インフィニット•ストラトス D×D世界から帰還する自由の翼 作:どこかの超電磁砲
痛みが走る身体を引きずり翔真は一夏が居る部屋へ入る。そこには上半身や頭に包帯を巻いた一夏が窓の景色を見ていた。一夏は翔真の方へ振り向くが表情は暗かった。
「互いにボロボロだな」
「……ああ」
「何かあったのか?」
「ゼロと戦った……そしたら……俺」
身体を震わせながら一夏は自分が造られた存在だと翔真に明かした。翔真は椅子に腰を下ろして一夏の話を聞く。
「昔から疑問に思ってた。なんで千冬姉しか身内が居ないのか。そしたら造られた存在?……人間なのかも分からない……どうすりゃいいんだよ…俺は」
「……」
「箒も連れて行かれて……今でもすぐに救いに行きたい。でも…だけど!」
一夏はぶつけようのない怒りが籠った拳を壁にねじ込む。
「……今は混乱するかもしれない。俺もこんな状態だ。だから今は安静に『なんで冷静なんだよっ!?』…」
「何とも思わないのかよ!?俺は…!俺は…!」
膝から崩れ落ちる一夏は涙を流す。自分の出生の秘密を知り自分が何なのかすら分からない。そんな一夏に翔真は手を取る。
「前に話したと思うが俺は悪魔だぞ?今更そんな事で驚くかよ。お前が何であろうが友達に変わりはない」
「翔真…」
「お前は織斑一夏だろ。それ以下でもそれ以上でもない。お前という存在は一人だけだ。確かにお前の力は与えられたのかもしれない。例えそうだとしても自分に抗え」
「抗う……」
「過去なんて関係ない。お前はお前らしく居ればいい。過去を乗り越えろ…一夏」
「……」
混乱する一夏を宥めて翔真は部屋を出る。すると扉の前にセシリアが立っていた。
「あの……盗み聞きするつもりはなかったのですが…」
「全部聞いたのか?」
「……はい」
「セシリア、一夏を頼む。今のアイツ……ボロボロだ」
「私に……出来るでしょうか?一夏さんを……」
「出来るさ。頼んだぜ」
翔真が去り、セシリアはゆっくりと部屋へ入る。
「セシリア……」
「一夏さん……」
セシリアは憔悴している一夏を抱き締める。
「大丈夫ですわ。一夏さんは一夏さんですわ。私達はそんな貴方を否定しませんわ。それでもお辛いなら泣いても構いませんわ。私はここに居ますから」
「っ!…セシリアァ……セシリアァァァァ……!」
今まで我慢が崩れ号泣する一夏。セシリアは赤子をあやす母親のように彼の頭を撫で続ける。その様子を翔真はこっそり覗いていた。
「……立ち直るのに時間は掛かるか」
「覗きはいけないよ?」
「束さん……」
「まーた無茶したんでしょ?……でも」
やって来たのはこの世界の束だ。束は翔真を抱き寄せる。
「良かったよ……無事で。束さんを置いて死ぬのは許さないからね?」
「……すいません」
「まあいいや。君に渡す物がある……来て」
翔真は束に連れられ整備室へやって来た。そして奥には複数のケーブルに繋がれ、改修を施されたあの機体が待っていた。
「フリーダムっ!」
「完成したよ。ストライクフリーダム弐式がね」
束によりアップデートされたストライクフリーダム弐式が翔真の前に姿を現す。