勝つの闇か、炎か。
その結末をご覧下さい。
「………まっ、僕は何も言わないよ。
さて、天星さん、感想ありがとうございました。
姫路さんの相違点…………これがどんな結末を生むかはその目でお確かめを」
さあ、幼馴染対決の終盤、始まります。
追記
小説情報を確認したら評価バーが付いていた…………お、おいィ、お前ら今の見えたか?
↑(びっくりし過ぎてブロント語になった作者の図)
龍二がジ・エンドを繰り出した事により、ドラゴニック・オーバーロードとファントム・ブラスター・ドラゴンの進化形態が相対する形となった。
明久達のイメージ内も、現実同様緊迫した状況となり、いよいよ決着の時が近い事を悟らせていた。
「『光すら飲み込む大いなる闇』と『光も闇も焼き尽くす炎』が、〈かげろう〉と〈シャドウパラディン〉のトップカード同士が相対するなんて………!」
「………凄いイメージ力だ。
龍二君はPSYクオリアを持たない………でも、それに負けないイメージをする事が出来る。
だからこそ、ジ・エンドは彼を選んだのか…………果たして、ファイトの行方は如何様に………」
「ヤバイ………マジで割って入れねぇ…………」
「矢張り、この二人は別格か」
観戦する明久達でさえ、最早口出しが出来ない程の威圧感を感じ、口々に独り言をこぼすが瑞希、龍二には届かない。
何故なら、この二人にはもう目の前の相手しか映っていないのだから。
「ジ・エンド………マスカレードをアタック‼︎
ガードするか、しないか⁉︎「するに決まってます…………けど、敢えて二枚突破のデスフェザー・イーグルで‼︎」
ツインドライブ‼︎『ドラゴンモンク ゲンジョウ』『治』
ダメージを一枚回復し、ジ・エンドにパワーを‼︎
後一枚…………セカンドチェック‼︎『槍の化身 ター』『☆』
クリティカルトリガー‼︎
ジ・エンドに全てプラスだ‼︎
消え去れ、虚空の騎士…………エターナル・アポカリプス‼︎」
ジ・エンド:P13000→23000、C1→2
虚空の騎士に黙示録の竜が襲い掛かり、ガードを突き破りそのまま騎士を燃やし尽くした。
だが、これで終わらない…………ジ・エンドは次にファントム・ブラスター・オーバーロードに狙いを定め、睨みつけている。
現実では、龍二にドロップゾーンに二枚目のジ・エンドが落とされ、カウンターブラストも二枚消費され、ジ・エンドがスタンドしていた。
瑞希もこれには苦笑いを浮かべるしかなく、頭の中で何を如何すれば良いか考えていた。
だが、龍二には道筋が見えていた…………ただ一つの勝利の道筋、このファイトの終着点が。
「行ける…………龍二は勝てるぞい‼︎」
「………行け、龍二‼︎」
「火野、頑張って‼︎
後少しで、あんたの勝ちよ‼︎」
秀吉、康太、島田が龍二に声を掛け、背中を押す。
言葉には出していないが、雄二もまた彼の背中を押し、応援していた。
無論他の観戦者も同じであった。
否………同じである筈だった。
しかし…………明久、ブライトの二人はPSYクオリアが自動発動し、ファイトのイメージが溢れていて、それに絶句していた。
「(馬鹿な…………こんなのあり得ない‼︎
此処まで来たんだよ、なのに何でこんなイメージしか出てこないんだ⁉︎
彼女は化け物か何かか⁉︎)」
「(そんな……………このファイト、龍二が勝つイメージが全く浮かばない‼︎
こんな事って…………いや、PSYクオリアはただのちょっと良く当たる占い程度じゃないか‼︎
そんな物に振り回されはしない‼︎
龍二は、龍二は絶対勝つんだ‼︎)」
そんな二人を他所に龍二はジ・エンドに手を掛けた…………最後のアタックを決める為に、全てに決着しますつけるために。
かつての姫路瑞希を取り戻す為に。
「ジ・エンド‼︎「させません、アビス・ヒーラーとグリム・リーパーでガード‼︎」
ツインドライブ‼︎『ガトリングクロー・ドラゴン』『引』
ジ・エンドにパワーを与え、一枚ドロー‼︎
セカンドチェック‼︎『ブルーレイ・ドラコキッド』『☆』
クリティカルトリガー…………‼︎
これで終わりだ、エターナル・アポカリプス‼︎」
「ッ⁉︎」
ジ・エンドの剣がファントム・ブラスター・オーバーロードに深々と刺さる。
遂に三枚のダメージに追加の三枚が置かれる時が来る。
長きに渡る因縁が、一つの形に収まる日が来た。
龍二はそう感じ、瞳を閉じていた。
それに対して瑞希も瞳を閉じて、ダメージチェックし始める…………しかし、それは余りにも静かで、逆に不気味さを醸し出している。
それを見た明久、ブライトの中にある不安が徐々に大きくなり始めていた。
更に、瑞希はそんな中で突如口を開き始めた。
「…………龍二君、貴方の言いたい事は確かに分かりました…………そうですね、私は気付かない位些細な、でも、変わってはいけない物が変わっていました………それを今まで直し忘れて過ごしました………。
それに気付かせてくれて本当に感謝してます…………ですが、今はそれは良いんです、今は」
「………何?」
「………今までの龍二君の言葉と行動で、龍二君は私に昔の私に戻って欲しいんですよね………?
