結徒Side
車に揺られながら着いた場所はうたの祖父の家。うたから少し前に遊びに行かないかと誘われ、いつものメンバーで行くことになったのだが、人数が人数のため、僕、悠真、そして修行から帰ってきた結麻は母の運転する車でうたの祖父の家に着ていた
「みんな、よく来たね。おお、きゅーたろう! よしよし!」
「父さん、ただいま!」
「おじいちゃん、久しぶり!」
「お祖父ちゃん!」
「おお! うた! はもり! 1年でまた大きくなったな!」
「うん! はもり、また大きくなったよ!」
「うたも、はもりも、毎年こちらに来るのをすごく楽しみにしていて!」
「そうかそうか。皆さんの事も聞いてるよ。どうぞ、くつろいで下さい」
「突然お邪魔してすみません。お世話になります」
『よろしくお願いします!』
みんなで挨拶するけど、それにしてもまさか田中さんが免許持ってるとは……
「実はね、きゅーちゃんは元々お祖父ちゃん家の子だったの!」
「へー!」
「そうだったんだ!」
「きゅーちゃん、おしゃべりしてるみたいです!」
「おしゃべりきゅーちゃん、何て言ったのかな?」
「ワフ! ワンワン!」
「ワンワン、ですね」
田中さん、その通りなんだけど…うん…
それにしても…
「悠真君、ぐったりしてるけど大丈夫?」
なながぐったりしている悠真を心配そうに声をかけていた。
「お兄ちゃんって車酔いするんだっけ?」
「いや…平気な方だけど…ヤバかった…」
「「「ヤバイ?」」」
うた達三人が僕の方を見た。あーうん、言わないとダメかな?
「母さんは運転が下手というわけではないんだけど…」
「お母さん、帰りもあの運転やって!」
「ふふ、勝負を挑まれたらね」
母さんが微笑みながら言う中、うた達はお互い顔を見合わせ…
「何してたの?」
「母さんは昔、名の知れた走り屋で……ここに来るときに挑まれて…」
「物凄いドリフトをしたとか?」
「ドリフトくらいなら…まだ…思い出しただけで…うっ!」
「「「一体何が!?」」」
うん、知らない方が良いよ。車が跳ぶなんて事は…それにしてもあれだけの事をしたのに車は傷なしなのも……不思議なこともあるんだな…
悠真は縁側で休み。僕らは仏壇の前で手を合わせていた
「お祖母ちゃん、ただいま! キラッキランラン~♪」
手を合わせたあと、縁側でうたから一枚の写真を見せられた
「これって、うたちゃんとお祖母さん?」
「うん! 大好きなお祖母ちゃんだよ!」
「うた先輩、お祖母ちゃん子だったんですね」
「ずっと好き! 大好き!」
「この子犬は、きゅーちゃん?」
「うん!」
「どっちも可愛くて、心キュンキュンしてます!」
「元々きゅーたろうは、お祖母ちゃんがもらってきた犬でね」
「ビックリしたよ! 遊びに来たら、可愛いワンちゃんがいたんだもん!」
「6年前お祖母ちゃんが亡くなったのをきっかけに、うたの家の子になったんだ」
「きゅーちゃんに、そんな歴史があったんですね」
犬にも歴史があるもんだな…
「ねえ、早く遊びに行こうよ!」
「だね! キラッキランランが待ってるぞ!」
「結麻ちゃんも!」
「うん!」
結麻とはもりちゃんは仲良く手を繋ぐ。本当に楽しそうだな。
「悠真はいける?」
「少し回復したから…」
悠真も回復したので、みんなで遊びに行くのであった。
みんなで小川で遊んだり、取れたてのトマトを食べたり、水掛をして遊んだりと沢山遊び終え、僕らは居間で少し休憩しているときゅーちゃんが何か咥えてきた。
「あれ? きゅーちゃんは何をもぐもぐしてるんですか?」
「お祖母ちゃんのスリッパ!」
「スリッパ?」
「うん! きゅーちゃんの小さい頃からのお気に入りなの! まだあったんだ!」
犬ってお気に入りのものは忘れないものなんだな
「うた、ちょっといいかい?」
「お祖父ちゃん! どうしたの?」
「お祖母ちゃんの持ち物で、何か欲しいものはあるか?」
「え?」
「わしも、もう歳だ…元気なうちに、お祖母ちゃんの部屋を片付けようと思ってな…」
「そんな事言っちゃ、ヤダ…」
うたはそう言い残して、居間から出ていった。きゅーちゃんはそんなうたを追いかけていく
結麻Side
うたお姉ちゃんの事が気になり、探してみるとある部屋に膝を抱えていた。声をかけようとするとその前にきゅーちゃんがうたお姉ちゃんの頬を舐めていた
「ちょっと寂しくなっちゃったの…きゅーちゃんにはバレちゃったね…お祖母ちゃんの部屋にいると、色々思い出しちゃうよね…」
「何かあったの?」
「結麻ちゃん…あはは、ごめんね…」
「うたお姉ちゃん、色々と教えて」
「うん…小さい頃、友達と喧嘩したんだけど…お祖母ちゃんが…ちゃんと、ごめんなさいすれば、心は通じるものよって言ってくれて…そんなショボッボボンボンな顔…あれ? 確か、その後、何かあったんだけど、忘れちゃった…この部屋を片付けたら、他の事も、もっと、忘れちゃうのかな…」
うたお姉ちゃん……
するときゅーちゃんが何か思い出したかのように一枚の写真を咥えて、居間に戻る。私も追いかけていく
「この写真に何か?」
「それは、裏山の三本杉だが…あ! そういえば、お祖母ちゃんが昔、この辺りに宝物を埋めたと言っていた。それは、どんな悲しみも吹き飛ばせるほど素晴らしいものだと話していたが」
「悲しみを吹き飛ばす…」
「それを見つけられれば!」
「うん! 私達で行ってきます!」
「きゅーちゃん! ここ掘れワンワン、お願いします!」
「ワンワン!」
「プリルンも頑張るプリ!」
「面倒な事はお断りメロ」
「それじゃ、我々は、あれを準備しようか」
「うん!」
「なになに?」
「田中さんも手伝ってくれますか?」
「ええ。でも、一体何を?」
あるバーにてチョッキリーヌが一人でダーツをしていた
「おお! 見たかい? アタシの腕前! あ…誰もいないんだったね…ハハハ! 1人ってのも、いいものさ! 使えないヤツらにイライラする事もない。自由気ままだ!はあ…今日は少し遠くに行ってみるか…」
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