バカテスファイト‼︎ヴァンガード   作:”蒼龍”

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ふ、ふふふふふ…………1日突貫作業で書き終えたぞ…………。

「えーと文字は………何これ、9500字オーバー⁉︎」

詰め込み過ぎた。
反省してます。

「………えーと感想返しと………。
ストライクフリーダムさん、天星さん、感想ありがとうございました。
黄金の鉄の塊…………東方キャラ………つまりは、そう言う事です」

そして遂に、決着の時………ですが、長い、長すぎるし………むむむ…………クオリティが………。

「何がむむむだ!
では、第六十五話スタート‼︎」


第六十五話「光と影、一つの結末」

カイト達が明久達に目を向けた頃、各ファイトは劇的に動いていた。

 

雄二:布陣

 

ジャック、シュテルン、アシュラ

ザ・ゴング、シャウト、R

 

ダメージ:3/3

 

翔子:布陣

 

ミラー、バーキング、ありす

バニー、スカル、ダークメタル

 

ダメージ:2/2

 

「ちっ、序盤受け過ぎたか……!」

 

「………さあ雄二………トドメよ………!」

 

康太:布陣

 

チガスミ、ボイド、ブラッディ

シジママル、ミリオン、ハガクレ

 

ダメージ:2/2

 

久保:布陣

 

媚態、アモン、退廃

誘惑、シャーリー、ドリーン

 

ダメージ:3/3

 

「………僕から先手を取るとは、やるね……!」

 

「………正き者よ、滅せよ!

…………正者必滅‼︎」

 

秀吉:布陣

 

半月、アマテラス、タギツヒメ

三日月、ドリーム、ここあ

 

ダメージ:5/5

 

優子:布陣

 

アマテラス、満月、トム

ここあ、ドリーム、ジェミニ

 

ダメージ:1/3

 

「秀吉、此処で決めないとアタシはデッキが一周する!

そうなればアンタには勝ち目は無いわよ‼︎」

 

「分かっておる‼︎

(じゃが、ソウルも八枚まで貯めたとは言え、‘‘アレ’’が来ねば意味が無い!

ならば、このドローに賭けるしか無い‼︎)

ワシのターン、ドローじゃ‼︎」

 

雄二、康太、秀吉もそれぞれ中盤〜終盤に差し掛かり、ファイトはいよいよ大詰めとなり始める。

一方の明久達も、瑞希がファントム・ブラスターにライドした後から動き出した。

 

「更に『暗黒魔道士 バイヴ・カー』をコール!

スキルでデッキトップから〈シャドウパラディン〉をスペリオルコール!

バイヴ・カーをコール、スキルでデッキトップをコール!

ファントム・ブラスター・ドラゴンをコール!

ファントム・ブラスター・ドラゴンのCB(カウンターブラスト)(2)、バイヴ・カー二体とネヴァンを退却させてパワー+10000とクリティカル+1です‼︎」

 

何と、前に明久達に見せたバイヴ・カーの連続コールで後列に下げて退却させないでいたネヴァンを含め、無理矢理ブラスター・ブラスター・ドラゴンのコストを確保する。

最早瑞希の実力は絶頂状態にあり、龍二も手が付けられなくなるのも無理が無くなっていた。

明久もそれを肌で感じ、冷や汗をかきながらも意識を集中し、アタックに備えた。

 

「ヴァンガードのファントム・ブラスターでアタック‼︎

ガードは「しない、ノーガード‼︎」………ツインドライブ『アビス・フリーザー』『引』ドロートリガー!

パワーはリアガードに、一枚ドローしてセカンドチェック『魔界城 ファタリテート』シャドウ・イロージョン………ブラスター・ブレードを貫いて下さい‼︎」

 

明久に二枚のダメージが入り、少し危ない橋を渡り始めて行く。

だが、龍二がファイトしていた時を思い出せば、この程度の逆境は逆境では無い為、明久はまだまだ踏ん張る。

 

「ダメージチェック『まぁるがる』『引』ドロートリガー‼︎

パワーをブラスター・ブレードに、一枚ドロー!

