今回も裏組の話になりますが………予告通りのヴァンガードファイト回になっています。
一期の時の心残りを此処で解消します。
AM sさん、天星さん、感想ありがとうございました。
裏組も裏組でヴァンガードしますから安心して下さい。
では、どうぞ!
南米ペルーにて、綿月依姫は人生最大の試練に遭遇していた。
しかもそれは決して逃げる事が許されていない。
何故なら、四方八方、正面を姉の豊姫やブライト達に囲まれてしまっているのだから。
「う、うう………な、何故私がこんな………」
「さあさあ、よっちゃんも諦めちゃいなよ………ぷっ……。
大丈夫、初めての人は大体そんなんだし…………ぷふ………」
「もしも一人じゃダメなら私が居るから安心なさい、依姫」
「心配ならないさ、慣れれば平気なんだから!」
全員が見守る(監視)中で依姫は顔を赤らめ、うっすらと涙すら浮かべて羞恥心が最高潮に達してしまっている。
それを見てニヤニヤと笑う豊姫と必死に笑いを堪えるネプテューヌ、更に優しい笑顔で見守るフラン達と苦笑いを浮かべる咲夜とオリオン。
そして依姫がこんな事になっている理由、それは………。
「そ、それでも‼︎
何故……………
何故私が初ヴァンガードファイトで、この〈バミューダ
………初めて行うヴァンガードファイトにて、人魚達がアイドルとしてクレイを舞台に大活躍する〈バミューダ
事の発端はほんの一時間前に遡る……。
尾行者の襲撃から1日が経過し、ブライト達はペルーに来ていた。
何故最初にこの場所に来たかと言えば、この南米を始めとした世界中には人の知らない未開の場所があり、それが地球とクレイの境界線上に存在し、両者を繋ぐパワースポットとなっているのだ。
もしも今回の事件の犯人が形跡を残しているとするなら、地球側では無くクレイ側にあるかもしれない。
それを探るべくその場所でクレイにアクセスする必要があるので向かっていたのだ。
そして、何ら障害も無く目的地へと一行は到着した。
「此処がクレイと地球の境界線………確かに、場所が分からなければ徒歩でも辿り着けない様に認識阻害の結界が張られてるわね」
「おお⁉︎
円状の石段にヴァンガードサークルの紋章が描かれてる!
しかも某鉄の城や機動戦士の流行った時代よりも年季が入っているっぽいからかなり昔からこの場所はあったと見た!」
「うん、カイトの情報だと15世紀頃にはあったらしいよ。
そして、此処からクレイにアクセスするには僕………PSYクオリアを持つ者と誰かがファイトしてクレイに対する強いイメージを抱かないとならないらしい。
さて、誰がファイトするかな?」
更にそのアクセス条件にはヴァンガードファイトが絡んでいるらしく、ブライトがファイトを申し込んで来る。
するとネプテューヌの紫色の頭脳が高速回転し何かを思いついたらしい。
「ねえねえブライトさん、ファイトするのに実力は関係あるのですかな?」
「えっ?
いや、強くイメージ出来る人なら基本実力は関係無いよ。
要はイメージの問題、クレイを正しく認識してそれを心の中に思い浮かべれば良いんだから」
「ほうほう成る程成る程………」
更にブライトの返事を聞きその何かを実行しても別段問題無いと確認したネプテューヌは更に目を輝かせて綿月姉妹と射命丸を見ていた。
「……何かしら?」
「まあ、さっきの発言を聞くとね〜」
「ほうほう、ネプテューヌさんもかなりのワルですな」
その三人も大体察したのか、依姫以外は笑いながらブライトがネプテューヌの考えに気が付く事を待ち、依姫は呆れて物が言えなくなっていた。
「………えっ?
ネプ子、君何する気なのさ?」
「ぬっふっふ、よくぞ聞いてくれた………私達は霊夢や魔理沙達のファイト力はよ〜っく知ってるけど、つい先日来た三人の実力は一切合切知らないよね〜?
