遂に皇帝や須川君達を恐怖させた子の正体が判明します‼︎
更に明久達を船に案内し、イルドーナを使ったメイドにも注目して下さい‼︎
天星さん、感想ありがとうございました‼︎
前回のネタも大体分かっていたみたいで幸いです。
さあ、『レッツパーリィー‼︎』
部屋での一悶着(?)後、瑞希は服に着替えて明久、龍二と共に館内の探検(明久考案、瑞希に対するお詫び)をしていた。
しかし、三人は関係が進行形で悪化中の為ギスギスまでは行かずとも話し難い雰囲気になっていた。
「やあ三人共。
早速お嬢様の合宿企画第一関門に入ったね」
「え、その声はブライト………さ………ん?」
其処にブライトが話し掛けて来たので三人は後ろを振り向く。
だが其処に居るのはブライトに似た男装執事だ。
「あ、あの………ブライトさんなの?」
「うん。
……もしかしてこの服だと気付かなかったかな?」
「あ、ああ。
余りにも唐突且つ妙に似合う格好だったからな」
「え、えーと…………ブライトさん、何で執事服を………?」
しかしその人物はブライトその人。
それを確認した三人は改めて何故こうなっていると疑問を投げ掛けた。
すると、ブライトの口からその答えが出る。
「いやね、明久君達を飛び入り参加させるのに代償が払えってレミリ…………お嬢様に言われてしまいまして。
だからこの企画中は執事として身の回りの世話、及び参加者達へのご奉仕を条件に認められました。
これも居候の弱みですよ、家の主には逆らっちゃいけないんですし。
…………まあ、メイド服を暫くの間ずっと着ているよりもずっとマシですよ(泣)」
如何やらブライトは大きな代償と小さな代償、何方かを選ばざるを得なくなる事態に追い込まれてしまい、小さな代償を選んだらしい。
明久達はこの時、小さな代償を選ぶ余地があるだけマシだったのかと思っていた。
「まあ、此処で話すのもあれですので、皆様をこれよりファイトルームに案内致します。
宜しいでしょうか?」
「はい、分かりました」
途中で話を切ったブライトは明久達を案内し始めた。
無論案内する場所はファイトルーム、強化合宿においては来た目的でもある場所、まだ見ぬ強豪ファイターが居ると思うと明久達は気分が高揚する。
「………あ、そう言えばこの企画の第一関門って、何?
良く分からないんですが…」
「はい、第一関門とは精神的修行の一つです。
如何なる状況下でも冷静且つ普段通りの行動を心掛けよ。
つまりは嫌いな人、異性と相部屋になろうと健全なる肉体と精神を保ち、普段と同じ様に振る舞う様に気を付けるんです。
お嬢様曰く、こうする事でどんな状況下でファイトしようと冷静な対応が出来る様になるらしいです。
僕もこれは妙案だと思っていますよ、皆様は間違いなど起きようが無い筈と思いますし」
第一関門の説明をされ、三人は流石にこれは少し違う気がすると思うが、折角考えた企画にダメ出しを喰らわせるのは失礼なので心の中でツッコむだけに留める明久達であった。
そして歩く事早数分、ファイトルームがある廊下に着いた。
「いや〜、ファイトルームに近い場所の部屋を選んだのは正解だね。
直ぐに来てファイト出来るし」
「そうだな。
これについては概ね同意だ」
「そうですね」
明久の発した何気無い言葉で漸く三人が会話を交わした。
此処まで来るのに数分以上掛かり、三人は改めて互いの心が遠くにあると思った。
それを見ていたブライトはぎこちないと思いつつ、何とかなって欲しいとも思っていた。
が、そんな考えが吹き飛ぶ出来事が発生する。
『キャハ、キャハハハハハハ』
『⁉︎』
突如、少女の笑い声が廊下に響き、四人は身体が強張る。
が、ブライトはこの声に聞き覚えがあるのか、警戒態勢をしつつリラックスした様な状態になる。
「ブ、ブライトさんこれ何⁉︎
ここまさか幽霊屋敷⁉︎」
「ゆ、幽霊は怖いですよ〜!!!」
「………」
だが、他の三人はまさかの事態に落ち着きか無くなり、慌てふためいてしまう。
「………皆様、これも第一関門の一つでございます。
先ずは落ち着き、次起きる事に備えて下さい。
その前に、明久君と龍二君は前に出て下さい。
後ろは僕が守りますので」
「え、ええ〜………」
だが、ブライトの発言で明久と龍二はゲンナリした。
何せ今前に出る事は、自分達が真っ先に被害を負うからだ。
龍二は後で覚えておけと、明久は何も無い様にと思いつつ前に出た。
「では、其処の扉がファイトルームの入り口なので開けて下さい。
僕は姫路さんを守りつつ後ろを警戒してますので」
「ちっ」
舌打ちをしながら龍二はドアノブに手を掛ける。
すると何を思ったのか、龍二は明久とアイコンタクトをする。
『ドアを開けるが、お前は一応後ろを警戒して欲しい。
但し、ドアを開けたと同時に力士のツッパリ張りの勢いで手を突き出してくれ。