セカンドチェック『ブラスター・ダーク』あっ、やっべ、キーカードが‼︎「ファントム・ブラスター‼︎」

っ、リューでガード‼︎」」

 

しかし其処で目を疑う光景が瑞希の視界に、否、会場に居たリベレイターズや応援組以外の全員に入る。

何と、〈ロイヤルパラディン〉のデッキに〈シャドウパラディン〉のブラスター・ダークが入っているのだ。

確かにルール上は他のクランのカードを入れても問題無いが、普通は入れないであろうカードであるブラスター・ダークが入っていた。

此れには会場内がざわめき始めてしまう。

 

「………明久君、何なんですかそれは?

何故私の分身を明久君のデッキに?」

 

「………これが、僕の答えって言えば良いかな?」

 

瑞希も流石に疑問をぶつけざるを得なくなり、口を開くが、明久の口からはこれが答えと言う言葉が返って来る。

明久の答え………つまりは求める物は何かと言う事だ。

それを理解した瑞希は静かに聞き始める。

 

「うん、僕はね………カイトに聞かれたんだ。

光か闇を否定して、一方を選ぶかって。

でも、僕が選んだのは………」

 

すると、明久が空を見上げながら一日前の記憶を呼び起こす。

それは、カイトがやって来た明らかに選択不可な二択問題の答えを出す瞬間である。

其処で明久は、普通では思い付かない答えを出したのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕は………何方も選ばない!

僕は僕を否定なんかしないし、瑞希ちゃんも龍二も否定しない!

僕は、全てを受け入れて………僕だけの道を作って歩く!

だって、瑞希ちゃんの道もある意味正しいし、龍二の気持ちだって分かる。

それを否定する事がどんなに馬鹿げてるかも。

だから………僕は何方も選ばない‼︎

 

「………それが君の答えか、吉井明久」

 

その答えを聞いたカイトは、それは茨の道であり、片方を選ぶよりも難しく、同じく光か闇かを問いた瑞希以上に辛い道筋となると考えて口に出そうとした…………が、明久の目を見た瞬間それを喉の奥に仕舞い、違う言葉を掛ける事にする。

 

「………それが君に選んだ物であるならば、どんなに険しい道であろうと僕は何も言わない。

何故なら、それを覚悟して選んでいるのだから。

…………後、気付いていないだろうけど、君はもう彼女の問い掛けに対する答えすら得ている筈だよ。

光も闇も、選択肢に無い炎すら否定せず受け入れると言った時点でね」

 

そう明久に言って、本人に自分が選び抜いた物を自覚させる作業に入る。

何故なら明久は、瑞希の問いに対しては無意識下で答えを出していたのだから。

因みにこの時のカイトの表情はとても穏やかで、本来の彼………皮肉を混ぜながらも、人を気遣う事が出来る年相応の少年の部分がはっきりと出ている。

 

「…………あ、そうか………僕の求める物は………!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして時を現在(いま)に戻し、瑞希に対して遂に自らの答えを口にする。

その表情は真剣そのもので、龍二と瑞希のファイトと同じく二人は最早周りの声も聞こえず、互いしか見えなくなっていた。

 

「そう、僕は『過去』も『現在』も否定しないし、寧ろ受け入れるよ。

だって………僕はさ、皆と一緒にそう遠くない『未来』で笑い合いたいんだ。

だって僕ら、今までの話で殺伐とし過ぎて笑い合ってないじゃん‼︎「いや、あの、今までの話って凄いメタですよ⁉︎」

大体僕は根っからのバカ、難しい事なんか全く分からないから、単純に『昔みたいに今いって時で未来でもずっと笑い合いたって行けば良い』って答えしか浮かばなかった‼︎

だけど僕の想いは本物、絶対に瑞希ちゃんにも負けない自信はある!

それをファイトで証明するよ‼︎

スタンド&ドロー‼︎」

 

自身の決めた道と想いを発露し、デッキから一枚をドローする。

そしてそのカードは…………ブラスター・ダーク。

瑞希の分身であった。

 

「閃光の剣を炸裂させよ、僕の分身‼︎

ライド、『ブラスター・ブレード・バースト』‼︎

更にケイを後ろに下げて………並び立て、盟友!

今こそ、覚悟の剣を以って大いなる闇を斬り裂け‼︎

コール、ブラスター・ダーク‼︎」

 

此処で明久はバーストにライドし、更にバーストのパワーを下げる事になるが、〈シャドウパラディン〉のブラスター・ダークをコールする。

此れにはしっかりとした意味がある。

カイトから受け取ったカード、そのスキルを全てを発揮するにはブラスター・ダークの存在が必要不可欠だからだ。

 

「………未来、事象を確定させられる今ではなく、曖昧で不可欠要素が多過ぎる未来を選んだんですか?」

 

「うん、昔も今も引っ括めてね。

それに、分からないからこそ今よりも笑い合いたいじゃん?

