今回は美波がファイトをします。
ここで注意として、今回はファイト描写を一部省略しています。
そしてGM5は本当にそれなりの実力はありますよ。
ターンZさん、断空我さん、感想ありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。
では、どうぞ。
二回戦の準備が終わり、明久達は控え席にて次の試合に出るメンバーのくじ引きをしていた。
「さあ、赤い奴引いたのは誰だ‼︎」
「…………ふっ」
「おっ、俺か」
「あ、ウチだ」
引いた人は康太、雄二、美波の三人だった。
残りは控え席で三人の勝利を願うだけである。
すると向かい側の控え席にGM5が座り、明久達を見て何やら気に食わないと言わんばかりの嫌な表情を見せた。
「?」
「……AL4に目を付けられてる事が気に食わないのか?」
「恐らくな。
なまじ候補生としてのプライドが高く、自分ら以外の誰かが姫路達に注目されれば自分達の努力が無駄になると感じたからだろう」
康太と龍二がGM5の気持ちを考察したが、これは100%正解である。
「…………最初は誰が行くんだ?
セオリーならば坂本、島田、土屋が行くのだが」
「此処は島田に任せよう。
島田なら景気付けの初戦勝利を必ずもぎ取るだろうからな」
西村が相手の表情を気にするなと言わんばかりに初戦は誰が行くか聞くと、龍二が島田に任せると言って来た。
これには全員納得し、首を縦に振る。
「ウチが初戦を?
……オッケー、初戦を必ず勝って来るから待ってて」
島田は笑顔でそれに応え、所定位置へと立つ。
相手の選手も所定位置へと立ったのでファイトテーブルが展開される。
因みに相手は如何にもキザな男で、手には薔薇を持っている。
「ふふ、綺麗なお嬢さんがお相手か。
とりあえず、この花をお受け取り下さい」
「あ、ど、どうも……(ちょっとキザな奴ね………余り好きじゃないタイプね)」
島田はキザな奴は若干苦手らしく、薔薇を渡された直後苦笑を浮かべていた。
「お姉ちゃーん!
頑張ってですー!」
「あ、葉月にお父さん達!
………ふふ、葉月が見てる前じゃ、格好悪い姿は見せられないね!
さあ、気張って行くわよ‼︎」
葉月達が応援に来ていたらしく、島田は苦笑から本来の笑顔を見せ、また気持ちを入れ直して試合に臨む。
「さて、リベレイターズの試合だね」
「豚野郎じゃなく、綺麗な女の子がキザ男をボコボコにするのですわね」
工藤達の控え室、其処で工藤はハイテクタッチパッドを操り試合を観戦していた。
すると清水がある事に気が付く。
「この方………将来光るものがありますわね」
「そうなの?」
「美春の女性観察眼は九割当たるから………何が光るの?」
「内緒ですわ」
清水は島田に何らかの才能を見抜いた様で、それを独占したいのか他の二人には教えなかった。
この間にファイトは第3ターンまで進んでいた。
「サンダーストーム・ドラグーンにライドして、魔竜戦鬼カルラをコール!
カルラは『デスアーミー・ガイ』をアタック!
サンダーストームで、タフ・ボーイをアタック!『イエロージェム・カーバンクル』『☆』クリティカル、パワーをサンダーストームに!」
「僕のターン、ドロー。
キング・オブ・ソードにライドして、もう一体キング・オブ・ソードをコールし、更に『叫んで踊れるシャウト』も前にコール!
リアガードのキングでカルラを「レッドリバーでガード!」
次、ヴァンガードでサンダーストームをアタック!
『バトルライザー』『醒』リアガードのキングをスタンドして、パワーはシャウトにプラス!
