バカテスファイト‼︎ヴァンガード   作:”蒼龍”

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皆様お待たせしました。
第二十五話となります。
今回も観戦と第三者の思惑が垣間見える回となります。
では、どうぞ。


第二十五話「準決勝開始‼︎そして暗躍………」

明久達は再び観客席に座り、試合観戦をしていた。

次の試合はチーム男前とチームエンパイアの試合で、現在は一回目のファイトはチームエンパイアがまさかの勝利になり、二回目は大文字ゴウキの妹である大文字ナギサのファイトである。

 

「アシュラ・カイザーにナギサ様ライド‼︎

そしてコール‼︎

このままアタック‼︎」

 

「こんなチビっ子に負けるなんて………チーム男前、やっぱつえぇー………」

 

「カムイちゃーん、わたし勝ったよー‼︎

だから結婚しよー‼︎」

 

ナギサのレベルの高さにチームエンパイアの男は驚きを隠せず、そのまま退場して大将戦に縺れ込んだ。

その結果は……。

 

「スピリットイクシードでヴァンガードをアタック‼︎」

 

「…………くっ、負けた‼︎」

 

チームエンパイアは敗退し、準決勝進出はチーム男前に決まった。

これで明久達が戦う相手はチーム男前となり、早速対策を練り始めた。

 

「大文字兄妹の実力はさっき見た通り油断ならない。

勝ち星を稼ぐならあの取り巻きっぽい二人からしかないし、間違い無く片方しか出ないから、必ずあの兄妹を相手する事になるぜ。

其処で、二人のデッキ構築を見直すぞ」

 

「大文字ナギサは雄二とほぼ同じデッキ、勝つには一苦労が掛かるな。

で、グランブルーとのファイト経験があるのは俺位だろう。

グランブルーは須川が前に言った通りゾンビデッキだ。

例えリアガードを退却させても、ドロップゾーンが第二の手札の様に使われる。

よって、必要以上に状況に応じたリアガードへのアタックをしつつヴァンガードにアタックを集中させる。

言葉で言う分は簡単だが、実際はかなり高度な技術だ。

十分気を付けろよ」

 

雄二、龍二の二人は想定し得る状況を出来るだけ伝えて、明久達に対策法を各自練らせた。

先ず明久はナギサと当たった場合は雄二にやる戦略を掛け、ゴウキの場合は全く未知のデッキな為、明確なイメージが出来ていなかった。

が、何としても勝つべくファイトの中で対策を考える事にする。

秀吉達は明久と違い対策をしっかり練っており、それをファイトで実現させるつもりだ。

 

「次はAL4の番だな。

………まあ、残りの試合は絶対に番狂わせがあり得ない組み合わせだから、リベレイターズはチーム男前との試合に集中してな」

 

須川が解説しようとしたが、途中で明久達の表情を見て察したのか、目の前にある試合よりも自分らの試合へと意識を向けさせた。

これが須川なりの配慮であり、応援する側の立場である。

 

「さぁ、チームAL4、チームバードヘッドは共に全勝、これにより準決勝の試合の組み合わせは全てツワモノ揃いのチーム同士の戦いとなります‼︎」

 

「中でも元AL4の大鳥選手、AL4リーダーの姫路選手、孤高のヴァンガードファイターである火野選手の試合は注目度が高く、激しいファイトになることは必至でしょう。

更に初出場のチームリベレイターズのメンバーには、あの伝説のオラクル使いである木下真輝奈さんの子であり、木下優子選手のいも………失礼しました、弟である木下秀吉選手、ドイツで名を知らない者は居ないなるかみのテストファイターの島田美波選手がおり、初出場ながらもトップクラスの実力を有しています。

彼らが魅せるファイトもまた、目が離せないでしょう」

 

解説者と実況者がそれぞれ言うべき事を言い、特に解説者の言葉でチームリベレイターズの実力がトップクラスと会場に知れ渡る事となった。

しかも観客の中にはスマホなどで島田や秀吉の母の真輝奈の情報を集め始める者まで出始めた。

 

「うわぁ………何か注目され始めたよ」

 

「こんなのは想定済みだ。

それより、注目され過ぎたから自分のファイトが出来なかったなどと言う言い訳を出すなよ?

情けなくて見てられなくなる」

 

観客の視線に緊張を持ち始めた明久、否、チームメンバーに釘を刺す龍二。

何故敢えてこの言葉を言ったのかと言えば、明久達に自分に対してさせた約束、本気の覚悟を以ってファイトに臨むを思い出させる為、友人となった自分らが本気の覚悟を見せないで如何すると考えさせる為だ。

そして、龍二の思惑通り明久達は再び本気の覚悟を持つ者の表情になった。

「うんうん、皆良い顔だね。

じゃあ、頑張ってね!」

 

「正に戦いに赴く戦士だよ‼︎

でも哀戦士になんないでね。

絶対何かのフラグが立っちゃうから」

 

「あははは〜。

ねぷちゃんそれはないよぉ〜。

で、よしいくんたちも頑張ってね〜」

 

ブライト達はブライト達なりに明久達を応援し、見守る。

その言葉に明久達は笑みを浮かべながら礼の頷きを見せた。

そして、ブライト達の言葉で緊張が解れたらしく、そのまま歩き始めた。

準決勝で戦うべく、控え席へと向かう………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………行ったね」

 

「そうだね〜」

 

明久達が控え席に向かったのを確認すると、ブライト達も人気の無い通路へ行き、其処で密談を始めた。但し、ネプギアはピーシェを見てる為に観戦席に留まっている。

 

「それでブライト、もし候補者が『証』を目覚めさせたら如何するの?