これが僕の答えだよ…………バースト、アタック‼︎『幸運の運び手 エポナ』『☆』

ベディヴィアにパワー、クリティカルをバーストに!

セカンドチェック『導きの賢者 ゼノン』

ベディヴィアでアタック‼︎「グリム・リーパーでガード‼︎」

ケイのブースト、ブラスター・ダーク‼︎「アビス・ヒーラーでガード‼︎」

ターンエンド!」

 

明久は瑞希の切り札が自分を倒すと言うPSYクオリアのイメージを見たにも関わらず勝つ為に、想いを貫く為に敢えてCB(カウンターブラスト)コストを供給させる。

全ては、自らが求めた物を最良の形で実現する為に。

その一心が明久に迷いを生ませず、直ぐに決断させるのだ。

一方、それを見た瑞希はと言えば………。

 

「明久君、少しがっかりですよ。

未来なんて形の無い物。

過去以上に求めたら最後、深みに嵌って動けなくなる物………それを求めるなんて、私から言わせればバカの一言ですよ」

 

「『愚か』じゃなくて『バカ』か………うん、ならバカで良い。

バカはバカでも、大バカになって未来を掴む!

もう僕も、決めたからにはこの想いは曲げないよ!」

 

明久をバカと酷評(と言う名の正論)をし、苦笑すら浮かべず冷淡に明久を見る。

が、それを気にする様な明久でも無く、決意をはっきりと固めて瑞希と相対する。

何処までも真っ直ぐな瞳で彼女の今を見ながら、今までを振り返り、未来をイメージしながら。

 

「………なら、終わらせます。

曖昧な物よりも形ある物の方がずっとずっとまだ信じられますから………ドロー‼︎

混沌なる静寂の中で叫びし絶望。

幻すら見れぬ、闇より暗き、闇の力を我に‼︎

クロスライド、『ファントム・ブラスター・オーバーロード』‼︎

コール、『黒の賢者 カロン』、『魔界城ファタリテート』、『アポカリプス・バッド』‼︎」

 

だが瑞希も今を求める故に明久に刃を向け、勝利を収めようとする。

未来と言う曖昧で形無き幻想を振り払う為に、今を確立するべく。

確実に明久に六枚のダメージを与える為に。

 

「ファントム・ブラスター・ドラゴンで、アタック‼︎「ダメージチェック『まぁるがる』『引』パワーをバーストに、一枚ドロー‼︎」

終わらせます、ペルソナブラスト………パワー+10000とクリティカル+1を得たファントム・ブラスター・オーバーロードでバーストをアタックします‼︎

アポカリプス・バッドのスキルを発動、SB(ソウルブラスト)(1)を払ってファントム・ブラスター・オーバーロードにパワー+6000!

決めます、必ず‼︎「ガード………リュー、エポナ、ベディヴィアでインターセプト‼︎」

ツインドライブ『アビス・ヒーラー』『治』『アビス・フリーザー』『引』ダブルトリガー………貫通です。

一枚ドロー、一枚回復、パワーはファントム・ブラスター・オーバーロードに‼︎

此れで私の勝ちです……‼︎」

 

明久の手札にはイゾルデが無かった。

その結果、トリガーのパワーアップと合わせてシールド30000でガードしたのだが、それすら貫通させて意地でも瑞希は勝利をもぎ取ろうとする。

が、明久はこれも想定し、ヒールトリガーがまだ来る事に全てを賭けたのだ。

未だカイトから受け取ったカードは来ていない。

その上瑞希は自分よりも実力が上。

それ故にトリガーに全てを賭け、奇跡を引き寄せようとしたのだ。

 

「…………此処で引かなきゃ負け。

でも僕は諦めない………未だ負けていないから‼︎

ダメージチェック『ブラスター・ブレード』くっ、よりによって二枚目が………いや、まだだ。

『アレ』を引いて此れをコールして引き当てれれば未だ…………エクスカルペイトはあくまで囮で持って来ただけ、なら引くだけだ‼︎

セカンド、チェック‼︎」

 

一瞬引く動作を止め、目を閉じて集中して六枚目のダメージを勢い良く引く。

その結果は……………。

 

 

 

 

 

 

