バカテスファイト‼︎ヴァンガード   作:”蒼龍”

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今回のファイトは中途半端で終わらせてます。
ファイトよりもイベントを優先した結果です、すみません。

断空我さん、感想ありがとうございます。
閲覧してくれてる皆様もありがとうございます。
お世辞にも良いと言えない作品ですが、これからもよろしくお願いします。
因みに今回、挿入歌設定である曲を入れています。
♪の部分からが始まりです、知らない方は………一度何処かで聞いてみて下さい、王道を行く曲なので。
では、本編をどうぞ!


第九話「明久と雄二と光の導き‼︎」

ショップ大会から数日後の水曜日、明久達は文月学園の授業を受けていた。

しかし、肝心の明久はノートに書いている事は、昨日の夜に確認したデッキの中身、スキル、コンボである。

 

(先ずばーくがるがFVの時点で意味があった。

普通のファイターはばーくがるを緊急時のブースターの呼び出し用にしか見てないけど、僕のデッキにはブラスター・ブレードがある。

ばーくがるのスキル連携でスペリオルライドが可能、ライド事故を未然に防げる!

更にソウルが貯まるからソウルブラストにも繋げられるし、ペガサスナイトのパワー増強にもなる。

となれば)

 

「………吉井君、それ関連の事も良いのですが、今は数学の授業ですよ?」

 

コンボなどを考えていた所、後ろには数学の教師船越が居た。

明久は焦った。

船越は婚期を逃した為に生徒にまで単位を盾にして交際を迫る危ない方。

真面目に授業を受けていない現在進行形の明久は、船越からすると格好の獲物である。

 

「……すみません真面目に受けます」

 

そう呟きノートのページを変え、教科書と向き合う明久。

それを見た船越は獲物を狙う捕食者の目に変わっていた。

刹那、クラス中の男子、女子は明久に対して念仏を唱え始めた………心の中で。

 

「じゃあ吉井君、私が『キーン、コーン、カーン、コーン』………授業はこれで終わりです。

今からお昼休みなのでしっかり食事を摂る事です。

………吉井君、次回は手取り足取り教えてあげますから私と「間に合ってます‼︎」………では」

 

しかし、授業終了のチャイムに救われた。

船越の魔の手から逃れた明久は学園生活上初めて(自分に対して)生きた心地を感じていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

昼休み、屋上にて明久達は昼食を食べていた。

但し、明久はソルトウォーターだけだった。

ゲームの買い過ぎで仕送りが無くなり、食べ物を買えなくなっていたのだ。

 

「ふう……生きてるって最高だね」

 

「一瞬本当に念仏を唱えちまった」

 

「まあ、あれは明久が招いた事じゃったし、何とも言えんのう」

 

秀吉の遠回しの自業自得発言に何とも言えなくなり、そのまま小さくなる明久。

それを見た龍二は勿論自業自得だなと思ったとか。

 

「にしても吉井?

お昼を水だけで済ませても良いの?

お腹が空いて仕方無いわよ?」

 

「大丈夫、これはソルトウォーターだから摂取すれば元気バリバリ………だと信じたい」

 

ソルトウォーターの話題でまた明久は小さくなる。

そんな明久をニタニタ見ている雄二は明久弄りが楽しくなり始めていた。

 

「まあ、明久はソルトウォーターだけでも生きていけるよな、バカだし」

 

「何を!

雄二だってゴリラみたいな見た目だからバナナだけでも生きていけるくせに‼︎」

 

「んだと……?」

 

雄二の一言から始まった睨み合い。

二人は悪友であり犬猿の仲、水と油の様な関係であり、また何処か気の合う仲である。

が、故に喧嘩も起きやすく、現にこの一週間の間に一触即発状態になった回数は数え切れない程あったのだ。

その度に龍二が止めに入り事なきを得ていたが、今回龍二は別の方法で喧嘩の仲裁に入る。

 

「まあ待て。

喧嘩をするなら怪我しない奴をやるんだ」

 

「怪我しない喧嘩?

そんな物があるの?」

 

「ヴァンガードだ。

喧嘩をしても怪我しない、白黒はっきりする、便利な物だろ」

 

何と龍二はヴァンガードで決着をつけろと言って来る。

確かにヴァンガードなら怪我をせずに決着をつけられる、

コミニュケーションツールとして機能する、何度でも戦えるなど利点が多かった。

 

「火野、あんたどれだけヴァンガ脳なの……?」

 

「………ヴァンガ脳」

 

「ヴァンガ脳じゃのう」

 

しかし、喧嘩の当事者以外には少し引かれてしまい、龍二はそれに対してはまあ予想通りと片付ける。

一方の当事者本人達はと言えば。

 

「良いぜ、それなら明久を合法的に負かせられるしな!」

 

「それはこっちのセリフだよ、バカ雄二!」

 

「お前にバカって言われたくないわ‼︎」

 

ファイトをする気が満々だった。

よって龍二はテーブルマットを敷き、ファイトを見守る側に回る。

この時島田達は思った。

龍二のヴァンガ脳が着実に二人に伝染していると。

 

