エレボニア帝国・トリスタ・トールズ士官学院・体育倉庫裏→技術棟
七燿暦1204年6月20日・朝 帝国・トールズ士官学院・技術棟。
ジョルジュ「やあ、リィン君、アルフィン君。よく来てくれたね」
アンゼリカ「ふむ、来てくれたのはアルフィン君だけか……ラウラ君やアリサ君はどうしたんだい? まあ、アルフィン君だけでも立派な花なんだが、やっぱり添え花は欲しいところだな」
リィン「はぁ……」
アルフィン【あはは……わたくしだけでは役不足だとおっしゃるんですね】
アンゼリカ「あ、別にそんなつもりで言ったわけじゃないさ……」
ジョルジュ「アン、どうかリィン君たちを困らせないでやってくれ」
アルフィン【わかっていますわ。それで、ジョルジュ先輩、アンゼリカ先輩。《導力バイク》の性能テストを手伝ってほしいということですよね?】
リィン「具体的には何を手伝えばいいんですか?」
アンゼリカ「フッ、そんなことを言いながら、少しは期待してここに来たんじゃないか?」
アルフィン【やっぱり、そういうことなんですね】
ジョルジュ「先を言われてしまったな。アルフィン君の言う通りだよ。今日は君たちに、この導力バイクに乗って性能テストをしてもらいたいんだ」
アルフィン【わたくしはワクワクしていますわ】
リィン「俺たちが……このマシンにですか」
ジョルジュ「詳しいことは実際にテストをしながら説明するよ。ただ、まずは時間的に大丈夫かどうか確認したくてね。よければ今すぐ試してもらいたいんだけど」
アルフィン【もちろんですわ】
リィン「では、早速お願いします」
アンゼリカ「いい返事だ」
ジョルジュ「この導力バイクは、元々アンの依頼で組み上げたものなんだ。ハンドルからブレーキ、導力エンジンのセッティングまで、全て彼女に合わせたオーダーメイド仕様になっている」
アルフィン【なるほど。つまり完全オーダーメイドなのですね】
リィン「…そう言えば、マユミ教官も似たようなマシンに乗っていらしたような…」
あ、マユミ教官、確か帝都からトリスタまで来てらっしゃるんですよね。バイクみたいなモノに乗ってらっしゃるのはちらっと見たことがありますけどね。
ジョルジュ「あれは、マユミ教官が学園都市から譲り受けたって言ってたかな。もちろんあれも僕が調整したんだけどね。アンもそれを見て興味を持った結果、こうして試作機が完成したんだ」
アンゼリカ「そうだな。マユミ教官がアレを持ってこなかったら、導力バイクに興味を持っていなかったかもしれないな。マユミ教官が王道なら、私は規格外ってところかな。馬で言うなら暴れ馬さ。性能は十分なんだが、その分危険性も高い」
アルフィン【暴れ馬ならぬ暴れバイク……なんだかますますワクワクしてきましたわ】
リィン「アルフィンは怖くないのか?」
アルフィン【怖いというより、ワクワクの方が勝っていますわ。それに暴れ馬を乗りこなした経験もありますし】
アンゼリカ「アハハ、アルフィン君は怖いもの知らずだね。そう言ってくれると嬉しいよ」
ジョルジュ「クロウやスミレも乗ることはできるけど、2人はこのマシンの経緯を知っているからね。君たちのような❝初心者❞の視点で客観的に分析してほしいんだ」
アルフィン【依頼内容、よくわかりましたわ】
アンゼリカ「フフ、少しは緊張してきたかい?」
アルフィン【緊張というより、やっぱりワクワク感の方が強いですね】
ジョルジュ「とりあえず、テストを行う街道に移動しようか」
エレボニア帝国・トリスタ・トールズ士官学院・技術棟→西トリスタ街道
七燿暦1204年6月20日・昼前 帝国・西トリスタ街道。
テストを行うため西トリスタ街道に出ると、トワ会長、スミレ先輩、クロウ先輩、そしてマユミ教官まで来てくれていました。トワ会長とマユミ教官は息抜き、クロウ先輩は冷やかし半分、スミレ先輩は部活動の休憩中に見に来たそうです。
誰が先に乗るかコイントスで決め、結果はわたくしが先手となりました。
トワ会長たちが『スカートでバイクに乗るのは恥ずかしくないの?』と心配してくれましたが
アルフィン【大丈夫ですわ。下は水着を履いていますから】
マユミ教官が『それはそれで男子が喜ぶわよ』と笑うと、クロウ先輩がニヤニヤしていました。
クロウ「万が一、下手こいて壊すようなことがないよう、プレッシャーをかけてきたわけだ」
アルフィン【……普通はプレッシャーをかけないようにするのではないでしょうか?】
アンゼリカ「アルフィン君、暴れ馬も乗りこなせるんだ。感覚は違うが、ノリは一緒さ。思い切って転がしてきてくれ」