ならば、やるべき事はひと〜つ‼︎
昨日のおバカな尾行者の所為で出来なくなった歓迎会を今からやろうじゃないの‼︎
しかもタダの歓迎会じゃなく、ヴァンガード流歓迎会で‼︎」
何とネプテューヌは三人の実力を知る為に、更に交流を深める為にもヴァンガードによる歓迎会を今からしようと言うのだ。
勿論それを聞いたブライトはそれは今すべき事では無いと釘を刺そうとするが、以前にブロントさんから『お前は肩に力が這入り杉るのでもっと型の力を抜くべきそうすべき。
でないとお前の寿命も毛根もストレスでマッハなのはミエミエなので少しは気を絡にしてくだふぁい!』と言われたのを思い出して、ネプテューヌの考えをもう一度考え直し始める。
確かに今は明久達の救出が急務だが、このまま三人………特に取っ付き難い雰囲気を出している依姫との交流の機会を与えないと彼女と霊夢は兎も角として他のメンバーとは孤立してしまうかもしれないと考える。
そして、それらを考慮すると矢張り歓迎会的な物も必要だと判断する。
「………分かったよ。
なら豊姫さん、依姫さん、射命丸さん。
三人に『ようこそ調査チーム〜DRAK〜へ、歓迎ヴァンガードファイト大会』の参加を命じます!
勿論クレイとのシンクロを優先したいから最初は僕とファイトしますが、その後は皆と仲良くファイトしましょう!」
「そうこなくっちゃ!
さすがにナイト派閥は格が違った!」
「あやや、これはこのチームのリーダー命令ですから参加せねばなりませんな〜!」
「ふむ、「」確かに見事な仕事ぷりであるがどこもおかしくないな。
やはりナイト派閥じゃないとだめなのか〜「それほどでもない」謙虚だな〜、あこがれちゃうな〜♪」
ブライトの答えを聞いたネプテューヌはガッツポーズをとりながらブライトを褒め、三人の内豊姫と射命丸はノリノリで参加しようとし、霊夢や魔理沙達もやれやれと思いつつも参加する気だった。
しかし、それでも依姫は相変わらずの雰囲気で余り乗り気では無かった。
「………はぁ、何故大事な任務の遂行中なのにお気楽で入れるのかしら」
「まあまあ依姫、これも任務と思って、ね?」
「………分かりましたよ、八意様が命じたのは博麗の巫女や喧嘩チーム〜DRAK〜メンバーと共に行動する事。
ならばこのチームリーダーの意向に従うのもまた任務…」
しかし、依姫も八意永琳が命じた事を優先して何だかんだ言いながらも参加する事にする。
そしてブライトは何時か依姫がこのチームのメンバーやブロントさん達と馴染み、こう言った行事に積極的に参加出来る様にする為に歓迎会を進行させる。
「さて、じゃあ先ず誰がファイトする?
僕は誰が来てもドーンと来いって感じだよ」
「はいはい!
ならネプ子さん的にはよっちゃんが良いと思います!
理由は勿論、よっちゃんのイメージライドが見たいからです‼︎」
「おっ、それ良いかも!」
「確かに………どんなクランを使うか、何がフェイバリットか興味がありますね」
「フランも見たいな〜♪」
すると会話の流れから依姫が最初にファイトする事に決まる。
………が、此処でとんでもない事実が判明する。
「あ〜やっぱり気になるわよね。
でもね、依姫は………」
「………一応ルールは一通り理解しているけど、ファイトは一度もした事は無いわ。
だから当然デッキも作ってないわ」
「ええ⁉︎
一体どうし「遊びに感ける時間があるなら心を研ぎ澄まし、穢れを祓う………我々にとっては常識です」デスヨネー………思った以上に真面目な方でした………」
そう、依姫は豊姫以上に真面目であり、遊ぶ時間があれば精神修行から剣の修練と自らを更に高め、穢れを祓う事に専念しているのだ。
その堅物振りから部下達からは鬼教官と恐れられたり、中には付いて行けなくなり転属願いを出したりする者も稀に居たりする。
「………えっと、これどうするの?」
「…………あ、そう言えば依姫が余り馴染まないなら歓迎会の時にこれを見なさいって『
ブライトは永琳らから渡されたメモ書きを見て如何するのかと知恵を借り始める。
するとブライトは一瞬驚くが、直後に何故か暖かい笑みを浮かべて依姫を見始める。
「何なの?」
「いや〜、そうですか。
まだヴァンガードした事は無いと。
なら仕方ないですね、僕が特別にデッキを組んであげますよ」
ブライトは依姫にデッキを組むと言い、カードバインダーから50枚のカードを出してデッキを作る。
そのデッキが気になったのかネプテューヌと射命丸、豊姫が覗き込むと一瞬で何か企んでいそうな笑みを浮かべて依姫の近くに立つ。
「な、何なの?
