 

 

クエスト・『まだ見ぬ差出人』の依頼は達成しましたわ。

 

アルフィン【さて、次はジョルジュ先輩とアンゼリカ先輩の導力バイクの性能テストですね】

 

大賢者【告、マスターは本当にバイクがお好きですね。前世でも車よりバイクで移動されていましたから】

 

アルフィン【ええ、バイクは好きですの。自然の風を直接感じられるのがいいんですもの】

 

大賢者【解、マスターは跨るのが好きということですね……】

 

アルフィン【大賢者……何か含みのある言い方ですわね】

 

大賢者【解、別にいやらしい意味はないのですが……マスターは何と勘違いされているのでしょうか?】

 

アルフィン【………】

 

わたくしは軽く頭を振り、ジョルジュ先輩たちが待つ技術棟へと足を向けました。

ユウのヒロインは誰が良いでしょうか?

  • 1ーエマ
  • 2ーフィー
  • 3ートワ
  • 4ーサラ
  • 5ースミレ
  • 6ーそれ以外(アリサとラウラは除く)
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