新人です。エースパイロットやってます。   作:今井亜美(ハーメルンのすがた)

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ガールズラブタグ「そろそろ狩るか…♤」

 新人パイロットはロボと百合、両方の性質を併せ持つ……♡



二十一話 新人は天然さん

 

 バナンの反乱が鎮圧された次の日の事。

 戦艦内の自室で、いつもの様に惰眠を貪っていたナナシの寝顔をジッと見つめる、一人の少女がいた。

 

 肩程までのサラリと流れる淡いラベンダーカラーの髪。スッと通る鼻立ちに薄い桃色の唇。父譲りの深い藍色の瞳は、幼いながら叡智に富み、悧発な雰囲気を醸し出している。

 

 少女の名は、ルエリ・エル・イルーワ。

 イルーワ帝国の姫君である。

 

 何故そんなやんごとなき身分の方が、ナナシの様な一兵士の部屋で、何の歓迎もされずに、戦艦併設の粗末な椅子に座って寝顔を眺めているのかと言うと……勿論、それが彼女の希望によるものだからである。

 

 

 

☆☆☆ ☆☆☆

 

 

 

 時は昨日、ナナシ達が無事人質を救出し、戦場を離脱した所まで遡る。

 

 戦場を離脱したナナシはアイリスに指示を出し、リサが待機している筈のコンビニへ向かった。

 

 コンビニの駐車場に堂々とアークを留めて、ルエリと共に入店する。

 

 ピロリピロリ♪

 

「い、いらっしゃいま……せ?」

 

 店員(29♀)のひきつった笑顔が途中で固まる。

 それはあまりに衝撃的な光景だった、と後に彼女は語った。

 

 まるでアークで直接乗り付けた様なとんでもない爆音を響かせて、一体どんなヤンキーが出てくるのかと思えば入って来たのは可愛らしい二人の女の子。

 

 それだけでもまあちょっと意味不明。しかし一番問題だったのは、その二人のポージング。

 

 片方の銀髪の女の子が、もう片方の薄紫髪の女の子のお腹をむんずと掴み、そのまま頭上に高々と抱え上げている。薄紫髪の子は、まるで子供がするカボチャマンごっこの様に……空中でうつ伏せに固定されていた。

 

(なんだこれ……なんだこれ?)

 

 あまりに衝撃的すぎて、店員は一瞬どうツッコんでいいのか分からなくなった。

 

 何かのごっこ遊びか?

 しかし、銀髪。意外にも無表情!

 

(何の感情なのその顔は……!?)

 

 無。

 店員には、銀髪少女の感情が無にしか見えない。

 

 一方、持ち上げられている薄紫髪の子は恥ずかしいのか、耳たぶまで真っ赤な顔を、小さな両手で必死に隠そうとしている。

 

「見ないで……見ないで下さい〜……」

 

(かわいい)

 

 あまりの可愛さと衝撃に心臓へ大ダメージを負った店員は胸を抑えて急ぎバックヤードに逃げた。

 

 逃げてから深呼吸を二、三度すると、ようやく冷静さが戻ってくる。

 

(……つーか今の子、どっかで見たことあんだけど)

 

 あれ……もしかしてルエリ様じゃね? 

 え、嘘。本物? 

 

 ルエリ様あんなやんちゃな友達いんの? 

 皇族にあんな事するのちょっとやんちゃすぎない?

 

 ヤンキーってレベルじゃねーぞ。侮辱罪で処されるのでは? い、いや流石に見間違いだろ……だよね?

 

「ナナシちゃん! 良かった無事で……ってルエリ様がァ!?」 

(やっぱりルエリ様じゃねーか!!!???)

 

「ナナナナ、ナナシちゃん、そんな運び方しちゃダメ!! 降ろしてっすぐに降ろしてっ!」

 

 訳が分からなすぎて店員の脳味噌がバーストする中、ナナシはリサと無事合流。ナナシには何でリサが慌てているのかよく分からなかったが、とりあえず言われるがまま地面にポイッと捨てる。

 

「きゃん!?」

「ギャーーー!? 申し訳ありませんルエリ様っ! どうか! どうかご容赦下さい〜! ナナシちゃんはちょっと変わってるけど基本は良い子なんですぅぅぅ!!」

 

 リサは即座に土下座。

 頭を地面に擦り付けてルエリに謝り倒し、何故か「お詫びします!」と服まで脱ぎだそうとする始末。

 その余りの勢いにルエリの方が慌てて止めなくてはならなかった。同時に内心、ちょっと安心した。

 

 ナナシがナナシだったので、これから合流する相手も同じ様な輩だったらどうしよう……っと思っていたからである。

 

 リサの謝罪を受け取りつつ、「まあ普通は皇族に対してこうもなりますよね」と改めてナナシのヤバさを再認識した。

 

 肝心のナナシはというと、周囲の喧騒など目もくれず、地べたに座り込み店内にあるポテチを勝手に開けて食っている。

 

(財布と合流したしポテチ食い放題だな! コンビニサイコー!)

