今回は何時も以上に短めの回となっています。
では、どうぞ。
チームミルたんズとチームジュラシックアーミーの戦いは熾烈を極めた。
グレードが上がる毎に込み上げてくる吐き気、恐るべき精神破壊攻撃、気持ちの悪いクネクネした動き。
ジュラシックアーミーのメンバーはそれらと果敢に戦い、1勝を上げて現在は第二戦。
リーダー対決となり、意外にもレベルの高いファイトが繰り広げられた…………但し、ミルたんズのリーダーもまた精神破壊攻撃を繰り出してきているが。
そして………。
「うおぉぉ‼︎
『暴竜 デスレックス』でアタック‼︎」
「いや〜ん‼︎」
「勝者、龍堂グンジ‼︎
よって、チームジュラシックアーミーがチームミルたんズを下しましたぁ‼︎」
『うおぉぉぉぉぉ‼︎』
勝者がジュラシックアーミーに決まり、会場中から拍手喝采が上がる。
中には良くやったとジュラシックアーミーを労う言葉すらあった。
「隊長、我々は、我々は勝ったのであります‼︎」
「うむ、我らは勝ったのだ………あらゆる意味で!
さあ、全体並べ!
行進であるッ‼︎」
ジュラシックアーミーのメンバー三名は軍隊行進でその場を去り、ミルたんズは意気消沈のまま会場から消えて行った。
「ジュラシックアーミー………マジで良くやったよ‼︎」
「うむ、あれは流石に俺も耐え難い物だった」
「鉄人すら耐え難いって………」
「???
ぶらいと、なにかあったの?」
「な、何でも無いよピーちゃん………」
明久達も二度とミルたんズは見たくないと心の底から思い、彼女(?)らを下したジュラシックアーミーの偉業に感謝していた。
もうミルたんズの試合が無い、そう思っただけで心が晴れやかになっていた。
「………ふぇ、ブライトくん、どうしたの〜?
なんかげっそりしてるよぉ〜?」
「あ、今起きたのね。
何でも無いから安心してよ。
さて、改めてこの子がプルルートだよ」
するとプルルートが目を覚まし、それをブライトが軽く紹介する。
「ふぇ………あ〜、よしいくんたちだぁ〜。
え〜とぉ〜、あたし、プルルートっていうの〜。
よろしくね〜」
「あ、宜しくお願いします」
「のんびりしてるな。
しかもまだ寝ぼけてるのか、目があまり開いてないな」
プルルートの状態を龍二が的確に話し………てる内にプルルートは再び夢の世界へ旅立った。
しかも立ったままである、
「あーまた寝て………よいしょと」
するとブライトがプルルートを座らせ、倒れない様に自分の方へ寄り掛からせた。
その姿はまるで妹を思いやる兄である。
………明久と須川からすればリア充に見えてしまうらしいが。
「さて須川君、次の試合は?」
「あ、ああ。
チームクラッシャーとチームバードヘッドらしいな。
………バードヘッド?」
「何か聞いた事がある様な、無い様な……」
リベレイターズの全員は何故かバードヘッドの名に聞き覚えがあり、何処で聞いたのか振り返っていた。
「バードヘッド………バードヘッド………鳥頭………鳥頭?」
「まさか………」
龍二が鳥頭のあだ名を持つ人間を一人思い出し口にし、全員が嫌な顔をしたその時、バードヘッドのメンバーが所定位置に現れた。
その中に鳥頭………大鳥頭一郎が居た。
何故かスーツ姿で。
「矢張り大鳥頭一郎か」
「まさか、まだ瑞希ちゃんに復讐を?」
「いや、それは無いぞ」
大鳥に嫌なイメージがあり、またAL4に逆恨みをぶつけるのが目的かと明久は思うが、西村がそれを否定する。
何故なら、西村は大鳥を補習して改心させたからだ。
そんな事を話し合う間に試合開始。
「決める、『スタードライブ・ドラゴン』でアタック‼︎」
「何でそんなメチャ古いユニットがぁぁぁ⁉︎」
バードヘッドのメンバーの一人が一勝を上げ、第二戦に入る。
両チーム共に五名居る為第三戦まで行われる。
「『紅蓮の蝶 ブリジッド』でアタック‼︎」
「トライアルデッキのユニットなんかにやられたぁ‼︎」
第二戦もバードヘッドのメンバーが勝利、よって残り一勝でバードヘッドは二回戦進出する事になる。
「さて次は…大鳥頭一郎が出るらしいな。
あいつはスパイクブラザーズの猿パン………速攻でグレード2の間に相手をダメージ五枚まで追い込むデッキだぜ。
