断空我さん、またまた感想ありがとうございます。
今回はヴァンガードファイトは九割休みで大半が日常会話の話になります。
では、どうぞ!
金曜日の朝、明久は清々しい寝覚めによりスッキリ爽快、朝ご飯の準備をしていた。
「よし、今日の朝ご飯はパンの耳67分の1カット!
いただきまーす、パクッとご馳走様でした‼︎」
………朝ご飯をさっさと食べて文月学園に行く準備をした。
何故パンの耳67分の1カットだったかは、矢張りゲームなどに仕送りを注ぎ込んだ為にお金がスッカラカンだからだ。
ゲームを売ればある程度はマシになるが、結構なゲーマーの明久にはその選択肢は初めから無かった。
因みに67分の1は間違いで、本当は64分の1カットが正しい答えである。
「よし、じゃあ学校に『ちゃちゃちゃちゃん、ちゃんちゃん、ちゃっちゃちゃー』あ、メールだ」
某最終幻想のLVアップBGMがスマホから流れ、何か確認するとメールだった。
送信者は龍二、内容のタイトルは『話が』である。
中身を見ると。
『昼休みに話がある。
全員集合すべし、遅刻厳禁』とあった。
「龍二……何かあるのかな?」
明久は何事かと思い、急ぎ学園に向かい、そのまま適当に授業を受けた。
因みに、一時限の前に学年主席などが発表され、今年度の主席は霧島翔子と言う女子になったらしい。
頭の良い方の龍二も上位に行くかと思ったら、まさかの中間位置にその名があった。
龍二は適当に試験を受けてた為、上位にランクインしなかった様だった。
昼休み、矢張り屋上に全員が集まり、龍二の話を聞こうとする。
「どうしたの龍二、朝早くにこんなメールを送って来て」
「変な話だったらペンチな」
「なら俺はフォークな。
それより………全国大会地区予選の参加申し込み書を手に入れたぞ‼︎」
龍二は懐から地区予選の参加申し込み書を取り出し、明久達に見せた。
しかも若干ドヤ顔でだ。
「嘘、もう手にしたの⁉︎」
「提出期限は今週の日曜日までだったので危なかった。
こんな小さな紙一枚で商店街は大乱闘真っ只中になったからな。
チビからおばちゃんまで参加したから、人混みを突破して手に入れるのに一苦労だった……」
龍二は商店街であった壮絶な戦いを簡素に話し始め、しみじみとその場面を思い出していた。
その戦いの中で龍二は生涯の
因みに中には本来乱闘を抑える側のお巡りさんまで居たとか。
「てか日曜日までが提出期限って、かなり危なかったな。
それ手に入れられなかったら俺らは全国大会地区予選すら参加出来なかった訳か」
「………危ない危ない」
「ああ。
まあ、今はそれは如何でも良い、問題はこっちだ」
そう言って龍二は申し込み書のある一部分を指差す。
その部分は名前を書く欄である。
「名前を書く欄が如何したのかのう?」
「問題はその近くに書かれてる赤い文字だ。
読んでみろ」
そう言って龍二は用紙を明久達の目の前に近付ける。
確かに名前を書く欄の近くに赤い文字が書かれている。
他とは違う色の為、よっほど慌てなければ見逃さないし、文字一つ一つが程良い大きさである。
「えっと……赤い文字だけなら………18歳未満だけで参加する場合は
何か見間違えたかな?