 

 仕事の疲れを癒すかのようにウッキウキでポテチをパリパリ食うその様は、ルエリにはとても新鮮に映った。

 

 彼女にとって、こんなに浅ましい生き物を見るのは生まれて初めてだったからである。

 

(食べカスがポロポロと地面にこぼれて……何てはしたない食べ方!)

 

 宮廷でマナーを学んだ彼女にとって、ナナシの食事はとても直視に堪えるものではなかった。

 しかし、なのに、目が離せない。

 

 先程まで無表情だった彼女が、あんなに目をキラキラさせて夢中になって……。

 

 不思議と、ルエリにはどこか眩しく、得難いものの様に感じられた。

 

「あのぅルエリ様?」

 

 リサに呼ばれ、ハッと我に返る。

 

「どうしましたか?」

「あの、艦長に今回の件を報告したのですが、とりあえず艦に来ないかという事で」

 

「艦? 貴方達は駐留部隊ではないのですか?」

「いえ、私達は普段戦艦ドルフィンで任務に当たっています。ここに来たのも要員補充の為ですし」

 

「ドルフィン……確か新型艦でしたね。艦長の名前は?」

「エレノア・グレイス中佐です!」

 

「ああ……エレノアの艦でしたか。分かりました。では、よしなに」

「はい! じゃあ迎えを頼みますね! すぐに来ると思います!」

 

 

 

☆☆☆ ☆☆☆

 

 

 

 リサの宣言通りドルフィンからの迎えはすぐに来た。

 

 ピロリピロリ♪

 

 コンビニに入店した艦長エレノアは慣れた様子で、薄く笑みを浮かべながら優雅にルエリへお辞儀した。

 

「お久しゅうございます、ルエリ様。息災なようで何よりです」

「ええ、久しいですねエレノア。こうして直接顔を合わせるのはいつ以来かしら」

 

「四年振りです。エヴァンス家が主催した、舞踏会の折でしたかと」

「ああ、そうでしたね。あの時は驚きました。貴方が突然、軍に入ると言い出しましたから」

 

「ふふふ、その節はご迷惑をお掛けしました。陛下の方からも色々と便宜を図って頂いた様で、大変助かりましたわ」

 

「グレイス家の当主を無碍には出来ませんよ」

「私には勿体ない御言葉です……さて、他にも積もる話はありますが、まずは移動しましょう。ドルフィンは見た目こそ大きいですが、所詮戦艦。殿下には不似合いな場所ですが」

 

「問題ありません。参りましょう」

「ではルエリ様は私と共に。リサとモブ曹長はバーニス大尉が迎えに来ていますから、そちらの車へ」

「あ、はい! 分かりま────」

 

「────待って下さい」

 

 リサが返事を返そうとした瞬間、ルエリがそれを制止する。どうされましたか? というエレノアの短い問いに対し、躊躇いがちにこう言った。

 

「あの蒼い目の兵士様も、共に」

「ナナシ・モブ曹長をですか?」

 

「そう……ナナシ様と、言うのですね」

 

 瞬間、エレノアは少なくない衝撃を受けた。

 静かに名を言い、ほんのりと頬を染めるその様は、まるで……まるで、恋する乙女そのものではないか!

 

(い、一体救出時に何があったの……!?)

 

 まさかこのお嬢様がナナシ・モブに興味を示すとは、予想外にも程がある。

 

 エレノアの知るルエリは、もっと相手に礼節を重んじるタイプだった。ナナシの様な礼儀の欠片もない相手は、対面してすぐに嫌われるだろうに。

 

「モ、モブ曹長……ご指名です。我々と共に来なさい」

「ん? んー……りょーかい」

 

 呼ばれたナナシはポテチ片手にのそのそと起き上がる。立ち上がったナナシに、ルエリは柔らかく微笑む。

 

 一方のナナシは何を考えているのか……いつも通りの無表情で、ポテチを一枚、パリっと噛んだ。

 

 

 

 車中にパリパリと、ポテチを食べる音が響いている。ルエリと二人、仲良く後部座席に座ったナナシは先程いたコンビニ同様、平然とポテチを食い続けた。

 

 車中ではエレノアが今後の説明をルエリにしているが、ナナシの耳には一ミリも入っていない。

 

(うま〜! すっぱチップス……久しぶりに食ったけど旨いわ! 酸っぱくて旨い! スパうま〜!)

