バカテスファイト‼︎ヴァンガード   作:”蒼龍”

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日常回の前編になります。
断空我さん、感想ありがとうございます。
今回、この作品についてのお知らせが後書きにありますので、そちらも見て下さい。


第十四話「僕達とお願いと人形獲得戦!」

明久達は文月学園の体育館にて、召喚獣の基本操作の授業を受けていた。

それは一年生全員合同授業の為、瑞希達も其処で授業を受けている。

しかし、互いに敢えて話そうとしない。

数ヶ月後の全国大会まで互いのモチベーションを下げず、逆に高める為にだ。

だが、真の理由は互いに声を掛け辛い為であり、別に話し掛けても良いのである。

 

「にしてもさ、召喚獣の基本操作の授業って事は、召喚獣同士で戦い合うって事だよね?」

 

「だろうな。

はぁ………学費が安いから入ってみたが、ヴァンガード以外で頭を使う羽目になるとは思ってもみなかった……」

 

龍二はヴァンガード以外では頭を使いたくない、学費が安いからとはヴァンガードに金を回せる為であるなど、最早改善不可な程のヴァンガ脳である。

その発言にいつメン男子陣は本当に残念なイケメンだと思った。

 

「吉井、お前の番だぞ!」

 

「あっと、今行きまーす」

 

其処に西村の声が明久に掛かり、明久は西村の下に向かう。

其処には島田も居た為自分の相手は島田であると察する。

 

「ウチの相手は吉井なんだ。

よろしくね」

 

「うん、よろしく!」

 

試獣召喚(サモン)!』

 

二人は試験召喚獣を繰り出すべく、キーワードを高らかに言う。

すると、二人をデフォルメキャラにした様な物体が出現する。

これが試験召喚獣である。

この文月学園の最大の特徴は完全実力主義。

時間が許す限り何枚ものテストを受ける事が出来、点数に上限が無い。

そして、試験召喚戦争と呼ばれるシステムも導入し、生徒同士でテストの点数で戦わせ、生徒の向上心促進も担っているのである。

 

「あ、島田さんの召喚獣……」

 

「えっ、な、何なの?」

 

明久は島田の召喚獣を見てある事を思い、それをバカ正直に話す。

その内容は………。

 

「島田さんと同じでぺったんこだよね「今から吉井の本体と召喚獣、どっちもウチの全力で殴るわ!」って、島田さん待って‼︎

その一撃は僕を昇天させるのに十分な威力が発揮してそうだから止めて‼︎」

 

島田の胸に関する事、しかもよりにもよってぺったんこと言ってしまいそのまま島田に殴られそうになる。

それも、全力でだ。

 

「止さないか島田!」

 

其処に西村が口を挟む。

流石に生徒同士の殴り合いを身かねるだけの良識があるのかと考える明久。

しかし、別にそんな事は無かったと明久は思い知る。

 

「せめて一撃だけにしろ」

 

「な、可愛い生徒を見捨てる気ですか⁉︎」

 

流石にこれには反論する明久だが、またしても西村は明久の考えを上回る。

 

「違うぞ吉井。

お前は可愛く無い!」

 

「ふざけるなてtぐぼふっ⁉︎」

 

こうして明久は島田の怒りの一撃を喰らう。

それを見ていた龍二はやれやれと言った感じで手を上げていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして放課後、明久と龍二は一緒に帰宅路を歩いていた。

 

「………くぅ〜、朝のアレは災難過ぎるよ………」

 

「島田の一撃を災難にしない辺り、お前は耐久力は人外だな。

まあ、今日はうっかりデッキとプレイマットを忘れて来て良かったと思ったぞ……」

 

明久達の言う朝のアレとは、いきなりの持ち物検査だ。

其処で明久はゲーム機とデッキを、雄二は○P3プレーヤーとデッキを取られた。

龍二も対象にされてたらしく、カバンや内ポケットを見せる羽目になったが、デッキもプレイマットも家に置き忘れた為事なきを得ていたのであった。

因みに他のいつメンは今日に限ってデッキを置いて来たので被害0だった。

 

「まあ………一週間待てば戻って来る………?」

 

あと一言を口にしようとした明久だが、ふと自分の近くを小さな女の子が小走りで通り、とあるお店の中に入る場面を見るを通過した場面を見る。

その店が気になり見てみると、ショウウィンドウ内に置かれた人形に目を惹かれた。

それは狐の人形、名前はノイと言うマスコットキャラの大きな人形だった。

 

「……何だ明久、その人形に興味があるのか?

妙な少女趣味を持っているな」

 

「違うって!