 

 

一方の雄二達も大詰めに入り、勝者を決める時が来ていた。

 

「こ、此処でトリガー引かなきゃ負け…………負けたら人生の墓場決定…………俺の未来は灰色所か真っ黒に…………そ、そんなの嫌に決まってるだろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ‼︎」

 

「………シャウトのブースト、シュテルンのアタック…………『レインボー・マジシャン』、『ダイナマイト・ジャグラー』でガード。

…………雄二の私との戦績で、こう言った場面でのダブルトリガー率は0。

………勝ったわね」

 

霧島は今までの経験などからトリガー率を算出して、確実にガードが可能であろう数値でガードする。

因みに今のダメージは二枚、クリティカルを引き当てつつ『シュテルン・ブラウクリューガー』のスキルが発動しなければ勝てない枚数だ。

よって霧島は勝利を確信し、余裕を見せる。

しかし………。

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ引きやがれぇぇぇぇぇ‼︎『レッド・ライトニング』『☆』『武闘戦艦 プロメテウス』『☆』」

 

「…………………えっ?『ナイトメアドール ありす』『バーキング・ケルベロス』『パープル・トラピージスト』」

 

何と、引かない筈のダブルトリガー、しかもダブルクリティカルを引き当ててシャウトごとスキルでシュテルンをスタンドさせ、今度はパワー28000クリティカル3のアタックを加えて来る。

その上霧島はダメージトリガーを全て外し、パワーアップが出来なかった。

しかも15000のシールドしか今は無い。

詰まりは………。

 

「………………はぁ、負けね『お菓子なピエロ』『治』『スカイハイ・ウォーカー』『醒』雄二も強くなってる………それを計算に入れなかった………私のミス」

 

「…………あれ?

勝った…………のか?」

 

雄二の勝ちとなった。

それも本人も無我夢中、我武者羅にカードを引いて自覚無く。

更に康太の方も………。

 

「シュティル・ヴァンピーア』で止め‼︎」

 

「………ヴァンピーアのメガブラストでグレード0、しかもヴァンピーアのパワーはドリーンのスキルが二回発動しているから22000…………確かに普通はガード出来ない…………だが、今のヴァンガードはハガクレ…………何故ハガクレをコールしたか、理由は、此れだ‼︎

忍法…………微塵、隠れの術‼︎」

 

ハガクレを更に手札から『忍獣 ハガクレ』を二枚出し、久保の手札を二枚に削る事に成功する。

しかし此処で疑問が発生する。

何故ハガクレが三枚も確認出来たか?

何枚ハガクレが採用されているか?

その疑問を康太が答える。

 

「………このデッキ、ハガクレは四枚ある。

………ヴァンピーアを使うのを、見越してな。

………汚いと思うか?

………これはヴァンガード、TCG………相手の癖も何もかも計算し、勝つゲーム…………だからこそ、この言葉を言う………。

…………汚いは、褒め言葉だ……!」

 

「ま、まさかヴァンピーアでグレード0に強制ライドさせるのも、この状況に何ターンでなるかも全て計算したのか………⁉︎

…………残った手札は、『魔界侯爵 アモン』と『ヴェアヴォルフ・ズィーガー』…………相手のパワーラインは15000オーバー…………トリガーもソウルに散々入り、ドロップゾーンやダメージに………ガード、仕切れないか………」

 

そんな事になり、最早ヒールトリガーもデッキ内に無くトリガーによるパワーアップも見込めなくなった今、攻撃を防ぎ切る事が不可能になった。

よって、久保は潔くデッキに五秒以上手を置く。

此れは大会規定でサレンダーの合図となっており、如何しても勝てないとファイターが判断した際に速やかにファイトを終わらせる行為となっている。

これから分かる様に、康太は久保の戦意を完全に折り、ファイトを制したのだ。

それも、相手が最良と思った戦略を綺麗に理由してだ。

この結果に両者は満足し合い、握手を交わす。

そして、かなり時を戻し、秀吉の方はと言えば。

 

「ドロー‼︎

……………き、来た‼︎

シュティル・ヴァンピーアをコールしてメガブラスト発動‼︎

姉上のヴァンガードを『ドリーム・イーター』に上書きし、『サイレント・トム』を二体コールじゃ‼︎」

 

「なっ、ヴァンピーア⁉︎」

 