もしもドアの先に黒板消しトラップみたいなのがあったら堪らん、何とか吹き飛ばすんだ。
俺は利き腕が塞がってるから反応が遅れる、お前が頼りなんだ』
『はぁ、無茶苦茶な………分かったよ、何とかしてみるよ』
この間たったの0.3秒程しかない短いアイコンタクトだった。
しかし、これで互いの考えを理解して不足の事態に対処する心構えが出来た。
そして、ドアを開けた瞬間にアイコンタクトの行動を行う明久。
「『ペチン‼︎』フギュッ!?!?」
「………え?」
すると手に何か柔らかく生暖かい何かを触った様に感じ、同時に女の子の声が聞こえる。
この声は先程のホラー演出で出た声と同じであり、更に上げた声が明らかに悲鳴だった。
それに嫌な予感を覚えた明久は恐る恐る前を向く。
「…………」
明久の目に映った光景は、自分の手が黄色の髪の毛をサイドテールで纏め、ナイトキャップを被った紅が基調の服が特徴の少女(明久達と同程度かそれ以下の年齢に見える)の顔に張り手を喰らわせており、そのせいで掌からズルズルとしながら倒れる。
因みに明久は女子には手を上げないが信条なので、此方も精神ダメージが大きかった。
「やっぱり………って、妹様ぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
やっぱりと言って前を向いたブライトの目に、顔に明久の手形がくっきりと跡として残って倒れた少女の場面が視覚情報として映った。
更に少女に対して妹様と言って駆け寄り容体確認などを行う。
こうして明久達は、訳の分からない状況に十数分間置かれたのであった。
「へぇー、君はフランちゃんって言うんだ」
「そーだよ。
宜しくね、ヨシイ!」
暫くして漸く落ち着きを取り戻した明久一行。
ファイトルームにて明久の張り手で倒れた少女、フランドール・スカーレットに自己紹介をされた。
しかし此処で、明久はまだ名乗っていないのに名字が吉井と分かったフランに疑問を持つ龍二と瑞希。
無論その答え合わせは直ぐに行われた。
「何で名乗って無いのに知ってるのかって思ったでしょ?
実はね、フランはブライトが各試合をビデオで撮ってて、それを見てヨシイ達を知ってるんだよ〜」
「へぇー、そうなの………って、ブライトさん?
地区予選会場では撮影禁止じゃ「別にそんな規制は無いし、残して参考に出来る物は残さないとね!」あ、さいですか」
明久達に内緒でブライトは試合をビデオカメラで記録していたらしく、更にそれをフランに見せていたようだ。
それら一言ずつに明久達は苦笑を浮かべて行った。
「あ、妹様‼︎
良かった、此方にいらしたのですね!」
「あ、レナ!
ゴメン、つい出来心で合宿に来た皆にイタズラしたくなっちゃった☆」
「はぁ、妹様。
お客様にイタズラはしない様にとレミリアお嬢様に言われてますよね?
それに妹様はお身体が少し弱いのですから、余り歩き回らない方が良いとも言われております。
次イタズラするのでしたら、せめて世話役であるこのレナをお側に置いて下さいませ」
更に明久達を連れて来たメイド、レナすらこの場に来てしまい、明久の頭が処理落ち仕掛けたが何とかして情報を処理し切った。
それに対してフランは目を瞑って悩んでいる仕草を見せていた。
更にその直後、何かを思い付いたのか目を開いた。
「あ、そうだ!
レナ、フランとファイトしよ!
ヨシイ達に世界の強豪の力ってのを見せようよ!」
「妹様、本当に何時も突然何かを思い付いては直ぐに実行に移しますね。
まあ、私もそう言う所も含めて妹様をお慕いしております。
ええ、分かりました」
するとレナとフランがいきなりヴァンガードファイトをする流れになり、明久は置いてけぼりを喰らってしまう。
しかし、龍二と瑞希は重度のヴァンガ脳になっている為か話の流れを理解し、着いて行ってた。
「引き直し〜」
「引き直しですね………ふむ。
では妹様、行きますよ。
スタンドアップ・ヴァンガード!」
「スタンドアップ・THE・ヴァンガード〜☆」
二人はFVを展開。
そのユニットはどちらも何とシャドウパラディン。
レナは『グリーピング・ダークゴート』、フランは瑞希と同じ『フルバウ』だ。
「えっ、シャドウパラディン同士の戦い⁉︎」
「ミラーマッチ………フルバウはファントム・ブラスター軸だが、レナの方は全く未知。
ファントム・ブラスター以外で有能なユニットは………」
まさかの同クランのミラーマッチに明久、龍二は驚きを隠せなかった。
同じくシャドウパラディン使いの瑞希も珍しい対戦に心が昂り、無言でファイトを見ていた。
「フランのターン、『ブラスター・ジャベリン』にライドして、フルバウのスキルで『ブラスター・ダーク』を手札に加えるね〜」
「私のターン、『黒の賢者 カロン』にライド、ダークゴートは後ろに移動し、アタックです!『髑髏の魔女 ネヴァン』」
「覚悟宿せし奈落の剣!