でも…………それは出来ない、あり得ない……………だって………『アビス・フリーザー』『引』『ブラスター・ジャベリン』過去は…………もう戻らない、過ぎ去った物なんですから‼︎『アビス・ヒーラー』『治』」
「なっ………………ヒール、トリガー……………だと………⁉︎」
そして、龍二の今までの紡いで来た物全てを否定するが如く、ヒールトリガーが引かれた。
ベリコウスティのパワーはトリガーでパワーアップしたファントム・ブラスター・オーバーロードには届かず、最早ターンを終わるしか龍二に残されていなかった。
「龍二君…………ごめんなさい、本当は龍二君の考えは否定したくないんです………でも、龍二君はあくまで『過去』を求めてました。
昔の私に戻す………それは過去を求める以外の何物でもありません。
だから、私とは道は交わらないんです」
「…………」
そう言いながら瑞希はドローし、『アポカリプス・バット』をファントム・ブラスター・オーバーロードの後ろにコールし、更にブラスター・ダークをナイトメア・ペインターの前にコールする。
そしてブラスター・ダークはベリコウスティドラゴンを斬り裂き、残るは盟主同士の戦いのみだった。
そして………瑞希は、完全に龍二を突き放す言葉を出してしまう。
「龍二君………私は、『過去』じゃなくて『今』を求めています。
そう………三人で笑い合える時も、楽しく過ごす時間も、『過去を』にはもう無いんです…………『今』にしか、あり得ないんです‼︎
ペルソナブラスト‼︎
ファントム・ブラスター・オーバーロードにパワー+10000とクリティカル+1を与えてアポカリプス・バットのブースト‼︎
スキルでパワー+6000、合計33000です‼︎「ッ‼︎
ブルーレイ、ター、ゲンジョウでガード‼︎
ガトリングクローは…………出さない‼︎
シールド合計43000、これで凌ぎ切る‼︎」
ツインドライブ‼︎『グリム・リーパー』『☆』
全てファントム・ブラスターに…………セカンドチェック‼︎『デスフェザー・イーグル』『☆』
ガード突破………………最後に龍二君…………本当に、ごめんなさい…………‼︎」
「な…………『ドラゴニック・オーバーロード』『ドラゴニック・オーバーロード・ジ・エンド』負け…………た………………」
二枚のダメージチェック、それは全て龍二の分身、オーバーロードだった。
その上皮肉にも、最後に落ちたのはジ・エンド……………二人の関係を、最悪の形で終わったと暗示させる物だった。
それを行った瑞希も涙を流しているが、彼女の中にある決意は固く、現時点では如何足掻こうと龍二とは道は交わらなくなっていた。
「…………そう、『今』が欲しいんです…………三人で過ごせる『今』が………………明久君は、如何なんですか?
『過去』、『今』、どれを求めているんですか?」
「っ…………ぼ、僕は…………」
呆然とする龍二から、次に明久に何を求めているか聞く瑞希。
しかし………今この場で出る訳が無かった。
今のファイトを見て、明久は瑞希に勝てるかすら分からなくなっていて、且つ思考の処理が追いついていないのだ。
故に、答えなど出る訳が無かった。
それを察した瑞希は、最後に龍二と明久、更にその仲間達に対して頭を下げ、そのまま立ち去って行った。
残された明久達は龍二に近付き、彼の様子を伺う。
「り………龍「負けた……………あれだけ経験を積んで、準備を整えたにも関わらず…………求めた物の違い、その一点だけで負けた…………‼︎
くそっ、俺は……………‼︎」……………」
龍二の様子を見た明久も、掛ける言葉が見つからず黙り込んでしまう。
それ程龍二から悔しさが滲み出ていて、何を言っても慰めにもならないからだ。
更に、明久が声を掛けられないのなら当然、他の者も無理である………………その影響で、思い出の公園は重い空気により支配されてしまった。
「………一つの戦いはこんな形で終わりましたか。
いやはや、求めた物の違いでほんの少しの差が生まれるとは………ヴァンガードは矢張り奥が深いですね」
「………遠峰、カイト………」
そんな空気を壊すかの様に、カイトが現れ、龍二以外の全員の視線が集中する…………しかし、その視線は友好的な物では無く、彼の皮肉に対する怒りで満ちている。
「まあ、こうなってくれなければ此方も困りますがね。
PSYクオリアを持つ者同士が最後まで残って貰わなければ、此方も「カイト‼︎」【ガシッ‼︎】…………」
カイトの皮肉に我慢の限界を超えたブライトは、彼の首根っこを掴み、威圧する。
それも、最大限の怒りを込めてだ。
「君いい加減にしろよ……………今さっきまで、この場では幼馴染二人による神聖なファイトが行われてたんだ!
