結徒Side
ある日のこと、僕たちは田中さんの家に集まっていたが、メロロンは凄く不満そうにしていた
「どうしてうちに集まるメロ」
「正確には私の家ですが、それはともかく、皆さんにお願いがありまして。ファンの方に抽選で、プレゼントするとのことでこちらのポスターにサインをいただきたいのです」
そう言って田中さんはポスターをうた達に渡してきた。
「サイン?」
「プリティホリックのアイドルプリキュアVSズキューンキッス、あなたはどっち派?のキャンペーンで当たるやつですよね!キュアアイドルとキュアウインクのサインなんて、貴重過ぎです……サイン書くところ見たいです!」
「待って待って! 私、サインなんてないよ…」
「え?」
「私も…」
「サインって何プリ?」
「サインは…こういうのです!」
こころはポスターにキュンキュンのサインを書き始めた
「キラッキランラン~♪」
「いつか必要になると思って作ってみました」
「こころって、しっかりアイドルとしての心得を持ってるよな…」
「えへへ、結徒先輩、ありがとうございます」
嬉しそうにするこころの頭を僕は撫でるのであった
「はいはーい! 私もサイン作る!」
「ねえたまのサイン、欲しいメロ!」
「でも、サインって、どうやって作ればいいんだろう?」
「私は他のアイドルとかのサインを参考にしました。たとえば、レジェンドアイドル・響カイト」
「え? カイトさん?」
「その歌声は世界中から注目され、赤ちゃんからお年寄りまで、みんなに愛される、正に生きるレジェンド…今は活動休止中ですが、どんなサインかは調べれば…え? 響カイトが!?」
こころがとあるニュースを見て驚いていた。
「なになに?」
「どうしたの?」
「響カイトが、活動再開です!」
「いきなりすぎだな」
「確かに…」
僕らは詳しくニュースを確認してみることに…
「響カイト、海外留学を終え、今後は国内とニューヨークを拠点に活動するだって」
「ほう…」
「さすが響カイト、ネットもこの話題でいっぱいです!」
「カイトはかっこいいプリ!」
「ねえたま、知ってるメロ?」
「前にうたをプリプリ助けてくれたプリ」
「グリッターに来たことあるの!」
「時々来てるプリ」
「えぇ!?」
そういえばこころと悠真は知らなかったっけ?
「しー! フライ弁当だから内緒だよ!」
「フライ?」
「プライベート、かな?」
「そうそう! プライベート!」
「もちろんですよ! そんなことが世間に知られたら…」
僕らは喫茶グリッターへと行くとグリッターの前は物凄い行列が出来ていた
「どえ~!何?この行列」
「わたしたち、サイン作ってる場合じゃ…」
「そうですね。私は店内を」
「お姉ちゃんも手伝って~」
「お兄ちゃんも…」
はもりちゃんと結麻の2人がそう声をかけてきたけど、結麻は巻き込まれたのか?
すると並んでいた女性のお客さんが僕らの方を向き、
「お店の人」
「カイトくんどの席に座ってました?」
「お気に入りのハーブティーって?」
「わたしたち、カイ友なんです!」
「響カイトファンのことをカイ友って呼ぶんです」
「今日はもう来ました?」
「カイトくんが言ってたんですよ。配信で」
「活動休止中は、1人で喫茶店とか行ってたよ。桜並木のある川沿いのお店で、犬がいてね」
「確かに桜並木のある川ぞいのお店で、きゅーちゃん、いますけど…」
「でも、はもり、カイト君、お店で見た事ないよ?」
「「「え?」」」
そういえばあの時って丁度僕らしかいなかったんだっけ?
「お父さんもお母さんも見てないって」
「「「なんだ…」」」
と言うか変にお店に迷惑をかけるから変装とかしてなかったっけ?