 

 彼女の心はリサに買わせた酸っぱめのポテチ……すっぱチップスで一杯だった。

 そんなナナシの心中など捨て置き、エレノアは話を続ける。

 

「……本国からの迎えが来るまで暫くかかります。その上、本艦は現在特務を受領している……」

 

 そこで、とエレノアは言う。

 

「殿下には暫く艦に滞在して貰います。予定している艦の経路がこちらです。三日後に合流ポイントへ到達後、本国の艦に移っていただく」

 

 構いません、とルエリは頷いた。

 

「三日間の、殿下の宿泊先ですが。護衛の面も兼ねて相部屋がよろしいかと。つきましては、私と同室で如何でしょうか?」

「エレノアとですか……ふむ」

 

 ここでルエリは即答せず、少し考え込む素振りを見せる。

 

 今、自分が知るべき事は。

 今後打つべき手は。

 

 何気ない一言でさえ、そういった、未来の自分に直結する。

 故に考えねばならない。今渡された選択肢で、取れる最善の手は何かを常に。

 

 政治とは、考え続ける事。

 次の手を考えられなくなった者から死んでいく。

 ルエリは齢十二にして、既に政争の極意を学びつつあった。

 

 そんな彼女が暫し目を閉じ、出した結論。

 その一手に、エレノアは目を丸くして驚く事になる。

 

 

 

「私の部屋は、ナナシ様と同室にして下さい」

 

 

 

 そうして夜が過ぎ、時間は冒頭へと戻る……。

 

 

 

☆☆☆ ☆☆☆

 

 

 

 おはようございます。新人です。

 寝てたら妙に視線を感じるので、何かと思って起きたら、ルエルエ様が私の顔を覗き込んでました。朝早いっすね。

 

「おはようございます、ナナシ様。随分お眠りになるのですね……もう10時になりますよ?」 

「まだ10時の間違いでしょ……」

 

 腕を大きく上に上げて伸びをすると、ふわぁあと大きな欠伸が口から漏れる。誰かさんのせいで随分早起きしてしまったな。

 

「……ん?」

 

 スンスン……なんだろ?

 なんか、ベッドからいい匂いがする。

 

 スンスンスン……ふむ、この残り香は昨日ルエルエ様が寝ていた場所からだな。という事は、大元は……。

 

「……?」

 

 顔を上げると不思議そうに首を傾けるルエルエ様と目が合った。

 

 ん〜……コイツ、昨日から思ってたけどやっぱり……?

 

「どうかされましたか────っ!?」

 

 立ち上がって抱き締め、うなじの辺りに鼻を押し付けて肺いっぱいに吸い込む。

 

「!?!?!?」

 

 スゥゥゥ────あ〜……やっぱり……めっちゃいい匂いがするっ!! 

 

 甘い匂いなのはデカパイと一緒だけど、細かい部分が全然違う。デカパイのはもっと甘い匂いが強くて脳の奥までグサッと突き刺さってくる感じだけど、コイツのは柔らかく香る感じ。上品な花の匂いだ。吸ってると、じんわりと身体の深い部分にまで浸透していく気がする。

 

 良き……。

 

「ナ、ナナシ様。流石に、恥ずかしいです……! 二人きりとはいえ、日の高い時からこの様な真似は……!」

 

 おいおい、自分には嘘つくなって言っただろー?

 私が抱き着いて、お前の心は喜んでる気がするけどな。

 

「なっ!? その様な事はっ!! 決してっ……いえ、貴方が嫌という訳では、無いのですが……」

 

 まあやめろって言うならやめるけどさ。

 スッとルエルエ様から離れると、真っ赤な顔で、何だか複雑そうにこちらを見ていた。

 

「……ナナシ様は、私の身体が欲しいのですか?」

 

 え? 身体? そんなの別にどうでもいいけど。

 ただ匂いが非常に良きってだけだ。ずっと嗅いでたくなる。うなじだけ切り取ってマスクにしたい。

 

 ………………いや、ホントにはやらないよ? 