ただ少し気になっただけだよ‼︎」

 

龍二に茶化されながらも、店の中に入る明久。

当然龍二も付いて来たのだが、其処で小さな女の子が恐らく店主に何かをお願いする場面に遭遇した。

 

「あの、どうしたんですか?」

 

「ああ、この子があそこに飾られてる人形が欲しいと言って来てね。

でもうちも商売だし、お金が無いと無理だよって言っているんだけど……」

 

「お願いです!

葉月のお姉ちゃんはずっとあの人形が欲しくて、でも見つからなくて元気が無くなって………だから、どうしてもノイ君の人形が欲しいんです‼︎」

 

「こんな風に聞いてくれなくてね。

でも子供だし、変に追い返す訳にも行かなくてね」

 

話を聞いた明久と龍二は要点を纏める。

明久が店に入る→女の子が店主にお願いしてる→女の子はショウウィンドウの人形が欲しい→でもお金が無いらしく無理っぽい→でも諦め切れない→女の子はお姉ちゃんの為に欲しい→明久が店主に話し掛けた→状況を説明された←今此処である。

これを聞いた明久は明久らしい考えを口に出した。

 

「じゃあ僕が買うよ。

で、買った後は君にプレゼントする。

店主さん、これで良いですよね?」

 

「ああ、それで良いのなら」

 

「明久………まあ良いか。

俺も妹が姉の為に健気に頑張ってるのを無下にあしらえないしな」

 

龍二も自分よりも年下で、家族の為に頑張る子は嫌いでは無いらしく明久に同調する。

 

「で、値段は?」

 

「2万5000円ですよ」

 

「ゴメン、僕には無理だった………」

 

そして値段を聞いた途端匙を投げる明久。

その場に居た店主と女の子、葉月は某炎の妖精の如く諦めるなよと思っていた。

 

「どうしてもダメなんですか、バカなお兄ちゃん‼︎」

 

「うん、無理………って、小学生(見た感じ)にバカなお兄ちゃんって言われたよ……はっ、龍二‼︎

君なら大丈夫だよね⁉︎」

 

「………くっ、デュアルアクスめ!

あれだけ魔侯襲来を箱買いしたのに10箱目で漸く揃うとか………他のかげろうはあり余る位数があるし、他のクランのカードは要らない奴なんだ………もう出なくて良いんだよ………‼︎」

 

如何やら龍二もダメだったらしい。

しかもヴァンガードのブースターパックを10箱も買いやっと目的の物が手に入ったらしい。

しかし、ブースターパックの値段は約150。

箱には30パック入っているので約4500。

それを10箱も買うとなると、約4万5000を投げ打ってカードを手にした事が伺えた。

 

「ダメ………なんですか………」

 

今にも泣き出しそうになった葉月を見て心を痛めた明久と龍二は次の行動に素早く入った。

その思考時間、約0.4秒。

 

「店主、明日まで人形を置いて貰えないか?

金を作って明日には買いに来る」

 

「まあそれ位なら……」

 

「良かったね、これならお人形を買えそうだよ」

 

「本当ですか!

ありがとうございます、お兄ちゃん達‼︎」

 

こうして明久と龍二に、人形獲得ミッションが課せられたのである。

しかし、如何やってお金を作るかが問題になった。

その方法を明日までには考え出さなければならなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「………で、昨日の朝取られた物を売り捌くと言う訳か。

全く、クラス中の連中に許可を貰うのに苦労したぞ」

 

「ゴメンゴメン。

バカでお金が無い僕にはこれしか浮かばなかったんだ」

 

翌日、明久は龍二に持ち物検査で回収された物を売り捌く事にした。

因みにヴァンガードのデッキは取り戻すだけらしく、流石に売らない事で考えが一致した。

そして現在、いつメンに協力を促しOKを貰った所だった。

 

「まあ、俺はデッキさえ取り戻せれば良いぜ。

正直、あのプレイヤーはそろそろ買い換えようかと思ってたしな。

さて、作戦はこうだ。

先ず明久が鉄人の注意を自分に向けさせ、その間に俺らが取られた物が保管されてるであろう鉄人のロッカーの鍵をタイミングを見計らって取る。

鉄人は何時もロッカーの鍵をポケットに入れている、明久は何とかして奴をスーツを脱ぎざるを得ない状況にしろよ。

良いか、チャンスは一度切りだからミスは許されない」

 

「分かったよ!」

 

手短に作戦会議が終わり、廊下の曲がり角で西村を待つ。

すると、何も知らない西村はその場を通り、曲がり角まで少しずつ近付いていた。

 

「GO」

 

雄二の合図で作戦スタート。

明久は曲がり角から水を一杯にしたバケツを持ちながら出た。

 

「ああ手が滑った〜‼︎」

 

「…むっ‼︎」

 

それを西村に投げた………が、西村は驚異的な反射でそれを見た瞬間に回避行動に出た。

 

「逃がすかぁぁぁああ‼︎」

 

しかし明久も負けず、近くにあったモップでバケツ叩き、西村に直撃させた。

しかも水が一杯入っている為、西村のスーツはびしょ濡れになった。

 

「いや〜ごめんなさい!

