撃てない女と撃ちたがらない女と撃たない女   作:タク-F

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ランク戦編を読み返したら書きたくなりました。まだ千佳は出ませんが本作のキーパーソンにするつもりです。


尊敬しているヒト

「凄いじゃないですか未来さん! あんなに離れた場所から狙撃して武器破壊を出来るなんてどれだけ狙撃練習をしたのが想像も出来ない程の努力をしてるとわかるよ!」

 

「そんな……私はそこまで良い狙撃手じゃないよ。だって未だに人に向けて引き金を引けない。きっと二宮隊の足手まといだよ……」

 

「…………止めて。そんな話に繋げるつもりは無いから。ボクはただ未来さんの狙撃の腕を尊敬してるだけなのに……」

 

 ボク……久代 実里(くしろ みのり)は狙撃手だ。昔から射撃ゲームが大好きな童顔女性だ。趣味は当然射撃ゲームとアニメ鑑賞で、銃が登場するアニメは大好物だ。

 

「実里は……どうして私に狙撃を教わるの? BORDERには私よりも優秀な狙撃手がいるのよ? 東さんや当真君に教わればもっと上達するのに……」

 

「それは未来さんの持ってる技術が1番秀でてるから……じゃあ不満? 少なくとも狙撃手として教わりたい理由じゃあ無いの?」

 

「そう…………なんだけどね。私が…………辛いの。実里を見ていると私の……行方不明の弟を……想起してしまうの……」

 

 未来さんはボクを突き放そうとしてる。その理由も言われれば理解は出来る。きっと僕が同じ立場になれば同じように考えても不思議じゃないのかもしれない。それでもはっきりと伝えたい。

 

「未来さん? 私は女子。GIRL、WOMAN、ついでに同い年」

 

「うん……そうだね。でも距離感とか雰囲気とか……こう……」

 

「あぁもう! この分からず屋!」

 

 ボクは未来さんに思いっきり抱きついた。このままでは話がループする。進展しない。だからボクは最速かつ最短で未来さんの手を掴み眼を見て話す。視線が逃げようとするからボクは未来さんの後頭部を掴んで逃さない事にした。

 

「未来さんは凄い人なの! 乱戦で特定の目標を寸分違わす撃ち抜けるのは凄い技術なの! いくらBORDERの狙撃銃の性能が良いといっても技量が伴わないと狙撃手なんて分かりやすい成果があげにくいの! 見える役割が大きく無くても必要な役割なの! その中で技量を示した未来さんは立派なの!」

 

「離してよ実里」

 

「離さない。未来さんは自身を持って!」

 

「やめてよ!」

 

 未来さんはボクを振り払うと部屋を飛び出した。

 

「未来さん……」

 

 掴んでいた手がすり抜けた。この出来事が何か決定的な出来事を引き起こすと予感してしまった。そしてその日未来さんは戻って来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

狙撃手(スナイパー)合同訓練 通常狙撃訓練』

 

 翌日ボクは未来さんと会うのが気まずかった。

 

『ごめんなさい実里。実里がしっかり私の凄いところを褒めてくれたのに勝手に飛び出して……失望したよね?』

 

 あの後未来さんからメッセージが届いてたみたい。とりあえず気付くのが遅れて着信から半日が過ぎていた。

 

「ヤバい……気を紛らわす為に合同訓練と自主練してたら未来さんの連絡に気付かなかった! 絶対に未来さん拗ねてる!」

 

「おぉ!? 実里が訓練に参加するなんて珍しいじゃねーの」

 

「当真さん。未来さん来なかったですね」

 

「二宮隊の隊室にも来なかったらしーぜ。コッチに来てないか聞かれたから答えたけどよぉ」

 

 そっかあっちにもいなかったのか。

 

「絵馬君は?」

 

「そこにいるぞ?」

 

 ボクは絵馬君に声をかけた。

 

「お疲れ様絵馬君。未来さんを探してるんだけど何か聞いてる?」

 

「何も聞いてない。鳩原さんと何か揉めたの?」

 

「揉めたっていうか、未来さんは凄い人だって事を訴えた。何なら当真さんよりも凄いんじゃないかって言うぐらい」

 

「はっ倒すぞ小娘」

 

「でもボクが未来さんの弟さんを想起させるって言われたかな。そんなにボクって女性に見えない?」

 

「見えねーな」

 

「難しいんじゃない?」

 

「当真さんまで!?」

 

 ボクは悲しい。だから強行突破する事にした。

 

「……………………決めました。こうなったら二宮隊の隊室に籠城します。未来さんをそこで捕まえます」

 

「やめとけ。二宮に摘み出されて終わりだぞ?」

 

「あんな服装お洒落さんなんか怖くないですぅ〜! べぇ〜〜!!」

 

「二宮が聞いてたらシバきそうな事を堂々と言う辺り清々しいな」

 

 とりあえずポイントが欲しいから訓練は真面目に参加したけど奈良坂(きのこ)君にポイントで負けて当真(リーゼント)さんとユズル君(弟弟子)に面白狙撃技術に負けた。悔しい。

 

※獲得ポイントTOP5

 

 1位 奈良坂 透 

 2位 久代 実里 

 3位 東 春秋

 4位 木崎 レイジ 

 5位 佐鳥 賢

 

 当真 勇 作 【手】

 絵馬 ユズル 作 【当】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう1度言ってやるよ久代……帰れ

 

「イ ヤ です。未来さんが来るまでボクは二宮隊隊室(この部屋)に籠城します。未来さんを捕まえるまで帰りません!」

 

「…………犬飼、実里(コイツ)を摘み出せ」

 

「了解です」

 