秀吉はレミリアが見せたツクヨミ軸にヴァンピーアを入れる混合クランデッキを作っていて、優子との決戦時に博打承知で使うと決めていた。

そして、優子がデッキを一周させる直前と言う絶好のタイミングでヴァンピーアを引き当て、更にトムをコールして詰ませる。

優子はこの時、ダメージが三枚入ろうとヒールトリガーが出ない事を理解している。

何故なら、ヒールトリガーは既に一周させる為に下に仕込んでいたのだから。

 

「………………ひ、秀吉…………今回は………私のッ、負けよ………‼︎」

 

「………勝った………ワシは初めて、姉上に………‼︎」

 

優子も久保と同様にサレンダーをし、負けを認める。

秀吉は混合クランデッキながらも優子を下し、漸く姉を越えられたのであった。

それを実感した秀吉は初めて涙を流し、腕を上げて喜ぶ。

そんな二人を観客席から黙って見守る女性が一人居る。

その女性は二人がファイトを終わらせた瞬間、静かに拍手をして二人の健闘を称えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………‼︎」

 

「なっ、まさ、か………‼︎」

 

そして現在、明久がセカンドチェックのカードを公開する。

そのカードは…………エレイン、ヒールトリガーだった。

明久は賭けに勝ったのだ、ダブルトリガーによる貫通、キーカード二枚の損失を生み出しながらも、瑞希のPSYクオリアのイメージを上回り、ファントム・ブラスター・オーバーロードの刃を凌いだのだ。

 

「………パワーはブラスター・ダークに。

一枚回復「カロンのブースト、ファタリテート‼︎」ガード‼︎

……凌いだ………後は『アレ』だけあれば………ドロー‼︎」

 

だが問題は明久が求めるカードが二回連続で来るかで勝敗は別れてしまう。

一枚でも外せばアウト、負けが決まる。

今度は博打と言うレベルを通り越し、可能性皆無と言う不可能に近い物、成功する事はほぼあり得ないのだ。

 

「………一枚、来た‼︎

若き日の王の姿を見よ‼︎

『アルフレッド・アーリー』にライド‼︎

ソウルからブラスター・ブレードをスペリオルコールしてCB(カウンターブラスト)(2)、ファタリテートを退却だ‼︎」

 

「エスペシャルインターセプトが⁉︎」

 

此処で明久は一枚目、アルフレッド・アーリーを引き当ててファタリテートの退却に成功する。

そもそもファタリテートが居ると攻め切れず、防がれてしまうのだ。

それを退却させ、希望を一つ繋げた。

が、次が本当の地獄。

ブラスター・ブレードの後ろにトリガーチェックで引いたカードを置き、目的のカードを引き当てると言う無茶な行為をするのだ。

 

「そして、『導きの賢者 ゼノン』をコール‼︎

ゼノンのスキル発動‼︎

このユニットがコールされた時に〈ロイヤルパラディン〉のヴァンガードが居れば、デッキトップを公開して同じグレードのユニットなら、スペリオルライドする‼︎」

 

「ゼノン…………確かにアルフレッド・アーリーでは火力不足ですが、そのユニットのスキルの成功率は0に近いですよ?

………不確定所か、成功しない物に賭けるなんて、本当にバカ気てますよ……‼︎」

 

明久がコールしたゼノンは、本当にスキル成功率が0に近い為に採用されないであろうグレード1筆頭だったりする。

瑞希ですらバカ気てると酷評する程のカードであり、これを使うくらいなら『みるびる』を採用した方がまだ良いとまで世間では言われている。

が、明久はこれに賭けている。

もうこの方法でしかカイトから受け取ったカードが引けないからだ。

 

「バカ気てても良い、可能性皆無でも良い。

僕は…………信じる。

このデッキの可能性も、皆も、未来も……………さあ、デッキトップ公開‼︎」

 

明久は勢い良くデッキトップを公開する。

迷いも雑念も全て振り払い、ただ一つの可能性を信じて。

そして…………。

 

「………ありがとう、〈ロイヤルパラディン〉の皆…………光と影は一つとなり、そして真の力が生まれる…………『マジェスティ・ロードブラスター』に、スペリオルライド‼︎

マロンをコール‼︎」

 

アルフレッド・アーリーの姿が、覚悟を貫く騎士から剣を受け取った勇気を貫く騎士の進化した姿に変わる。

光と影、ブラスター・ブレードとブラスター・ダーク、交わる筈の無かった勇気と覚悟が、クレイの未来を案じると言う一つの強き想いにより交わり、遂にブラスター・ブレードを進化させたのだ。