ついつい手が滑ってぇ⁉︎」

 

「ほほ〜う、手が滑ったのに逃がすかと?

しかもモップで叩いていたな?

実に面白い冗談を言う様になったな吉井……。

よ〜し、貴様は今から指導してやるから来い‼︎」

 

そして、雄二の予定通り西村はスーツからジャージに着替え、それから明久は指導室へ連行された。

無論、その間に明久の悲鳴が上がっていた。

 

「坂本、あんたも好きねぇ、吉井弄り」

 

「ああ、楽しいからな。

さあ、鍵を取りに行くぞお前ら」

 

その後、雄二達は無事に鍵を入手。

こうして、明久の尊い犠牲により作戦は成功に終わったのであった……。

 

 

 

 

 

 

時間を跳ばし、明久は取られた物を売り捌き、龍二、更にちゃっかり付いて来た島田はその店の外で待っていた。

 

「龍二、島田さん、お金出来たよ〜」

 

「うむ、そうか」

 

「じゃあ行く?

あんた達が行ったお店に」

 

「うん!」

 

三人組は足を昨日のお店へ向け歩き始めた。

すると、其処に狙って現れたかの如くブライトが現れた。

 

「あ、明久君に龍二君に美波さん!

偶然だね」

 

「あ、ブライトさん!

確かに偶然だね。

何で此処に?」

 

明久はブライトに目的を聞く。

すると、意外な答えが出て来た。

 

「実は知り合いと僕の妹が、この先にあるお店にある大きなノイ君人形が欲しいらしくてね。

だから此処に来たんだ。

あのお店まではこの道が近道だからね」

 

「へぇ〜、僕の知り合いの女の子もノイ君人形が欲しくてね。

しかもこの先にそれが売られてるんだ。

しかも2万5000円って値段でショウウィンドウに飾られて売られているんだ」

 

「へぇ〜、偶然だね。

値段も売り方も一緒の人形って」

 

如何やらブライトもノイ君人形が目的、しかもこの先のお店で買うらしい。

更に値段、売り方すら一緒だった。

明久と龍二は考えた。

この先にノイ君人形が売られてるお店は一店しか無い。

更にキーワードのショウウィンドウに飾られている、2万5000円の価値、店の位置。

つまりブライトもあのお店のノイ君人形獲得が目的、要するとライバルの買い物おばちゃんみたいなものだ。

そして、そんな人が同じ物を欲しがるとなると、この後起きる事は一つに限定される。

 

『………うおぉぉぉぉぉぉぉぉ‼︎』

 

「えっ、ちょ、待ちなさいよ‼︎」

 

男三人は全力疾走でお店に走る。

ライバルに目的の物を取られない為に。

そのスピードは速く、明らかに人間の限界値をスレスレな勢いで走っていた。

機から見ればオリンピックの短距離走のデットヒートにすら感じるものだ。

その為、目的のお店が直線距離約30mに見えるまでそう時間が掛からなかった。

しかし、このデッドヒートレースを頭一つ分前に出ていたのはブライトだった。

 

「くそ、ブライトさんは足が速い‼︎

こうなったら………龍二パス‼︎

そしておりゃぁぁ‼︎」

 

「うわっ⁉︎」

 

意外にも足が速いブライトにこのままでは負けると思った明久は、お金を龍二にパスし、自分はブライトの足にしがみ付きそのまま転ばせた。

そう、全てを龍二に託して自分は足止めに回ったのだ。

 

「は、離すんだ‼︎

こんなのアンフェアだよ‼︎」

 

「龍二行くんだ‼︎

僕には構うな‼︎」

 

「ああ、ブライトは任せた!」

 

龍二は明久にブライトを任せ、そのまま走り去る。

そして、龍二はお店の中に入りノイ君人形を購入、そのまま外に出て明久に見せた。

 

「そ、そんな………待って………イヤァァァァァァァァァァ……」

 

熾烈な戦いは明久の妨害によりブライトの一方的な敗北で終わる。

ブライトのその目からは涙が止めど無く流れ、その口からは鳴り止む事の無い悲鳴が上がっていた。

 

「………何やってるのよあんたら」

 

最後に島田の言葉でレースは締められた。

しかも周りの人には男の子が(見た目が)男物の服を着た女の子を襲ってる様に見られており、そのままお巡りさんに連絡を入れられたのであった。

 




以上、第十四話でした。
そして、お知らせと言うのは………この作品を非ログインユーザーでも感想を書ける様になった事です。
矢張り人に見せる作品なので、感想も誰でも書ける様にした方が良いと思い、そうしました。
感想、指摘をお待ちしています。
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