「行くぞ雄二!」

 

「来やがれ明久!」

 

「スタンドアップ・ヴァンガード‼︎」

 

「スタンドアップ・ヴァンガード‼︎」

 

二人共昼休みの時間が惜しいのか、手早く準備を進めてファイト開始。

先攻は明久からである。

因みに、明久とまともにファイトをするのは初めての雄二。

しかも今まで明久もルールをしっかり理解していない、デッキの動きを把握していない為に、雄二や秀吉達はFVがばーくがるのロイヤルパラディンとしか分かっていない。

 

 

「ばーくがる!」

 

「『バトルライザー』だ!」

 

バトルライザー、P3000、C1、『醒』。

 

雄二は『スターゲート』所属のクラン、『ノヴァグラップラー』、メカやロボが文字通りグラップル競技を行い、切磋琢磨し合うクラン。

FVのバトルライザーはライザーシリーズと呼ばれる部類の機体であり、それの基本的能力の持ち主である。

 

「僕のターン、ドローして小さな賢者 マロンにライドするよ!

ばーくがるは左側後列に移動して、メインフェイズでばーくがるのスキルを発動させて、ふろうがるをスペリオルコール‼︎」

 

明久のプレイングを見た龍二達は、今までの明久とは違うスムーズな動きに違和感を感じてしまう。

何か手慣れている、そんな動き方だった。

 

「(ばーくがるのスキルでヴァンガード裏にふろうがる、セオリー通りのスペリオルコール、流石にブラスター・ブレードをデッキには入れていないだろうから、リューをコールする事は無いだろうな)ドロー。

『タフ・ボーイ』にライドして、バトルライザーはヴァンガード裏に移動。

ブースト&アタック‼︎『デスアーミー・レディ』」

 

タフ・ボーイ、P8000、C1。

 

雄二も流れる様な動きでファイトを行い、ターンを終える。

因みにバトルライザーはロゼンチ・メイガスと同じスキルを持つので、ブーストしたターンの終わりにデッキへ戻った。

 

「ドロー。

………ライドフェイズは破棄するよ」

 

「むっ?

明久はライド事故を起こしたのかのう?」

 

「………負けた言い訳として十分」

 

秀吉の言うライド事故とは、手札に次のグレードユニットが来ない、又はライドしたくない完全ガードなどのユニットにライドする事だ。

この場合、明久はグレード2のユニットが居ない事になる……のだが、実は明久の手札にはグレード2があった。

なのにライドフェイズを破棄、ただのプレイミスと思われるが、これには意味があった。

 

「次、メインフェイズでばーくがるのスキルを発動‼︎

未来の騎士 リューをコール‼︎」

 

「リューをコール?

吉井はグレード1で戦う気なの?」

 

「何故今リューをコールしたんだ?

ブラスター・ブレードにスペリオルライドする以外でクリティカルトリガーやスタンドトリガーをコールするなんて悪手の筈だが…」

 

龍二以外の全員が明久の行動をプレイミスと判断し、まだルールやデッキ回りを把握していないと思った。

しかし、かつて全盛期の明久のプレイングを見ていた龍二はこの動きを懐かしく思う。

そして確信する、明久はかつての全盛期状態に戻りつつあると。

 

「更にリューのスキル、カウンターブラスト一枚を払い、リュー、ふろうがる、ばーくがるをヴァンガードのソウルに移動させる‼︎

そしてデッキからブラスター・ブレードを一枚選び、スペリオルライドする‼︎」

 

「何⁉︎」

 

「よ、吉井⁉︎

下手な見栄を張らなくても良いんだから!

あんな超絶レアカード、誰も当てられない上に持つ事自体があり得ない恐ろしい物よ!

そう、ウチも、秀吉も、皆がよ!

今からでも遅くないわ、その譜面は崩す行動は止めて置いた方が良いわよ!」

 

「そ、そうじゃぞ明久!

止めて置くのじゃ!」

 

「………空撃ち、良くない。

ファイトの流れが崩れる」

 

雄二達は明久がブラスター・ブレードを持っているとは夢にも思わず、空撃ちは良くないとしてリューのスキルを止めさせようとする。

本来は行動を宣言したら取り止められないのだが、試合では無く個人同士のファイトの為、やり直しが効くのだ。

しかし、明久は宣言した行動を止めずに一枚のカードを選ぶ。

そして目を瞑り、過去を思い返し始めた。

 

「………数年と言う歳月、僕らの距離は離れていた。

それは長く長く、再会の時まで僕らの目の前は色褪せていた」

 

瑞希の『力』により離れた三人と明久の分身。

その為に彼らの目の前は色を失くし、ただ流れるだけの景色しか認識出来なくなった。

しかし、それが今変わろうとしている。

明久が再び、ヴァンガードに踏み込むことで。

 

「けど、そんなモノクロの世界は終わる。

勇気と言う光と共に‼︎」

 

目を見開き、カードを高く掲げる。

すると、明久の周りの色を失くした景色に色が戻り始めた。

 

「僕を導き、世界を照らす騎士よ!

