アルフィンの軌跡〜トールズ士官学院編〜   作:龍造寺

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第3章鉄路を越えて編11話です。


第3章ー鉄路を越えて編ー87ー11話ー旧校舎探索と夕方の一時。

 

エレボニア帝国・トリスタ・トールズ士官学院・旧校舎

 

七燿暦1204年6月20日・昼過ぎ 帝国・トリスタ・トールズ士官学院・旧校舎前。

 

スミレ先輩が戻ってこられたのでバトンタッチをし、わたくしは急いで旧校舎へと向かいました。

 

すでにリィンさんが到着しており、探索メンバーを集めていらっしゃいました。今回の探索メンバーは、リィンさん、わたくし、アリサさん、ラウラさん、ハチマンさん、ユーシスさん、マキアスさんの7人です。すぐに旧校舎の中へ入りました。

 

エレボニア帝国・トリスタ・トールズ士官学院・旧校舎内七燿暦1204年6月20日・昼過ぎ 帝国・トリスタ・トールズ士官学院・旧校舎内。

 

今回で旧校舎の探索は3回目になります。前回と前々回は地下の構造が変わっていたので、今回も変化している可能性は非常に高いですわね。

 

リィン「みんな、準備はいいか?」

 

アリサ「ええ、いつでも行けるわ」

 

ユーシス「調査の話もだいたい聞いている。誰かさんはともかく、足手まといにならんと誓おう」

 

マキアス「だ、誰のことを言っている!? 僕も当然、足手まといになるつもりはない!」

 

アルフィン【あはは……】

 

ハチマン「リィン、さっさと行こうぜ」

 

リィン「はは……よろしく頼む。前回のこともあるし、何が起こるかわからない。注意して出発しよう」

 

アルフィン【そうですわね、引き締めて行きませんと】

 

昇降機がある場所まで歩いていくと、先月アリサさんがおっしゃっていた通り、新たに行ける場所が光って表示されていました。おそらくロックが解除されたのでしょう。

 

マキアス「これが噂の昇降機か? 確かに得体が知れないな」

 

リィン「昇降機の操作パネルに新しいランプが点灯している。どうやら『第3層』までのロックが解除されているみたいだ」

 

ハチマン「全くもって奇妙だな。サラやステイルたちが昨日も調べたらしいんだが、第2層までしかついていなかったそうだ」

 

アルフィン【とにかく調べてみないとわからないということでしょうね】

 

リィン「とにかく降りてみよう。どんな変化が起こっているのか、見ないといけない」

 

 

エレボニア帝国・トリスタ・トールズ士官学院・旧校舎内

 

七燿暦1204年6月20日・昼過ぎ 帝国・トリスタ・トールズ士官学院・旧校舎内。

 

昇降機で第3層まで降りたわたくしたち。少しずつ上の階とは雰囲気が変わってきているようです。

 

リィン「ここが第3層……」

 

ラウラ「それにまた石の扉か」

 

アリサ「今までのことを考えると、あの扉の先にも強力な魔獣が……?」

 

ハチマン「可能性は大だろうな」

 

アルフィン【みなさん、警戒だけは怠らないようにしてくださいね】

 

こうして第3層の探索が始まりました。建物の見た目は第1層、第2層と大きな変化はないように思えますが、場の雰囲気と空気の流れは明らかに違います。

 

大賢者【告、マスター。第1層、第2層と徘徊している魔獣も違います。魔獣の強さも上がっているようです】

 

アルフィン【やはりそうですか……】

 

中間テスト前や前日にサラ教官たちが旧校舎を調査した時は変化はなかったと聞いています。でも今は確かに変化が起きています。

 

つまり、1ヶ月ごとに旧校舎は変化を起こしているということですわ。

 

一体何のために?

 

誰かがわたくしたちを試している?

 

大賢者でも解析できない力が働いていると言っていたことを思い出しました。旧校舎自体はずっと昔からここにあったのに、去年までは何の変化もなかったとサラ教官やトワ会長はおっしゃっていました。それがわたくしたちの入学式の頃から変化し始めたというのは、やはりわたくしたちを試しているようにしか思えません。

 

そんなことを考えながら第3層を進んでいくと、トラップらしきものまで出てきて、全員で役割を分担しながら慎重に進みました。

 

そして第3層の最奥、いつもの石の扉が現れました。わたくしたちは覚悟を決め、中へ入りました。

 

第1層、第2層と同じくエリアボスと思われる強力な魔獣が現れ、わたくしたちはサラ教官が教えてくれたARCUS(アークス)の能力を引き出しながら、全員で戦いました。

 

連携と追撃、ENIGMA(エニグマ)にはない機能がいくつもあり、戦いの幅が広がっているのを実感しましたわ。リィンさんが何か気づいたような表情をされていましたが、『旧校舎を出てから話す』と言われたので、わたくしたちは来た道を戻り、装置を使って出口まで来て、昇降機で上の階へ戻りました。

 

 

エレボニア帝国・トリスタ・トールズ士官学院・旧校舎→旧校舎前

 

七燿暦1204年6月20日・夕方 帝国・トリスタ・トールズ士官学院・旧校舎前。

 

旧校舎から出ると、すでに空は夕暮れに染まり、周囲も薄暗くなっていました。リィンさんはわたくしたちの方を向いて言いました。

 

リィン「みんな、お疲れ様。みんなのおかげで、今月の調査は何とか達成できたよ」

 

アルフィン【わたくしからも、みなさんお疲れ様でした。リィンさん、それで先ほど何かお気づきになられたみたいでしたけど?】

 

リィン「ああ、それはこの旧校舎にあるいくつかの法則性についてだ」

 

ハチマン「法則性ねぇ……」

 

