「お船を作ってほしいモフ?それは良いけど、なんでまた?」
はーちゃんたちからボトルシップの注文が入るなんて初めてモフ。
「みらいとリコに母の日のプレゼントをしたいの」
「モフルンはお船をよく作ってるじゃない」
「ああ、なるほどモフ」
そういえば母の日も近いモフ。プレゼントを用意するには、ちょっと遅いくらいだけどまだまだ間に合うモフ。
「なら少し待っていてほしいモフ。手頃な瓶が2つあるからすぐ作るモフ」
「いや、違うの」
早速作業に取り掛かろうとすると、はーちゃんに止められたモフ。違うって何がモフ?
「モフルンには、花の海に浮かぶお船を造って欲しいの!それもみんなで乗れるお船だよ!」
物凄い難題がひーちゃんから投げかけられたモフ。
普通の海に浮かぶ船も造れないのに、花の海にだなんて……。
試験勉強をしていた時のみらいみたいに、頭から湯気を出して考えないと妙案も思いつかないモフ。
「モフルン」
頭を沸騰させて考え込んでいると、はーちゃんに肩を叩かれたモフ。
「大丈夫モフ。このくらい頑張って知恵を絞るモフ」
「ごめん。さっきはひーちゃんの言い方が良くなかった」
「モフ?」
「モフルンに本物のお船を作ってもらうわけじゃないよ。模型を作ってもらって、それを大きくするの」
「ああ、なるほど。その手があったモフ。でもそれだと、ちゃんと乗れる船にならないと思うモフ」
元が模型だから人が乗る事なんか考えてるはずないモフ。あちこち補強しなきゃダメモフ。
「そこはひーちゃん達もできるだけの事はするよ」
「なら良かったモフ。それで花の海って言ってたけど、そんなところあるモフ?」
大昔になくなったんじゃなかったモフ?
「妖精の里に似たようなところがあるの。ピーちゃんが見つけてきてくれたんだ」
「そんな大切なところにお船を浮かべて、お花は潰れないモフ?」
「大丈夫みたいだよ。そこに咲いているお花、なんでも水みたく物を浮かべちゃうんだって」
それなら心配なさそうモフ。じゃあ早くぴったりな船を選ぶモフ。
「ねむい……」
「危ないモフ!」
居眠りしたひーちゃんに代わって、慌てて補強材を支える。昼夜兼行の突貫工事で造っているものだから、あちこちでこんな事が起きてるモフ。
「アタシが代わるから寝かせてきなさい」
「ごめんモフ」
ピーちゃんに任せて休憩所にひーちゃんを担ぎ込み、代わりにはーちゃんを叩き起こして作業に戻るモフ。
今度はピーちゃんが寝ているなんて事もあるからモフ。
そして案の定そうなっていたモフ。
「うわっとっと!危ない!」
はーちゃん共々駆け出して、ピーちゃんを助けようとした時モフ。
「キュアップ・ラパパ!」
「柱よ、天井を支えなさい!」
タラップが繋がった入り口から2本の魔法の杖が姿を覗かせていたモフ。
「みらい、リコ」
嬉しいけど、プレゼントを準備するところを見つかっちゃったから複雑な気分モフ。
「お疲れ様」
「2人とも酷い隈じゃない」
「見ないでほしいモフ」
こんな顔見せたら心配させちゃうから、2人の前では工夫して隠してたのに。
「ねぇ、私たちにも手伝わせてくれないかしら?」
「いえ、そういう訳には」
「母の日のプレゼントだから?」
「分かってたモフ?」
「もちろん」
「2人には敵いませんね」
「ホントモフ」
モフルン達の事は、なんでもお見通しなのかもしれないモフ。
「ねぇ、ワクワクもんのプレゼントをもう一つお願いしていい?」
「何モフ?」
皆んなでお船を完成させて、皆んなで走らせる。それがみらいとリコからのリクエストだったモフ。
心地良い風に押されながら、花の海をモフルン達のお船が前に進んでいく。工程が最初考えていたものとは違ってしまったけど、みらいとリコが望むものを組み込めたから言う事ないモフ。
「皆んなありがとう。最高のプレゼントだよ」
「どういたしましてモフ」
「ねぇ、この船は来年の母の日も使うのかしら?」
「特に考えてなかったけど、それが良いモフ?」
「今度は皆んなで遠くに旅行に行きたいのよ。この船で行ける限り遠くにね」
なるほど。ならそれまでにどこにでも行けるようにしなきゃモフ。
「はーちゃん、明日から忙しくなるモフ」
「はー!来年の予定を立てなきゃね!」
「まったく……、気が早いんだから」