「うたちゃん。すごい行列だね」
噂をしたら何とやらで、帽子とメガネをかけたカイトさんが声をかけてきた。うたは慌ててカイトさんを連れてその場から離れた
「とりあえず僕らも手伝うか」
「そうだな」
僕らは店の手伝いをし、ようやく客足が落ち着いたのは夕方だった
「ようやく落ち着いたね」
「田中さん、真っ白になってます…」
「それだけ忙しかったから…結麻も手伝いありがとう」
「うん!」
嬉しそうにする結麻の頭を撫でていると田中さんの携帯に電話がかかってきた。
電話の内容はプリティホリックのこはるさんからで、キュアアイドルにテレビ出演の依頼だった
そしてテレビ収録の日、田中さんに頼まれて、僕は付き添いとして一緒にテレビ局に来ていた
「代表…責任重大…」
今回はアイドルだけだったから、アイドルプリキュアの代表として呼ばれ、アイドルはかなり緊張していたが、
「大丈夫プリ! プリルンも一緒プリ!」
「ねえたまだけじゃないメロ」
「心強いよ!」
「メロロンは、ねえたまについて来ただけメロ!」
付いてきていたプリルン達のお陰かアイドルの緊張が解けたみたいだな。
それから収録が始まり、アイドルは無事収録を終えた。
それから田中さんはこはるさんと話があるという事で、僕とアイドルとプリルン達は一緒に控え室に戻ろうとしていた
「お疲れ様」
「ありがとう。結徒くんも今日付き添ってくれてありがとうね」
「まぁ頼まれたから…」
「何かこころに申し訳ないような…」
「普通にこころに応援されたけど…」
そんな話をしているとアイドルは誰かとぶつかり、尻餅をついた
「ごめんね。大丈夫?」
「すみません…って、カイトさん!」
ぶつかった相手はカイトさんだった。僕は直ぐさまメガネをかけて変装する
「何で変装するメロ?」
「念のためだよ…」
とりあえずカイトさんに起き上がらせてもらうアイドルだったが、カイトさんはあることを聞いてきた
「ねえ、キミ、何者なの?」
「え?」
「突如現れた謎のアイドル。ネットにアップされた動画は、歌い踊る姿だけで、その正体は誰も知らない。キミ、戦ってたよね?あれからずっと気になってた…キュアアイドル、キミの事…」
「あれは! あれは…撮影! 撮影! ドラマの!」
「ふーん…」
「疑ってる!」
と言うかそれで誤魔化せるようなものじゃなくないか?
「あれ? カイト君、久しぶり!」
「あ、丸さん! お疲れ様です!」
タイミング良いのか局関係者がカイトさんに声をかけてきた。アイドルと僕は安堵していた
「えっと…」
「デビューの頃からお世話になってる、丸山プロデューサーだよ」
「はじめまして! キュアアイドルです!」
「どうも、はじめまして。キュアアイドルさん」
「実は、うちのスタッフがファンでね。申し訳ないけど、サインを書いていただけませんか?」
「お願いします!」
「もちろんです!は…サイン? サインは、まだなくて…」
「アイドルなのに?」
こういう時、デビューしたてだからまだないと言えば誤魔化せるな。僕はそう思い、それを伝えようとするが…
「うわー、あります! サインします!」
その前にアイドルが普通に引き受けてしまった。アイドルは必死に考え、何とかサインを書き終えた
「できた!」
「わあ…ありがとうございます!」
サインを渡し、何とか乗り切ったみたいだけど…
「まだ疑ってます?」
「いや。アイドルとしては、まだまだだなって。サインを書く時、黙って下ばかり見てたでしょ? 目の前にファンがいるのに、ただサインを書いていた。ファンはキミの事が好きだから、それでも喜んでくれると思うけど、考えた方がいいかもね。それでも、アイドルって言えるのか」
カイトさんはそう言って、その場から去っていった
「私……」
「厳しいようだけど、アドバイスしている辺りプロだな」
「そうなの?」
「僕にはそう思えたけど?」
「そう…なんだよね」
厳しいことを言われて、少し落ち込むアイドルだった
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