『ルヴェラ自然保護区で指名手配中の凶悪犯によるものと思われる殺人・傷害事件が発生しました。犯人と交戦した武装隊の航空魔導師が2名、意識不明の重傷。犯人は複数名と見られており、現在も逃走しています。本事件は地元警邏隊のみではなく、本局次元航行部・脅威対策室が事件の調査を担当。特別編成の特務隊が操作と状況対応を行い、全力をもって事件の解決と犯人の確保を行うとのことです』
トーマSide
目を覚ますとそこには見知らぬ男が二人いた
「ああ、おはよう。トーマ君。良いタイミングで起きてくれましたね。酷い頭痛がするでしょう?気分は良くないと思いますが、もう少し我慢してください」
紳士的な男はそう言って薬を飲ませてきた
「まぁこれでも飲んでください。頭痛がいくらかスッキリすると思いますよ」
「ここどこだ?あんたらは…」
「ここは僕らの本拠地で、僕らは世間から凶悪犯罪集団なんて呼ばれてるファミリー『フッケバイン』のメンバーです。僕はフォルティス。彼はドゥビル。キミに分かりやすく言うならヴェイロンの仲間ですね」
紳士的な男、フォルティス、巨漢のドゥビル。ヴェイロンの仲間と聞いて、咄嗟に反応したが…
「あぁ、最初に言っておきますよ。トーマ君。現時点で僕は君達の敵でも仇でもありません。君は故郷を破壊した犯人を捜していて、僕らのマークが手掛かりだったとか。ですが残念ながらと言うべきか。その集落破壊は僕らの仕業ではありません。それに今は過去よりも現在の事を君に説明する必要もあります。良ければ少し話を聞いてくれませんか?」
今は話を聞くしかないのか……
俺は頷くとフォルティスが笑顔で返して、話をしだした。
「ヴェイロンに頼まれて調べたんですよ。君の故郷の事故現場に僕らは確かに立ち合っていました。でも君の故郷を壊したのも住人を殺したのも僕らではありません。少し調べて貰えれば分かりますよ。僕らがよくやる集落殲滅と君の故郷の壊滅とでは状況も結果もかなり違います。そして何より君が生き残ってるのが僕らの犯行ではない証拠です。僕らが行けば集落殲滅で理由なく生存者を残すようなミスはありませんから」
「…あんたら、やっぱり凶悪犯なんだな」
「だからそう自己紹介したじゃないですか。依頼や報酬がある時、武器を向けられた時、僕らの目的の障害となる時、感染者である僕らが生きるために必要となる時、そう言うときには遠慮無く殲滅させて貰ってます」
「生きるために…?」
「どういう事だよ。それ」
「あぁ、そうか。まだ知らないんですね。EC感染者は人を殺さずにはいられません。自分が死なずにマトモな精神と生命を維持するためには人を殺し続ける必要があるんです。君も感じたんじゃないんですか?ディバイダーを手にしている時の常軌を逸した殺意と憎しみ。それがエクリプスウィルスが呼び起こす強烈な破壊と殺戮の衝動です。感染が進めば通常の感染者なら発狂するレベルの肉体的苦痛も伴うようになります。何らかの方法で耐え続けたとしても、その先に待っているのはウィルスによる体組織の自己対滅のみ。あぁ自己対滅も分からないですね。こんな物体見たことありませんか?」
フォルティスがそう言ってモニターに映したもの…あの肉塊はあの研究施設で見た…
「自己再生能力が暴走して、単なる肉塊に変わる。それが自己対滅。この模様、見覚えあるかと思いますが…分かりますか?君はもう随分と感染が進んでいるんです」
鏡で見せられた自分の顔には模様が浮かんでいた。
「意識を失ってなお、リアクトが解けないのも感染が進んでいる証拠です」
「ましてお前はリアクトプラグ抜きでの非常に危うい変化だ。今この瞬間に対滅の兆候が起きてもおかしくない」
「さてここからが本番です。我々フッケバインの構成員は全員がエクリプスの感染者です。ですが僕らは正気を保ち、ウィルスに踊らされる事無く活動している。その理由は何でしょう?」
「ウィルスを制する方法を…知っている?」
「正解です。聡い子は好きですよ。さてそこで1つ相談です。トーマ君、僕らと一緒に行きませんか?仲間が増えるのは心強い事ですし、僕らも君の目的達成に多少なりとも協力できます。人殺しや犯罪には抵抗があるかもしれませんが…まぁ直ぐに慣れます。僕もそうでした。君が選べる道はいくつかあります。どれを選べと強制はしません。ですが君がもしエクリプスの運命を受け容れて、僕らと共に来るのなら…僕らは同じ運命の共同体として、君を歓迎します。まぁ、あまり一度に伝えすぎても混乱はするばかりでしょう。少し時間をあげますから考えてみてください。当面君や君のお友達に危害を加える気はありませんが、逃げようとしたり、故意に暴れ出したりするようならば…色んな意味で容赦はできませんからね」
「逃げたところで殺戮衝動と自己対滅との戦いだがな。お前が感染者である以上、お前はもう世界を汚す毒物だ。誰であろうとお前を救ってはくれん。例え神であろうともな」
「お友達には後で会わせてあげますよ。食事もその時に持ってきてあげます。あぁそれから、基本的に逃げ出すのは諦めた方が良いですよ。特に君一人ならともかくお友達を連れてというのは絶望的です。僕らの本拠地。飛空艇『フッケバイン』から飛び降りるのはわりと自殺行為ですからね」
フォルティスSide
話を終え、彼の部屋から出ると
「あの少年、大人しく恭順すると思うか?」
「どうでしょうね?まぁ…いずれにしろ…」
『現在本機に向かって大型航空戦力が接近中』
突然の警報。航空戦力…
『対象はLS級管理局艦船。識別名称ヴォルフラム』
はやてSide
司令室で指示を出していた
「フッケバインの移動拠点!飛空艇フッケバイン!あれもエクリプスウェポンの一種や!ありえへんレベルの機動力と双転移能力、艦載魔導武装の一切合切が通られてへん馬鹿げた装甲。フッケバインが無敵を気取っていられた理由のひとつや!そやけどいつまでも勝手はさせへん!操舵長!ここを逃したら次はもうないと思ってな」
『了解!逃がしません!』
「射程に入り次第、機関部に向けて主砲を発射!主砲二人ええか?」
主砲二人…それは艦の上にいるなのはちゃんとヴィータの二人。頼むで
ロキSide
「どうやら戦闘が始まるみたいだね。激化した時に…頼むよ。ニンフ、アレス」
「「了解」」
「さて、あの三人は…来てくれるかな?」
感想待っています