まあ、リベレイターズは決勝までは当たらないし、あいつらは最大の関門、AL4が待ってるしな。
如何なるか楽しみだな」
須川が大鳥のデッキを解説しながら、今後が如何なるか楽しみだとも話す………が、明久は西村の言葉が気になり、第三戦をじっくり見る事にした。
「くそ………俺は前にお前に嫌な思いをしたんだ‼︎
その分の悔しさ諸々全部返してやる‼︎」
「……以前、私は大変な事を沢山やって来ました。
償っても償い切れない事を。
ですが、それでも謝れせて下さい。
申し訳ありませんでした………」
「…………∑(゚Д゚)」
大鳥の以前では考えられない言葉の数々に、対戦相手や会場中の人が驚いていた。
それを見た西村は満足気な笑みを浮かべながら大鳥を見守っていた。
そう、学校は違えど彼もまた教育者が守るべき生徒なのだから。
「『将軍 ザイフリート』、アタック‼︎」
「……………(゚Д゚)」
そして、いつの間にかに試合が終了。
結局3ー0でバードヘッドが勝利し、二回戦進出を決めたのであった。
「ザイフリート………グレード3がドライブチェックで出たら、そのカードを場にスペリオルコールするカード。
あれで他のスパイクブラザーズのユニットを場に出して猿パンするデッキか………。
今の大鳥………さんならファイトしたいね」
「ああ………」
明久と龍二は今の大鳥とファイトしたいと思うが、流石にAL4がトーナメントの同じ組に居る為無理があるだろうと思っていた。
「ぬふふん、中々将来有望なファイターの戦い、見せて貰ったぞ!」
「なーに何処ぞのぎっくり腰で動けないRPGのラスボス様の様なセリフ吐いてるのネプ子は」
「………ふぇ、もう終わったのぉ〜?」
プルルートも目を覚まし、起き上がる。
すると、残りの一試合も終わったのか、大会関係者が二回戦を始める為に準備を進め始める。
「さて、明久君達はこの後直ぐに試合だよね?
なら早く行った方が良いんじゃない?」
「うん、次はGM5が相手か………頑張るよ皆‼︎」
「ああ‼︎」
「うむ!」
「………(グッ‼︎)」
「勿論よ!」
「なら行くぞ、お前達」
明久達は次の試合の為に控え席へと向かう。
それを見守るブライト達。
「………で〜、結局、何も話さないんだよねぇ〜」
「うん………」
プルルートの言葉にブライトは少し気が沈み始める。
まるで『先導者』候補を利用している自分に嫌気などがあり、また、これからあるであろう過酷な運命に翻弄させる様な真似をする………それをブライトは罪だと思っている。
だが、こうでもしない限りフェアな状況にならない。
故にブライトはまだ続ける、候補者の覚醒を促す行動を。
そんな彼の考えを、明久達や近くに居る須川達は知らない………。
場所が変わり、とある国道を走る高級車内。
この車は遠峯グループのトップであるカイトがオークションで競り勝った品で、意外とお気に入りの車だったりする。
無論運転するのは使用人であり、カイト自身では無いが。
「うんうん、成る程。
矢張り僕も行く必要があるみたいだね。
何、心配は要らないさ。
これでも護身術は身に付けてるし、何より僕が行かないと候補者を大会内で見つけるのは困難でしょう?
………じゃあ、直ぐに行くから待っててよ、セイナ達」
車内にはしっかりカイトが居り、セイナ達に連絡を入れていたらしい。
しかも直ぐに着くと言っており、このまま行けばセイナ達に合流するのも時間の問題だった。
………但し、それが本当に順調に行けばである。
「………で、渋滞は抜けられそう?」
「それが、何時になるのか検討が付きません。
向こうに着くのも早ければ30分位ですが、遅くなると………」
「………はぁ、まあ何時もの事だね」
如何やら渋滞にはまったらしく、車の中でのんびり外を見ていた。
彼にとっての直ぐとは、30分以上後も言うらしい。
そして彼は今日も車の中で独り言を呟くのであった。
以上、二十一話目でした。
ミルたんズの気持ち悪さは鉄人も耐えられない………改めて考えたら恐ろしいキャラを作ってしまったと思いました。
更にカイトのお茶目なボッチ振りも………。
感想、指摘をお待ちしています。