二体でヴァンガードをアタック!「片方はライエンでガード!」」
第4ターンで島田はダメージを四枚受け、試合の流れは見た感じではキザ男が掴んでいた。
司会達は流石にそれは早計だとし、島田の逆転劇がある事を期待している。
因みに島田の手札は以下である。
島田
手札:G3、0、1、2、0
である。
そしてG3のカードはドラゴニック・カイザー・ヴァーミリオン、ダメージの数が現在四枚以上なのでリミットブレイク圏内である。
「スタンド&ドロー。
………やっぱこれよね。
封印の檻を突き破り降臨せよ、雷の化身!
ドラゴニック・カイザー・ヴァーミリオン、ライド‼︎」
島田
カルラ、DKV、R
R、スパキ、R、
島田はエースカードをファイトが始まったその時から引き当てていた。
そして今の今までこんな流れになるのを待ってダメージを四枚以上に調整したのだ。
「カ、カイザー・ヴァーミリオン⁉︎
何故貴女の様な可憐な方が、こんな恐ろしいユニットを⁉︎」
「まっ、あんたには関係無いってね。
リミットブレイク‼︎
カウンターブラストを三枚払い、カイザー・ヴァーミリオンはパワー+2000と相手の前列三体を同時攻撃出来るわ‼︎」
カイザー・ヴァーミリオン、P11000→13000。
「な、何とー‼︎
島田選手はカイザー・ヴァーミリオンを保有し、更に今リミットブレイクを発動したー‼︎」
「現在相手選手の前列はトリガーで無理矢理ヒットさせる為に三体埋まり、片面はシャウトが居ます。
現在シャウトを失えば、レストして手札交換が出来なくなりますから今後の展開が難しくなり、更に迂闊にダメージを与えればまたリミットブレイクを使われます。
追い詰めていたつもりが、逆に追い詰められていた訳ですね」
司会と解説が会場を盛り上げる言葉を発し、また日本のファイターは大半の下位ファイターがリミットブレイクをdisってるので、この試合に勝てばその認識すら変えられるかもしれないと、会場で大会に参加したファイターは思っていた。
「じゃ、サンダーストームとヘレナをコールして、受けなさい!
ヴァーミリオン・サンダーボルト‼︎」
「うわっ⁉︎
僕のリアガード二体が⁉︎」
島田のカイザー・ヴァーミリオンのアタックのせいで、リアガードのキングやシャウトは退却され、更にヴァンガードもクリティカルを引かれて2ダメを負い、互いにダメージが四枚以上になった。
「ヘレナのブースト、カルラでアタック!「ノーガード!」
ふふ、カルラのスキル発動。
カルラのアタックがヴァンガードに当たれば、裏向きのダメージを表向きにする。
そしてヘレナのスキルも発動し、さっきのツインドライブで引いた手札を一枚ドロップし、一枚ドロー。
トリガーでパワーアップしたサンダーストームで「バトルライザーでガード‼︎」うん、ターン終了」
島田のダメージは2/4、左が現在表向きのダメージ、右が今まで受けたダメージの数である。
そしてキザ男は4/4、使えるダメージの数は勝っているが、布陣はFVがバトルライザーで、シャウトなどはカイザー・ヴァーミリオンが吹き飛ばされた為にヴァンガード一体しか場に居なかった。
「窮鼠猫を噛む………いや、能ある鷹は爪を隠すか。
如何やら、君は僕よりも上のファイターだったらしい。
………AL4の皆さんが初出場の君達を、火野龍二だけでなく君達全員に注目していた訳が分かったよ。
スタンド&ドロー………『Mr.インビジブル』にライド‼︎」
『Ha〜hahaha!
Come o〜n‼︎』
モーションフィギュアのせいで、イメージ内でやたら笑いながら相手と戦うMr.インビジブルが、実際に笑いながらカイザー・ヴァーミリオンにかかって来いと挑発する。
因みにMr.インビジブルもギャラティン同様ネタ的な意味で大人気のカードである。
「確かそいつはアマテラスやボーテックスと同じメガブラストユニットで、アタックがヒットした時にコストを払えばあんたの全ユニットがスタンドしてまたアタック可能になる………だったわね」
「はい。
しかし、僕の手札ではまともに貴女にダメージを与えるだけの攻撃力が無く、無理矢理布陣を埋めれば何とかなりますが、それをしたらカイザー・ヴァーミリオンのアタックを防げず、また餌食になるだけでしょう。
ですが、勝利の可能性は其処にしかありません‼︎
コール‼︎」
キザ男
キング、インビジ、R
バトル、シャウト、R
「バトルライザーのブースト、キング・オブ・ソードでヴァーミリオンにアタック!