絶対何か一悶着あるよ、カードゲームが題材のアニメ、漫画なら必ずある力に目覚めたら主人公がトラブル起こしちゃうってあれが」

 

ネプテューヌはブライトに一悶着への懸念を示し、苦い表情を浮かべたが、ブライトは瞳を閉じてそれに返答する。

 

「………うん、多分一悶着はあるかもね。

『証』に目覚めたら、その人の感情の負の部分を強める場合が多々あるし、『証』の闇の面に囚われる事だってある。

でも、それへの対策は『証』の光の面をその人が見出すか、その人を誰かが導くか、その人が真っ直ぐ前を歩く以外は策は無いよ」

 

対策は二つしか無いと言い、瞳をゆっくり開くブライト。

ネプテューヌ、プルルートはその返答に満足はせず、むしろ不満ばかりだった。

ブライトの示した対策では必ず誰かが傷付くからだ。

そう、候補者かその周りの人間か関係無くである。

 

「でもね〜、あたしたちはそんなにイヤだよぉ〜。

それじゃあ〜、みんなが可哀想だしぃ〜、誰かが泣いちゃうよ〜」

 

「わたしもそんな暗い展開は絶対嫌だからね!

この作品の原作に絶対そぐわないし、わたしが出るのに鬱展開不可避とかマジあり得ないんだから‼︎」

 

「でもね、これしか無いんだよ。

自分自身の力で光を見つけるか、間違った道へ行くその人を誰かが先導する以外は。

そして、僕らはその人を導く者じゃなく、あくまでも見守る側であり、ある程度しか力を貸せない立場なんだよ」

 

ネプテューヌ達の不満の声をきっぱりと言って反論を許さないブライト。

ブライトもそんな暗く、誰かが痛みを伴う事は嫌だが、それでもそんな道を見守る以外に彼に選択肢は無いのだ。

 

「…………だから、僕らは見守るんだ。

『彼』が選ぶ真実の道を。

そして、『先導者』としての答えを」

 

そう言って、ネプテューヌ達に視線を向けるブライト。

それに対してネプテューヌ、プルルートは少し納得出来ないながらも頷き、ブライトの言葉に同意した。

その間に観戦席から歓声が上がり、ブライト達は自分らの席へ戻るべく観戦場に足を運んだ。

するとブライトは、其処から丁度見えた明久達の控え席へ視線を向けた。

 

「………頑張ってね明久君。

これから君には多くの試練が待っている………それを乗り越えた時に、君は……真の『先導者』になる資格を得るよ」

 

誰にも聞こえない声で明久に語りかけるブライト。

その目は優しさ以外に、厳格な父の様な輝きを秘め、ただ明久一人を見つめていた………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

所変わり、セイナ達の休憩室。

工藤、清水はリベレイターズの戦いが始まる時を今か今かと待っていた。

無論、『先導者』候補を見定める為だ。

 

「そろそろ始まるね、チームリベレイターズの戦いが』

 

「其処で『先導者』候補を見つけられれば、私達の役目の一つは終わりますわ。

そして、目的も次の段階へ………」

 

「………」

 

セイナ以外は目的を果たす事を重視していたが、セイナ自身はそれのやり方が気に食わないので目的はやる気が無い。

 

「セイナちゃんは相変わらずだね。

でも、やる事はしっかりやろうね♪」

 

「………言われなくても分かってるわよ」

 

「まあ、セイナなら心配は要りませんわね」

 

三人は再びタッチディスプレイに目を向け、試合を見ようした。

すると、控え室のドアが開き、室内に入って来る人物が居た。

その人物は、三人の主にして、『先導者』候補者を真の『先導者』にする事を目的とする者、カイトであった。

渋滞を抜けて漸くこの会場に着いたらしい。

 

「やあ、調子はどうだい?」

 

「まだ候補者は見つかってないわよ」

 

「だろうと思ったよ」

 

カイトは三人に目的の進行具合を聞くが、それがどんな感じか予想出来ていてわざと聞いたのだ。

カイトはこんな感じに嫌味を少し挟んで来る面も持ち合わせる少年である。

無論、三人もカイトが何を言って来るか予想出来ていたらしく、特に気にもしていなかった。

 

「さて、僕も試合を観戦しましょう。

その方が候補者を見つけ易いですが、何よりこれからの行動を決める判断材料になりますからね」

 

「確かに、その通りよ。

けれど、その見つけた候補者の近くにはブライト、真の『先導者』が居るわよ。

それの目を盗んで近付くのは不可能じゃないの?」

 

カイトの言葉に反論を言うセイナだが、カイトは余裕の笑みを浮かべていた。

そう、ブライトが何をしようと関係が無いと言わんばかりに、だ。

 

「それには既に考えはありますから、心配は要りませんよ。

そう、ブライトが幾ら頑張ろうと僕の思惑通りの展開になる…………候補者が『証』を覚醒させたら必ずね。

さて、そろそろ試合が始まりますね」

 

タッチディスプレイを見て、試合が始まるのを察したカイトとセイナ達は試合へと意識を向けた。

 

「さあ、目覚めなさい候補者よ。

そしてもう一人の候補者と戦い、真の『先導者』が何方か示すのです。

それこそがこの星、そして………惑星クレイの未来を左右するのです」

 

明久達の中に居る候補者に、期待を浮かべるカイト。

その瞳が見る物、その心が思うものはこの星の未来だけでなく、ヴァンガードの舞台として設定されている惑星、クレイの未来も案じていた。

何故架空の惑星であるクレイを案ずるのか、それを知るのはカイト達以外に、ブライト達しか知らない………。

 




さて、漸く次回には明久達が大文字ゴウキ達と戦います。
果たしてその結果とは?

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