変な文字が見えたような」
「………残念だが事実だ。
そう、俺達が大会に出る為には保護者が同伴しないとならないんだ‼︎」
明久は真っ白になった。
保護者を連れて来ようにも明久の両親、歳が離れている姉は現在海外。
頼んでも来れる訳が無かった。
更に雄二達も真っ白になる。
雄二は母親が少し変わっている。
ダンボール内の包装物を包むプチプチを見れば、一日中プチプチと潰す、更に豆腐とタワシを間違えたりするなど色々アウトの為頼めない。
秀吉の両親は夜遅くまで働いている為無理。
島田、康太も秀吉と同じ理由で駄目。
龍二の場合は、龍二は叔父と叔母夫婦に引き取られており、余り彼らに頼み事をするのが苦手な為此方も駄目。
そんな空気を全員が全員察した。
この中に、身内に同伴を頼めそうな奴が一切居ないと………。
「………矢張り、全員無理か………」
龍二がこの言葉を呟くと、何故かチーンと言う音が聞こえて来た。
そんな訳で、明久達は保護者同伴の部分で躓き、全国大会地区予選にすら出場出来なかった………。
〈バカテスファイト‼︎ヴァンガード、完〉
「な訳無いでしょうがぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ギャグ漫画みたく、突如貼られた完と言う紙をビリビリに破き、ツッコミ精神を全開にする明久。
「てか皆なんとかしようとしてよ‼︎
保護者なんて適当に其処ら辺の人に頼めば良いじゃん‼︎」
「明久にしては珍しく無い頭を使ったな「無い頭言うな‼︎」確かにそれなら………何だが、周りに頼めそうな大人は居るのか?」
明久の一言に雄二が反論する。
確かに明久達の周りに、カードゲームの全国大会に出る為に保護者やって下さいなんて言うお願いを聞く大人はまともに居ない。
居たとしても………例えば船越、彼女に頼めば秀吉以外の男子が交際を迫られる可能性が高い。
また、他の教師は明らかにカードゲームとは無縁。
よって、頼まれても返事はNOと言われるだろう………物好きでYESを出す輩が居るかもしれないが。
「うむむ、今作者が地の文で失礼極まりない一言を書いた様な気がするのじゃが………確かに居ないのう」
「そんな………だったら如何したら………」
秀吉の一言で空気が非常に重くなり、ドヨヨーンと言う擬音語が出てきそうになる。
しかし、本当にこのまま何もしなければ、明久達の全国大会は出る前に終わってしまうだろう。
それは流石に嫌な為、全員頭の中の知恵を絞り出し始める。
「お前達、昼休みの終わりまでもう時間が無いぞ!」
「うん?
うげっ、鉄人‼︎」
「誰が鉄人だ‼︎
西村先生と呼ばんか‼︎」
其処に丁度良く鉄人こと西村宗一がやって来る。
如何やら、明久達は昼休みの終了間際まで話し合っていたらしく、西村は明久達に教室へ戻る様に指導しに来た様だ。
「大体お前達は何を話し合ってこんな時間まで……むっ、火野、その紙は何だ?」
「あ、やべ。
鬼の指導員西村宗一にこれを見せればボッシュートされ「何も理由も無く其処までせんわ‼︎」……見せなきゃ駄目なんだろうな」
西村に大会参加申し込み書を見られた為、その内容を彼の目に通させざるを得なくなった龍二は、少し嫌そうな顔をしていたが渋々提出した。
「其処まで嫌そうな顔をするのか?
………ふむ、ヴァンガードの全国大会地区予選の参加申し込み書か。
夏に始まるのにもう参加申し込みが出るのか?
ヴァンガードも珍しい方式の大会が作られたものだな」
「まあ、大会まで長い準備期間を設けそせようと公式側が………待て、西村先生………何故ヴァンガードを知っている⁉︎」
龍二は西村がヴァンガードの全国大会がいつ始まるか知っていて、ヴァンガードの存在を認知していた事に驚きを隠せず、ついついそれを聞いてしまう。
「あのな………流石に世界中で爆発的人気を誇り、著名人すらユーザーであるこのカードゲームを知らない奴は居ないぞ」
「た、たまにそんな稀な連中が学校に集中してるのでな。
しかも先生が知っていたのが意外で」
ヴァンガードに対しての適応能力が高い龍二でさえ、まさか鬼すら泣き出す鉄人こと西村が、世界中で人気とは言えヴァンガードの存在を知っているのは予想外過ぎた為、彼の目を直視しながら話が出来なくなっていた。
「心外な奴だ。
………まあ、それは如何でも良いんだが………何故お前達は全国大会に参加しようとするんだ?