お姉様に貴女達、何か企んでいるの?」
「いやいや企むなんてとんでもない。
ね〜とよちゃん♪」
「ええ、何も企んでなんかいないわよ。
ね〜あやや♪」
「全くもってその通りですよ。
ね〜ネプ子さん♪」
しかも明らかに悪巧みをしているやり取りをして依姫の逃げ場を無くす様に立ち、ブライトからデッキが贈られるのを待っている。
そしてブライトは依姫にデッキを渡し始める。
「はい、これが依姫さんに贈るデッキですよ」
「………一応内容を確認するわ………って⁉︎
な、な、な、な………⁉︎」
するとデッキを渡された依姫は何故か赤面しワナワナと震え始めていた。
それを何事かと思いそのデッキを霊夢達は覗き込む。
すると霊夢達も何故か暖かい笑みを浮かべて依姫を囲い始める。
「な、な、な……………何で、私が〈バミューダ
そう、ブライトの見たメモに書かれていたのは『依姫にバミューダのデッキを使わせて、あの子の堅物思考をブレイクなさい♪byえーりん&ゆっかりーん』である。
そして、冒頭へと至るのだ。
「ほらほら、メモ書きに八意様の名があるでしょう?
ならば従わないと!(キリッ)」
「その後にあのスキマの名があるでしょう⁉︎
と言うか、わた、私が………こんな、フリフリした服の娘に
これならまだ〈スパイクブラザーズ〉みたいなムキムキスポーツマンや〈かげろう〉の火竜に
今直ぐに「此処に小さく『交換不可よ、少しは砕けてみなさい』と」………八意様、何故ですか……⁉︎」
ガクッと項垂れ、かつてはその思想を理解し尊敬していた恩師である永琳の考えを此処に来て理解出来なくなる依姫。
それを見ていたブライトは何だか悪い事をしている様に思えてしまい、デッキの取り替えも考え始めていた。
「………い、良いでしょう………八意様の命と言う事は何か考えがあっての事!
ならば、それをファイトで見極めてみせましょう‼︎
さあブライト、今直ぐ私とファイトなさい‼︎」
「h、hai‼︎
スタンドアップ・ヴァンガード‼︎」
しかし、ヤケクソになった依姫の気に当てられブライトはそのままファイトを開始。
悪い事をしたなと思いつつも、一度始まったヴァンガード流歓迎会を止める訳には行かず、またクレイとのシンクロが控えるファイトなので一度で済ませようと気を取り直してファイトに臨む。
「『ばーくがる』‼︎」
「『バミューダ
「〈バミューダ
確かに見た目はネタの様な感じがするが、回れば恐ろしくアド差を開いて来る。
ふむ……綿月妹はファイト自体は初めて、ブライトはバミューダとのファイト開始が少ない、面白い勝負になりそうだ」
オリオンが軽く解説し、バミューダを余り知らないフランや咲夜にもどんな動きをするかイメージが組み立てられ始める。
そして依姫は赤面しつつも投げ出したいと言う思いを抑え、ブライトを倒す事に集中しようとする。
「堪えなさい依姫………そうよ、これはゲーム。
そして八意様の命、何を恥ずかしがると言うの!
ただ勝てば良い、それだけの話よ!
ドロー‼︎」
因みに今現在依姫の手札にはグレード1はドロー分を合わせて二枚。
片方は完全ガードの『マーメイドアイドル エリー』、ドローで得たのはバニラユニットの『マーメイドアイドル セドナ』。
何方も依姫の視点からすればライドしたら恥ずかし過ぎて黒歴史入り待った無しのフリフリ衣装の可愛らしい女の子のユニットである。
「〜〜〜〜〜〜っ!!!!!!
返しのターンを考えるならこっちよ‼︎
ライド、『マーメイドアイドル セドナ』‼︎
シズクのスキル、他の同じクランのユニットがライドしたらソウルからスペリオルコール‼︎
ターン終了!!!」
「わ、わーお……余りの恥ずかしさでクレイの大地がくっきりとイメージ出来ちゃってます………これも貴女方の狙いの一つですか?
っと、ドロー。
『小さな賢者 マロン』にライド!
ばーくがるを左後列にコールしてスキル、レストしてデッキから『ふろうがる』をコール!
ふろうがるのブースト、マロンでアタック!『ブラスター・ブレード』
うわっ、二枚だけのブラスター・ブレードの片割れが………ま、まあこれ以上デッキから発掘される事は無いね!