 私にグロ趣味は無いんだ。

 

 あー……でも抱き締めると柔らかくてあったかくて良いんだよな〜。昨日も抱いて寝たけど気持ちよかったし。そういう意味では身体も必要だよなー。

 

「抱いて寝ると気持ちいいから欲しい」

「っ!!!」

 

 素直に伝えるとピシリ、とルエルエ様の表情が固まった。どうしたんだろ?

 

 目を瞑って、深く何かを考え込んだ後……どこか、覚悟を決めた様に目を開いた。

 

「…………分かりました」

「ん?」

 

「それほど私の身体が欲しいのなら……差し上げましょう」

 

 え、ほんとにくれんの? 嘘は言ってないな。マジかー。そんなに欲しかった訳じゃないけど……まあくれるなら貰っておくか。お昼寝の時に使おっと。

 

「但し、条件があります」

「条件?」

 

「昨日、貴方が私を守りに来た事について、知る限り全てを話して頂きます。貴方一人の考えとは思えない……命令を出した者がいるはず。その者の名前、私を守った理由や目的についても、全て教えて下さい」

 

 ふーん……なるほどそういう事か。

 コイツ、頭良いな。今の自分の状況をよく理解してる。

 

 昨日のクラゲ野郎のテロが反対勢力に仕組まれたものだって気付いてんだ。だからあのクラゲが死んでも、コイツの中ではまだテロが終わってない。むしろここからが本番。

 

 テロが仕組まれたものならば、当然救助に来るのも仕組んだ側が用意した奴ら。つまりルエルエ様にとって、今この戦艦は敵地に等しい。

 

 知人っぽかった年増艦長の誘いを断ったのもそれが理由だな。リスクと信用を天秤にかけて、リスクを取った。

 

 私の部屋を選んだのも同じく天秤の結果だ。

 信用出来ない奴らだらけの中で、唯一私の事は、ある一点において信用出来ると踏んだ。

 

 それは、【私は彼女を殺さない】って事だ。

 私がルエルエ様を殺したいなら、昨日殺れば済む話。それなのに私は殺すどころか寧ろ守り、生かした。

 

 向こうからしたら私の事は、【目的は不明だが守ってくれるし、最悪の場合でも命までは取られないのでは?】と推測出来るだろう。

 

 勿論、だから絶対に安全です! 完全に信用します! って訳にはいかない。一定の警戒心みたいなのをまだ感じるし。

 

 私に殺されるリスクと、他の人間が裏切るリスク……そういったリスクを信用と一緒に天秤に乗せた結果、私を側に置く事で敵地の中に、か細いながらも安全地帯を作り出した。

 

 そして今。

 自分が私に差し出せる最大の取引材料……自分自身を対価に、黒幕に繋がる情報を見つけようと取引を仕掛けて来た、と────。

 

 ま、コイツが何をどう思おうと私の答えは決まってる。

 

「いいよー」

「え?」

 

 当然OKだ。

 私にテロ鎮圧の依頼をした奴────推定人物Xを庇う義理はない。取引なんて無くても、情報くらいくれてやる。都合の良い事に今はポンコツもいないしね。

 

 ポンコツはデカパイの所にいるんだ。

 処理速度のアップグレードを頼みたいだとか言い出して、本人希望により昨日から端末ごとデカパイに引き渡してる。

 

 ぶっちゃけそれはどうでもいい。

 ここで大事なのはポンコツがいないって事だ。

 

 つまり今なら何を話してもXに聞かれる心配が無い。今なら悪口言いたい放題だ。やーいやーい、バカアホドージ、お前の母ちゃんクソビッチー。

 

「ま、待って下さい! 聞いておいてなんですが、良いのですか? 依頼者はナナシ様の味方なのでは?」

 

「味方ぁ? んな訳ないじゃん。どっちかと言えば敵でしょ。私を殺そうとしてきたんだし」

「ナナシ様を殺そうと……? 詳しく聞かせて貰えますか」

 

 いいだろう、耳の穴かっぽじってよく聞け。

 いいか?

 

 かくかくしかじかあーだこーだ!

 

 ……この魔法の呪文を唱える事で、全ての情報共有は終了となるっ! ふ、勝ったな……。

 

 

 

「………………すみません、全く分からなかったので、次はふざけず真剣にお願いします」

「え」

 

 なん……だと……!?

 まさか、魔法の呪文が……使えないって言うのかッ……!?

 

「そんな都合の良い物、この世界に存在しませんよ」

 

 バカな!?