更にシャウトのブースト、Mr.インビジブルでアタック‼︎」
『Ha〜hahaha!
Ha〜hahaha!』
「ガルドで完全ガード‼︎」
笑いながらカイザー・ヴァーミリオンに突撃して来たが、完全ガードのガルドの発生させた盾にパンチを阻まれ、後退する。
更に現実でもツインドライブで引いたカードはよりにもよってG3カード二枚、ガードには一切使えない二枚だった。
しかも元からある手札には完全ガードが無く、G0のカードも無い。
よって、カイザー・ヴァーミリオンからアタックされたら全手札とインターセプトを用いればガード可能だが、ダメージを一枚与えた為にまたリミットブレイクされる。
よって、ヴァーミリオンのアタックは防げずに通すしか無かった。
「……やっぱり突破出来ませんでしたか」
「キザで苦手な奴だったけど、強い奴には変わりなかったわね。
けど、ウチの妹が見に来てるからダサい格好は見せられないわ。
だから勝つわ!
スタンド&ドローし、リミットブレイク‼︎
もう一度、ヴァーミリオン・サンダーボルト‼︎
ツインドライブ『イエロージェム・カーバンクル』『☆』『毒心のジン』『☆』クリティカルトリガーダブル!
ヴァーミリオンにクリティカルをプラスして、左右のリアガードにそれぞれパワーをプラスするわ‼︎」
再びカイザー・ヴァーミリオンのリミットブレイクが放たれ、クリティカルも二枚を引き当ててキザ男を完全に下した。
「お姉ちゃん格好いいですー!」
「ふふ、葉月が居た分楽になったわ。
ありがと、葉月!」
葉月に声をかけ、手を振りながら控え席へと戻る島田。
その姿は上位ファイターらしい余裕で満ち溢れ、更に最後にキザ男に手を振り、健闘を讃えていた。
「………(グッ!)」
「まずは一勝じゃのう」
「ああ、良くやったよ島田」
控え席の秀吉達も島田の勝利を喜んでいた。
これで後二回勝てば準決勝進出が決まる。
「勝って来たわよ!」
「ああ、次は康太、頼む」
「………ああ!」
次は康太が所定位置へと行き、試合の準備をする。
相手はボーテックス使い、本気で勝ちに来ていた。
これに康太は高揚感を感じ、ファイトへの意気込みを更に上げたのであった。
〈オマケ〉
試合を観戦していた工藤達は島田のユニット、カイザー・ヴァーミリオンを見た瞬間から島田の勝利を確信していた。
そして、その考えは正しいと証明された。
「うんうん、やっぱり勝ったね。
でも、彼女も『先導者』候補じゃない。
一番有力なのは木下秀吉クンね」
「見た感じは、ね」
「………お姉様だ」
しかし工藤の現在の興味は『先導者』候補のみ。
一番有力の秀吉がそれだと見立て、彼が覚醒する事を期待していた。
しかし、清水の興味は島田にあり、試合で見せた女性的な魅力を感じ取り、この時から彼女をお姉様と慕い始めたのであった。
以上、第二十二話目でした。
この辺りで漸くBT6『極限突破』が一般発売されています。
ですが、日本ではまだ余り注目されていないと言う設定があり、本格的にリミットブレイク環境に移るのは大分後になります。
また、黒鋼の戦騎のカードも美波の例の如くテストファイターが一部使います(但し美波と違いピン刺し)。
感想、指摘をお待ちしています。