「離せイケメン! ボクは未来さんに会うんです! 捕まえるまでか え り ま せ ん!」

 

 イラッ

 

「そうか。なら仕方ない」

 

 そう呟くと二宮さん(お洒落服装センス)はボクの襟首を掴んで引き摺った。

 

「離せお洒落服装センス! 無難な隊服デザインをするつもりでスーツタイプのデザインを導入したらかえって1番お洒落な隊服になって目立つデザインになって無表情系イケメンで戦闘力が高くて射手として1位のスコアで個人総合ポイントでも太刀川さんに続く2位で激情家で仲間思いで行動力があって隊員から上層部まで信頼を稼いで優秀で頭脳明晰でトリオンに恵まれて戦い方はワイルドで貪欲なぐらい真面目で好きな食べ物が男子らしい焼肉で元チームメイトと独立後も関係が良好で素行が良いイケメンに僕は負けない〜〜!」

 

「暴言調の割に二宮さんの良い所を一息で叫んでるだけだよね実里ちゃん? しかも詰まる事なくスラスラ言う辺り二宮さんの事ファンだよね?」

 

「でも暴力はんたぁ〜い!」

 

 結局ボクは二宮隊の隊室から力尽くで放り出された。でも癪だから2時間ぐらいは隊室の前で居座った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『聞いたよ実里……隊室に籠城しようとして摘み出されたって。どうして私の為にそこまでするの?』

 

 結局ボクを摘み出した後で二宮さんは未来さんに何度も連絡をしてボクが未来さんを探していた事、狙撃手としてボクが未来さんを尊敬している事、昨日の事は責めていない事、籠城を試みたボクを隊室から摘み出した事を伝えて連絡無く顔を出さなかった未来さんを責める事は無かった。ボクの事は遠慮なく追い出したのに。

 

「結局未来さんに会えなかったし二宮さんに摘み出されるし狙撃訓練では絵馬君や当真さんの面白狙撃技術や奈良坂君の正確さに勝てない1日でしたよぉ〜。慰めてください未来さん。もしくはお付き合いしてください」

 

『えっと……私は恋愛するならきちんと男性と付き合いたいから……ごめんね?』

 

「ですよねぇ。それよりもボクの方が未来さんに甘え過ぎてましたね。ごめんなさい」

 

『えっ……そこは怒ってないよ? 寧ろ実里が甘えてくれるのは嬉しいし、教えた事は真面目に身に着けようとしてくれるから教え甲斐もある。ユズル共々誇らしい弟子だよ?』

 

『びぐざぁぁん!』

 

 ヤバい。泣ける。未来さんの事を本当の家族みたいに甘えたくなる。

 

『それと二宮さんが好きなら素直に甘えなよ。はっきり言ってしまう方がお互いの為だよ?』

 

「ユズル君より面白狙撃が出来るか奈良坂君より正確に狙撃が出来るようになったら告白します。それまでしっかり未来さんの武器破壊狙撃技術を学んで、継承して、東さん派以外の狙撃流派を作ります。そうですね……鳩原派なんてどうですか?」

 

『恥ずかしいから止めなさい』

 

 未来さんの言葉や雰囲気が少し柔らかくなった気がした。そうボクは思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その半年後のある日BORDERのラウンジボードにてとある告知書が掲示された。

 

『重要規律違反容疑者 【鳩原 未来】 をBORDERより除籍し、連帯責任として二宮隊をB級へ降格。また二期の昇格資格を剥奪ずる』

 

「未来さんが除籍? 二宮隊が……降格? ユズル君……大丈夫かな……」

 

 ボクはその告知を見てしばらく呆然とした。そしてその数日後には別の掲示物が張り出されていた。

 

「影浦隊も降格? 影浦君が暴力行為って……?」

 

『根付メディア対策室長への暴力行為により 【影浦 雅人】 を1万点の減点し、連帯責任として影浦隊をB級へ降格。また二期の昇格資格を剥奪する』

 

「何があったの?」

 

 数日間の騒動にボクは茫然自失で理解が出来なかった。いや、()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇユズル君……影浦君に何があったの? 部隊として降格なんてよっぽどの事があったんじゃ……」

 

『ごめん実里さん。カゲさんを止められ無かった。柿崎さんが止めてくれ無かったらもっと大事だった気さえする。こっちに関しては俺達の責任だから気にしないで欲しいけど……鳩原さんの方は……』

 

「うん。規約違反の件は何も聞いてない。確か二宮隊は選抜試験に臨んでいた事と、合格見込みって未来さんから聞いたぐらいかな?」

 

『それって鳩原さんの所為なのかな? まさか鳩原さんが不合格の理由で二宮隊が鳩原さんに責任を追及したって無い……よね』

 

「………………ボクにもわからない。ごめん」

 

 ボクはユズル君の言葉から()()()()()()()

 

「ねぇユズル君……聞いてくれる?」

 

『どうしたの実里さん?』

 

「ボクが未来さんの戦い方が間違って無いって証明する。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ってボクが証明する。だからユズル君も逆境に負けないで!」

 

 ボクは多分ユズル君と決別するかもしれない。同じ師匠の元で学んだ弟子だけど、同じ師匠の悩みを知っている関係だけどいずれ相入れなくなるかもしれない。そんな日が来ない事を祈るしかない。

 

 




ごめんユズル君……原作本編が始まったらイヤなキャラ路線は脱却してる筈だから許してくれ。

需要があれば次回【プロフィール】【所有トリガー】【獲得点(ランキング込み)】【交友関係】を投稿するので感想等が作者のあれば執筆意欲に繋がるので是非お願いします。
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