ターンエンド!」
何と依姫は恥ずかしさの余りどの様な場所に居るか、自身がユニットにライドしたイメージを常に浮かばせてしまっており、ブライトも驚く程のイメージ力を発揮していた。
対するブライトはばーくがるコンボの完成を目指しながら攻撃するも、ブラスター・ブレードの片割れが手札に来ると言う事態に陥る。
しかし、もうブラスター・ブレードはデッキに一枚しか無いので流石にデッキ内から出る事は無いだろうと判断して気にせずファイトする。
しかし人はそれをフラグと呼び、明らかにデッキ外に出て来る空気を醸し出しているが、霊夢、ネプテューヌ、オリオンは敢えて何も言わずにジッとその瞬間を待っている。
「うう………これ以上私にダメージを与えるユニットにライドしません様に………ドロー‼︎
…………『トップアイドル アクア』にライドォ‼︎」←ヤケクソ
依姫は更にライドを重ねるが、〈バミューダ
彼女の言う通り、〈スパイクブラザーズ〉か〈かげろう〉とかならばこんなにも羞恥心を駆り立てられる事は無かったであろう。
因みにこれを見ている姉の豊姫はと言うと。
「あらあら、また可愛らしいユニットにライドしたわね〜。
うんうん、似合ってるわよ依姫〜♪」
妹が可愛らしいユニットにライドしたイメージを膨らませて満足気になっている。
しかし、豊姫も依姫には柔軟な思考や適度な休憩を求めており、彼女が今よりも余裕を持てる日を待ち望んでいたりする。
「もう………此処まで来たら恥ずかしがっていられない‼︎(諦め)
『パールシスターズ ペルラ』と『パールシスターズ ペルル』をコール‼︎
ペルルのスキル、このユニットをコールした時、〈バミューダ
ペルルのブースト、ペルラでアタック!「ダメージチェック『白竜の騎士 ペンドラゴン』
ヒット、先ずはペルラのスキル!
更にペルルの付与スキルもあるので
更にアクアでアタック‼︎
チェック‼︎『クッキング・カスピ』『引』」
メインフェイズでの下準備後、アタックフェイズでアドを稼ぎ、更にドロートリガーにより手札がターン開始時よりも多くなり選択肢が増える依姫。
「わお、ダメージトリガーのドロートリガーと合わせてもう手札差が3以上?
やっぱり回ると手痛いな……ダメージチェッ…………ク⁉︎『ブラスター・ブレード』
あ、ヤバッ」
「ばーくがるコンボしめやかに爆発四散、サヨナラ!」←霊夢
「m9(^Д^)プギャー」←ネプテューヌ
「フラグ乙」←オリオン
「ド、ドンマイ!
次は成功するよ!」←フラン
依姫のデッキが上手い具合に回っているのに関心しながらダメージチェックをしたブライトに、何と二枚目のブラスター・ブレード、つまりはデッキの中に入ってなければならない最後の一枚までがデッキの外に出て、しかもダメージに落ちると言う最悪のフラグ回収が遂に来る。
そしてそれを待ちながら観戦していた霊夢達についげきの3コンボを喰らい、依姫の件もありハートにダメージが蓄積し足がグラつくが、フランの励ましがヒールトリガーとなり立った姿勢を保つ。
「……えっ?
コンボ?」
「?
そうか、綿月妹はルールやクランを知っていてもユニットスキルは知らんか。
簡単に言えば、こいつの場にグレード1のロイパラヴァンガードにばーくがる、ふろうがる、『未来の騎士 リュー』が揃えばデッキからブラスター・ブレードにライド出来るんだが、今みたいに全部デッキ外に出たのでそのコンボが成立しなくなったんだよ」
「うう、せめて手札差をスペリオルライドである程度誤魔化したかったんだけどなぁ〜………まあ、いっか。
立ち上がれ、僕の分身‼︎
ライド、『ブラスター・ブレード』‼︎
スキル、
本当はクランの性質上ペルルを退却したかったけど、出来ないならアタッカーを削るだけ!
更にコール、『決意の騎士 ラモラック』、『天空のイーグルナイト』!
さあ、此処からが僕のターンだ!」
ブライトは悔しさを感じながらも気分を変えて手札差をユニットの数で押し切る作戦に移る。
そして依姫は、羞恥心を振り切りこの反撃を掻い潜った後に勝機を掴めるのであろうか?
今回の話のコンセプトは、『真面目な人物程弄りたくなる』です。
そして『あの人』の名前をこんな感じで暴露しましたが、フルネームが出てないのでまだまだ『あの人』扱いです。
因みブライトが暖かい目になったのは「ああ、そうなのか……ドンマイ」と依姫に同情した為です。
後はお願いとして何気にばーくがるFV復活ですが、瞑って下さい。
感想、指摘をお待ちしてます。