アルフィン【はい! 思いっきり転がしてきますわ!】
アンゼリカ先輩から丁寧に操作方法を教わりました。発進、ギアチェンジ、停止の3項目を重点的にテストするそうです。
それぞれの項目ごとに、わたくしとリィンさんがどの程度操作できるかを参考にさせてもらうらしいです。
操作方法『発進』スムーズの発進のためには、いかにうまくクラッチを操作するかがポイント。ギアを1速に入れた後はアクセルを開け、クラッチレバーを❝ゆっくりじわっと❞放す。
『ギアチェンジ』ギアチェンジの前にクラッチレバーを握る時は、❝素早くスパッと❞が基本。そして放すときは、❝ゆっくりじわっと❞これは発進の時と同じ方法。
『停止』速度は下げる時はアクセルを放し、前輪ブレーキと後輪ブレーキを同時にかける。力の加減は、❝前を強めて後ろは軽め❞こうすることで滑らかに停止できる。
とこんな感じにやるようです。
大賢者【告、前世の魔法バイクや学園都市バイクとさほど、操作方法は変わりませんね】
アルフィン【そうね、導力バイクは初めてですが、バイクの感覚としたら…】
大賢者【解、前世の経験があるマスターにとって、楽々と導力バイクに乗れるのでは】
アルフィン【そうかも知れませんが、油断は大敵ですわ。まずは試運転でどんなものかを感じなくては】
習うより慣れろ!という前世で教えてくれました教官のおっしゃる通りにやりますか。
アンゼリカ「それじゃあ、早速始めようか?」
アルフィン【はい、それでは行って参りますわ!】
エンジンをかけ、クラッチをゆっくり放すと、導力バイクはスムーズに発進しました。西トリスタ街道を帝都方面へ走り抜けると、風が気持ちよく髪をなびかせます。
アルフィン【やっぱり風が気持ちいいですわ!】
ギアチェンジも慎重にこなし、ブレーキも前を強めに後ろを軽めにかけながら綺麗に停止できました。
アルフィン【なんだか、わたくし自身の導力バイクが欲しくなってきましたわ……】
Uターンしてトリスタ方面へ戻ります。
エレボニア帝国・西トリスタ街道→トリスタ
リィンさんとバトンタッチした後、みんなから感想を聞かれました。
アルフィン【何もかも本当に素晴らしかったですわ。わたくし、導力バイクをとても気に入りました】
アンゼリカ「そんなに気に入ってもらえるとはね」
ジョルジュ「報告を聞く限り、ほぼ完璧に乗りこなしていたみたいだ。初心者とは思えないよ」
トワ「ふふっ、アンちゃんにここまで言わせるなんてすごいね、アルフィンさん」
スミレ「私やマユミ教官でもここまではいかなかったわ」
アルフィン【アンゼリカ先輩にそこまでおっしゃっていただけると、光栄ですわ】
ジョルジュ「あとは、リィン君と一緒に各検証項目ごとにより細かい感想や意見を聞かせてもらわないとね」
アルフィン【はい、わかりましたわ】
こうしてリィンさんが戻って来られて、わたくしたちは、技術棟へ戻ることになりました。
トワ会長、スミレ先輩、クロウ先輩、マユミ教官は、それぞれの場所へ戻っていかれました。ジョルジュ先輩、アンゼリカ先輩に各検証項目ごと細かい説明を求められたので、わたくしが感じたこと。ここはもっとこうしたらいいのではないか、という意見を素直に述べさせてもらいました。
わたくしと同じような感覚を持たれていたリィンさん。何だか、バイク仲間になりそうな感じがしてきましたわ。
ジョルジュ「ありがとう、リィン君、アルフィン君。今回聞けたことは検証でたとして活用させてもらうよ」
アルフィン【ちょっと生意気なことも言ってすいませんでした】
リィン「あはは…自分もお力になれて光栄です」
アンゼリカ「いいさ、いいさ。そういう意見は貴重だからね。これでまた一歩導力バイクの完成度が高まるな。いずれ増産化できそうなら、アリサ君の母親にでも相談してみるか、もしくはタツヤ君でもいいかな?」
その後、リィンさんがテストを終えて戻ってきました。技術棟に戻り、わたくしたちは細かい感想や改善点を伝えました。
ジョルジュ「ありがとう、リィン君、アルフィン君。今日聞けたことはしっかり検証に活かさせてもらうよ」
アンゼリカ「いずれ増産化できそうなら、アリサ君のお母さんかタツヤ君に相談してみるかな」
リィン「アリサの母親と言うとラインフォルトグループ会長の…先輩のお知り合いなんですか?」
アンゼリカ「まあ、我がログナー家とラインフォルト家は親交があるからね」
リィン「ああ、そういえばどちらともノクティア州の《ルーレ市》が拠点でしたか」