再び歩もう、僕らの道を‼︎

さあ、今こそ立ち上がれ、僕の分身‼︎

スペリオルライド‼︎」

 

マロンの上に勢い良く選んだカードを置く。

するとイメージ内で、マロンの身体を光が包み込み、辺り一面を輝きに満たした。

その輝きにバトルライザーに乗る雄二は目が眩む。

そして、輝きが弱くなり、雄二が目を開き始めて映る景色にマロンは居なかった。

代わりに、白銀の鎧を纏い、手に超兵装たる長剣を手にし、その瞳に優しさと勇気を宿した、明久がライドした騎士が居た。

その名も………。

 

♪〜Vanguard〜

 

「……ブラスター・ブレード‼︎」

 

光に生きる者、ブラスター・ブレードだ。

 

「………嘘、だろ?」

 

「ウチ、初めて見た………」

 

「ワシもじゃ…」

 

「………ブラスター・ブレード。

ドラゴニック・オーバーロード、ブラスター・ダークと同レベルの超レアカード‼︎」

 

「ふっ、やっと本当の姿、自らの分身を取り戻したな明久」

 

それぞれがそれぞれの考えを口にし、特に龍二は感傷深い気持ちになる。

当の明久もまた、感傷深い気持ちに浸る。

ブラスター・ブレード、かつて自分と龍二、瑞希が貯めたお金で買ったパックに入っていた思い出深い一枚。

明久が使い、明久と共に戦った騎士。

それが再び自分の手でライドしたのだ、無理のない話だった。

そして島田達は、ブラスター・ブレードに憑依した明久の姿をイメージし、感動すら覚えた。

 

「………行こう、ブラスター・ブレード。

もう一度、三人が笑い合える日を作る為に。

コール、『天空のイーグルナイト』‼︎」

 

イーグルナイト、P8000、C1。

 

イーグル、ブラブレ、R

R、R、R

 

手札からイーグルナイトをコールし、アタックフェイズに移る。

その目は今までのファイトで見せた事の無い自信に溢れた輝きを見せていた。

 

「イーグルナイトでアタック!

イーグルナイトは、僕のリアガードの数が相手より多ければ、パワー+3000‼︎「ダメージチェックだ『キング・オブ・ソード』」

ブラスター・ブレード、アタック‼︎

ドライブチェック『世界樹の巫女エレイン』『治』ヒールトリガーゲット‼︎」

 

明久はダメージを回復してダメージ0にしつつ雄二に2ダメを与える。

今までの明久では考えられない手練れの動きに、雄二達は魅せられてしまう。

 

「雄二、今の僕を下手くそプレイングだらけの僕とは思わない方が良いよ。

全力で応えて‼︎」

 

明久は高らかと雄二に全力を望むと宣言する。

それを聞き、今の明久のプレイングを見た雄二は不意に笑みを溢す。

 

「良いぜ明久。

今のお前なら、全力でファイトしても楽しそうだ‼︎

行くぜ、『キング・オブ・ソード』にライド‼︎

但し、あっさりやられるなよ‼︎」

 

「勿論さ‼︎」

 

明久と雄二は、いつの間にか喧嘩をする寸前だった事を忘れて全力ファイトを楽しんでいた。

それを見ていた秀吉や龍二達もまた、笑みを浮かべていた。

 

♪〜挿入歌終了〜

 

そして屋上の入り口、誰にも気付かれずに明久達のファイトを見る瑞希と、瑞希のチーム、AL4のメンバー二人と新メンバー一人が居た。

 

「あれが吉井君……姫路さん曰く火野君並みの要注意人物」

 

「瑞希が認めて、火野が一緒に居るとなると確かに要注意ね」

 

「………それに、雄二と互角。

侮れない」

 

「はい。

………漸く、またスタートラインに立ちましたね。

なら来て下さい、全国大会に。

私達は待っていますよ……また強くなった明久君達を」

 

そして、ファイトをある程度見届けた後その場から離れるAL4の面々。

全国大会で相まみえるその時を心待ちにしながら。

 

「………あ、急いで戻らないと授業に遅刻する!」

 

『全力疾走‼︎』

 

………しかし、ファイトに集中し過ぎた為に授業に遅れかけたのは此処だけの話である。




挿入歌設定は如何でしたか?
いらないと思った方は指摘をお願いします。

今回の回でやっと明久は全盛期に近い実力を取り戻しました。
以降は苦勝の数が減る………かもしれません。

雄二達が明久のデッキ内にブラスター・ブレードが無いと判断した理由は明久のデッキに一枚しか無い、スペリオルライドして無い、アルフレッドのスキルでコールして無い、超絶レアカードの為持つ人が本当に少ないなどの理由があった為です。
事実美波も「吉井なんか」と馬鹿にする発言では無く、「皆が」と自分や他の人も等しく持っていないと言いました。
なので、秀吉達も美波の意見に同意を示していました。

感想、指摘等をお待ちしています。
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