悠真Side
ある日の昼休みの事、いつものベンチでお昼ご飯を食べていると
「実は皆さんにお見せしたいものがあるんです!」
「え? なになに?」
「なんと! アイドルプリキュアのマスコットが揃いました!」
『おおー!』
こころが見せてきたマスコット。そういえばまだ全員揃ってなかったな
「キュアズキューンとキュアキッスがいる!」
「お姉様…マスコットでも素敵…」
「こころちゃん、本当に上手だね!」
「はい! 我ながら完成度高くて、心キュンキュンしてます!」
「キラッキランラン~♪」
「アイドルプリキュアは、ずっと憧れで、キラキラな気持ちをくれる、私にとって最高のアイドルです!」
こころらしい答えだな…
「ななは、どうなの?」
「え?」
「ななにとってのアイドル。憧れで、キラキラな気持ちをくれる人」
「私にとっての、アイドル…」
自分にとってのアイドルか…俺からしてみれば、自然とウインクがそうなっている。まぁなし崩し的にだけど…だけど…何でだろうな……
俺は考え込んでいるななを見つめていた。最近のこの気持ちは…ななをアイドルとして見ているのか?それとも……
ななSide
学校が終わり、家に帰るとパパが出迎えてくれた
「ママから、いいものが届いてるよ」
「えっ?何?」
「フランス行きの航空券とママのコンサートのチケット、もちろん2人分!」
「ママに会えるの?うれしい!」
次の休日に私とパパはフランスに来ていたけど…
「まいったな。こんなに飛行機が遅れるなんて」
「ママのコンサートに遅れちゃう」
ママがチケットを送ってくれた理由は今日、ママのコンサートを見に来て欲しいというものだった。でもまさか飛行機が遅れるなんて……
何とか間に合い、私とパパは席に座る
ママのピアノ…いつ聞いても本当に綺麗で…大好きだ…やっぱりママ、かっこいい!
演奏が終わったあと、私は自然とお客さん達の顔を見ていた。みんなキラキラしてる。ママがみんなを笑顔にしたんだ
悠真Side
うたの家に集まり、お菓子を食べている俺達。
「今頃、なな先輩はフランスですねぇ」
「ななちゃんが『お土産、期待してて』だって!楽しみ~」
「フランスのお土産って何でしょう」
「観光地で有名なのはエッフェル塔メロ」
「じゃあ、エッフェル塔まんじゅうとか?」
「そんなのあります?」
「エッフェル塔タコさんウインナーがいいプリ!」
「何でもエッフェル塔つければ、いいわけじゃありませんよ!」
こころ、ツッコミ大変そうだな
「それにしてもフランスか…」
「どうした?結徒。何か思い入れでもあるのか?」
「そう言うわけじゃなく、そういえばって話だよ」
「ふーん」
ななSide
夕食はママの家で食べることに
「わぁ…すごいごちそう!」
「ななと一緒に作ったんだ」
「なな、最近、どんどん料理が上手になっているんだよ」
「すごいわね。こうして家族揃って食卓を囲むの、久しぶり…なな、本当に会いたかった…」
「私も!」
「あ、もちろんパパにもね!」
「なんだか、ついでみたいだな…」
それから夕食を食べ終え、少しお茶を飲みながらのんびりしていた
「なあ、ママ。明日は何か予定あるの?」
「ごめんね、明日も先生のレッスンがあるの…」
「え、なんだか不思議…ママは、あんなにピアノが上手でプロなのに、まだ先生から教わる事があるんだ…」
「プロだからこそ、今の自分に満足しちゃいけないの。お客さんに最高の演奏を届けたいから、毎日、自分の旋律を磨き続ける。それが私の仕事だって思ってる。もちろん、レッスンの後は、3人でゆっくりお出かけしましょうね」
「うん!あの、ママ! 久しぶりにピアノ聴いてくれる?クラスのみんなと合唱した時に弾いた曲なんだ」
私はピアノのを弾き始める。ママは私のピアノを聞いて、少し驚いた感じだった。
お風呂に入り終わった後、髪を梳かしていると…
「なな、ちょっといい?」
「うん」
「貸して。ななが小さい頃から、髪をとかすのはママの役目だったよね」
「うん。ママにやってもらうの嬉しかった」
「ママね、こっちに来たばかりの頃、寂しくて何度もなな達の元に帰ろうと思った…」
「え…」
「でも、フランスでの仕事を引き受けるかどうか話し合った時、ななは言ってくれたでしょ?『私、ママのピアノを聴くと、心が温かくなるの。ママがフランスに行って沢山の人が同じ気持ちになれるなら、応援する!』って」
「あの言葉がママを支えてくれたの…」
「私の気持ち、変わってないよ」
「ありがとう…それでね、一つ話があるの…」
「え?」
悠真Side
次の日、またうたの家に集まる俺達。のんびりしていると…
「あっ!ななちゃんだ」
うたのスマホにななから電話が掛かってきた
「ぼんじゅーる!」
「こんにちは!あっ、そっちはおはようですか?」
『うん』
「とれびあーん!」
「先輩…それ言いたいだけじゃないですか」
「あっ、ばれた?」
楽しそうに話すうた達だが、ななの顔は暗かった
『実は、みんなに伝えたい事があって…』
「何メロ?」
『ママに言われたの…私とパパも、このままフランスで一緒に暮らさないかって…』
『えぇー!?』
『こっちにはママの先生もいて、私がピアノを勉強する環境が整っているからって…ママは…ななのピアノの旋律を聴いているとね、ななにしか出せない色を感じるの…今海外で暮らす経験は、その色をもっと鮮やかなものにしてくれると思う…って…』
「でも、そしたら私達、ななちゃんに会えなくなっちゃうの?」
「寂しいプリ…」
「ななは、どうしたいのメロ?」
『私は、アイドルプリキュアの事もあるし、悩んじゃって…』
「どうするかは、ななの自由メロ…アイドルプリキュアの事は一旦忘れて、よく考えるメロ…」
『うん、そうだね…それと悠真君、いるよね?』
「…あぁ」
『こんな時に言うことじゃないって分かってる。だけどちゃんともう一回伝えておかないとダメだって分かったの……悠真君、私は悠真君の事が好きです…』
「………そうか」
俺はそう答えることしか出来なかった。
『ありがとう…また連絡するね…』
ななとの通話が切れ…
「ななちゃんが遠くに行っちゃうなんて…」
「メロロンは、ななと会えなくなってもいいプリ?」
「メロロンは…ななと会えなくなったって、寂しくない…別に寂しく、なんてない、メロ…」
『絶対ウソだよね!』
「……悠真は?」
「俺は……ななが決めたことに口を出す気はない。それだけだ」
俺はそれだけ言って、うたの家を出るのであった
「素直じゃないな…」
「結徒先輩は…なな先輩とお別れになるのは…」
「あー、何というか…ななの答え次第かな?」
『?』
結徒だけお別れに関してあまり関心がないのは…ある理由からです
感想待っています