 

 【シルバー・バンテージ2】なんて主人公の拳法家のジジイ、会話全部コレで済ませてたんだぞ!? 魔法の呪文が無いだって!?

 

 ならあの会話シーンは一体何だったんだよっ! ただの痴呆症のボケ老人じゃねえかっ!!

 

 何なら敵のババアと対決した時は向こうもずっとコレだったんだぞ!? ボケ老人VSボケ老人だったとでも言うのか!? 無駄にシリアスだったストーリーが一瞬で老人ホームの日常に変わっちまったじゃねーか!!

 

「アットホームで良かったですね」

 

 良くねーよ!

 あのクソ映画二度と見ねえ!!

 

 

 

☆☆☆ ☆☆☆

 

 

 

「────なるほど。つまりナナシ様は端末内のAIを通して、その【X】に命を狙われているのですね?」

「あ〜……そーだよ」

 

 はーめんどくさかった……説明ダルすぎー。

 こういう時ポンコツがいれば全部やらせるのにさぁ……まあいたらこんな話出来ないんだが。ほんと肝心な時に使えんな、あのポンコツ。

 

「ですが解せません。何故ナナシ様はXに命を狙われているのですか? 確かに生身でバナンに勝利するナナシ様が驚異的な力の持ち主である事は分かりますが……私ならばまず暗殺するのではなく懐柔する方法を探ります」

 

「さあね、バカなんじゃない?」

「足のつかない暗殺の手口や、バナンを策に嵌めた手腕等を鑑みれば、一概に愚者の犯行であるとも言えないでしょう」

 

「ま、一応私の直感だと私が新人だから、らしいけどね」

「……直感? そういえば昨日もそんな事を言ってましたね。直感で私の感情が分かるとか」

 

「直感は絶対じゃないらしいけど、私の直感はよく当たるからなー」

「直感が当たる……新人……まさか。いや、でも」

 

 ────ん? 誰か来るな。

 

「え?」

 

 ……デカパイじゃないな。あんまり知らない奴だ。

 でも前に一回感じた事あるっぽい? 誰だ?

 

 コンコン。

 

 短く二回扉がノックされ、

 

「……入るよ」

 

 女の声と共に部屋の扉が開く。

 入ってきたのは金髪ロングの女だ。人形みたいに整った不気味な顔に、真っ赤な目。贅肉でぷにぷにしてるデカパイと違って無駄な脂肪がなく、出るところの出たスタイルの良さ。

 

 ……ごめん、マジで誰?

 

 入って来た奴はルエルエ様に軽く一礼した後、私に向き直って話し始めた。

 

「昨日付けでドルフィンの乗員になったパイロットのライア・ソシエ少尉です。よろしく……天然さん」   

 

 昨日来た? って事は話に聞いてた補充要員か。

 後から乗ってきたなら私の後輩だな! いいのかな〜、私もまだ新人なのに後輩が出来ちゃって。

 

「んで後輩はなにしに来たん?」

「天然さんの強さを知りたくて。シミュレータートップスコアなんでしょ?」

 

「そーだけど」

「私と模擬戦をして欲しい……だめ?」

 

「めんどいからやだ。かえれ」

「そう……もし付き合ってくれたら、このポテチを「何戦やる? 一戦付き合えばいい?」あげても…………とりあえず、五戦」

 

 五戦か〜めんどくせーなー。

 まあしょーがねーから後輩に付き合ってやるか〜。

 

 じゃあルエルエ様。私行ってくるから、話はここまでね。

 

「待って下さい。その模擬戦、私も見学させて頂きます(直感……新人……天然。ナナシ様が、もし私の思う方なら……!)」

 

 見学はいいけど妙に乗り気だなコイツ。

 アークが好きなのかな……。

 





 ルエリ様は、ほんのりラベンダーの香り。

唐突に始まる第一回キャラクター人気投票(第二回は未定)

  • ナナシ(新人)
  • リサ(デカパイ)
  • トミー(オッサン)
  • ボブ(ボブニキ)
  • ガゼル(✝青い稲妻✝)
  • エレノア(年増艦長)
  • リカルド(優男)
  • アイリス(ポンコツ)
  • ベル(異常カボチャマン愛者)
  • ティアナ(サラダ嫌い)
  • メリッサ(泣いちゃった!!!)
  • リオ(男の娘)
  • ライア(強化人間)
  • バナン(怪人クラゲマン)
  • ルエリ(ルエルエ様)
  • その他(もう感想に自由に書け)
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