ユーシス「法則性……だと?」

 

リィン「まず、各階層の入り口に必ずあの『扉』があること。次に、終点で必ず強力な魔獣に遭遇すること。そして何より、1ヶ月ごとに行ける階層が増えていること」

 

アルフィン【わたくしもそこに着目していましたわ】

 

アリサ「確かに何かしらの法則性がありそうね。それも、どこか私たちを試しているような……」

 

アルフィン【アリサさんも気づかれていたんですね】

 

アリサ「まあね。って、あんたは最初からいたんですもの」

 

リィン「俺たちを試している……か。確かにそう言えるのかもしれない」

 

アルフィン【試している……一体誰がわたくしたちを試しているって話になるんですよね】

 

ハチマン「サラやステイルたちが分からないのだから、俺たちにそれがわかるわけねえよ……」

 

アルフィン【ですよね〜】

 

わたくしたちはしばらく沈黙した後、

 

マキアス「答えを見つけるには、今後も調査を続けていく必要がありそうだな」

 

リィン「ああ、そうみたいだな」

 

アルフィン【とにかくこれからも調査するしかありませんわね】

 

リィン「とにかく、今日のところは解散するとしよう」

 

アルフィン【また来月、みなさんよろしくお願いします】

 

クエスト・『旧校舎地下の調査③』の依頼は達成しましたわ。

 

学院から報酬を受け取り、わたくしたちは旧校舎前で解散しました。みなさんそれぞれの部活へ向かい、わたくしとラウラさんはギムナジウムの方へ一緒に行くことに。リィンさんは再び学院とトリスタを見回るそうです。

 

 

エレボニア帝国・トリスタ・トールズ士官学院・図書館

 

七燿暦1204年6月20日・夕方 帝国・トリスタ・トールズ士官学院・図書館。

 

図書館の一角で、ユウは緑の制服を着た女子生徒二人と向かい合っていた。彼女たちに中間テストの復習や予習を教えている最中だった。

 

女子生徒1「ユウさん、本当に教え方が上手いよね」

 

女子生徒2「そうそう、マジで政経の教頭先生と交代してほしい」

ユウ「そう言うな。教頭も君たちのことを考えて言っているんだ」

 

女子生徒2「だってぇー」

 

ユウ「教頭も君たちの将来を思って注意しているんだ。社会に出たら誰も注意してくれなくなる。そのことを頭に入れておくことも大事だ」

 

女子生徒2「ユウさんのお叱りなら甘んじて受けます」

 

女子生徒1「私もー」

 

ユウ「君たちなあ……さてと、俺も忙しいからここまでにしよう」

 

女子生徒2「はーい、ユウさん、ありがとうございました」

 

女子生徒1「ユウさん、また来月も教えてくださいね」

 

2人の女子生徒は勉強道具を片付け、笑顔で図書館から出て行った。ユウはやれやれといった表情で彼女たちを見送った。

 

ユウ「やれやれ。一回教えただけなのに、ここまで懐かれるとは思わなかったな」

 

席を立って帰ろうとした時、ユウの目にⅦ組のエマの姿が入った。彼女は一人で勉強をしているようだった。

 

ユウ「よぉ、エマ。勉強しているのか?」

 

エマ「ユウさん、ええ。部活の調べ物のついでに、この間の中間試験の答え合わせをしているんです。せっかくなので、今後の勉強範囲も今のうちに予習しておこうかと」

 

ユウ「そうなのか」

 

エマ「はい」

 

ユウ「分からないところがあれば教えてやることもできるけど……成績トップのエマには必要ないかもしれないな」

 

エマ「そんなことはないですよ。中間テスト前にユウさんに教えてもらった時、すごくわかりやすかったです」

 

ユウ「そうか……それじゃあ、勉強会を始めようか」

 

エマ「はい、よろしくお願いします」

 

ユウはエマの中間テストの答え合わせに付き合ったが、ほとんど間違いのない正解率に、さすが学年トップだと感心した。しかし、教えながらふと目に入ったものにユウは少し戸惑った。側に座って教えていたため、エマの胸が間近で見えてしまったのだ。

 

ユウ「(遠くから見ていた時は何とも思わなかったが、近くで見ると……大物を持っていると感じさせるな)」

 

ユウは巨乳の女性を見たことがないわけではない。特別捜査隊にいた直斗という女性も巨乳だったが、彼女はいつもサラシをしていてエマのように強調されることはなかった。元カノも巨乳ではなかった。

 

エマ「?? ユウさん、どうされましたか? 少し顔が赤いようですけど、もしかして具合でも悪いんですか?」

 

ユウ「……いや、夕日が顔に当たっただけだ。それに体調はいい方だから……気にしないでくれ」

 

エマ「ふふ、ユウさんって面白い人なんですね」

 

ユウは邪念を振り払うように、エマに集中して教え続けた。

 

エマと別れて図書館から出ようとしたその時、ユウの胸の中に声が響いた。

 

我は汝……汝は我……

 

汝、新たなる絆を見出したり……

 

絆は即ち、激動の時代を進む力なり……

 

汝、『魔術師』のペルソナを生み出せし時、

 

我ら、更なる力の祝福を与えん。

 

ユウは静かに息を吐き、胸の内に新たな感触が生まれるのを感じた。

 

ユウ「これがエマとの絆……何か膨大な力が流れてくるような感じがする」

 

ユウは、部活動の調べ物をしているエマの後ろ姿をちらりと見た。彼女は一体何者なのか、少し興味が湧いてきた。

ユウのヒロインは誰が良いでしょうか?

  • 1ーエマ
  • 2ーフィー
  • 3ートワ
  • 4ーサラ
  • 5ースミレ
  • 6ーそれ以外(アリサとラウラは除く)
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