ジョルジュ「うん、それにアンのお父さんはラインフォルトグループの大株主の1人でもあるんだよ」
リィン「そうだったんですか」
アルフィン【わたくし的には、タツヤって人が気になるんですけど?】
アンゼリカ「タツヤ君かい?タツヤ君はラインフォルト家の息子だよ、アリサ君のお兄様ってこと。彼の才能と会長の経営判断で、ラインフォルトグループを巨大な企業に成長させたと言っても過言ではないだろうね」
わたくしが知っている達也さんとも重なる部分がありますわ。FLT社をあそこまでの企業に変えたのも達也さんのおかげですから。
アンゼリカ「ま、そういう縁もあってね。導力バイクのエンジンやパーツ等は、アリサ君の母上をどうして融通してもらっているようなものさ。そしてタツヤ君がすぐ使えるように整備してくれるのもあるんだよ」
リィン「なるほど、そんな経緯があったんですね」
アンゼリカ「ああ、と言ってもRF社が導力バイクを増産してくれるかどうかは別問題なんだけどね。だが、相手は利益を追求する。企業採算が取れる。見込みを立てれば動いてもらえる可能性は十分にある。学園都市では、導力バイクも導力車並みに走っているとマユミ教官から聞いた。だから増産の見込みは全然ないというわけではない」
ジョルジュ「というわけで、今僕たちはこの導力バイクの汎用性を高めようと試行錯誤を続けているところでね。そういう意味でも、今日リィン君、アルフィン君に手伝ってもらったことは大きな意義があるんだよ」
リィン「そうだったんですか?何と言うか夢の広がる話ですね」
アルフィン【夢で終わらせない、導力バイクは必ず完成させてくださいね、何かあればお手伝いしますから】
アンゼリカ「わかってくれるか。フフ、やはり君たちには見込みがあるね。おっと、そういえばまだ君たちには改めて礼を言っていなかったね。今日はテストに付き合ってくれてありがとう。これは私からほんの気持ちだよ」
わたくしはクオーツ(龍脈)を受け取りました。
アルフィン【いいんでしょうか?このようなものを頂いて?】
アンゼリカ「ハハ、もちろんだよ。是非とも有効活用してくれたまえ」
ジョルジュ「それじゃあ、リィン君、アルフィン君。今日は本当にどうもありがとう」
アンゼリカ「また同じような機会があればよろしく頼むよ」
リィン「ええ、こちらこそその時にはお願いします」
アルフィン【ええ、楽しみにしてますわ】
クエスト・『導力バイクの能力テスト』の依頼は達成しましたわ。
エレボニア帝国・トールズ士官学院・技術棟前
七燿暦1204年6月20日・昼 帝国・トールズ士官学院・技術棟前。
導力バイクの能力テストの依頼を終わらせたわたくしとリィンさん。技術棟から出てきた時、お昼になりました。
リィン「昼になってしまったな」
アルフィン【一応依頼はここまでにして、お昼の休憩にしましょうか?】
リィン「そうだな」
アルフィン【昼休憩が終わったら、また旧校舎前で待ち合わせましょう】
リィン「わかった。それにしても、アルフィンがあんなに嬉しそうにバイクに乗ってるの、初めて見たよ」
アルフィン【そ、そうでしたっけ?】
リィン「ああ。でも俺も少し興味が出てきたところさ」
アルフィン【導力バイクが量産化されたら、二人でツーリングなんてしてみたいですわ】
リィン「そうだな」
アルフィン【リィンさん、約束ですわよ?】
わたくしはついリィンさんの両手を掴んでしまいました。お互い少し見つめ合ってしまい、鳥の鳴き声でハッとして手を離しました。その後、わたくしとリィンさんは技術棟前で別れ、それぞれの用事へ向かいました。
ユウのヒロインは誰が良いでしょうか?
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1ーエマ
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2ーフィー
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3ートワ
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4ーサラ
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5ースミレ
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6ーそれ以外(アリサとラウラは除く)