まだ知り合ってから一週間位しか経っていない筈だが?」
西村は、知り合ったばかりの明久達が即興で団体戦に出ようとするのが腑に落ちないらしく、その理由を問いただしてみた。
「俺や秀吉達は明久と龍二の連れであり、自分の実力を知りたい奴だ。
で、明久と龍二は現在の全国大会チャンプに宣戦布告されてな」
「僕と龍二は、どうしても全国大会で戦わないといけない人が居るんです。
理由な言えないんですが、本当にどうしても何です。
でも、僕と龍二だけじゃ参加出来ない筈だったけど、皆は二つ返事で参加するって言ってくれました。
そんな皆の為にも、僕と龍二の目的をやり遂げる為にも、絶対に全国に行くんだって決めたんです!」
雄二、明久と続く話に、西村は耳を傾けて聞く。
更に、明久と龍二の目にも注目する。
この両者の目は、絶対にやり遂げる決意が滲み出る程強く、真っ直ぐな目だった。
西村は確信する、この二人は何かがある、その何かを解決するには全国大会へ出る事。
ただそれだけしか無い事を、である。
それを見て、西村が考えて出した答えは……。
「……良いだろう。
俺がお前達の保護者になり、全国大会地区予選に参加出来る様にしよう。
但し、しっかり真面目に勉学に励む事。
絶対に全国大会本戦に出場する事が条件だ、良いな?」
「てt……先生。
はい、分かりました‼︎」
西村は、全国大会地区予選の参加申し込み書の保護者欄に自らの名を書き、明久達に条件付きだが、全国大会地区予選に参加させると約束した。
それに対して明久、龍二達は感謝し、頭を下げていた。
すると、授業開始のチャイムが突然鳴り始めた。
「しまった!
話し込んでお前達を授業参加を遅らせてしまったか‼︎
次の時間の担当教師には俺が話を付けるから早く教室へ行け‼︎」
『は、はぃぃ‼︎』
流石の西村も、自分が原因で生徒が授業に遅れるのは見たくないのか、明久達を教室へ送り、その授業の担当に話を付けて遅刻回数を付けるのを止めさせた。
これには明久達も悪いと思ったのか、放課後に西村に謝っていた。
だが、これで全国大会地区予選に参加が出来る。
それだけで、明久達は嬉しかった。
「……と言う訳があったんだ」
「ねっ、感動出来る話でしょ?」
「うん、良い先生が居て良かったね。
で、『光の牙 ガルモール』のアタックでツインドライブ……あっとダブルクリティカル、そのガードを貫通してオーバーキルね」
「ひぃぃぃぃぃぃぃ‼︎」
明久達はあのショップ大会があった店でブライト達と待ち合わせして、ファイトの特訓をしていた。
因みにブライトは本番デッキでは無く、日本に来て即興で作ったデッキで明久に30連勝を記録していた。
龍二に対しては手加減したら負けらしく敢えて本番デッキを晒してファイトし、勝ち負けを繰り返してる。
「にしても鉄人って凄いあだ名だよね。
まるで教育的指導で、生徒を自分が思う理想的な子にしちゃうみたいじゃん!
ま、このネプ子さんは仕事を休んで一日中でゲームをやりまくる使命があるから、そんな教育的指導には負けないんだけどね!
大体わたしは働いたら負けだと思ってるし、勉強もまた然りなんだよ!」
「公然とサボリを強調すんなよ。
しかも一日中ゲームとか、飽きないのか?」
「ちっちっちっ、ユーは分かってないね〜。
それじゃプリンにホイップクリームをめちゃくちゃかけて、プリンの原型が見えなくなってもまだカラメルソースをかけたみたいに甘いよ!
わたしはね、一回仕事やったら一週間は休まないと次の仕事をしないんだよ!
そして、わたしにとってゲームは人生の潤滑油なんだよ‼︎」
明久とブライトのファイトを観戦したネプテューヌと雄二は観戦そっちのけで明後日の方向に向いた会話を繰り広げた。
だが、その雄二でさえネプテューヌのサボリ癖を本人から聞いた途端、少しだけ引いていた。
因みにネプテューヌが全員を呼ぶ時はあだ名らしく、ユーは雄二、アッキーは明久、秀吉はヨッシー、島田はナミちゃん、康太は………この頃から学園でも呼ばれるムッツリーニである。
「くそ、もう一回‼︎」
「良いよ、何度でも受けて立つよ!」
そんな明後日の方向に向いた会話を無視して、明久とブライトはファイトをまたする。
明久は地区予選までにもっと強くなる為に、ブライトはそんな明久を見守る為に。
地区予選まで、後数ヶ月。
以上、第十話でした。
鉄人こと西村宗一がまさかの保護者役に。
まあ彼は話せば分かる人であり、生徒を指導する立場にある人物の為、生徒が困っていたら悩みを聞いたりなどをするのは当たり前と思い、この展開にしました。
感想、指摘をお待ちしています。