殲滅して、フランの分身!
『ブラスター・ダーク』!
アタック!『アビス・フリーザー』『引』」
「『暗黒の騎士 ルゴス』にライド!
更にネヴァンをコール、カウンターブラスト(1)と手札一枚ドロップ、二枚ドロー!
カロンをコールし、ネヴァンでアタック!
更にルゴスでアタック!『グリム・リーパー』『☆』」
此処までのファイトの状況を現在の布陣で表すとこうなる。
レナ
ネヴァン、ルゴス、R
カロン、ダークゴート、R
ダメージ0/1
フラン
R、ブラダ、R
R、R、R
ダメージ2/2
レナのクリティカル込みのアタックはヒールトリガーでダメージ一枚相殺、手札消費0で凌いでいた。
ハンドによる優劣はレナもレナでネヴァンのスキルでフランのハンド質、量共に余り変わらず、ダメージ、布陣はレナが勝っている。
しかしそれはフランが手札を使って展開しないせいだ。
フランは次のターンから本格的に動き出す予定である。
「邪悪な力を振るい敵を穿て、漆黒の奈落竜!
『ファントム・ブラスター・ドラゴン』!
更にバイヴ・カーをコール、スキルでデッキトップからシャドウパラディンをスペリオルコール!
ネヴァン、更にスキル発動!
コストを払って、二枚ドロー!
カロン、『グルルバウ』をコール!」
フラン:布陣
ネヴァン、PBD、バイヴ
カロン、R、グルルバウ
ネヴァンのスキルなどを用いて、手札消費を実質三枚で場を埋めるフラン。
この動きは明久も見覚えがあった。
何故なら、この動きは地区予選の決勝で瑞希が明久に対して行ったプレイングに酷似しているからだ。
しかもこれをイメージしてどのタイミングでやるか、手札やダメージゾーンのカードを見て大体予測を付けてやっているのだ。
明久もそれを何となく理解しており、冷や汗をかいていた。
「じゃあレナ〜、きゅっとしてドカーンしてあげる!
ファントム・ブラスター、アタック‼︎『デスフェザー・イーグル』『☆』『グリム・リーパー』『☆』」
「うっ⁉︎
出ましたね、きゅっとしてドカーン………ダメージトリガートリプルチェック!『ザ・ダーク・ディクテイター』『始原の魔道士 イルドーナ』『アビス・ヒーラー』『治』
ヒールトリガー、ダメージを回復します‼︎」
「うわぁ………ダブルクリティカルにダメージヒール………引きその物が龍二達みたいに異次元クラスだ…」
「そりゃ、レナは僕の『妹』でシーカーズの一員、妹様は世界ランキングに参加して居ないだけでレベルその物は世界トップ陣とほぼ同クラス。
二人が強いのは明白だよ」
二人のファイトに脱帽する明久にブライトは、レナが自分の妹、フランは世界ランカー上位陣と同レベルと暴露する。
そう、二人のファイトは世界クラス。
遥かなる頂を上り詰めし者達、それらの実力を見せ付けているのだ。
最早、明久がフラン達の間に入る余地など無い。
ただただ見て学ぶ以外に無かった。
「レナ〜、レナのヴァンガードも直ぐにフランがきゅっとしてドカーンってしてあげるから、覚悟して置いてね……」
「ふふ、ならば私も本気と言う物を見せましょう。
行きますよ、妹様‼︎
闇の邪法の前に沈め‼︎
『始原の魔道士 イルドーナ』にライド‼︎」
この二人の言葉がきっかけとなり、ファイトが激化する。
互いに一歩も譲らない戦い、明久や龍二達の心を鷲掴みにしていた。
「………皆集中しているね。
そう、これが第二関門の『ファイトを見て、自らに足りない物を掴め』だよ。
冷静にファイトを見て、自分に必要な物を得たり、副次効果で観察眼を鍛える物でもある。
これなら教えなくても平気かな?」
三人がフラン達のファイトに集中しているのを横目にブライトは、ボソッと第二関門の説明をしていた。
これは誰も聞いていないが、明久達は自然と第二関門を実践し、ファイトの知識を溜め込んだのであった。
「あ、クリティカルだからフランの勝ち〜♪」
「まだまだ、ダブルヒールトリガー‼︎」
「………異次元だ」
しかし、明久は自分のレベルの低さに言葉を失い、フラン達のファイト内容が頭の中に入る事は余り無かった………。
はい、イタズラの犯人はフランドール・スカーレットその人でした。
更にメイドの正体は現在執事服を着ているブライトの妹でした。
世界の実力を見た明久は如何なるか………楽しみにして下さい。
感想、指摘をお待ちしています。