君のそんな皮肉でそれを片付け貰いたくもなければ、聞きたくないんだ……………少し、黙れよ………‼︎」
「………だからこそ、話し辛い空気を壊す為に皮肉を出したんじゃないんですか。
僕としてはこのままヘイトを稼いでも良いんです…………話が出来て、全員が僕に視線を向ければ、憎まれ役でも何でもやりますよ………。
そして、必ず目的を果たして見せますよ………そうしなければ、僕のやって来た事も全て無駄になり、嘘となるのですから………!」
そんなブライトに対してカイトは、皮肉を込めつつ目的さえ果たせれば良い旨を伝える。
そう、彼はそれで良いのだ。
たとえ憎まれようが、嫌われようがさしたる問題にはならない。
最終目標さえ叶えばそれで良いのだ。
そう、遠峰カイトは全てを失ってでも何かを成し遂げようとする者であるが故に。
「それで、話を聞いてくれますね、吉井明久君?
いや、必ず聞いて貰います。
そう、必ずね」
「拒否権が無いじゃないか…………何?
くだらない事だったら、皆の代わりに一発殴るよ」
明久に対して、カイトが話し始めるが、あまり歓迎ムードで無いので明久にさえ殴られそうになっている。
しかし、そんなのを無視してカイトは口を開く。
強い意志を以って。
「くだらなくなんて無い。
君には、選んで貰わなければならない。
火野龍二が姫路瑞希に負けた以上、君が彼女と戦わなければならなくなる………そう、決勝で彼女に勝ち得る可能性があるのは君しかいないのだから。
よって、僕は此処で彼女にやって来た事…………デッキの強化に必要なカードを与える事を、君にも行うよ」
「………君にしては珍しい。
片方にしか肩入れしない筈なのに」
「偶々、ですよ。
その時は吉井明久が候補者とは思ってもみませんでした。
更にPSYクオリアも覚醒していなかった。
だから、支援の手がかなり遅れたんです。
でも、君達が立派に吉井明久を成長させていた………僕の予想を遥かに上回る程に。
……………だからこそ、色んな過程を飛ばして最後の選択を促す事が出来る。
彼女と君の信念、何方が勝つかを決める選択を。
…………さあ選ぶんだ、『闇すら照らし出す聖なる光』か、『光すら飲み込む大いなる闇』か…………」
カイトは明久の前に立ち、両手で光のカードと闇のカードを掲示する。
光と闇、その中身を明久は知っている。
闇とは〈シャドウパラディン〉、ファントム・ブラスター・オーバーロード。
光とは〈ロイヤルパラディン〉、エクスカルペイト・ザ・ブラスターである。
そう、明久と瑞希の切り札であり、両クランの特殊なカードだ。
それを掲示して選ばせようとしている、そう明久は理解出来た。
「明久、選ぶ事なんか無い‼︎
こんな嫌味な奴の言う事は」
「須川君、口を挟まないで下さい。
吉井明久以外の全員もです。
選ばないなんて選択肢はあり得ない、彼には道を選んで貰います。
闇を否定し、光へと突き進むか。
光を否定し、闇へと堕ち行くか。
それを止める事など、誰一人として出来はしないのです。
………………さあ、君は何方を選ぶ?
道は、一つだけです………悔いの無い様に選びなさい…………」
「っ‼︎」
「………ぼ、僕は……………」
光を否定するか、闇を否定するか。
その何方かを必ず選ぶ様強制するカイト。
更に仲間達が口を挟むのも阻まれ、明久は選ばないと言う選択肢を潰され、戸惑うばかりだった。
それは無理も無く、光を否定する事は今までの自分の進んだ道を否定し、闇を否定すれば瑞希の歩んで来た道を否定する。
この選択肢に正解は無い。
何方かを否定して一方が正しいと言わせるだけの出来レース的な物である。
それに対する明久は、如何なる答えがベストないしベターなのか分からず、悩んでいた。
少なくとも、互いが進んだ道は当事者の中では正しく、否定される謂れは無いのだから。
「…………僕の、答えは……………」
明久の口が開き、言葉を紡ぎ始める。
悩める彼が導き出した答えとは……………それの正確な意味を知る日は、もう近付いていた………。
ヴァンガード原作との相違点。
ジ・エンドのアタックが最後まで当たった。
相手を完全には否定せず、肯定もしていた。
シャドパラ側のファイターに少し負い目が出来てしまった。
…………あれ?
これ、アニメよりもやや重くね?
などと思ってしまった今日この頃…………うん、やり過ぎたかもしれません。
さて、最後にカイトが出て選択を迫りました。
これで明久がどうなるかも注目です。
感想、指摘をお待ちしています。