『先導者』と言う一つの伝説の存在に。

 

「マ、マジェスティ・ロードブラスター………しかもゼノンのスキルで…………あり得ない、こんな………」

 

「未来は誰にも分からない。

だからこそ賭けてみたくなるんだ、皆………僕らだけじゃなく、僕らのチームやブライトさん達や亮君達、皆で笑い合う未来が来るって……………ケイのブースト、ブラスター・ダークでアタック‼︎」

 

「っ‼︎『髑髏の魔女 ネヴァン』」

 

瑞希が狼狽する中、ブラスター・ダークがファントム・ブラスター・オーバーロードに一閃を入れる。

堕ちた奈落竜の肉体に盟友の刃が深く突き刺さり、その魂を揺さぶった。

 

「ゼノンのブースト、ブラスター・ブレード‼︎「が、ガード‼︎」

マロンのブースト、マジェスティでアタック‼︎

この時にスキル発動‼︎

リアガードのブラスター・ブレード、ブラスター・ダークをソウルに入れてパワー+10000、更にブラスター・ブレードとブラスター・ダークがソウルにあれば、パワー+2000とクリティカル+1を永続で得る………合計パワー30000とクリティカル2、これが僕の選んだ物の結晶だ‼︎」

 

光と影の力が一つになり、今までに無い力が発揮される。

それを見ている瑞希は、今を確立させようとする自分よりも未来に賭け続けた明久がより強く、より輝いている事を知る。

そう、分からないからこそ実現させようとした明久は常に何かに賭けていた。

それが今、身を結んだのだ。

それを20000でガードして防ぎ切ろうとする瑞希。

その瞳には涙が滲み出ており、今にも崩れそうになっている。

すると、PSYクオリアが共鳴して二人の意識を有するイメージ空間を生み出す。

 

「わ、私は…………今だからこそ………今明久君達に認めて貰いたかった………なのに、これじゃあまだ……「認めてるよ」……えっ?」

 

「僕も龍二も認めてたよ。

瑞希ちゃんは強いって。

でも、僕ら欲張りだからそれだけじゃあ満足出来なかったんだ。

特に僕はね、二人が一緒に居て笑って欲しかったんだ。

………そんな物も全部引っ括めて未来が、確かな『明日』に笑い合うって決めたんだ……………だからさ、もう一度僕らと一緒の道を歩こうよ、瑞希ちゃん!」

 

イメージ内、暗い空間の中で二人にまだ強くなってない、認められていないと思う瑞希に対し、明久は龍二共々認めていると、強くなったと話す。

だが、それだけではまだ満足仕切れなかった事も伝え、しっかりとした『明日』に笑い合う為にイメージ内で手を差し伸べる。

それを聞いた瑞希は、不意に今誰が一番自分を認めていないのか理解する。

そう、姫路瑞希を認めずに一人で歩かせていたのは他でも無い、自分自身だったと。

 

「…………明久君」

 

「何かな?」

 

「私は………並んでますか?

強くなりましたか?

………また、一緒に歩けますか?」

 

「………うん、勿論さ‼︎」

 

イメージ内で明久と瑞希は最後に少し話し、瑞希の問いを明久が肯定する。

その瞬間、二人の周りは光に溢れ、暗闇から明るい空間に変わり、二人の周りにはチームメンバーが、応援組が、ブライト達が、そして二人の前には龍二が居た。

この瞬間三人はゆっくりと手を重ね、再び道が交わったと確信に変わった。

するといつの間にかに現実空間に戻り、明久はエポナを引き、瑞希はファントム・ブラスター・オーバーロードを引き、ダメージに置いていた。

 

「………勝者、吉井明久選手、坂本雄二選手、土屋康太選手、木下秀吉選手‼︎

よって全国大会新チャンピオンチームは………リベレイターズに決定だぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

司会が勝者を宣言し、会場の大モニターにWINと言う文字と共に明久達の顔が映る。

遂に全国大会の優勝はリベレイターズに決まり、幼馴染三人の確執は終わりを迎え始める瞬間が訪れたのである。




やり過ぎました…………ですが、これで第一期相当の話はエンディングとかを残すだけです………。
分割すればいいのにとは思いましたが、途中で切ると中途半端過ぎてアレになってしまいました………。

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